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悪役令嬢は追跡される(side黒田健)
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「……、パーキングエリアに寄ろうか」
高速を走り出してすぐ、親父がそう言った。
「なに? まだ高速乗ったばかりじゃない」
母さんは不服顔だ。そもそも親父、ナビ無視で少し迷ったし。
「華ちゃん乗せてるんだからあまり遅くならないでよね」
「ああ」
「あ、じゃ、私お手洗いに」
設楽は笑って言った。多分気を使って、だろう。
パーキングエリアに駐車してすぐ、親父は何かを母さんに小さく言っていた。
母さんは少しだけ目を見開いたあと、小さく頷いて微笑む。
「一緒にお手洗いいこうか、華ちゃん」
「あ、はい」
4人で車を降りて、2人がトイレに入ったのを確認してから、親父は女子トイレと男子トイレの間の壁近くに立った。
「便所行かねーの」
「…….体育館の駐車場を出てしばらく走ってから」
「は?」
「2台後……要は1台挟んで後ろということだが、その車がずっと同じだった。気づいてたか?」
「……いや」
「都内は混んでたし、高速に入っても常に、だ。おそらく尾けられている」
俺は驚いて親父を見た。
「……どれかな」
「どれ?」
「いや、尾けられる心当たりがありすぎて」
「マジかよ」
普段どんな仕事してんだこのオヤジ。
「……設楽かもしんねー」
「なぜ」
「勘」
そう答えておきながら、脳裏に浮かんだのは、さがらん。それから、久保。
久保はもういないけど、似たようなやつはいるかもしんねーと思う。
さがらんも、なんかな。
(何か裏がある)
何か悪さしようって訳でもなさそうではある、が。
「そうか」
親父は腕を組んで考えた。
「じゃあ飯を食おう」
「あ?」
「尾行に気づいているのを気取られるのが一番マズイ」
「そういうもんか」
「尾けてきた車もそこに止まっている。しばらく様子を見よう」
「分かった」
そう返事をした時、2人がトイレから出てきた。
「おまたせしました」
微笑む設楽。
「いや、……ところで華さん、夕食良ければここで食べていきませんか。少し早いですが」
「え? あ、はい大丈夫です。家に電話だけしていいでしょうか?」
「もちろん」
設楽は相変わらずのお子様ケータイで通話を始めた。
「あ、敦子さん? 今お友達のご家族といるんだけど、お夕飯に誘われてて。うん。また帰るときに連絡します」
通話を切って「大丈夫でした」と言う設楽に、母さんが尋ねた。
「敦子さん?」
「あ、おばあちゃんなんですけど、おばあちゃんって言うと怒るんです」
少し面白そうに言う設楽。
「あ、なるほどね~。あたし孫になんて呼んでもらおうかな」
「ふふふ気が早いな、でも俺はじいじがいいかな」
「じゃあ、ばあば」
「なんの話してんだあんたらは。飯食うんだろうが」
俺は少しいらついて突っ込んだ。
「いいじゃないの」
「腹が減っているんだろう、まったく成長期ってやつは」
「そうだよね、お腹すいてるよね。黒田くんなに食べる?」
三者三様の答え。
俺は両親を無視して設楽に答えた。
「設楽は何食いたい?」
和食レストランと、フードコートと併設してある。
「私、なんでも」
設楽の腹が、ぐうとなる。
「……あは」
「フードコートでいいか」
「うん」
両親も異存はないようで「何にしよう」とすっかり通常モードだ。
(尾けられてるかも、ってんのに)
親父はものすごくリラックスしているように見える。もしかしたらこれでも警戒してんのか。
「華さんと同じ店のメニューにしろ、会計も離れるな」
ぽそり、と耳元で言われる。やはり警戒モードではあるらしい。
返事はせず、頷くだけに留めた。3千円渡される。
「華さんのぶんも」
「……足りるかな」
「そんなに腹減ってるのか健」
「いや、設楽。あいつクソほど食うよ」
「はっはっは、冗談が上手くなったな」
結局。
「おやじー、やっぱ足んねぇー!」
「いやいやいや黒田くん、私自分の分は出すからっ」
「はっはっはっいいさいいさ、どうせ健がとんでもない量を食べてるんだろう、成長期はそれでいいんだ」
親父はすぐに寄ってきて差額を払う。
「す、すみません、奢っていただけるなんて思ってなくて、私欲望のままに注文を」
番号札を握りしめて、設楽は申し訳なさそうに言う。
「なにを言うんです、たくさん食べなさい」
にこにこ笑う親父。
(こいつ、設楽の食欲が底なしだって知らねーからな)
俺は少し面白くなる。どんな反応すんのかな親父。
ニヤリとしたとき、俺と設楽の番号が呼ばれて、受け取り口へ向かう。
「うう……食欲しかない人間だと思われちゃう……」
「いや他に何があんだ設楽に」
「うう……」
冗談だったのだが、まじめに受け取られてしまった。
「アホか。他にも色々あんだろ、良いとこ」
「例えばあ?」
ちょっと拗ね顔だ。いちいち可愛くて腹がたつ。
「食いもん美味そうに食う」
「一緒じゃない!?」
「良いことだろが」
「そうかなぁ」
まぁ悪くはないよね、と設楽。
「あとはまぁ、……優しい、とか」
「優しいかなぁ」
不思議そうな顔。
「割と周り見てる」
「あは、ほんと?」
「話してて、楽しい。俺は」
「あ」
設楽は笑う。
「私もそれ思う、黒田くんに」
「お前俺を殺す気か」
「え!? なぜに!?」
「知るか」
俺はぶっきらぼうに言いながら番号札を受付のおばさんに渡す。設楽も不思議そうにしながら続いて、お盆を受け取る。
「すげーな」
「……うん……」
親父たちが待つテーブルに戻ると、親父と母さんは「……、ほんとに入るの?」と訝しげに言った。
「……ハイ」
「こいつヨユーだよこんくらい」
「うう」
設楽のお盆には、チャーシューメン(大)餃子定食(ミニチャーハン付き)に単品の唐揚げと杏仁豆腐。
ちなみに俺は醤油ラーメン(大)の唐揚げ定食、チャーハン大盛り。試合後の俺と同じくらいか、それ以上食べるってすげえ。まぁ食ってる時の表情可愛いのでいいと思う。
(こないだのアイス、やばかったな)
新幹線で俺が食わせたアイス。
(俺って変な性癖でもあんのかな)
好きな子がモノ食ってるの見るのが好きって、どうなんだ。よくわからん。
「小さい頃からそんな感じ?」
親子丼を食べながら、母さんは面白そうに聞く。
「あ、はい……どうなのかな、多分」
設楽は笑いながら答えた。開き直ることにしたらしく、もりもり食っている。いいことだ。
「この子もね、昔から良く食べる子でね」
母さんは笑う。
「1歳くらいだったかなぁ」
「はい」
「おばーちゃんちに行っててね、ちょっと目を離した隙に、お仏壇の花、もしゃもしゃ食べてて」
「えー!?」
楽しそうに設楽は俺を見た。
「何だよその話、やめろよなんか」
俺は少し眉を寄せる。
なんで好きなヤツに俺の小さい頃のやらかしたエピソードを聞かせねぇといけねーんだ。
「いいじゃない」
「お花とか焦りますね」
「そうなのよ、もう何食べてるか分かんなくて慌てて病院連れてって」
「大変でしたね」
設楽はちらりと俺を見た。からかうように笑う。
「覚えてねーし」
「そりゃそうでしょ。ほら、他にもさ、アンタ3歳くらいだったかな、チーズ食べたすぎて、野菜室と冷凍室の引き出し階段みたいにして上がって、冷蔵庫の扉開けてチーズむさぼり食べてたことも」
「だからなんなんだよその俺のほんわかエピソードは」
「この子にも知恵あんのね、と感心した記憶がね」
「バカにしてんだろ」
「アンタにも可愛い頃あったんですアピールよ」
「何のためだよ」
俺ははぁ、とため息をつきながらラーメンをすすった。
高速を走り出してすぐ、親父がそう言った。
「なに? まだ高速乗ったばかりじゃない」
母さんは不服顔だ。そもそも親父、ナビ無視で少し迷ったし。
「華ちゃん乗せてるんだからあまり遅くならないでよね」
「ああ」
「あ、じゃ、私お手洗いに」
設楽は笑って言った。多分気を使って、だろう。
パーキングエリアに駐車してすぐ、親父は何かを母さんに小さく言っていた。
母さんは少しだけ目を見開いたあと、小さく頷いて微笑む。
「一緒にお手洗いいこうか、華ちゃん」
「あ、はい」
4人で車を降りて、2人がトイレに入ったのを確認してから、親父は女子トイレと男子トイレの間の壁近くに立った。
「便所行かねーの」
「…….体育館の駐車場を出てしばらく走ってから」
「は?」
「2台後……要は1台挟んで後ろということだが、その車がずっと同じだった。気づいてたか?」
「……いや」
「都内は混んでたし、高速に入っても常に、だ。おそらく尾けられている」
俺は驚いて親父を見た。
「……どれかな」
「どれ?」
「いや、尾けられる心当たりがありすぎて」
「マジかよ」
普段どんな仕事してんだこのオヤジ。
「……設楽かもしんねー」
「なぜ」
「勘」
そう答えておきながら、脳裏に浮かんだのは、さがらん。それから、久保。
久保はもういないけど、似たようなやつはいるかもしんねーと思う。
さがらんも、なんかな。
(何か裏がある)
何か悪さしようって訳でもなさそうではある、が。
「そうか」
親父は腕を組んで考えた。
「じゃあ飯を食おう」
「あ?」
「尾行に気づいているのを気取られるのが一番マズイ」
「そういうもんか」
「尾けてきた車もそこに止まっている。しばらく様子を見よう」
「分かった」
そう返事をした時、2人がトイレから出てきた。
「おまたせしました」
微笑む設楽。
「いや、……ところで華さん、夕食良ければここで食べていきませんか。少し早いですが」
「え? あ、はい大丈夫です。家に電話だけしていいでしょうか?」
「もちろん」
設楽は相変わらずのお子様ケータイで通話を始めた。
「あ、敦子さん? 今お友達のご家族といるんだけど、お夕飯に誘われてて。うん。また帰るときに連絡します」
通話を切って「大丈夫でした」と言う設楽に、母さんが尋ねた。
「敦子さん?」
「あ、おばあちゃんなんですけど、おばあちゃんって言うと怒るんです」
少し面白そうに言う設楽。
「あ、なるほどね~。あたし孫になんて呼んでもらおうかな」
「ふふふ気が早いな、でも俺はじいじがいいかな」
「じゃあ、ばあば」
「なんの話してんだあんたらは。飯食うんだろうが」
俺は少しいらついて突っ込んだ。
「いいじゃないの」
「腹が減っているんだろう、まったく成長期ってやつは」
「そうだよね、お腹すいてるよね。黒田くんなに食べる?」
三者三様の答え。
俺は両親を無視して設楽に答えた。
「設楽は何食いたい?」
和食レストランと、フードコートと併設してある。
「私、なんでも」
設楽の腹が、ぐうとなる。
「……あは」
「フードコートでいいか」
「うん」
両親も異存はないようで「何にしよう」とすっかり通常モードだ。
(尾けられてるかも、ってんのに)
親父はものすごくリラックスしているように見える。もしかしたらこれでも警戒してんのか。
「華さんと同じ店のメニューにしろ、会計も離れるな」
ぽそり、と耳元で言われる。やはり警戒モードではあるらしい。
返事はせず、頷くだけに留めた。3千円渡される。
「華さんのぶんも」
「……足りるかな」
「そんなに腹減ってるのか健」
「いや、設楽。あいつクソほど食うよ」
「はっはっは、冗談が上手くなったな」
結局。
「おやじー、やっぱ足んねぇー!」
「いやいやいや黒田くん、私自分の分は出すからっ」
「はっはっはっいいさいいさ、どうせ健がとんでもない量を食べてるんだろう、成長期はそれでいいんだ」
親父はすぐに寄ってきて差額を払う。
「す、すみません、奢っていただけるなんて思ってなくて、私欲望のままに注文を」
番号札を握りしめて、設楽は申し訳なさそうに言う。
「なにを言うんです、たくさん食べなさい」
にこにこ笑う親父。
(こいつ、設楽の食欲が底なしだって知らねーからな)
俺は少し面白くなる。どんな反応すんのかな親父。
ニヤリとしたとき、俺と設楽の番号が呼ばれて、受け取り口へ向かう。
「うう……食欲しかない人間だと思われちゃう……」
「いや他に何があんだ設楽に」
「うう……」
冗談だったのだが、まじめに受け取られてしまった。
「アホか。他にも色々あんだろ、良いとこ」
「例えばあ?」
ちょっと拗ね顔だ。いちいち可愛くて腹がたつ。
「食いもん美味そうに食う」
「一緒じゃない!?」
「良いことだろが」
「そうかなぁ」
まぁ悪くはないよね、と設楽。
「あとはまぁ、……優しい、とか」
「優しいかなぁ」
不思議そうな顔。
「割と周り見てる」
「あは、ほんと?」
「話してて、楽しい。俺は」
「あ」
設楽は笑う。
「私もそれ思う、黒田くんに」
「お前俺を殺す気か」
「え!? なぜに!?」
「知るか」
俺はぶっきらぼうに言いながら番号札を受付のおばさんに渡す。設楽も不思議そうにしながら続いて、お盆を受け取る。
「すげーな」
「……うん……」
親父たちが待つテーブルに戻ると、親父と母さんは「……、ほんとに入るの?」と訝しげに言った。
「……ハイ」
「こいつヨユーだよこんくらい」
「うう」
設楽のお盆には、チャーシューメン(大)餃子定食(ミニチャーハン付き)に単品の唐揚げと杏仁豆腐。
ちなみに俺は醤油ラーメン(大)の唐揚げ定食、チャーハン大盛り。試合後の俺と同じくらいか、それ以上食べるってすげえ。まぁ食ってる時の表情可愛いのでいいと思う。
(こないだのアイス、やばかったな)
新幹線で俺が食わせたアイス。
(俺って変な性癖でもあんのかな)
好きな子がモノ食ってるの見るのが好きって、どうなんだ。よくわからん。
「小さい頃からそんな感じ?」
親子丼を食べながら、母さんは面白そうに聞く。
「あ、はい……どうなのかな、多分」
設楽は笑いながら答えた。開き直ることにしたらしく、もりもり食っている。いいことだ。
「この子もね、昔から良く食べる子でね」
母さんは笑う。
「1歳くらいだったかなぁ」
「はい」
「おばーちゃんちに行っててね、ちょっと目を離した隙に、お仏壇の花、もしゃもしゃ食べてて」
「えー!?」
楽しそうに設楽は俺を見た。
「何だよその話、やめろよなんか」
俺は少し眉を寄せる。
なんで好きなヤツに俺の小さい頃のやらかしたエピソードを聞かせねぇといけねーんだ。
「いいじゃない」
「お花とか焦りますね」
「そうなのよ、もう何食べてるか分かんなくて慌てて病院連れてって」
「大変でしたね」
設楽はちらりと俺を見た。からかうように笑う。
「覚えてねーし」
「そりゃそうでしょ。ほら、他にもさ、アンタ3歳くらいだったかな、チーズ食べたすぎて、野菜室と冷凍室の引き出し階段みたいにして上がって、冷蔵庫の扉開けてチーズむさぼり食べてたことも」
「だからなんなんだよその俺のほんわかエピソードは」
「この子にも知恵あんのね、と感心した記憶がね」
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「アンタにも可愛い頃あったんですアピールよ」
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