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22話
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傷は浅く、そのために土星の動きを止めるには至らない。そのように見えた。だが、傷が浅くとも、傷口から電流が流し込まれればどうだろうか。
土星はその場に倒れ込んだ。
月はただ切りつけたのではない。元々月が持つ力は雷だ。その雷を電気伝導性の高い刃に流し込んでいただけに過ぎない。威力と比べて仕組みは単純だ。
「気を失っているだけです」
地球達の元へ来た月が言った。少し間違えれば人をたやすく殺すことができる力だが、威力を気絶する程度にとどめておいたようだ。
「目を覚ましてもしばらくはまともに動けないでしょうけど」
月がそうつぶやいたのは聞こえなかったことにしよう。つくづく思うことだが、雷は本当に恐ろしい。
なぜ月が刀を使うのかが気になるほど。
ガラン、と音がした。その方を見ると、赤黒いツタが意識のない土星にからみついていた。
地球は、ツタを操ろうとしたが、できない。ふと、月が、あのツタは闇の属性に従う物だと言っていたのを思い出す。
「燃やしましょうよ」
手に火をともして火星が言ったが、「土星ごと焼いてしまいますよ」と月が言うと、慌てて火を消した。
火星の言ったことを否定した月は、ツタに斬りかかったが、土星に絡みつくツタは1本や2本ではなく、切った先から伸び、また土星に絡みつく。
自分の足元まで伸びたツタを避け、月が飛び退くと、ツタに全身を覆われた土星がフッと消えた。
正確には、ツタが消えた。そして、ツタにからみつかれていた土星は、いなくなっていた。
土星はその場に倒れ込んだ。
月はただ切りつけたのではない。元々月が持つ力は雷だ。その雷を電気伝導性の高い刃に流し込んでいただけに過ぎない。威力と比べて仕組みは単純だ。
「気を失っているだけです」
地球達の元へ来た月が言った。少し間違えれば人をたやすく殺すことができる力だが、威力を気絶する程度にとどめておいたようだ。
「目を覚ましてもしばらくはまともに動けないでしょうけど」
月がそうつぶやいたのは聞こえなかったことにしよう。つくづく思うことだが、雷は本当に恐ろしい。
なぜ月が刀を使うのかが気になるほど。
ガラン、と音がした。その方を見ると、赤黒いツタが意識のない土星にからみついていた。
地球は、ツタを操ろうとしたが、できない。ふと、月が、あのツタは闇の属性に従う物だと言っていたのを思い出す。
「燃やしましょうよ」
手に火をともして火星が言ったが、「土星ごと焼いてしまいますよ」と月が言うと、慌てて火を消した。
火星の言ったことを否定した月は、ツタに斬りかかったが、土星に絡みつくツタは1本や2本ではなく、切った先から伸び、また土星に絡みつく。
自分の足元まで伸びたツタを避け、月が飛び退くと、ツタに全身を覆われた土星がフッと消えた。
正確には、ツタが消えた。そして、ツタにからみつかれていた土星は、いなくなっていた。
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