イケメン執事に呼び止められた結果、美少年のお世話係となりました。

クリーム色

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真相はこうだ

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(えーと?ルイ君が本物のマリアさんで?そんで助けられたからもう大丈夫で?しかも?…ア、アルバートさんとマリアさんは、姉弟?でぇ……?)

「え、えぇえぇぇえーー!!?」

ゲホッ、ゴホッゴホッ!

あまりのことに声が出たけど、まだ喉が本調子じゃなかったから咳き込んでしまう。そんな私の背中を、小さな手で懸命に坊っちゃまは撫でてくれた。
まだ掠れる声でありがとうとお礼を言うと、少しはにかんだようにニコリと笑ってくれる。

「簡単に説明すると、今回のことはあのテゴスファミリーの一派を誘き寄せる為、奥様が計画した罠だったのよ」

ルイ君装備を外しながらマリアさんが語った内容は、下手したらアルバートさん自作のマリア冒険ストーリーのようだった。

ある国で旦那様の事業が成功し、どんどん拡大していく中で、地元マフィアの一部が、悪いことをしにくくなったと逆恨み。それが、たった今捕まえたあのボス率いるテゴスファミリーってグループらしい。現地では旦那様に返り討ちに合ったので、一人息子である坊っちゃまを狙ってきたそうだ(セコい考え方するよね、まったく!)。

その情報をいち早く掴んだ奥様が、坊っちゃまの安全を考え敵側にスパイを送り込んだ。それがマリアさんだったとのこと(ここでマリアさん、本当に何者?って突っ込んじゃダメなんだろうね…)。

敵側の内部が筒抜けの状態で、メイド長不在という緊急事態を演出して狙われやすくし、わざと敵スパイを侵入させたところで奥様が帰国。しっかりと準備させる前に行動させることで捕まえやすい状況にした、と(か、完璧かよ…)。

「なぜ、俺たちには死んだなんて偽情報流したんだよ…」

ふて腐れたようなアルバートさんに、マリアさんは困ったように頬に手を当てて首をかしげる。

「だから言ったでしょう?敵を欺くにはまず味方から、と。貴方達なら私が居なくても正しい対応出来ると思っていたから…」

アルバートは、まだ修行が足りないようだけど?と、マリアさんの目がキラリと光った気がした。
気まずそうに一瞬だけ目を反らしたアルバートさんだったけど(なんだか本当に姉と弟に見えてきた)、キッとマリアさんを睨むように反論する。

「だとしても、他にやりようあっただろ?こいつを巻き込んでここまで大袈裟にしなくても!」

「それは誰かさんにお灸を据える意味と…、警告、の意味もあったのだけど」

マリアさんがこっちを見た。その瞳は真っ直ぐでマリアメイクを鏡で見た時の何倍も美人だった。

(これは…、しっかりと見えてたらバレバレだ。根本の気品とか色気的なもののレベルが違う!)

少しの微笑みだけで、ドキッとときめいてしまう。

「他にもあるだろ?」

ジト目のアルバートさんに、マリアさんは少しの沈黙の後。

「奥様の提案だけれど……この方がスリルがあって面白い、とは思いましたね」

女神の微笑みから一転、ニコリと完璧な黒い笑みにシフトチェンジ。

「だろーなー!俺の手の届かない範囲に行かれると止めるやつ居なくてこーなるから嫌なんだよ…」

「あらあら、いつまでも姉離れ出来ない弟だこと…」

「弟に気苦労かけない姉になってから言え!」

(あー、うん。完全に姉弟ですよこれ。なんだかマリアさんまでキャラ崩壊してない?え、これが地?キャラ作るとこまで姉弟似なくても…)

私が、二人の正しい関係性を察した頃、私の側にいれくれた坊っちゃまがじっとマリアさんを見つめていることに気づいた。

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