イケメン執事に呼び止められた結果、美少年のお世話係となりました。

クリーム色

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誘拐…からの

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「んんーーっ!!」

坊っちゃまに突然腕を引っ張られたと思ったら、口を塞がれたような悲鳴が隣から聞こえた。見ると付いてきたいかつい男に抱えられハンカチっぽいもので口を押さえられた姿が。

「っな!?何してるの!!止めてっ」

「騒ぐな。坊っちゃん殺すぞ」

飛び掛かろうとした私を男は低い声で脅す。びくりと体が動かなくなった。

「人質は丁重に扱えって言わなかった?お前が死ぬよ?」

聞いたことのないルイ君の冷たい声とカチリとした音はもしかしなくとも拳銃だろう。

「坊っちゃまのことを思うなら騒がないでね?」

ニコリと笑うルイ君。薬を嗅がされたのか眠った坊っちゃまを抱えた男と一緒に車に乗せられる。
扉を閉めたルイ君は、運転席に乗り込んでそのまま車を発進させた。

ぐったりとする坊っちゃまの顔を見つめながら、握り締めた拳にぐっと力を込めることしか出来なかった。


▪️▪️▪️


アルバートは困惑していた。

なんとか主人であるエリザベスを説得し、せめて謝罪だけでもとマナに会いに行こうと屋敷を出て、すぐに不審な車を発見。
様子から見て明らかに無人であるのと、回りにも不審人物がいないことを確認し、リサに連絡するまでは冷静な対処だった。

助手席に見覚えのあるスマホが置いてある。まさかと自身のケータイから発信すると車内のスマホが鳴り始め、画面に「アルバートさん」の文字が。

「なんで、マナのが? ……っ!」

車内を見回し、後部座席に女性ものの洋服があることに心臓がどくりと嫌な音を立てた。
躊躇わず運転席の窓ガラスをぶち破って乗り込む。車内には丁寧に畳まれた洋服とメイク道具一式だけしかないことを確認して、ゆっくりと車の後ろへ向かったアルバートは、一瞬躊躇した後トランクを開けた。

中にことに、知らず詰めていた息を吐く。

再度リサへ連絡をと、手に取ったケータイに着信が入った。

ピッ

「アルバート!聞いて、今──……」

「……そうか、分かった。更にあいつも一緒の可能性が高い。ああ……ああ……、すぐに準備を。俺も一緒に向かう」

後悔やら自責の念やらをぐっと押し込めたアルバートは、冷静になるよう自分を叱咤した。
後悔なら後でいくらでも出来る。こうならない為に遠ざけたつもりだったとか。結局危険に晒してしまったとか。

(だが、まだ間に合う。まだ手の届く所にいる)

ならば、今出来る最善を。
アルバートは守るべき笑顔を思い浮かべ、駆けていった。

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