【R18】100日お試し婚〜堅物常務はバツイチアラサーを溺愛したい〜

にしのムラサキ

文字の大きさ
40 / 51

嵐の前の、幸せ

「……んっ、謙一、しゃ、」

 ぎっぎっぎっ、てベッドのスプリングが鳴る。私はうつ伏せで、腰だけ謙一さんの片腕で軽く抱き上げられて──後ろから、奥まで一気に何度も何度も突かれて喘ぐ。

「ひゃ、ぁっ、はぅ、らめ、っ」

 ……で、なんで滑舌がこんなに悪いかというと。

「噛んじゃ、ぁう、っ、指、抜いてくだひゃ……んんっ!」
「嫌だ」

 ぐちゅぐちゅに蕩けさせられて、甘い声しか出てない口の中にどこか無遠慮なほどに差し込まれているのは、謙一さんの中指と人差し指。
 その指で、私の舌を摘んだり上顎を撫でたり、で……うまく口が閉じられない私は、涎とか垂れてそうで嫌なんだけれど、一向に謙一さんはやめてくれる雰囲気がない。

(うまく、力が込められない……)

 くらくらする頭で考える。
 謙一さんの指を傷つけそうで、口が閉じられなくて、そうなると身体にどう力をいれたらいいのか分からなくてなって。
 ……で、そうなると与えられる快楽の逃しようがまったくなくて、私はただ喘ぐだけ。腰の奥に響く気持ち良さが、ダイレクトに脳髄まで届いてる感じで……。

「溶けひゃう……っ」
「ん」

 溶けなさい、って感じで謙一さんが笑うのが分かった。喉仏のあたりで、低く、深く。
 それが鼓膜で響いて、脳までも謙一さんに弄られてる気分になって──。

(あ、もう、ダメだ)

 視界が揺れる。自分で、ナカがきゅうって締まるのが分かった。イき、そう……!

「ん、ん、……っ、はぁ……っ」

 知らず声がワントーン高くなって。荒くなる息、ばちゅん、ばちゅん、って水音。

「やっ、ぁっ」

 ぴく、と腰が跳ねそうになって、目を瞠った。口の中で謙一さんの指が蠢く。ちゅぱちゅぱとその指を吸いながら、自分で呼吸が早くなっていくのを覚えた。

「麻衣」

 耳元で、謙一さんの声。

「ナカ、うねってるの分かるか?」
「……ゃ、っ、言わない、で」
「イきそうだな」
「ん、っ、指……っ」

 抜いてください、って半泣きで訴える。これでイったら、指、絶対噛んじゃう。

「どうしようか」

 絶っっ対に愉しんでる声音で、謙一さんは耳殻を噛む。こりこりと口内で食まれる軟骨。

「正直なところ、我慢している麻衣がめちゃくちゃ可愛くてやめたくない」
「いじ、わる……っ」

 その責める言葉さえ、甘えた声色になるのはなんでなんだろう? 謙一さんがどこか幸せそうに私のこめかみにキスをして──そうしてようやく、私の口から指を抜いてくれた。

「は、ぁっ」
「今、ナカ、吸い付いたの分かるか?」

 謙一さんが背後から、私を抱きしめ直しながら言う。少し抽送が速くなって、子宮がきゅううと張るように動いたような気がした。身体が、謙一さんのを欲しがって狂おしく強請る。出して欲しいって。

(はやく、)

 蕩けてほとんど機能していないっぽい頭で考える──早く、100日再婚禁止期間なんて過ぎ去ってしまえばいい。
 そうすれば、私と謙一さんを隔ててる最後のこの薄い被膜さえ取り払ってしまえるのに──、と想像して、またナカが蠕くのが分かった。

「謙一、さんっ、も、イきそ……っ!」
「まったく」

 柔らかくて低い、謙一さんの声。

「ほんとうに、可愛い……」

 愛おしくてたまらないって声で、そんなふうに言うから──私はぎゅっとシーツを握りしめる。
 ゴツゴツと奥を穿つような動きに変わって、私はシーツに顔を押し付けるようにしてただ淫らに叫ぶ。
 言葉になんか、ならない。
 気持ち良くて、泣きそうで。
 愛おしくて、苦しくて。

「愛してる、麻衣──」

 謙一さんのその言葉と一緒に、私は与えられた絶頂に透明な悲鳴を上げる。
 声になっていたかどうかは、もはや分からなかった。

 目を覚ますと、髪を撫でる優しくて節だった指先。

「……あ、私。寝ちゃって、ました」
「ん」

 さらり、さらり。
 髪を梳く指先。細められた目と、少しの笑い皺。思わず微笑み返す。額にキスが落ちてきた。

「何時ですか?」

 カーテン越しの窓の外が真っ暗なようで、ぎょっとして聞いてみる。謙一さんは微かに笑って「まだ夕方だ」と私を抱き寄せた。

「……あの?」
「寝起きの麻衣が可愛すぎて勃った」
「いや、えっと、そのー」

 ぼうっとしながら考える。
 なにか私、途中だったような……。

「……っ、あ! お雑煮っ」
「雑煮?」

 きょとんと聞き返してくる謙一さんに、私は「そのう」と口を開いた。

「お節、謙一さんが用意してくれたので……お雑煮は私が作ろうと思って」
「麻衣のご実家の?」
「ええと」

 少し迷ってから、私は謙一さんの様子を伺いながら口を開く。

「金沢、風の……? あ、合ってるか分かんないですけど!」

 きょとんとしている謙一さんに、慌てて手を振る。

「うまく出来るかも分かんないですし!」

 謙一さんは深く眉間にシワを寄せた。私はハテナを浮かべながらそれを見つめる。……あれ、なんか嫌だったり、したのかな?
 不安になって様子を伺っていると、謙一さんは何かを決心したかのように私に向かって真剣な視線を遣した。

「……よし、麻衣。結婚しよう」
「わ!? は、離してくださいぃ」

 唐突に、何度めかのプロポーズ(?)をされたかと思うとぎゅうぎゅう抱きしめられる。

(な、なんで!?)

 思い切り眉間にシワとか寄せてたのに!

「済まん、愛おしさで訳がわからなくなって、気がついたらプロポーズしていた……」
「なんですかそれ」

 ふふ、と笑いながらちょっと安心して、謙一さんの身体に擦り寄る。
 温かくて、幸せで。

「……もうすぐ新年ですねぇ」

 ぽつりと呟く。
 もうすぐ新しい年が来る。
 謙一さんと過ごす、一年。そのあとも続いていく。一年一年を積み重ねて、ずっと、ずっと──この人と、生きていく。

 その最初の一年が、もうすぐ来ると。
 幸せでいっぱいの新年になるはずだって、私はそう──はっきりと信じていたのだった。

あなたにおすすめの小説

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。