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第19章 王様のガーデンパーティ
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ポーン、ポンポン!
ポン、ポ、ポ、ポポン!
キルステン姫はベッドから飛び起きると、ネグリジェのまま、お城で一番高い塔へ急ぎました。長い裾をたくし上げ、階段を駆け上がる間にも、またあの音がします。
スリッパを脱ぎ捨て、最後の三段を一歩で登ってしまうと、王女は窓へ駆け寄りました。
ソール・ヌール・ヴァスト・アウストの真っ青な空に、コットンキャンディそっくりなスモークボールが上がっています。緩く波打った髪を搔き上げると、キルステンは引っ掴んだ真鍮の望遠鏡で城下を見下ろしました。
ウィデ市とアウディ市の戦争を見事終わらせたエレン、リン、フラッフィの三人は、両市を擁するソール・ヌール・ヴァスト・アウストの王様のガーデンパーティに招待されました(ディケーレとターセももちろん招待されましたが、二人は久しぶりの親子水入らずの時間を過ごしたいから、と丁重にお断りしました)。しかしいざ王都に入ると、三人を一目見たいという人々が大通りを埋め尽くし、まったく先へすすめなくなってしまいました。そこで王様は急遽、三人のパレードをすることを決めました。それはせっかく三人を見に来たのにまったく見えなくては国民が可哀想だと思った、王様の粋な計らいでした。
沿道に押し掛ける人々に圧倒されながら、三人は屋根のない馬車から手を振りました。いままで経験したことのない注目や声援を浴びて、エレンは晴れがましくも気恥ずかしい思いがしました。しかしリンとフラッフィはまんざらでもないようで、フラッフィにいたっては観客を盛り上げようと、「真っ白ふんわりおひさまのにおい」と書かれたプラカードを持っている人に投げキッスをしたり、ライブでよく見るようなパフォーマンスのサービスまでしていました。地元のCMに出演していただけあって、こっちは相手をまったく知らないのに、向こうが自分をよく知っているということに慣れているのでしょうか。フラッフィに感心はしましたが、自分にはできない芸当だとエレンはつくづく思いました。そこでエレンは、ちゃっかりただ乗りしていたレネと、一方的な会話をしてやり過ごすことにしました。
ユニコーンの馬車が、人で埋め尽くされた大通りを抜けて、白亜の城へ続く道に入ると、三人はほどなく城の入口に連れて行かれました。馬車寄せで待っていた侍従は恭しくドアを開けてくれましたが、三人の絵の具だらけの服を見て、フリルつきシャツの奥の顔が引きつったのをフラッフィは見逃しませんでした。同じことは猫にも分かったらしく、自由を愛する猫は、そのドアはくぐらず、敷地内のどこかへ行ってしまいました。このときエレンはふと、パレードの沿道にアルフォンスとガストンの姿があったことを思い出しましたが、そのほかの聴衆と同様に、二人組が宮殿前で門算払いをくらっていたことも記憶していたので、妹を好きにさせることにしました。
付き添い役のソルベルグ首相がここで待っていてください、と言って客間を出ていってしまうと、三人はやっと生きた心地がしました。
「なんて息の詰まるところなんだ!」
猫足のついた長椅子にフラッフィが倒れ込むと、リンも足を投げ出して前髪を吹き上げました。
「うちとは大違い! ここは色々決まり事が多そうだし、みんなつんとして嫌な感じ。内装もごてごてしていてしつこいしね」
一国の王子であるリンがこう言ったので、エレンはびっくりしました。たしかにここは全体的に装飾華美で、素朴なヴァイキングのお城とはだいぶ違います。しかしそうはいっても、上流階級で育ったリンがなんとかしてくれるだろうと当てにしていたのです。それなのにリンが音を上げるなんて。三人はまだお城に入っただけです。エレンがこのあとどうしたらいいか考えていると、すましたノックがしたので、三人は慌てて姿勢を正しました。
パーティ会場である庭園に出たとき、エレンはべそをかいていました。というのも、あのあと三人は体よくそれぞれ別の部屋に連れて行かれたのですが、そこでの仕打ちがひどかったのです。
召使たちは王様に会うのにその格好ではまずいからといって、まずエレンをお風呂に入れました。入浴まで強要されるなんて、王様に会うというのは随分面倒くさいんだなとエレンは思いました。しかしエレンが浸かるとお湯がすぐ濁ったので、慌てて体を洗いました。それまで自覚がありませんでしたが、ずっと屋外を移動していたので、絵の具はもちろん、知らない間に塵や埃も沢山ついていたのです。
自分では納得がいくだけやったのに、召使たちがさらにごしごし洗うのはかなり苦痛でしたが、それでもなんとかやり過ごして、やっと解放されると思った瞬間、エレンは思わず腰を抜かしました。用意されていた服が、くるみ割り人形のような、後ろの裾が長い赤い上衣と黒いかぼちゃパンツ、それにその下から覗かせる白いタイツの組み合わせだったのです。エレンはどうしても白いタイツだけは履きたくない、ジーンズを返してくれと泣き叫びました。しかし召使たちは慣れた手つきでエレンを着替えさせると、せっかく着させた服が脱ぎ捨てられないうちに、エレンを庭へつまみ出しました。
エレンが人目を避けるように、ゴルフ場ほどある広い庭の端っこへ歩いていくと、すでにこの国式に仕上げられたフラッフィが召使に向かって悪態をついているところでした。
「何が最先端だ! こんなフリフリ、冗談じゃないっ!」
お尻がすっぽり隠れるくらい長い上衣と、裾にフリルのついたズボンを着せられたフラッフィは、レースを何枚もあしらった襞襟を地面に投げつけようとして、ようやくエレンに気がつきました。
「エレン、君もかい」
フラッフィはこちらに来ようとしましたが、慣れないハイヒールに足がもつれて派手に転びました。するとそれまで絶妙なバランスで頭に載っていた白いかつらはつるんと空へ舞い上がり、あっという間に侍従が運んでいたデコレーションケーキのてっぺんに舞い降りました。なので、いかにもお高くとまっていた侍従は素っ頓狂な声を上げ、みんなから白い目で見られました。やがてすごすご帰っていく侍従を見て、二人は腹を抱えて笑いました。
エレンは改めて、頭の先からつま先までフラッフィを見ました。オレンジ色で統一されたコーディネートが、ミルクティ色のフラッフィに映えているといえなくもありません。
「それにしてもひどい格好さ。この調子だとリンもかなりイカした格好なんだろうね」
「女たらしのリンのことだ。これがモテるんですよ、なんておだてられたらきっとなんだってやるぜ」
フラッフィは信じられないという風に舌を出しました。
しかし二人の予想に反して、リンの格好はそこまでへんてこではありませんでした。エレンと同じような後ろが長い水色の上衣ではありましたが、タイツを出す短いズボンではなく、逆に黒いブーツにズボンを入れ込んでいて、むしろ気品すら醸し出しています。これなら運命の相手が含まれているかは分かりませんが、とにかく沢山の女の子を集めることはできそうです。
「なんかずるい」
批判するところが大して見当たらないので、フラッフィは仕方なくひがみを言いました。リンの方は珍しく謙虚に、自分ではすごく違和感があると言いましたが。
エレンとフラッフィの嫌な予感は当たって、リンは終始女の子たちに囲まれていました。しかし滅多にないチャンスだというのに、リンは心ここにあらずといった感じで、会話もあまり弾んでいません。身体の具合でも悪いんじゃないかとフラッフィとエレンが話していると、ひと際華美な侍従が三人に声を掛けました。
大きな噴水二つと小さな橋を一つ越え、隅々まで油断なく刈り込まれた緑のトンネルを抜けると、センスのいい花やリボンで飾り付けられた白い日よけテントが目に入りました。顔こそ見えませんが、人々にかしずかれている、足を組んだ男の人がきっと王様です。エレンはもともと堅苦しい上衣の中で、背筋をぴんと伸ばしました。
思ったより気さく。それが、エレンが抱いた王様の第一印象でした。というのも、王様は一同が到着したことに気づくや否や、自ら出迎えにきたのです。
「いやぁ、ずっと会いたいと思っていたのだ。遠いところ、よく来てくれたね」
忠誠心の強い犬みたいに人懐っこい王様は、両手を広げて一同に歓迎の意を示すと、一同が口を開く前に侍従たちにおもてなしを言いつけました。なのでエレンたちはせっかく練習した堅苦しい挨拶を披露できませんでした。
王様は出会ってからこの方、ずっと喋り続けていました。話題は賓客である三人についてで、ところどころ疑問符がついた発言もあるのですが、誰かがそれに答えようとすると決まって「いやわしは知っているぞ。そなたたちに関する記事はすべて読んだのでな」と知っていることを話すので、三人が実際に言ったのは、そうです、はい、よくご存知で、の三つだけでした。しかしついに話す番がまわってくると、エレンはずっと聞きたかったことを尋ねました。
「この国には食べてしまったものを吐き出させる薬はありますでしょうか、陛下」
王様は口ひげを指でなぞると、毒消しではいけないのかねと聞きました。
「食べたもの自体が毒でなくても、食べたらよくないものがありますでしょう・・・石とか」
ドラゴンのたまごをなんと説明しようか考えていて、エレンはあやうく陛下を忘れそうになりました。
「それなら王室の温室を尋ねるといい。わしには分からんが、きっとそのようなものもあるはずだ。してその飲み込んでしまった本人というのはどこにいるのかね」
そこでエレンは「石」を飲み込んでしまったのが猫で、さっきまで宮殿内にいたが、いまは行方不明であることを伝えました。
「彼女のことは我が家来たちに探させよう。なに、すぐに見つかるさ。しかしそれまでの間に教授を訪ねるといい。ちょうど今日の花を持ってきた馬車が帰るところだから」
王様は、ボールを拾ってきた犬みたいに、褒められたそうに目を輝かせました。
ポン、ポ、ポ、ポポン!
キルステン姫はベッドから飛び起きると、ネグリジェのまま、お城で一番高い塔へ急ぎました。長い裾をたくし上げ、階段を駆け上がる間にも、またあの音がします。
スリッパを脱ぎ捨て、最後の三段を一歩で登ってしまうと、王女は窓へ駆け寄りました。
ソール・ヌール・ヴァスト・アウストの真っ青な空に、コットンキャンディそっくりなスモークボールが上がっています。緩く波打った髪を搔き上げると、キルステンは引っ掴んだ真鍮の望遠鏡で城下を見下ろしました。
ウィデ市とアウディ市の戦争を見事終わらせたエレン、リン、フラッフィの三人は、両市を擁するソール・ヌール・ヴァスト・アウストの王様のガーデンパーティに招待されました(ディケーレとターセももちろん招待されましたが、二人は久しぶりの親子水入らずの時間を過ごしたいから、と丁重にお断りしました)。しかしいざ王都に入ると、三人を一目見たいという人々が大通りを埋め尽くし、まったく先へすすめなくなってしまいました。そこで王様は急遽、三人のパレードをすることを決めました。それはせっかく三人を見に来たのにまったく見えなくては国民が可哀想だと思った、王様の粋な計らいでした。
沿道に押し掛ける人々に圧倒されながら、三人は屋根のない馬車から手を振りました。いままで経験したことのない注目や声援を浴びて、エレンは晴れがましくも気恥ずかしい思いがしました。しかしリンとフラッフィはまんざらでもないようで、フラッフィにいたっては観客を盛り上げようと、「真っ白ふんわりおひさまのにおい」と書かれたプラカードを持っている人に投げキッスをしたり、ライブでよく見るようなパフォーマンスのサービスまでしていました。地元のCMに出演していただけあって、こっちは相手をまったく知らないのに、向こうが自分をよく知っているということに慣れているのでしょうか。フラッフィに感心はしましたが、自分にはできない芸当だとエレンはつくづく思いました。そこでエレンは、ちゃっかりただ乗りしていたレネと、一方的な会話をしてやり過ごすことにしました。
ユニコーンの馬車が、人で埋め尽くされた大通りを抜けて、白亜の城へ続く道に入ると、三人はほどなく城の入口に連れて行かれました。馬車寄せで待っていた侍従は恭しくドアを開けてくれましたが、三人の絵の具だらけの服を見て、フリルつきシャツの奥の顔が引きつったのをフラッフィは見逃しませんでした。同じことは猫にも分かったらしく、自由を愛する猫は、そのドアはくぐらず、敷地内のどこかへ行ってしまいました。このときエレンはふと、パレードの沿道にアルフォンスとガストンの姿があったことを思い出しましたが、そのほかの聴衆と同様に、二人組が宮殿前で門算払いをくらっていたことも記憶していたので、妹を好きにさせることにしました。
付き添い役のソルベルグ首相がここで待っていてください、と言って客間を出ていってしまうと、三人はやっと生きた心地がしました。
「なんて息の詰まるところなんだ!」
猫足のついた長椅子にフラッフィが倒れ込むと、リンも足を投げ出して前髪を吹き上げました。
「うちとは大違い! ここは色々決まり事が多そうだし、みんなつんとして嫌な感じ。内装もごてごてしていてしつこいしね」
一国の王子であるリンがこう言ったので、エレンはびっくりしました。たしかにここは全体的に装飾華美で、素朴なヴァイキングのお城とはだいぶ違います。しかしそうはいっても、上流階級で育ったリンがなんとかしてくれるだろうと当てにしていたのです。それなのにリンが音を上げるなんて。三人はまだお城に入っただけです。エレンがこのあとどうしたらいいか考えていると、すましたノックがしたので、三人は慌てて姿勢を正しました。
パーティ会場である庭園に出たとき、エレンはべそをかいていました。というのも、あのあと三人は体よくそれぞれ別の部屋に連れて行かれたのですが、そこでの仕打ちがひどかったのです。
召使たちは王様に会うのにその格好ではまずいからといって、まずエレンをお風呂に入れました。入浴まで強要されるなんて、王様に会うというのは随分面倒くさいんだなとエレンは思いました。しかしエレンが浸かるとお湯がすぐ濁ったので、慌てて体を洗いました。それまで自覚がありませんでしたが、ずっと屋外を移動していたので、絵の具はもちろん、知らない間に塵や埃も沢山ついていたのです。
自分では納得がいくだけやったのに、召使たちがさらにごしごし洗うのはかなり苦痛でしたが、それでもなんとかやり過ごして、やっと解放されると思った瞬間、エレンは思わず腰を抜かしました。用意されていた服が、くるみ割り人形のような、後ろの裾が長い赤い上衣と黒いかぼちゃパンツ、それにその下から覗かせる白いタイツの組み合わせだったのです。エレンはどうしても白いタイツだけは履きたくない、ジーンズを返してくれと泣き叫びました。しかし召使たちは慣れた手つきでエレンを着替えさせると、せっかく着させた服が脱ぎ捨てられないうちに、エレンを庭へつまみ出しました。
エレンが人目を避けるように、ゴルフ場ほどある広い庭の端っこへ歩いていくと、すでにこの国式に仕上げられたフラッフィが召使に向かって悪態をついているところでした。
「何が最先端だ! こんなフリフリ、冗談じゃないっ!」
お尻がすっぽり隠れるくらい長い上衣と、裾にフリルのついたズボンを着せられたフラッフィは、レースを何枚もあしらった襞襟を地面に投げつけようとして、ようやくエレンに気がつきました。
「エレン、君もかい」
フラッフィはこちらに来ようとしましたが、慣れないハイヒールに足がもつれて派手に転びました。するとそれまで絶妙なバランスで頭に載っていた白いかつらはつるんと空へ舞い上がり、あっという間に侍従が運んでいたデコレーションケーキのてっぺんに舞い降りました。なので、いかにもお高くとまっていた侍従は素っ頓狂な声を上げ、みんなから白い目で見られました。やがてすごすご帰っていく侍従を見て、二人は腹を抱えて笑いました。
エレンは改めて、頭の先からつま先までフラッフィを見ました。オレンジ色で統一されたコーディネートが、ミルクティ色のフラッフィに映えているといえなくもありません。
「それにしてもひどい格好さ。この調子だとリンもかなりイカした格好なんだろうね」
「女たらしのリンのことだ。これがモテるんですよ、なんておだてられたらきっとなんだってやるぜ」
フラッフィは信じられないという風に舌を出しました。
しかし二人の予想に反して、リンの格好はそこまでへんてこではありませんでした。エレンと同じような後ろが長い水色の上衣ではありましたが、タイツを出す短いズボンではなく、逆に黒いブーツにズボンを入れ込んでいて、むしろ気品すら醸し出しています。これなら運命の相手が含まれているかは分かりませんが、とにかく沢山の女の子を集めることはできそうです。
「なんかずるい」
批判するところが大して見当たらないので、フラッフィは仕方なくひがみを言いました。リンの方は珍しく謙虚に、自分ではすごく違和感があると言いましたが。
エレンとフラッフィの嫌な予感は当たって、リンは終始女の子たちに囲まれていました。しかし滅多にないチャンスだというのに、リンは心ここにあらずといった感じで、会話もあまり弾んでいません。身体の具合でも悪いんじゃないかとフラッフィとエレンが話していると、ひと際華美な侍従が三人に声を掛けました。
大きな噴水二つと小さな橋を一つ越え、隅々まで油断なく刈り込まれた緑のトンネルを抜けると、センスのいい花やリボンで飾り付けられた白い日よけテントが目に入りました。顔こそ見えませんが、人々にかしずかれている、足を組んだ男の人がきっと王様です。エレンはもともと堅苦しい上衣の中で、背筋をぴんと伸ばしました。
思ったより気さく。それが、エレンが抱いた王様の第一印象でした。というのも、王様は一同が到着したことに気づくや否や、自ら出迎えにきたのです。
「いやぁ、ずっと会いたいと思っていたのだ。遠いところ、よく来てくれたね」
忠誠心の強い犬みたいに人懐っこい王様は、両手を広げて一同に歓迎の意を示すと、一同が口を開く前に侍従たちにおもてなしを言いつけました。なのでエレンたちはせっかく練習した堅苦しい挨拶を披露できませんでした。
王様は出会ってからこの方、ずっと喋り続けていました。話題は賓客である三人についてで、ところどころ疑問符がついた発言もあるのですが、誰かがそれに答えようとすると決まって「いやわしは知っているぞ。そなたたちに関する記事はすべて読んだのでな」と知っていることを話すので、三人が実際に言ったのは、そうです、はい、よくご存知で、の三つだけでした。しかしついに話す番がまわってくると、エレンはずっと聞きたかったことを尋ねました。
「この国には食べてしまったものを吐き出させる薬はありますでしょうか、陛下」
王様は口ひげを指でなぞると、毒消しではいけないのかねと聞きました。
「食べたもの自体が毒でなくても、食べたらよくないものがありますでしょう・・・石とか」
ドラゴンのたまごをなんと説明しようか考えていて、エレンはあやうく陛下を忘れそうになりました。
「それなら王室の温室を尋ねるといい。わしには分からんが、きっとそのようなものもあるはずだ。してその飲み込んでしまった本人というのはどこにいるのかね」
そこでエレンは「石」を飲み込んでしまったのが猫で、さっきまで宮殿内にいたが、いまは行方不明であることを伝えました。
「彼女のことは我が家来たちに探させよう。なに、すぐに見つかるさ。しかしそれまでの間に教授を訪ねるといい。ちょうど今日の花を持ってきた馬車が帰るところだから」
王様は、ボールを拾ってきた犬みたいに、褒められたそうに目を輝かせました。
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