23 / 39
23話
しおりを挟む
地球達はしばらく呆然と土星のいたところを眺めていた。
一番先に動いたのは月で、土星のいた地面を見ていた。観察するように見ているので、気になった水星が月の見ている物を上からのぞき込んだ。
「転移のための術式だね。さっきのツタで刻んだみたい」
月と向かい合う位置にしゃがんだ水星が、地面の残っている文字のような物をなぞりながら言った。
「解読できますか?」
月が水星に聞いた。この術式が解読できれば、土星が連れて行かれた場所へ、自分達が転移できる。月も解読は出来るのだが、これは1人で解読するより、2人でした方が早い。
「たぶん。時間かかるけど」
術式を小声で読み上げながら水星が言った。
解読をしている2人を、少し離れたところで見守っていた月の耳に、地鳴りのような物が聞こてきた。
金星と火星の2人にも聞こえたようだ。音の発生源を探そうと火星がキョロキョロしている。月と水星の2人は解読に集中していて、聞こえていないようだ。
「おい!解読はまだか?ちんたらしてる時間はねえぞ」
解読している2人に向かって金星が怒鳴ると、水星が、「うるさい!」と怒鳴り返した。
金星の怒鳴り声は2人の集中をきらしたが、それは帰って良かったのかもしれない。おかげで月と水星の2人も地鳴りの音に気付いた。
パラパラと、地球の肩に小石と砂埃が降ってきた。
上を見ると、一見丈夫そうに見えた天井にヒビが入っている。
他の4人もすぐ天井のヒビに気付いた。
崩れそうな広場から逃げるため、複数あった横道の中から1番近かった通路に入った。
道に入ってすぐ、轟音を立てて広場へと続く通路の入り口が崩れた。
一番先に動いたのは月で、土星のいた地面を見ていた。観察するように見ているので、気になった水星が月の見ている物を上からのぞき込んだ。
「転移のための術式だね。さっきのツタで刻んだみたい」
月と向かい合う位置にしゃがんだ水星が、地面の残っている文字のような物をなぞりながら言った。
「解読できますか?」
月が水星に聞いた。この術式が解読できれば、土星が連れて行かれた場所へ、自分達が転移できる。月も解読は出来るのだが、これは1人で解読するより、2人でした方が早い。
「たぶん。時間かかるけど」
術式を小声で読み上げながら水星が言った。
解読をしている2人を、少し離れたところで見守っていた月の耳に、地鳴りのような物が聞こてきた。
金星と火星の2人にも聞こえたようだ。音の発生源を探そうと火星がキョロキョロしている。月と水星の2人は解読に集中していて、聞こえていないようだ。
「おい!解読はまだか?ちんたらしてる時間はねえぞ」
解読している2人に向かって金星が怒鳴ると、水星が、「うるさい!」と怒鳴り返した。
金星の怒鳴り声は2人の集中をきらしたが、それは帰って良かったのかもしれない。おかげで月と水星の2人も地鳴りの音に気付いた。
パラパラと、地球の肩に小石と砂埃が降ってきた。
上を見ると、一見丈夫そうに見えた天井にヒビが入っている。
他の4人もすぐ天井のヒビに気付いた。
崩れそうな広場から逃げるため、複数あった横道の中から1番近かった通路に入った。
道に入ってすぐ、轟音を立てて広場へと続く通路の入り口が崩れた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる