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分岐・鹿王院樹
むかしの話(side樹)
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うちのサッカー部は強豪で、50人以上いる。
一軍はほとんど特待かスカウトで来ている生徒だが、俺のように内部進学組も少しはいて、……と、まぁそんなことはどうでも良くて、問題は……本当に、つい、華につけてしまった「キスマーク」だ。
数日前のことだ。誰かが持ってきていた、少し"オトナ"な雑誌。
中学生男子が50人ばかりもいるのだ、そういう話題は事欠かないというか、盛り上がるというか、……その日もロッカールームはいわゆる恋愛の話と少し下世話な話が入り混じった、そんな話で盛り上がっていた。
だが、俺と華についてそんな話題を振られると少し俺が不機嫌になるのは周知されていて(華をそんな下世話な話題に巻き込みたくない)友人や先輩たちも、そういった話題で俺にわざわざ話を振ってくることもない。
なので、俺は直前の練習の紅白戦で同じチームだったディフェンダーの友人と、マネージャーが撮った映像をタブレットで見ながらああでもないこうでもない、と話していた。
だが、ふと友人が「へえ、」とその盛り上がっていた会話に興味を示した。
「? どうした」
「いやごめん、そうなんだと思って」
「何がだ?」
「キスマークって、つける場所によって意味が違うんだってさ」
「そうか」
「興味薄っ!」
友人は笑う。
「樹ってそーゆーことキョーミ無さそう」
「あるぞ普通に」
「マジ?」
「だが、表に出していくべきとは思っていない」
「えー。そういうのムッツリっていうんじゃないの」
「好きに呼べ」
「ムッツリ樹」
「腹が立つからやめろ」
俺が少しムッとした顔をしてみせると、友人は少し楽しそうに笑った。
「まぁいいや。単に首につけるキスマークがね、オレのものになってください、って意味なんだって、それだけヘェ~って思ってさ」
「なぜだ」
「だってキスマーク付けるような間柄って、もう自分のものになってるから付けられるんじゃないの?」
「それはそうだな」
ふむ、と首を傾げる。
俺のものになってください、か。
(そういう願いならいつも持っている)
華に。どうか俺だけの特別になって欲しいと。
だから褒めて欲しい。
華が「好き」と言ってくれたとき、そのほんの少し震えるまつげを、伏せられた目を、ほんのり赤い頬を、艶やかな唇を、その全てを、無理矢理俺のものにしなかったことを。
(華はズルい)
とにかくそう思う。全てが俺のなにかに刺さる。その度に、俺は華に対する独占欲が溢れそうになる。
大事にしたい、大切にしたい、その一方でめちゃくちゃにしたいような、そんな欲求もどこかにあって、俺は少しおかしいのかとも思う。
だから、そのせいだと思う。華の白い首を目の前にして、ついその跡をつけてしまったのは。
(俺のものになってください)
そんな願いだっただろうか?
華の「好き」は、俺の望む「好き」でいいんだろうか、……いいんだよな? そんなほんの少しの不安が俺を突き動かした、のかもしれない。
(もっと後先を考えるべきだった)
だが、そんな余裕は俺にはなかったことは確か、だ。華の前ではいつも余裕などなくなるのだから。
しかしそのせいで、俺はとてつもない不安に襲われている。
(……婚約を解消する、そんなことになったら)
俺はどうしたらいいんだろう。俺はぎゅうっと華の手を握りしめた。
目の前で、敦子さんは怒っている。他の誰でもない、俺にだ。
(信用してくれていたんだ)
分かってる。その信頼を裏切ったのは俺だ。
(キスまでは許す、と言われていたから)
キスマークも大丈夫だろう、と思ったのは甘かった。当然"そういうこと"を連想するだろうと思う。
「…….死にそうな顔してるわね」
「はい」
俺は背筋を伸ばして答える。
(どうか)
どうか、俺から華を奪わないでください。ひたすらに華の手を握る。このひとがいなくては、俺はもう生きていけないんです。
俺の必死な思いが伝わったのかどうなのか、敦子さんはフ、と笑った。いつもの笑顔だ。
俺の肩から力が抜けた。どうやら許してもらえたらしい。
「じゃ、帰りましょうか華」
「え、敦子さん、いいの」
華は、ちらちらと男性を見遣る。
「いいの」
敦子さんは院長先生、だというその男性を仰ぎ見て「さようなら」と笑った。
その人も笑う。
「お元気で」
「あなたも」
そして、何度も振り向く華を連れて、歩いて行ってしまう。
俺と院長先生が残される。ぺこりと頭を下げて行こうとして、院長先生は俺に向けて笑った。
「変なとこみられてしまったなぁ」
「……、すみません、ちょっとご挨拶をと思ったのですが」
あらためて向かい合う。
「華がお世話になりました」
「いやいや、そりゃご丁寧に」
宇田野です、とその人は言った。
「高校がこちらでね」
あの人と出会うたんですよ、と宇田野さんは笑う。関西のイントネーション。
「……、そうですか」
なんと言えばいいのか分からず、それだけ答える。
「今から部活とか?」
「はい」
俺のジャージを見てだろう、宇田野さんは笑った。
「ほな送るわ、青百合やね」
「いやそんな、車を呼びますので」
「いいんや、話に付きおうて」
なんとなく断れず、俺は近くのコインパーキングに停められていた宇田野さんの車に乗り込む。
「あんな」
「はい」
「僕は専門は産婦人科なんやけど」
「はい」
「10代の妊娠出産は、20代に比べて母子ともにリスクはね上がるから、それだけ覚えといてな」
「え、いや、あの」
俺は少し慌てる。本当にそんなつもりはなかったのだ。
宇田野さんは笑う。
「わかってるよ、君の顔みてたら、真面目そーやもん。でもハズミっちゅうもんもあるからな、気ぃつけて」
「……はい」
「日本の周産期医療は世界でいちばん進んでるんや。僕にはその自負がある。それでやな、アメリカに行ってる先輩がやな、あっちの大学で教鞭とらへんか、て
誘ってくれてやね」
宇田野さんは苦笑いした。
「後進も育てた、あと日本でやり残したこというたら、あの人と結婚できんかったことや。せやから、思い切ってプロポーズしに来たわけや、玉砕してもたけど」
「……そうでしたか」
俺は頷きながら思う。敦子さんは、本当は一緒に行きたいんじゃないか?
だけど、あの人が華を手放すとは思えない。大事な孫だ。
なぜか自分の本当の孫ではない、という体にはしているが……まぁ、予想はできる。恐らく「いざという時」華を自由にするためだ。
常盤の家はやたらと入り組んでいて、真さんの話も合わせると華はただの駒として使われてしまう。
だから、いざという時、その「いざ」はーー例えばそれは俺との婚約が解消された時(あり得ないが)だと思うが、そんな時華を勘当して、常盤の家と関係をなくしてしまうつもりだ。だから華は未だに「設楽」を名乗っている。常盤と正式な縁組はされていないのだ。
そしてその時、「祖母ではない、ただの遠い親戚」なのだから、もう自分のことは気にするな、自由にしなさい、と華に告げる気なのではないか、と思う。
それだけ大事にしている華を置いてアメリカへ行くなんてあり得ない……と、そこまで考えて、俺は血の気が引いた。
(華を連れて)
それなら、あり得るのではないだろうか。
(あの時の華もこんな気持ちに?)
俺が長期で留学するんじゃないか、と早とちりして、拗ねていたとき。
俺は肩をすくめる。相変わらず、俺は子供だと自覚させられる。こんなにも自分本位だ。周りが見えていない。
「……、大人の基準って何ですか」
「ん? 唐突やな」
「いや、俺は子供だなと自覚することが多くて」
「せやろか。かなり大人やと思うで」
「いえ、俺は、……ブラックコーヒーも飲めないんです」
宇田野さんは吹き出した。
「あっは、そら、あれやな、……コーヒー飲めたら大人なん?」
「少なくとも、俺の中では」
「せやなぁ」
宇田野さんは笑う。
「せやったら僕も未だに子供やわ」
「?」
「僕も飲めへんし」
「え」
「ワガママ言うしなぁ、未だに子供やな」
「そうでしょうか」
宇田野さんはちゃんとした、きちんとした大人に見える。大人なのに子供みたいな人もみかけることもあるが、この人はそんな感じではない。
「まぁ男はいつまでも子供や言うし、ええんちゃうかな」
「それはダメだと思います」
「あっは、あかんか!」
宇田野さんは楽しそうにそう言って笑って、俺はちょっと誤魔化されたかなと思う。
けど、ひとつ分かったことがある。
どうやら、ブラックコーヒーが飲めなくても大人にはなれる、らしいということだ。
一軍はほとんど特待かスカウトで来ている生徒だが、俺のように内部進学組も少しはいて、……と、まぁそんなことはどうでも良くて、問題は……本当に、つい、華につけてしまった「キスマーク」だ。
数日前のことだ。誰かが持ってきていた、少し"オトナ"な雑誌。
中学生男子が50人ばかりもいるのだ、そういう話題は事欠かないというか、盛り上がるというか、……その日もロッカールームはいわゆる恋愛の話と少し下世話な話が入り混じった、そんな話で盛り上がっていた。
だが、俺と華についてそんな話題を振られると少し俺が不機嫌になるのは周知されていて(華をそんな下世話な話題に巻き込みたくない)友人や先輩たちも、そういった話題で俺にわざわざ話を振ってくることもない。
なので、俺は直前の練習の紅白戦で同じチームだったディフェンダーの友人と、マネージャーが撮った映像をタブレットで見ながらああでもないこうでもない、と話していた。
だが、ふと友人が「へえ、」とその盛り上がっていた会話に興味を示した。
「? どうした」
「いやごめん、そうなんだと思って」
「何がだ?」
「キスマークって、つける場所によって意味が違うんだってさ」
「そうか」
「興味薄っ!」
友人は笑う。
「樹ってそーゆーことキョーミ無さそう」
「あるぞ普通に」
「マジ?」
「だが、表に出していくべきとは思っていない」
「えー。そういうのムッツリっていうんじゃないの」
「好きに呼べ」
「ムッツリ樹」
「腹が立つからやめろ」
俺が少しムッとした顔をしてみせると、友人は少し楽しそうに笑った。
「まぁいいや。単に首につけるキスマークがね、オレのものになってください、って意味なんだって、それだけヘェ~って思ってさ」
「なぜだ」
「だってキスマーク付けるような間柄って、もう自分のものになってるから付けられるんじゃないの?」
「それはそうだな」
ふむ、と首を傾げる。
俺のものになってください、か。
(そういう願いならいつも持っている)
華に。どうか俺だけの特別になって欲しいと。
だから褒めて欲しい。
華が「好き」と言ってくれたとき、そのほんの少し震えるまつげを、伏せられた目を、ほんのり赤い頬を、艶やかな唇を、その全てを、無理矢理俺のものにしなかったことを。
(華はズルい)
とにかくそう思う。全てが俺のなにかに刺さる。その度に、俺は華に対する独占欲が溢れそうになる。
大事にしたい、大切にしたい、その一方でめちゃくちゃにしたいような、そんな欲求もどこかにあって、俺は少しおかしいのかとも思う。
だから、そのせいだと思う。華の白い首を目の前にして、ついその跡をつけてしまったのは。
(俺のものになってください)
そんな願いだっただろうか?
華の「好き」は、俺の望む「好き」でいいんだろうか、……いいんだよな? そんなほんの少しの不安が俺を突き動かした、のかもしれない。
(もっと後先を考えるべきだった)
だが、そんな余裕は俺にはなかったことは確か、だ。華の前ではいつも余裕などなくなるのだから。
しかしそのせいで、俺はとてつもない不安に襲われている。
(……婚約を解消する、そんなことになったら)
俺はどうしたらいいんだろう。俺はぎゅうっと華の手を握りしめた。
目の前で、敦子さんは怒っている。他の誰でもない、俺にだ。
(信用してくれていたんだ)
分かってる。その信頼を裏切ったのは俺だ。
(キスまでは許す、と言われていたから)
キスマークも大丈夫だろう、と思ったのは甘かった。当然"そういうこと"を連想するだろうと思う。
「…….死にそうな顔してるわね」
「はい」
俺は背筋を伸ばして答える。
(どうか)
どうか、俺から華を奪わないでください。ひたすらに華の手を握る。このひとがいなくては、俺はもう生きていけないんです。
俺の必死な思いが伝わったのかどうなのか、敦子さんはフ、と笑った。いつもの笑顔だ。
俺の肩から力が抜けた。どうやら許してもらえたらしい。
「じゃ、帰りましょうか華」
「え、敦子さん、いいの」
華は、ちらちらと男性を見遣る。
「いいの」
敦子さんは院長先生、だというその男性を仰ぎ見て「さようなら」と笑った。
その人も笑う。
「お元気で」
「あなたも」
そして、何度も振り向く華を連れて、歩いて行ってしまう。
俺と院長先生が残される。ぺこりと頭を下げて行こうとして、院長先生は俺に向けて笑った。
「変なとこみられてしまったなぁ」
「……、すみません、ちょっとご挨拶をと思ったのですが」
あらためて向かい合う。
「華がお世話になりました」
「いやいや、そりゃご丁寧に」
宇田野です、とその人は言った。
「高校がこちらでね」
あの人と出会うたんですよ、と宇田野さんは笑う。関西のイントネーション。
「……、そうですか」
なんと言えばいいのか分からず、それだけ答える。
「今から部活とか?」
「はい」
俺のジャージを見てだろう、宇田野さんは笑った。
「ほな送るわ、青百合やね」
「いやそんな、車を呼びますので」
「いいんや、話に付きおうて」
なんとなく断れず、俺は近くのコインパーキングに停められていた宇田野さんの車に乗り込む。
「あんな」
「はい」
「僕は専門は産婦人科なんやけど」
「はい」
「10代の妊娠出産は、20代に比べて母子ともにリスクはね上がるから、それだけ覚えといてな」
「え、いや、あの」
俺は少し慌てる。本当にそんなつもりはなかったのだ。
宇田野さんは笑う。
「わかってるよ、君の顔みてたら、真面目そーやもん。でもハズミっちゅうもんもあるからな、気ぃつけて」
「……はい」
「日本の周産期医療は世界でいちばん進んでるんや。僕にはその自負がある。それでやな、アメリカに行ってる先輩がやな、あっちの大学で教鞭とらへんか、て
誘ってくれてやね」
宇田野さんは苦笑いした。
「後進も育てた、あと日本でやり残したこというたら、あの人と結婚できんかったことや。せやから、思い切ってプロポーズしに来たわけや、玉砕してもたけど」
「……そうでしたか」
俺は頷きながら思う。敦子さんは、本当は一緒に行きたいんじゃないか?
だけど、あの人が華を手放すとは思えない。大事な孫だ。
なぜか自分の本当の孫ではない、という体にはしているが……まぁ、予想はできる。恐らく「いざという時」華を自由にするためだ。
常盤の家はやたらと入り組んでいて、真さんの話も合わせると華はただの駒として使われてしまう。
だから、いざという時、その「いざ」はーー例えばそれは俺との婚約が解消された時(あり得ないが)だと思うが、そんな時華を勘当して、常盤の家と関係をなくしてしまうつもりだ。だから華は未だに「設楽」を名乗っている。常盤と正式な縁組はされていないのだ。
そしてその時、「祖母ではない、ただの遠い親戚」なのだから、もう自分のことは気にするな、自由にしなさい、と華に告げる気なのではないか、と思う。
それだけ大事にしている華を置いてアメリカへ行くなんてあり得ない……と、そこまで考えて、俺は血の気が引いた。
(華を連れて)
それなら、あり得るのではないだろうか。
(あの時の華もこんな気持ちに?)
俺が長期で留学するんじゃないか、と早とちりして、拗ねていたとき。
俺は肩をすくめる。相変わらず、俺は子供だと自覚させられる。こんなにも自分本位だ。周りが見えていない。
「……、大人の基準って何ですか」
「ん? 唐突やな」
「いや、俺は子供だなと自覚することが多くて」
「せやろか。かなり大人やと思うで」
「いえ、俺は、……ブラックコーヒーも飲めないんです」
宇田野さんは吹き出した。
「あっは、そら、あれやな、……コーヒー飲めたら大人なん?」
「少なくとも、俺の中では」
「せやなぁ」
宇田野さんは笑う。
「せやったら僕も未だに子供やわ」
「?」
「僕も飲めへんし」
「え」
「ワガママ言うしなぁ、未だに子供やな」
「そうでしょうか」
宇田野さんはちゃんとした、きちんとした大人に見える。大人なのに子供みたいな人もみかけることもあるが、この人はそんな感じではない。
「まぁ男はいつまでも子供や言うし、ええんちゃうかな」
「それはダメだと思います」
「あっは、あかんか!」
宇田野さんは楽しそうにそう言って笑って、俺はちょっと誤魔化されたかなと思う。
けど、ひとつ分かったことがある。
どうやら、ブラックコーヒーが飲めなくても大人にはなれる、らしいということだ。
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