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2.火炎球
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「ほんと、火炎球飛ばしてきたの、誰やねん!⋯⋯え?」
大変!!
自分で言って、気づいちゃったんだけど、火炎球って自然発生しませんよね?
火炎球は、魔法ですよね?
魔法ということは、術者すなわち、魔法使いがいるってことですよね?
この距離で飛んできたってことは、近くにいるってことですよね~!?
なんて、一人で百面相していた時だった。
後ろの方から、バタバタと人の走る音が聞こえる。耳を澄まし、音を聞く。一人、いや二人くらいだろうか。
やばいよ。魔法使い、来ちゃったんじゃない?
ちょっと、誰か助けて?
「すみませーん! この近くに炎の球みたいなのが来なかっただろうか?」
「ごめんなさい、私の魔法が失敗しちゃって⋯⋯!」
やってきたのは、黒髪の少年と亜麻色の髪の少女。
今の俺より、歳は少し下くらいだろうか。
「来たけど、すぐそこで消えたから大丈夫だったよ」
ただの村人として、にっこりとそう伝えると、二人は安堵し、ほっと胸を撫で下ろした。
さあ、早くどっか行け。
「良かったな、ルーナ」
「うん。⋯⋯怪我をさせてしまったら、どうしようかと思った。ごめんなさい、これからは、もっと見晴らしのいい場所で練習するね」
うーん、彼女の場合はそういうことじゃないでしょ。
彼女は魔力は結構あるけど、コントロールが苦手なんだろうな。ちゃんと修行したら、いい魔法使いになれそうだけど。
「先程は申し訳ない。自分はアーサー。魔王を倒す為に仲間探しをしている者だ」
「私はルーナと言います。魔法使いなんですけど、見ての通り、まだ見習いで⋯⋯。本当にすみませんでした。お怪我が無かったみたいで、良かったです」
あ~!
この前、おっちゃんが言ってた噂の勇者御一行ね!
魔法使いの見習いがいるし、俺の正体がバレないように、警戒しておかないと。
というか、ルーナちゃん可愛いな!
アクアマリンみたいな瞳に編み込みツインテとか、可愛すぎでは? 顔もちっちゃいし、華奢で、男なら誰でも守ってあげたいと思っちゃうような女の子。
いかんいかん、相手は見習い魔法使い。騙されるな、俺!
「や~、ほんと運が良かったよ。じゃ、じゃあ、また」
俺の名前はおっちゃんが勇者に紹介したとか言っていたから、名乗らずに、自然な感じ流れで立ち去る。
魔王討伐健闘を祈るぜ、アーサー。
「リオーン!」
いい感じに立ち去ろうとしていたのに、何故か俺の名を呼ぶ声が。気のせいだといいのだが⋯⋯。
「リオーン! リオーン!」
うーん、どうも気のせいじゃないみたいだ。ドスドスと走る音も聞こえるな。
「リオーン! その二人が前に俺が言ってた勇者さん達だ!」
ハアハアと息を切らして、俺の名を呼んで走ってきたのはおっちゃんだった。なんて、タイミングだ。
「昨日ぶりですね、フレイングさん」
「アーサー、お前がこっちに行ったって聞いたから、慌てて追いかけてきたんだ。ちょうど、リオンも森にいるって聞いたからな」
「ああ! もしかして、彼がリオンですか!」
「そうだぞ。リオンの飯は美味いから、料理番は任せとけ」
二人は仲がいいのね!
俺を無視して、話が盛り上がっちゃってますけど。
「こいつ、なかなか捕まらなくてな~。やっと紹介できて良かったぞ。ほーら、恥ずかしがらずに挨拶しろよ、リオン」
おっちゃんは俺の背中をバシンと気合いを入れるように叩いた。普通に痛いな。
最悪過ぎて、もうテンション落ちまくりですけども。
「あ~、リオンです。よろしく、ね⋯⋯」
ぎこちなさすぎる挨拶を披露すると、アーサーは爽やかな笑顔で答えた。
「よろしく、リオン。フレイングさんから、リオンのことはよく聞いてるよ。やっと、会えて嬉しい」
「そうなんだ~。お、俺も嬉しいよ~」
よく見ると、こいつ、顔が整ってて、王子様みたいじゃん。キラキラしすぎて、眩しいな。
「じゃ、酒場でもいかねぇか? みんなで一緒に飯でも、どうだ? 一緒に飯でも食えば、仲良くなれるだろうよ。今日は特別に俺が奢ってやろう! ハハハッ!」
「いいですね。もっと、リオンのこと知りたいから、是非」
俺はやだよ~。
すぐに魔法使い達から立ち去るはずが、一緒にご飯とか、なんかもうどうなっちゃってんの~!?
「ルーナはどうする?」
「私も是非、ご一緒させて下さい」
「決まりだな! おい、リオン、酒場に行くぞ~」
「俺、いいって言ってないけど!」
「いいから、つべこべ言わずに来い」
「ちょっと、離せ~!」
結局、おっちゃんに引きずられるように酒場に連れていかれた、俺でした。
大変!!
自分で言って、気づいちゃったんだけど、火炎球って自然発生しませんよね?
火炎球は、魔法ですよね?
魔法ということは、術者すなわち、魔法使いがいるってことですよね?
この距離で飛んできたってことは、近くにいるってことですよね~!?
なんて、一人で百面相していた時だった。
後ろの方から、バタバタと人の走る音が聞こえる。耳を澄まし、音を聞く。一人、いや二人くらいだろうか。
やばいよ。魔法使い、来ちゃったんじゃない?
ちょっと、誰か助けて?
「すみませーん! この近くに炎の球みたいなのが来なかっただろうか?」
「ごめんなさい、私の魔法が失敗しちゃって⋯⋯!」
やってきたのは、黒髪の少年と亜麻色の髪の少女。
今の俺より、歳は少し下くらいだろうか。
「来たけど、すぐそこで消えたから大丈夫だったよ」
ただの村人として、にっこりとそう伝えると、二人は安堵し、ほっと胸を撫で下ろした。
さあ、早くどっか行け。
「良かったな、ルーナ」
「うん。⋯⋯怪我をさせてしまったら、どうしようかと思った。ごめんなさい、これからは、もっと見晴らしのいい場所で練習するね」
うーん、彼女の場合はそういうことじゃないでしょ。
彼女は魔力は結構あるけど、コントロールが苦手なんだろうな。ちゃんと修行したら、いい魔法使いになれそうだけど。
「先程は申し訳ない。自分はアーサー。魔王を倒す為に仲間探しをしている者だ」
「私はルーナと言います。魔法使いなんですけど、見ての通り、まだ見習いで⋯⋯。本当にすみませんでした。お怪我が無かったみたいで、良かったです」
あ~!
この前、おっちゃんが言ってた噂の勇者御一行ね!
魔法使いの見習いがいるし、俺の正体がバレないように、警戒しておかないと。
というか、ルーナちゃん可愛いな!
アクアマリンみたいな瞳に編み込みツインテとか、可愛すぎでは? 顔もちっちゃいし、華奢で、男なら誰でも守ってあげたいと思っちゃうような女の子。
いかんいかん、相手は見習い魔法使い。騙されるな、俺!
「や~、ほんと運が良かったよ。じゃ、じゃあ、また」
俺の名前はおっちゃんが勇者に紹介したとか言っていたから、名乗らずに、自然な感じ流れで立ち去る。
魔王討伐健闘を祈るぜ、アーサー。
「リオーン!」
いい感じに立ち去ろうとしていたのに、何故か俺の名を呼ぶ声が。気のせいだといいのだが⋯⋯。
「リオーン! リオーン!」
うーん、どうも気のせいじゃないみたいだ。ドスドスと走る音も聞こえるな。
「リオーン! その二人が前に俺が言ってた勇者さん達だ!」
ハアハアと息を切らして、俺の名を呼んで走ってきたのはおっちゃんだった。なんて、タイミングだ。
「昨日ぶりですね、フレイングさん」
「アーサー、お前がこっちに行ったって聞いたから、慌てて追いかけてきたんだ。ちょうど、リオンも森にいるって聞いたからな」
「ああ! もしかして、彼がリオンですか!」
「そうだぞ。リオンの飯は美味いから、料理番は任せとけ」
二人は仲がいいのね!
俺を無視して、話が盛り上がっちゃってますけど。
「こいつ、なかなか捕まらなくてな~。やっと紹介できて良かったぞ。ほーら、恥ずかしがらずに挨拶しろよ、リオン」
おっちゃんは俺の背中をバシンと気合いを入れるように叩いた。普通に痛いな。
最悪過ぎて、もうテンション落ちまくりですけども。
「あ~、リオンです。よろしく、ね⋯⋯」
ぎこちなさすぎる挨拶を披露すると、アーサーは爽やかな笑顔で答えた。
「よろしく、リオン。フレイングさんから、リオンのことはよく聞いてるよ。やっと、会えて嬉しい」
「そうなんだ~。お、俺も嬉しいよ~」
よく見ると、こいつ、顔が整ってて、王子様みたいじゃん。キラキラしすぎて、眩しいな。
「じゃ、酒場でもいかねぇか? みんなで一緒に飯でも、どうだ? 一緒に飯でも食えば、仲良くなれるだろうよ。今日は特別に俺が奢ってやろう! ハハハッ!」
「いいですね。もっと、リオンのこと知りたいから、是非」
俺はやだよ~。
すぐに魔法使い達から立ち去るはずが、一緒にご飯とか、なんかもうどうなっちゃってんの~!?
「ルーナはどうする?」
「私も是非、ご一緒させて下さい」
「決まりだな! おい、リオン、酒場に行くぞ~」
「俺、いいって言ってないけど!」
「いいから、つべこべ言わずに来い」
「ちょっと、離せ~!」
結局、おっちゃんに引きずられるように酒場に連れていかれた、俺でした。
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