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分岐・鹿王院樹
むかしむかしの恋のはなし
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「なんで鎌倉の方が暑いの!?」
「沖縄は年間を通して温暖というだけで、最高気温はそうでもないからな」
早朝の飛行機で羽田まで戻って、そこから樹くんのうちの車で鎌倉まで帰ってきたけれど、暑くてびっくりしている。
(そして、私のワガママ)
まだ離れがたくて、早めのお昼ご飯に付き合ってもらっているのだ。樹くんはこれから練習だというのに、快く付き合ってくれている。
(ほんとに優しい)
そう思う。甘え過ぎかなぁ、とも。
北鎌倉近くのエスニック風のカフェ。ランチを食べて、デザートのほうじ茶ゼリーまですっかり完食した。練乳かかかっていて、暑い中にちょうどいい甘さだった。
「来てみたかったんだよねー」
私がニコニコすると、Tシャツとジャージに着替えている樹くんは、嬉しそうに笑った。直接練習へ向かうのだ。
「沖縄もありがと」
「楽しかったか?」
「もちろんっ」
私は全力で頷く。
「チャンプルー美味しかったしソーキそば美味しかったしラフテー美味しかったし黒糖パンケーキ美味しかったし」
「それは何よりだ」
そう言いながら、樹くんはまた微笑んでーー不思議そうに眉を寄せた。
「? なぁに?」
「いや、あれ」
窓の外に目をやると、敦子さんが線路沿いを誰か男の人と歩いている。
「? 敦子さん」
真剣な様子だ。
(……誰だっけ)
見たことある男の人だ。敦子さんより少し歳上? えーと。
「あ、院長先生」
「院長先生?」
「うん、えとね、私が神戸で入院してた時にお世話になった」
「そうか」
樹くんは立ち上がる。
「では挨拶しておこう」
「え」
「? 許婚が世話になったのだから」
不思議そうな樹くんに、私は笑う。義理堅いというか、やっぱり真面目な人だ。
会計をしてお店を出ると、少し先を2人は歩いている。少し早足で追いかけて歩く。2人はお寺に入っていった。観光でも有名な禅寺。
じーわ、じーわ、と蝉が鳴く。暑くてじんわりと汗が吹き出る。足元には、くっきりとした濃い影。
「大丈夫か?」
「全然平気」
樹くんはいつも少し心配性だなと思う。
境内の大きな樹の下で、敦子さんたちは立ち話をしていた。
(や、やっと追いついた)
そう思って話しかけようとした矢先、院長先生の言葉に思わず足を止めた。
「アメリカまで付いてきてもらえませんか、敦子さん。……結婚してください」
(えええええええ!?)
思わず声を上げそうになった私の口を押さえて、樹くんは私を別の木の影に引きずり込んだ。小声で話す。
「い、樹くん」
「しかし静かにすべきだろう」
プロポーズだぞ、と樹くんは言う。
たしかにそうだ。私は黙り込んで、大人しく樹くんの腕の中に収まっておく。
ツクツクホーシも鳴いている。
「行けません」
敦子さんの硬い声。
「でしょうね」
院長先生は笑った。
「そうやろうと思ってました」
「ごめんなさい」
「謝られることでは……あの時もそうでした、僕が」
院長先生は笑う。
「京都まで付いてきてもらえませんか、そう言うた時も」
「そう、でしたね」
敦子さんは寂しそうに笑って、私は唐突に思い出す。
「……あ」
「どうした、華?」
「いや、えっとね」
小学生の頃だったか、敦子さんに聞いた昔の、敦子さんが高校生くらいだった頃の恋の話を思い出す。
(恋をしてる顔だと思ったんだ)
私は今更、気づいた。
恋を"していた"顔ではなくて、恋を"している"顔だった、って。
(てことは、敦子さんは、いまも)
何十年も、同じ人を好きでいるんだ。
そう思うと、胸がぎゅうっとなって、気がついたら私は敦子さんの名前を呼んでいた。
「敦子さんっ」
「華!? 樹くんも」
驚いたように振り向く敦子さん。
「どうしてここに?」
「院長先生といるとこ見かけて、」
簡単に経緯を説明して、それから敦子さんの手を握る。
「敦子さん、私と圭くんのことは気にしないで」
「え、なにを、華」
「ずっと好きだったんでしょ!? 椿姫の歌聞いてた時、話してくれたの、院長先生のことだったんでしょ!?」
敦子さんは少し赤くなってちらりと院長先生を見る。
「あ、あのね、華。それでも行けないわ、だってあたし、……あら?」
敦子さんはふと、私の首に手をやった。そして、眉をかるく寄せて目を細める。
(あ)
ちらりと背後を見ると、樹くんが固まっていた。ものすごく、ものすごーく珍しい表情をしている……え、写真撮りたい。樹くんの「やっちゃった」って、顔。
「……やっぱり行けないわ、まさかそんな簡単に約束を破られるとは」
(や、約束!?)
「あ、敦子さん、これ、なんでもなくて、」
私は赤面しつつ、手でキスマークを隠す。
ほら、興味本位で変なことするから! と樹くんを軽く睨むと、樹くんは少ししゅんとした。
(かっ可愛い)
こんな時なのに、きゅんとしてしまう。なにこの可愛いヒトは。
……やっぱり、好きだからかなぁ。好きだから、なんだろうなぁ。なんでも許せちゃうのは。
こんな性格だから、前世ではすぐセカンド扱いとかされちゃってた訳なんだけど。
「なぁんでもー? 何でもなくて、こんなとこにこんな跡が付くもんですか」
「敦子さん、すみません、でも本当に俺は手を出してません、その、これは」
「これはなに」
「いやその」
「婚約者だからって、やっていいことと悪いことがあります!」
敦子さんは本気で怒っている。
「これはたまたま」
私は言い訳っぽく言う。
「たまたまぁ!?」
「まぁまぁまぁ」
間に入ってきたのは、院長先生だった。
「落ち着いて、ね? 話を聞きましょう」
敦子さんは院長先生をちらりと見て、ふう、とひとつ息をついた。
「じゃあまとめよう。ええと、これは何かな」
院長先生は笑顔で問う。樹くんが覚悟を決めたような顔で「キスマークです」と答えた。
「ええと、じゃあその、いわゆる"そういうこと"は?」
「してません、俺は」
樹くんは私の手を握った。
「華が大事です。大切にしたいと思ってます」
西表島でも言ってくれた言葉。
大事で、大切。
(たとえ、好き、でなくても)
私にとっては、それで十分。
「ふうん?」
敦子さんは半目で樹くんを見た。
「じゃあなんでキスマークなんか」
「……その、正直な話、無意識的に」
「無意識ぃ?」
「……、目の前に華の首があって、それで、つい」
「ついぃ?」
敦子さんが目を釣り上げる。
「あ、敦子さん、違うの、私が」
「華は悪くない」
樹くんがキッパリ言う。
「俺が悪い」
「まぁまぁ、敦子さん、許してやんなさいよ、思春期の男の子が2人きりで二泊三日手を出さないでいたんですよ、大したもんですよ」
まぁねぇ、と私は思う。興味がある盛りだよなぁ。
(でも樹くんは真面目ボーイだからね)
家族みたいに思ってる私に、本気でそんなことはしないと思うけど。キスマークはなんか、友達に唆された感あったし……要注意だな、その友達。
でもこれくらいの年齢の男の子なんて、みんなそんな感じなんだろうか。前世はどうだったかなぁ、なんて思いながら樹くんを見上げると、すごく不安そうな顔をしていた。
「?」
私は首をかしげて、樹くんのその珍しい表情を眺めていた。
「沖縄は年間を通して温暖というだけで、最高気温はそうでもないからな」
早朝の飛行機で羽田まで戻って、そこから樹くんのうちの車で鎌倉まで帰ってきたけれど、暑くてびっくりしている。
(そして、私のワガママ)
まだ離れがたくて、早めのお昼ご飯に付き合ってもらっているのだ。樹くんはこれから練習だというのに、快く付き合ってくれている。
(ほんとに優しい)
そう思う。甘え過ぎかなぁ、とも。
北鎌倉近くのエスニック風のカフェ。ランチを食べて、デザートのほうじ茶ゼリーまですっかり完食した。練乳かかかっていて、暑い中にちょうどいい甘さだった。
「来てみたかったんだよねー」
私がニコニコすると、Tシャツとジャージに着替えている樹くんは、嬉しそうに笑った。直接練習へ向かうのだ。
「沖縄もありがと」
「楽しかったか?」
「もちろんっ」
私は全力で頷く。
「チャンプルー美味しかったしソーキそば美味しかったしラフテー美味しかったし黒糖パンケーキ美味しかったし」
「それは何よりだ」
そう言いながら、樹くんはまた微笑んでーー不思議そうに眉を寄せた。
「? なぁに?」
「いや、あれ」
窓の外に目をやると、敦子さんが線路沿いを誰か男の人と歩いている。
「? 敦子さん」
真剣な様子だ。
(……誰だっけ)
見たことある男の人だ。敦子さんより少し歳上? えーと。
「あ、院長先生」
「院長先生?」
「うん、えとね、私が神戸で入院してた時にお世話になった」
「そうか」
樹くんは立ち上がる。
「では挨拶しておこう」
「え」
「? 許婚が世話になったのだから」
不思議そうな樹くんに、私は笑う。義理堅いというか、やっぱり真面目な人だ。
会計をしてお店を出ると、少し先を2人は歩いている。少し早足で追いかけて歩く。2人はお寺に入っていった。観光でも有名な禅寺。
じーわ、じーわ、と蝉が鳴く。暑くてじんわりと汗が吹き出る。足元には、くっきりとした濃い影。
「大丈夫か?」
「全然平気」
樹くんはいつも少し心配性だなと思う。
境内の大きな樹の下で、敦子さんたちは立ち話をしていた。
(や、やっと追いついた)
そう思って話しかけようとした矢先、院長先生の言葉に思わず足を止めた。
「アメリカまで付いてきてもらえませんか、敦子さん。……結婚してください」
(えええええええ!?)
思わず声を上げそうになった私の口を押さえて、樹くんは私を別の木の影に引きずり込んだ。小声で話す。
「い、樹くん」
「しかし静かにすべきだろう」
プロポーズだぞ、と樹くんは言う。
たしかにそうだ。私は黙り込んで、大人しく樹くんの腕の中に収まっておく。
ツクツクホーシも鳴いている。
「行けません」
敦子さんの硬い声。
「でしょうね」
院長先生は笑った。
「そうやろうと思ってました」
「ごめんなさい」
「謝られることでは……あの時もそうでした、僕が」
院長先生は笑う。
「京都まで付いてきてもらえませんか、そう言うた時も」
「そう、でしたね」
敦子さんは寂しそうに笑って、私は唐突に思い出す。
「……あ」
「どうした、華?」
「いや、えっとね」
小学生の頃だったか、敦子さんに聞いた昔の、敦子さんが高校生くらいだった頃の恋の話を思い出す。
(恋をしてる顔だと思ったんだ)
私は今更、気づいた。
恋を"していた"顔ではなくて、恋を"している"顔だった、って。
(てことは、敦子さんは、いまも)
何十年も、同じ人を好きでいるんだ。
そう思うと、胸がぎゅうっとなって、気がついたら私は敦子さんの名前を呼んでいた。
「敦子さんっ」
「華!? 樹くんも」
驚いたように振り向く敦子さん。
「どうしてここに?」
「院長先生といるとこ見かけて、」
簡単に経緯を説明して、それから敦子さんの手を握る。
「敦子さん、私と圭くんのことは気にしないで」
「え、なにを、華」
「ずっと好きだったんでしょ!? 椿姫の歌聞いてた時、話してくれたの、院長先生のことだったんでしょ!?」
敦子さんは少し赤くなってちらりと院長先生を見る。
「あ、あのね、華。それでも行けないわ、だってあたし、……あら?」
敦子さんはふと、私の首に手をやった。そして、眉をかるく寄せて目を細める。
(あ)
ちらりと背後を見ると、樹くんが固まっていた。ものすごく、ものすごーく珍しい表情をしている……え、写真撮りたい。樹くんの「やっちゃった」って、顔。
「……やっぱり行けないわ、まさかそんな簡単に約束を破られるとは」
(や、約束!?)
「あ、敦子さん、これ、なんでもなくて、」
私は赤面しつつ、手でキスマークを隠す。
ほら、興味本位で変なことするから! と樹くんを軽く睨むと、樹くんは少ししゅんとした。
(かっ可愛い)
こんな時なのに、きゅんとしてしまう。なにこの可愛いヒトは。
……やっぱり、好きだからかなぁ。好きだから、なんだろうなぁ。なんでも許せちゃうのは。
こんな性格だから、前世ではすぐセカンド扱いとかされちゃってた訳なんだけど。
「なぁんでもー? 何でもなくて、こんなとこにこんな跡が付くもんですか」
「敦子さん、すみません、でも本当に俺は手を出してません、その、これは」
「これはなに」
「いやその」
「婚約者だからって、やっていいことと悪いことがあります!」
敦子さんは本気で怒っている。
「これはたまたま」
私は言い訳っぽく言う。
「たまたまぁ!?」
「まぁまぁまぁ」
間に入ってきたのは、院長先生だった。
「落ち着いて、ね? 話を聞きましょう」
敦子さんは院長先生をちらりと見て、ふう、とひとつ息をついた。
「じゃあまとめよう。ええと、これは何かな」
院長先生は笑顔で問う。樹くんが覚悟を決めたような顔で「キスマークです」と答えた。
「ええと、じゃあその、いわゆる"そういうこと"は?」
「してません、俺は」
樹くんは私の手を握った。
「華が大事です。大切にしたいと思ってます」
西表島でも言ってくれた言葉。
大事で、大切。
(たとえ、好き、でなくても)
私にとっては、それで十分。
「ふうん?」
敦子さんは半目で樹くんを見た。
「じゃあなんでキスマークなんか」
「……その、正直な話、無意識的に」
「無意識ぃ?」
「……、目の前に華の首があって、それで、つい」
「ついぃ?」
敦子さんが目を釣り上げる。
「あ、敦子さん、違うの、私が」
「華は悪くない」
樹くんがキッパリ言う。
「俺が悪い」
「まぁまぁ、敦子さん、許してやんなさいよ、思春期の男の子が2人きりで二泊三日手を出さないでいたんですよ、大したもんですよ」
まぁねぇ、と私は思う。興味がある盛りだよなぁ。
(でも樹くんは真面目ボーイだからね)
家族みたいに思ってる私に、本気でそんなことはしないと思うけど。キスマークはなんか、友達に唆された感あったし……要注意だな、その友達。
でもこれくらいの年齢の男の子なんて、みんなそんな感じなんだろうか。前世はどうだったかなぁ、なんて思いながら樹くんを見上げると、すごく不安そうな顔をしていた。
「?」
私は首をかしげて、樹くんのその珍しい表情を眺めていた。
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