24 / 30
真相はこうだ
しおりを挟む
(えーと?ルイ君が本物のマリアさんで?そんで助けられたからもう大丈夫で?しかも?…ア、アルバートさんとマリアさんは、姉弟?でぇ……?)
「え、えぇえぇぇえーー!!?」
ゲホッ、ゴホッゴホッ!
あまりのことに声が出たけど、まだ喉が本調子じゃなかったから咳き込んでしまう。そんな私の背中を、小さな手で懸命に坊っちゃまは撫でてくれた。
まだ掠れる声でありがとうとお礼を言うと、少しはにかんだようにニコリと笑ってくれる。
「簡単に説明すると、今回のことはあのテゴスファミリーの一派を誘き寄せる為、奥様が計画した罠だったのよ」
ルイ君装備を外しながらマリアさんが語った内容は、下手したらアルバートさん自作のマリア冒険ストーリーのようだった。
ある国で旦那様の事業が成功し、どんどん拡大していく中で、地元マフィアの一部が、悪いことをしにくくなったと逆恨み。それが、たった今捕まえたあのボス率いるテゴスファミリーってグループらしい。現地では旦那様に返り討ちに合ったので、一人息子である坊っちゃまを狙ってきたそうだ(セコい考え方するよね、まったく!)。
その情報をいち早く掴んだ奥様が、坊っちゃまの安全を考え敵側にスパイを送り込んだ。それがマリアさんだったとのこと(ここでマリアさん、本当に何者?って突っ込んじゃダメなんだろうね…)。
敵側の内部が筒抜けの状態で、メイド長不在という緊急事態を演出して狙われやすくし、わざと敵スパイを侵入させたところで奥様が帰国。しっかりと準備させる前に行動させることで捕まえやすい状況にした、と(か、完璧かよ…)。
「なぜ、俺たちには死んだなんて偽情報流したんだよ…」
ふて腐れたようなアルバートさんに、マリアさんは困ったように頬に手を当てて首をかしげる。
「だから言ったでしょう?敵を欺くにはまず味方から、と。貴方達なら私が居なくても正しい対応出来ると思っていたから…」
アルバートは、まだ修行が足りないようだけど?と、マリアさんの目がキラリと光った気がした。
気まずそうに一瞬だけ目を反らしたアルバートさんだったけど(なんだか本当に姉と弟に見えてきた)、キッとマリアさんを睨むように反論する。
「だとしても、他にやりようあっただろ?こいつを巻き込んでここまで大袈裟にしなくても!」
「それは誰かさんにお灸を据える意味と…、警告、の意味もあったのだけど」
マリアさんがこっちを見た。その瞳は真っ直ぐでマリアメイクを鏡で見た時の何倍も美人だった。
(これは…、しっかりと見えてたらバレバレだ。根本の気品とか色気的なもののレベルが違う!)
少しの微笑みだけで、ドキッとときめいてしまう。
「他にもあるだろ?」
ジト目のアルバートさんに、マリアさんは少しの沈黙の後。
「奥様の提案だけれど……この方がスリルがあって面白い、とは思いましたね」
女神の微笑みから一転、ニコリと完璧な黒い笑みにシフトチェンジ。
「だろーなー!俺の手の届かない範囲に行かれると止めるやつ居なくてこーなるから嫌なんだよ…」
「あらあら、いつまでも姉離れ出来ない弟だこと…」
「弟に気苦労かけない姉になってから言え!」
(あー、うん。完全に姉弟ですよこれ。なんだかマリアさんまでキャラ崩壊してない?え、これが地?キャラ作るとこまで姉弟似なくても…)
私が、二人の正しい関係性を察した頃、私の側にいれくれた坊っちゃまがじっとマリアさんを見つめていることに気づいた。
「え、えぇえぇぇえーー!!?」
ゲホッ、ゴホッゴホッ!
あまりのことに声が出たけど、まだ喉が本調子じゃなかったから咳き込んでしまう。そんな私の背中を、小さな手で懸命に坊っちゃまは撫でてくれた。
まだ掠れる声でありがとうとお礼を言うと、少しはにかんだようにニコリと笑ってくれる。
「簡単に説明すると、今回のことはあのテゴスファミリーの一派を誘き寄せる為、奥様が計画した罠だったのよ」
ルイ君装備を外しながらマリアさんが語った内容は、下手したらアルバートさん自作のマリア冒険ストーリーのようだった。
ある国で旦那様の事業が成功し、どんどん拡大していく中で、地元マフィアの一部が、悪いことをしにくくなったと逆恨み。それが、たった今捕まえたあのボス率いるテゴスファミリーってグループらしい。現地では旦那様に返り討ちに合ったので、一人息子である坊っちゃまを狙ってきたそうだ(セコい考え方するよね、まったく!)。
その情報をいち早く掴んだ奥様が、坊っちゃまの安全を考え敵側にスパイを送り込んだ。それがマリアさんだったとのこと(ここでマリアさん、本当に何者?って突っ込んじゃダメなんだろうね…)。
敵側の内部が筒抜けの状態で、メイド長不在という緊急事態を演出して狙われやすくし、わざと敵スパイを侵入させたところで奥様が帰国。しっかりと準備させる前に行動させることで捕まえやすい状況にした、と(か、完璧かよ…)。
「なぜ、俺たちには死んだなんて偽情報流したんだよ…」
ふて腐れたようなアルバートさんに、マリアさんは困ったように頬に手を当てて首をかしげる。
「だから言ったでしょう?敵を欺くにはまず味方から、と。貴方達なら私が居なくても正しい対応出来ると思っていたから…」
アルバートは、まだ修行が足りないようだけど?と、マリアさんの目がキラリと光った気がした。
気まずそうに一瞬だけ目を反らしたアルバートさんだったけど(なんだか本当に姉と弟に見えてきた)、キッとマリアさんを睨むように反論する。
「だとしても、他にやりようあっただろ?こいつを巻き込んでここまで大袈裟にしなくても!」
「それは誰かさんにお灸を据える意味と…、警告、の意味もあったのだけど」
マリアさんがこっちを見た。その瞳は真っ直ぐでマリアメイクを鏡で見た時の何倍も美人だった。
(これは…、しっかりと見えてたらバレバレだ。根本の気品とか色気的なもののレベルが違う!)
少しの微笑みだけで、ドキッとときめいてしまう。
「他にもあるだろ?」
ジト目のアルバートさんに、マリアさんは少しの沈黙の後。
「奥様の提案だけれど……この方がスリルがあって面白い、とは思いましたね」
女神の微笑みから一転、ニコリと完璧な黒い笑みにシフトチェンジ。
「だろーなー!俺の手の届かない範囲に行かれると止めるやつ居なくてこーなるから嫌なんだよ…」
「あらあら、いつまでも姉離れ出来ない弟だこと…」
「弟に気苦労かけない姉になってから言え!」
(あー、うん。完全に姉弟ですよこれ。なんだかマリアさんまでキャラ崩壊してない?え、これが地?キャラ作るとこまで姉弟似なくても…)
私が、二人の正しい関係性を察した頃、私の側にいれくれた坊っちゃまがじっとマリアさんを見つめていることに気づいた。
0
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる