593 / 702
【高校編】分岐・鹿王院樹
サクラ、散ったのか咲いたのか
しおりを挟む
「そういや鹿王院、これ」
「黒田、悪いなわざわさ」
昼休み、黒田くんが樹くんに手渡したのは、格闘技のDVD。
青百合学園高等部のカフェテリア。私はアイスカフェオレをストローですすりながらそれを眺めていた。ボケーっと。
「幻の試合だな」
「すげえんだぜこれ、空中二段蹴り」
「黒田できないのか」
「できるけど本番で出せって言われたらなぁ、スキが出来るから」
ガラステーブルを挟んで向かいの席ではしゃぐ男子高校生ふたり。
中学生の頃、なぜか仁に格闘技を習い始めた樹くんは、気がついたら格闘技マニアに成長していた。それで空手をしてる黒田くんと気が合ったらしくて、去年くらいからちょいちょい話したりしてたみたいだ。
いや、元から樹くんってハマるとディープなんだよね。アクアリウム趣味にしてもそうなんだけど。
ここのサッカー部強豪だから練習キツそうだし、相変わらず選抜にも呼ばれてるし、よくわかんないんだけどお仕事もしてるし、アクアリウム趣味は昨日も床を補強するだのしないだので静子さんと大ゲンカしてたしで、ほんとバイタリティがすごい。
私は、というとーーまだ本命の高校に落ちたショックから抜け出せていない。
(なんで滑り止め、青百合にしちゃったんだろ)
自ら身の破滅を呼んでいるとしか思えない。でも、背水の陣を敷いたつもりだったのだ。本命に受かるしかない! って。
(まさかインフルエンザになるなんて……)
大本命の、都内の女子校。落ちるも何も、私は受験すらできなかったのだ……。
(そして)
実はもう一つ、ちょっと私にショックを与えた出来事があったのだ。これに関しては、ほんと千晶ちゃん以外には言えないんだけれど。
「設楽、まだ凹んでんのか」
向かいの席から黒田くんが言う。
「うん」
「ここだっていい学校じゃねーか」
「……うん」
はぁ、と私はため息をつく。
「設備もいいし、先生たちも分かりやすいし、学食もカフェも美味しいし。まぁ敢えて言うなら校則が古臭い」
「ああ」
樹くんが口を挟む。
「少し前時代的なきらいはあるな」
「うん、でもまー、我慢できないレベルではない、よ」
イマイチ納得できてないとこはあるけど、うーん、お嬢様ってそんなもの? っていう感じ。前世ド庶民だから、おセレブの考え方に慣れてないだけかなぁ。
「なら何が?」
「……来年が怖いの」
正直、転校も視野にいれている。君子危うきに近寄らずと言うではありませんか……!
「なんだそれは」
不思議そうな樹くんと黒田くん。
(前世の記憶的に、来年ヒロインちゃんが入学してきて、もしかしたら樹くんはその子のことが好きになっちゃうかも、なんて)
言えない。カウンセリング増やされる。
(同じくらい怖いのが、松影ルナや石宮瑠璃みたいに下手に前世の記憶があって暴走されちゃうこと)
波風立てないように生きてくれないのかなぁ……それとも「ヒロインになった」ってことが嬉しくて、何か変なスイッチ入っちゃうのかな。
「まぁなんだか知らねーけどな。困ったことあれば言えよ」
「黒田くん」
にかっ、と笑う黒田くんは相変わらずオトコマエって感じだ。
「頼れよな」
「うん」
「いやちょっと待て俺に先に言うべきだろう……!」
樹くんが少し口を尖らせて言う。
「許婚だぞ」
「でも樹くん忙しそうだし」
「華のためならいくらでも時間など作る」
真剣な顔の樹くんに、つい私は吹き出してしまう。
「ふふ、分かった分かった。樹くんにもちゃんと言うから」
「約束だぞ」
「はぁい」
「あ、華ちゃんたち、やほー」
声の方を向くと、ひよりちゃん。楽譜を抱えて軽く手を振ってくれている。
「ここ、いーい?」
「もちろん。もうお昼は終わった?」
「うん」
微笑みながら私の横に座るひよりちゃんは、無事にここの音楽科に入学していた。残念ながら推薦はもらえなかったんだけど、それでも自力で合格したんだからスゴイと思う。
「てかさ、まだ華ちゃんアンニュイなの?」
ちょっと聞こえてたんだけど、と笑うひよりちゃんに、樹くんと黒田くんは苦笑で返した。
「四月も半ばなんだから」
「そうなんだけど、さ」
「華ちゃんはもちろん、仲良いメンバーみんな青百合でわたしは嬉しいよ?」
「ひ、ひよりちゃん」
私は思わずひよりちゃんの手を握った。
「ひよりちゃんがそう言ってくれるなら、来年からも頑張れそう……!」
「ら、来年なにがあるの……?」
ひよりちゃんにも聞かれるけど、そこは曖昧に笑った。
「まぁ来年何があるか知らないけど、みんないるから」
ね? と笑うひよりちゃんに、私は小さくうなずいた。
「ま、見事なほどクラス、ってか科は違うけど」
ひよりちゃんはその大きな瞳をくるり、と樹くんたちに向けた。
「華ちゃんは普通科、ってか特進で、わたしは音楽科。2人はスポクラ、秋月くんも。千晶ちゃんは普通科だけど青百合組。卒業までクラスかぶることなさそうだね」
「俺たちはどうかな」
「3クラスだからな、確率はあるな」
黒田くんと樹くんは笑い合う。ほんといつの間にそんなに仲良くなったの……?
(てか、樹くん、ゲームでなら"青百合組"のはずだったんだよね)
青百合組、とは通称で、実際はひと学年12クラスあるうちの1~5組。青百合の中等部からの持ち上がり組、もしくは特別推薦(親兄弟、親戚が青百合出身ならもらえる身内枠みたいなかんじ?)の子だけが入れるクラス。
(もちろん、ゲームでは華もそっち)
校舎も違って、ちょっとだけ設備も豪華だったりするので、その辺がゲームでは華の選民思想に拍車をかけたんじゃないか、と思う。
まぁ現実では、私は特進クラスに合格しているのであまり関係ない。
「特進って、みんな外部からだけなの? 6、7組だよね」
「えーとね、半分くらいは内部進学組だよ」
内部進学組でも、外部難関大への進学を希望する子たちは特進クラスに進学する。
それから、ひよりちゃんの通う音楽科。これは8組。来年圭くんが通う(はず)の芸術科が9組。
「タケルが11組? 鹿王院くんは?」
「俺は12組だ」
樹くんと黒田くんが所属してるのが、10~12組の通称"スポクラ"。
スポーツ推薦(中学含む)および内部進学組で、特に優秀な成績を残したもの、が進学できるクラス。
外向きには「普通科」扱いなんだけど、学業より部活動優先の雰囲気があってなんとなく学内では「スポクラ」なんて呼ばれてる、らしい。
「1000人以上いると、先生も顔と名前、全部把握なんか無理だよね。わたしたちもだけど」
「せいぜいクラスと部活くらいだな」
黒田くんは肩をすくめて、私も頷いた。その時、予鈴がなる。
「あ、戻らなきゃ」
私たちは立ち上がる。
「華、次はなんの授業だ?」
「……生物」
樹くんの問いに、思わず低い声になった私に、黒田くんが訝しそうに首を傾げた。
「お前理科苦手だっけ? 難しくなったからか?」
「違うの……先生が」
「担当誰だ?」
「野宮……野宮藤司先生」
「ノミヤ? ああ、あのメガネの。あの人が?」
不思議そうな黒田くんたちに、私は曖昧に微笑む。
(わ、私の推しキャラがっ)
私の推しキャラが、前世で推してたトージ先生が! 全然、全然っ、別人になっていたのだ。
入学式でのあのショックは、しばらく忘れられそうにない。まぁ入学式っていうか、その後のオリエンテーションでの出来事、だったんだけど……。
「黒田、悪いなわざわさ」
昼休み、黒田くんが樹くんに手渡したのは、格闘技のDVD。
青百合学園高等部のカフェテリア。私はアイスカフェオレをストローですすりながらそれを眺めていた。ボケーっと。
「幻の試合だな」
「すげえんだぜこれ、空中二段蹴り」
「黒田できないのか」
「できるけど本番で出せって言われたらなぁ、スキが出来るから」
ガラステーブルを挟んで向かいの席ではしゃぐ男子高校生ふたり。
中学生の頃、なぜか仁に格闘技を習い始めた樹くんは、気がついたら格闘技マニアに成長していた。それで空手をしてる黒田くんと気が合ったらしくて、去年くらいからちょいちょい話したりしてたみたいだ。
いや、元から樹くんってハマるとディープなんだよね。アクアリウム趣味にしてもそうなんだけど。
ここのサッカー部強豪だから練習キツそうだし、相変わらず選抜にも呼ばれてるし、よくわかんないんだけどお仕事もしてるし、アクアリウム趣味は昨日も床を補強するだのしないだので静子さんと大ゲンカしてたしで、ほんとバイタリティがすごい。
私は、というとーーまだ本命の高校に落ちたショックから抜け出せていない。
(なんで滑り止め、青百合にしちゃったんだろ)
自ら身の破滅を呼んでいるとしか思えない。でも、背水の陣を敷いたつもりだったのだ。本命に受かるしかない! って。
(まさかインフルエンザになるなんて……)
大本命の、都内の女子校。落ちるも何も、私は受験すらできなかったのだ……。
(そして)
実はもう一つ、ちょっと私にショックを与えた出来事があったのだ。これに関しては、ほんと千晶ちゃん以外には言えないんだけれど。
「設楽、まだ凹んでんのか」
向かいの席から黒田くんが言う。
「うん」
「ここだっていい学校じゃねーか」
「……うん」
はぁ、と私はため息をつく。
「設備もいいし、先生たちも分かりやすいし、学食もカフェも美味しいし。まぁ敢えて言うなら校則が古臭い」
「ああ」
樹くんが口を挟む。
「少し前時代的なきらいはあるな」
「うん、でもまー、我慢できないレベルではない、よ」
イマイチ納得できてないとこはあるけど、うーん、お嬢様ってそんなもの? っていう感じ。前世ド庶民だから、おセレブの考え方に慣れてないだけかなぁ。
「なら何が?」
「……来年が怖いの」
正直、転校も視野にいれている。君子危うきに近寄らずと言うではありませんか……!
「なんだそれは」
不思議そうな樹くんと黒田くん。
(前世の記憶的に、来年ヒロインちゃんが入学してきて、もしかしたら樹くんはその子のことが好きになっちゃうかも、なんて)
言えない。カウンセリング増やされる。
(同じくらい怖いのが、松影ルナや石宮瑠璃みたいに下手に前世の記憶があって暴走されちゃうこと)
波風立てないように生きてくれないのかなぁ……それとも「ヒロインになった」ってことが嬉しくて、何か変なスイッチ入っちゃうのかな。
「まぁなんだか知らねーけどな。困ったことあれば言えよ」
「黒田くん」
にかっ、と笑う黒田くんは相変わらずオトコマエって感じだ。
「頼れよな」
「うん」
「いやちょっと待て俺に先に言うべきだろう……!」
樹くんが少し口を尖らせて言う。
「許婚だぞ」
「でも樹くん忙しそうだし」
「華のためならいくらでも時間など作る」
真剣な顔の樹くんに、つい私は吹き出してしまう。
「ふふ、分かった分かった。樹くんにもちゃんと言うから」
「約束だぞ」
「はぁい」
「あ、華ちゃんたち、やほー」
声の方を向くと、ひよりちゃん。楽譜を抱えて軽く手を振ってくれている。
「ここ、いーい?」
「もちろん。もうお昼は終わった?」
「うん」
微笑みながら私の横に座るひよりちゃんは、無事にここの音楽科に入学していた。残念ながら推薦はもらえなかったんだけど、それでも自力で合格したんだからスゴイと思う。
「てかさ、まだ華ちゃんアンニュイなの?」
ちょっと聞こえてたんだけど、と笑うひよりちゃんに、樹くんと黒田くんは苦笑で返した。
「四月も半ばなんだから」
「そうなんだけど、さ」
「華ちゃんはもちろん、仲良いメンバーみんな青百合でわたしは嬉しいよ?」
「ひ、ひよりちゃん」
私は思わずひよりちゃんの手を握った。
「ひよりちゃんがそう言ってくれるなら、来年からも頑張れそう……!」
「ら、来年なにがあるの……?」
ひよりちゃんにも聞かれるけど、そこは曖昧に笑った。
「まぁ来年何があるか知らないけど、みんないるから」
ね? と笑うひよりちゃんに、私は小さくうなずいた。
「ま、見事なほどクラス、ってか科は違うけど」
ひよりちゃんはその大きな瞳をくるり、と樹くんたちに向けた。
「華ちゃんは普通科、ってか特進で、わたしは音楽科。2人はスポクラ、秋月くんも。千晶ちゃんは普通科だけど青百合組。卒業までクラスかぶることなさそうだね」
「俺たちはどうかな」
「3クラスだからな、確率はあるな」
黒田くんと樹くんは笑い合う。ほんといつの間にそんなに仲良くなったの……?
(てか、樹くん、ゲームでなら"青百合組"のはずだったんだよね)
青百合組、とは通称で、実際はひと学年12クラスあるうちの1~5組。青百合の中等部からの持ち上がり組、もしくは特別推薦(親兄弟、親戚が青百合出身ならもらえる身内枠みたいなかんじ?)の子だけが入れるクラス。
(もちろん、ゲームでは華もそっち)
校舎も違って、ちょっとだけ設備も豪華だったりするので、その辺がゲームでは華の選民思想に拍車をかけたんじゃないか、と思う。
まぁ現実では、私は特進クラスに合格しているのであまり関係ない。
「特進って、みんな外部からだけなの? 6、7組だよね」
「えーとね、半分くらいは内部進学組だよ」
内部進学組でも、外部難関大への進学を希望する子たちは特進クラスに進学する。
それから、ひよりちゃんの通う音楽科。これは8組。来年圭くんが通う(はず)の芸術科が9組。
「タケルが11組? 鹿王院くんは?」
「俺は12組だ」
樹くんと黒田くんが所属してるのが、10~12組の通称"スポクラ"。
スポーツ推薦(中学含む)および内部進学組で、特に優秀な成績を残したもの、が進学できるクラス。
外向きには「普通科」扱いなんだけど、学業より部活動優先の雰囲気があってなんとなく学内では「スポクラ」なんて呼ばれてる、らしい。
「1000人以上いると、先生も顔と名前、全部把握なんか無理だよね。わたしたちもだけど」
「せいぜいクラスと部活くらいだな」
黒田くんは肩をすくめて、私も頷いた。その時、予鈴がなる。
「あ、戻らなきゃ」
私たちは立ち上がる。
「華、次はなんの授業だ?」
「……生物」
樹くんの問いに、思わず低い声になった私に、黒田くんが訝しそうに首を傾げた。
「お前理科苦手だっけ? 難しくなったからか?」
「違うの……先生が」
「担当誰だ?」
「野宮……野宮藤司先生」
「ノミヤ? ああ、あのメガネの。あの人が?」
不思議そうな黒田くんたちに、私は曖昧に微笑む。
(わ、私の推しキャラがっ)
私の推しキャラが、前世で推してたトージ先生が! 全然、全然っ、別人になっていたのだ。
入学式でのあのショックは、しばらく忘れられそうにない。まぁ入学式っていうか、その後のオリエンテーションでの出来事、だったんだけど……。
0
あなたにおすすめの小説
傷物令嬢は魔法使いの力を借りて婚約者を幸せにしたい
棗
恋愛
ローゼライト=シーラデンの額には傷がある。幼い頃、幼馴染のラルスに負わされた傷で責任を取る為に婚約が結ばれた。
しかしローゼライトは知っている。ラルスには他に愛する人がいると。この婚約はローゼライトの額に傷を負わせてしまったが為の婚約で、ラルスの気持ちが自分にはないと。
そこで、子供の時から交流のある魔法使いダヴィデにラルスとの婚約解消をしたいと依頼をするのであった。
ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する
ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。
皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。
ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。
なんとか成敗してみたい。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる