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復讐のブルー・ペグランタン編
``禍焔``の決意
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時を少し遡る。
「クソがッ、どうなってやがる……!」
俺は暗黒の霧の中を走り続けるが、一向に範囲外に出られないもどかしさに、苛立ちを募らせ始めていた。
走っても走っても、霧、霧、霧。見渡す限り、視界の全てを覆い尽くす常闇の濃霧がまとわりついてくる。もしかしてこれ、俺と連動してやがるのか。
『兄さん』
頭によぎる、霊子通信。すかさず受話器を掻っ攫う。
『なんとかできそうか』
『それなんだけど、パオングが動いた』
『なに!?』
『だから、すぐなんとかなると思う』
『マジか……』
パオングが動く。それは、俺たちとって大きな意味を持つ。
パオングの存在は俺らにとって最後の切り札に等しく、余程のことがない限りは隠しておくべき手札の一つだ。パオングを召喚する判断を下したのは、おそらく御玲だろうが、奴は澄連と合流を考えたはず。
なら澄連と話し合って決めたってことなんだろうが、慎重派の御玲が真っ先にパオングを動かすことを提案するとは思えない。となると澄連が御玲に提案したことになるが、澄連が提案したのなら、今の状況は相当マズイってことになる。
「チッ……」
ポンチョ女。最初は百足野郎がいないとロクにできることがない、ただの雑魚だと思っていた。
実際、北支部は金髪野郎が音頭取っているようなもんだし、ポンチョ女といえば北支部ロビーにあるクソデカ観葉植物近くのベンチで黒百足の身体を敷布団代わりにし、グースカと眠りこけている姿ぐらいしか見たことがない。侮っていたのは事実だ。
「俺が……見誤った……? いや……」
今に始まったことじゃない。キシシ野郎との戦いだってそう。勝てると思いこんで戦って、結果手も足も出なくて。結局澄連に助けてもらって数の暴力で覆して。
「だからこそ……」
仲間を頼る。できないことはできる仲間に任せる。それが理想的で、ゴリ押ししか能がない俺が輝ける、一番の環境―――。
―――``貴方は仲間に依存している。今はまだいい、だがその依存はいずれ、貴方の人生の大きな足枷となる``―――
依存。俺が。仲間に。クソが。
「それの……何が悪いってんだよ……!」
もしそれがダメだってんなら、俺は本当の無能じゃないか。ただ力が強いだけの無能。そうならないために、できないことを仲間に頼るんじゃないか。頼ることは、悪だってのかよ。俺は、全知全能なんかじゃない。
『兄さん、パオングが対策魔法を使ったみたい! あと二秒くらいで晴れるよ!』
もたらされた朗報が、俺の頬をぶっ叩いてくれる。今更だが戦いの中でごちゃごちゃと考え事をしてしまうのは、俺の悪い癖だ。大概の事じゃ死なないとはいえ、油断で足元掬われていたらクソ間抜けもいいところだ。
意識を現実に戻し、周りを見渡す。さっきまで一寸先も見通せないぐらいの濃霧だった周りは、徐々にその濃度を落としていく。霧が薄まり、ようやく周囲の景色が見渡せるようになってきたと考えた矢先、本能が危険信号を発する。
「ぐっ……!」
霧が晴れる直前を狙った一撃。霧が晴れたと安堵し、ほんの僅かに気が緩んだところを刈り取る不意打ちだ。つくづく自分の直感は自分自身よりも有能だなと感慨に耽りつつ、背後から迫る複数の気配を察知する。
「御玲! 澄連!」
息を吐き、安堵。タイミング的には最良だ。このまま数の差で―――。
「……なんで金髪野郎がいる?」
御玲に澄連。いつもの仲間たち。俺が守るべき、家族。しかしその中に、その名を連ねるには相応しくない奴が一人いた。
「おいおい。俺がいて悪いみたいな言い方すんなよ」
苦笑いしながら頭を掻く。だが、何故だろう。どことなく、覇気がない。いつもなら感じる凛とした雰囲気が今日はないように思えた。
「頭数は多い方がいいだろうが」
「あ、ああ……まあ、そうだな」
俺は御玲たちを一瞥する。金髪野郎がしゃしゃり出てきているってのに、御玲たちが妙に落ち着いている。まるでコイツが最初からいたみたいな雰囲気だ。澄連と別れるまではいなかったし、後々になって鉢合わせたんだろうが、それにしても金髪野郎がこの状況を把握しているって風なのが気になる。
「澄男さま。今は彼女をどうにかしませんと」
御玲が顔を覗いてきたことで、我に帰る。相変わらず、俺は顔に出るらしい。
確かに今は金髪野郎のことを考えている暇なんざない。そんなものは後でどうとでもなることだ。
「コイツの相手は俺だ。俺が惹きつけるから、お前らは隙をついて……ッ!?」
「きゃあッ!?」
ヤバい。直感が、そう叫んだ。
御玲を勢いよく突き飛ばし、射られたそれを間一髪で躱すことで、御玲の危機は回避された。その代わり。
「チッ……」
「澄男さん!」
俺の横腹に深々と刺さった、エーテルレーザー。本来なら尋常ならざる痛みが身体中をボロクソに詰るところだが、それ以上に体の奥底が湧き上がるマグマが、あらゆる痛みを焼き尽くしていく。
「テメェ……!!」
ポンチョ女の人ならざる奇声が、立体駐車場内に響き渡る。
コイツ、よりにもよって御玲を狙いやがった。この中でも戦死する確率が高い奴を。ふざけやがって、相手は俺だろうが。なんで御玲を狙う。御玲も標的だってのか。クソが、クソがクソがクソがクソが。
「もういい……分かった。ただじゃ殺さねぇ、跡形もなく消えてなくなりやがれ百足女がッ!!」
火属性が大して効かねぇとか知ったことか。コイツはなんとしても殺す。藻屑も残さず灰すらも焼き尽くして消滅させる。御玲に、俺の仲間に手を出したこと。後悔する暇もなく消し飛ばしてくれる。
「待ってくれ!」
「ああ!?」
背後から呼び声。その声の主が仲間のものじゃないことに、すぐ気づく。
「黙れよ、テメェの意見なんざ聞いてねぇ……聞く価値もねぇ!!」
「だろうな、お前はそういう奴だよ。でもな、今回ばかりは矛を収めちゃくれねぇか」
「何を言い出すかと思えば……矛を収めろだと? テメェ今見たろ!! コイツが御玲を攻撃したところをよォ!! 舐めた口利いてんじゃねぇぞゴミが!!」
話にならない。論外だ。何を言っているのか、一瞬理解できなかったほどに。
コイツは今、御玲を攻撃した。御玲を殺す気で、確実に息の根を止めるつもりで、攻撃した。それを許せと。のうのうと生かし、その事実をなかったことにしろと。そんな真似、俺が許すと思うのか。況してや外野の戯言如きで。
仲間面してんじゃねぇぞテメェはただ単に偶々同じ任務をこなしてきただけの存在その程度の塵風情がしゃしゃり出てきてんじゃねぇよ戦力になるかなと思って頭数に入れてたが役に立たねぇってんなら今すぐ失せやがれそして俺の前に二度とそのツラ見せんじゃねぇ。
「澄男さま!」
先走った感情が、金髪野郎をミンチにしようとした矢先。突き飛ばしたはずの御玲が身を起こし、俺の両肩をがっしりと掴む。
「落ち着いて。そして彼女を見て!」
「ああ!? それがどうし……」
続けようとした言葉は、喉に詰まって出てこなかった。思わず胃袋へと押し流す。
ポンチョ女は御玲に向かってエーテルレーザーを口から吐き散らし、俺が身を挺して庇って、金髪野郎が意味不明なことをほざいて、それに俺がキレて。
これまでの流れで、ポンチョ女は一切動きを見せていない。偶々か、いや違う。
闇霧とかいうクソ厄介すぎる霊力で盤面を整え、俺の肉体を余裕で噛みちぎる膂力を持ち、煉旺焔星すら素で耐え抜くバケモン級の火属性耐性も持ちながら、躊躇なく殺意マシマシで不意打ち連発してくるような奴が、俺らの会話をのうのうと聞いているわけがない。むしろ今までの一連のやり取りで、やろうと思えば全員を八つ裂きにできたはずだ。
しかし実際は、口の脇から出した百足の牙みたいな奴を打ち鳴らし、威嚇するのみ。もしかしてコイツ。
「……いや、そうか。そうだろうな」
全てに納得した、というより、一旦グダついて考えるのをやめて、全てを認めたという言葉が正しいかもしれない。
コイツが俺じゃなく御玲を攻撃した理由。百足野郎に意識を完全に乗っ取られていないと仮定するなら、それを意味するところはたった一つだけだ。コイツは俺が、御玲を庇うことを予期していた。正気を失っている体で御玲を攻撃して俺を逆上させ、タイマンに持ち込むために。
完全に化け物と化したと八割くらい思っていたが、残り二割はまだ正気を保っているじゃないかとは思っていたのだ。口調は違うが、アイツは人語を話した。本当に魑魅魍魎と化したならできる芸当じゃないはずで、すなわち表面化しているのは百足野郎だけじゃなくポンチョ女の意志も含まれていたからこそ、理性的に理知的に、御玲を攻撃し俺を誘ったわけだ。
「つまりテメェも、タイマンなら俺に勝てると……ははは。キシシ野郎もそうだったが、舐められたもんだよなァ……」
あくのだいまおうは、仲間に依存していると俺に言った。今みたいに困ったときは久三男や弥平や澄連が加勢して、御玲が俺を支えてくれて。一人で敵わなければ、仲間を呼んでリンチにしてしまえばいいと、そう考えている自分が心のどこかにいたのも嘘じゃない。
キシシ野郎との戦いで澄連と一緒に戦ったときに抱いた違和感。みんなと力を合わせてクソ親父をぶっ殺したときとは全然違う感覚。キシシ野郎は澄連が加わって集団リンチされてなお、死ぬまで退くことはなかった。あのときの俺は果たして一人の漢として、本当に勝てたと言えるだろうか。
キシシ野郎が俺らを裏切ったのも、何かきっと思うことがあって俺に立ち向かう選択をしたのだろう。流川本家派当主である俺に、たった一人で。
あのときの俺は、そんなキシシ野郎と本気で向き合ったか。キシシ野郎には駆けつけてくれる仲間なんていなかった。自分の力だけで俺と俺の仲間たち全員を倒さなければ、未来はない状況だった。
それでも自分なりの理由を胸に抱いて俺に、俺たちに立ち向かうことを選んだ。アイツの方が、よっぽど漢だったじゃねぇか。
その点、今の俺は―――。
「いいぜ。その喧嘩、買ったらあ」
御玲も、そして澄連も、ギョッとした顔を向けてくる。気持ちは分かるが、これは俺の意地で、ただの我儘だ。
ちっぽけなプライド。下らない意地。なんとでも言いやがれ。たとえソイツらから見てクソくだらねぇゴミカス程度のものだろうと、俺にとっちゃあ捨てちゃならねぇ漢の性ってやつなんだ。
「澄男さま……せめてパオングの支援を……」
「いや、要らん」
「しかし……」
「悪りぃな御玲、澄連。これは俺に売られた喧嘩だ。漢の意地、張らせてくれや」
尚も困惑する御玲だったが、ハッとした顔をしたと思いきや、大きくため息を吐く。
「……ホントすまねぇ」
「構いませんよ。雅禍のときの返礼だと思っていただければ」
素直に引き下がる御玲をよそに澄連トリオとミキティウスはまだ怪訝な表情を絶やさない。
「澄男さん、ソイツらとのタイマンはマジヤバいんで、せめてシャルのち◯こを装備して戦ってくだせえ」
「そうだよ、せめてボクのち◯こを武器にした方がいいって!」
「属性相克的にはコイツのち◯この方が、ダメージ効率が良い。オメェのその剣じゃカスダメも入らねぇぞ」
「ダメージリソースは重要です。澄男さん、俺のパンツを被ってください。与えるダメージが二十パーセントは上がる優れものです」
珍しく各々が真剣だ。シャルとミキティウスはなんかいつも通りな気がするが、表情を見たらくだらん疑念など一瞬のうちに消え去った。
「ありがとうなお前ら。だがこれは俺とコイツの戦いだ。手助けは要らん」
「で、でもボクのち◯こ……」
「せめて俺の秘蔵のパンツを……!!」
「……う、うん。すまんな二人とも。お前らの気遣いは嬉しいんだがその……生理的に無理だ」
「「えー!?」」
ちょっとした罪悪感こそあるが、タイマンすると決めた以上、手を借りるわけにはいかない。ち、じゃなくて武器を貸してくれたり、下着貸してくれたりするのはありがた迷、じゃなくてありがたいが、今回ばかりは自分の力で乗り切りたい。
「パァオング。活路を己で見出したい、か。良かろう。その我欲、叶えてしんぜよう」
パオングは既に俺の意気込みを察してくれているようだ。
「澄男さま、ご武運を」
「勝つっすよ!」
「負けたら食糞な」
「イ◯マ◯オも追加で」
「いや、流石にそれは鬼畜すぎないか? パン=ツー教入信が丁度いいだろう」
御玲に続き、澄連トリオとミキティウスが各々激励を飛ばしてくれる。覚悟だとかタイマンだとか全く関係なしに絶対負けられなくなっちまったが、どっちにしろ負ける気はサラサラないのでこの際関係ない。応援として胸に抱いておくことにする。
「新人……俺は」
「失せろ」
「断る……! 俺も北支部監督官として」
「黙れ。ガタつくようなら、この場で殺す」
俺はこれでもかと霊圧を解き放つ。一切容赦なく放たれたそれは、金髪野郎を容易く吹き飛ばす。立体駐車場の支柱に背中から激突した金髪野郎は「かはっ」と軽く呻いて蹲る。
「御玲。金髪野郎も連れていけ。抵抗するなら澄連と協力してねじ伏せろ」
「う……たの、む……新人……俺、に」
なんか言っているが、もう無視だ。コイツと協力する気もなければ、頼みを聞いてやる義理もない。ここからは流川本家派当主として、いや、一人の漢としてポンチョ女をブチのめす。
正真正銘、小細工なしのタイマンだ。キシシ野郎の仲間だってんなら、尚更。
「来いよ、潰してやるぜ」
御玲たちの気配が遠退くのを感じ取ると、悪どく唇を吊り上げて、中指も立ててやる。ポンチョ女の霊圧が一気に強まった、金切り音に似た甲高い咆哮が、立体駐車場を震わせる。
キシシ野郎に続き、また勝ち筋の見えない相手。キシシ野郎のときは澄連を呼んでリンチにしたが、やはり心残りってのを戸棚の奥に隠して肥やしにしておくほど、俺は利口でいられないらしい。
活路は今のところない。でも、そんなものは創ればいいだけの話。
できるかできねぇかじゃねぇ、やるかやらねぇか。やると決めたなら、あとは気合とノリと勢いでブチかませばいいだけの、簡単なことなのだ。
交錯する赤と黒。パオングによる牽制が消え失せ、再び闇の濃霧を纏い始めたポンチョ女に向かって、俺は愛刀、焔剣ディセクタムを鞘から抜き去る。
吹き出す闇を燃え滾る烈火で切り裂いて、自身が仲間を背負うに相応しい漢であることを証明するために。
「クソがッ、どうなってやがる……!」
俺は暗黒の霧の中を走り続けるが、一向に範囲外に出られないもどかしさに、苛立ちを募らせ始めていた。
走っても走っても、霧、霧、霧。見渡す限り、視界の全てを覆い尽くす常闇の濃霧がまとわりついてくる。もしかしてこれ、俺と連動してやがるのか。
『兄さん』
頭によぎる、霊子通信。すかさず受話器を掻っ攫う。
『なんとかできそうか』
『それなんだけど、パオングが動いた』
『なに!?』
『だから、すぐなんとかなると思う』
『マジか……』
パオングが動く。それは、俺たちとって大きな意味を持つ。
パオングの存在は俺らにとって最後の切り札に等しく、余程のことがない限りは隠しておくべき手札の一つだ。パオングを召喚する判断を下したのは、おそらく御玲だろうが、奴は澄連と合流を考えたはず。
なら澄連と話し合って決めたってことなんだろうが、慎重派の御玲が真っ先にパオングを動かすことを提案するとは思えない。となると澄連が御玲に提案したことになるが、澄連が提案したのなら、今の状況は相当マズイってことになる。
「チッ……」
ポンチョ女。最初は百足野郎がいないとロクにできることがない、ただの雑魚だと思っていた。
実際、北支部は金髪野郎が音頭取っているようなもんだし、ポンチョ女といえば北支部ロビーにあるクソデカ観葉植物近くのベンチで黒百足の身体を敷布団代わりにし、グースカと眠りこけている姿ぐらいしか見たことがない。侮っていたのは事実だ。
「俺が……見誤った……? いや……」
今に始まったことじゃない。キシシ野郎との戦いだってそう。勝てると思いこんで戦って、結果手も足も出なくて。結局澄連に助けてもらって数の暴力で覆して。
「だからこそ……」
仲間を頼る。できないことはできる仲間に任せる。それが理想的で、ゴリ押ししか能がない俺が輝ける、一番の環境―――。
―――``貴方は仲間に依存している。今はまだいい、だがその依存はいずれ、貴方の人生の大きな足枷となる``―――
依存。俺が。仲間に。クソが。
「それの……何が悪いってんだよ……!」
もしそれがダメだってんなら、俺は本当の無能じゃないか。ただ力が強いだけの無能。そうならないために、できないことを仲間に頼るんじゃないか。頼ることは、悪だってのかよ。俺は、全知全能なんかじゃない。
『兄さん、パオングが対策魔法を使ったみたい! あと二秒くらいで晴れるよ!』
もたらされた朗報が、俺の頬をぶっ叩いてくれる。今更だが戦いの中でごちゃごちゃと考え事をしてしまうのは、俺の悪い癖だ。大概の事じゃ死なないとはいえ、油断で足元掬われていたらクソ間抜けもいいところだ。
意識を現実に戻し、周りを見渡す。さっきまで一寸先も見通せないぐらいの濃霧だった周りは、徐々にその濃度を落としていく。霧が薄まり、ようやく周囲の景色が見渡せるようになってきたと考えた矢先、本能が危険信号を発する。
「ぐっ……!」
霧が晴れる直前を狙った一撃。霧が晴れたと安堵し、ほんの僅かに気が緩んだところを刈り取る不意打ちだ。つくづく自分の直感は自分自身よりも有能だなと感慨に耽りつつ、背後から迫る複数の気配を察知する。
「御玲! 澄連!」
息を吐き、安堵。タイミング的には最良だ。このまま数の差で―――。
「……なんで金髪野郎がいる?」
御玲に澄連。いつもの仲間たち。俺が守るべき、家族。しかしその中に、その名を連ねるには相応しくない奴が一人いた。
「おいおい。俺がいて悪いみたいな言い方すんなよ」
苦笑いしながら頭を掻く。だが、何故だろう。どことなく、覇気がない。いつもなら感じる凛とした雰囲気が今日はないように思えた。
「頭数は多い方がいいだろうが」
「あ、ああ……まあ、そうだな」
俺は御玲たちを一瞥する。金髪野郎がしゃしゃり出てきているってのに、御玲たちが妙に落ち着いている。まるでコイツが最初からいたみたいな雰囲気だ。澄連と別れるまではいなかったし、後々になって鉢合わせたんだろうが、それにしても金髪野郎がこの状況を把握しているって風なのが気になる。
「澄男さま。今は彼女をどうにかしませんと」
御玲が顔を覗いてきたことで、我に帰る。相変わらず、俺は顔に出るらしい。
確かに今は金髪野郎のことを考えている暇なんざない。そんなものは後でどうとでもなることだ。
「コイツの相手は俺だ。俺が惹きつけるから、お前らは隙をついて……ッ!?」
「きゃあッ!?」
ヤバい。直感が、そう叫んだ。
御玲を勢いよく突き飛ばし、射られたそれを間一髪で躱すことで、御玲の危機は回避された。その代わり。
「チッ……」
「澄男さん!」
俺の横腹に深々と刺さった、エーテルレーザー。本来なら尋常ならざる痛みが身体中をボロクソに詰るところだが、それ以上に体の奥底が湧き上がるマグマが、あらゆる痛みを焼き尽くしていく。
「テメェ……!!」
ポンチョ女の人ならざる奇声が、立体駐車場内に響き渡る。
コイツ、よりにもよって御玲を狙いやがった。この中でも戦死する確率が高い奴を。ふざけやがって、相手は俺だろうが。なんで御玲を狙う。御玲も標的だってのか。クソが、クソがクソがクソがクソが。
「もういい……分かった。ただじゃ殺さねぇ、跡形もなく消えてなくなりやがれ百足女がッ!!」
火属性が大して効かねぇとか知ったことか。コイツはなんとしても殺す。藻屑も残さず灰すらも焼き尽くして消滅させる。御玲に、俺の仲間に手を出したこと。後悔する暇もなく消し飛ばしてくれる。
「待ってくれ!」
「ああ!?」
背後から呼び声。その声の主が仲間のものじゃないことに、すぐ気づく。
「黙れよ、テメェの意見なんざ聞いてねぇ……聞く価値もねぇ!!」
「だろうな、お前はそういう奴だよ。でもな、今回ばかりは矛を収めちゃくれねぇか」
「何を言い出すかと思えば……矛を収めろだと? テメェ今見たろ!! コイツが御玲を攻撃したところをよォ!! 舐めた口利いてんじゃねぇぞゴミが!!」
話にならない。論外だ。何を言っているのか、一瞬理解できなかったほどに。
コイツは今、御玲を攻撃した。御玲を殺す気で、確実に息の根を止めるつもりで、攻撃した。それを許せと。のうのうと生かし、その事実をなかったことにしろと。そんな真似、俺が許すと思うのか。況してや外野の戯言如きで。
仲間面してんじゃねぇぞテメェはただ単に偶々同じ任務をこなしてきただけの存在その程度の塵風情がしゃしゃり出てきてんじゃねぇよ戦力になるかなと思って頭数に入れてたが役に立たねぇってんなら今すぐ失せやがれそして俺の前に二度とそのツラ見せんじゃねぇ。
「澄男さま!」
先走った感情が、金髪野郎をミンチにしようとした矢先。突き飛ばしたはずの御玲が身を起こし、俺の両肩をがっしりと掴む。
「落ち着いて。そして彼女を見て!」
「ああ!? それがどうし……」
続けようとした言葉は、喉に詰まって出てこなかった。思わず胃袋へと押し流す。
ポンチョ女は御玲に向かってエーテルレーザーを口から吐き散らし、俺が身を挺して庇って、金髪野郎が意味不明なことをほざいて、それに俺がキレて。
これまでの流れで、ポンチョ女は一切動きを見せていない。偶々か、いや違う。
闇霧とかいうクソ厄介すぎる霊力で盤面を整え、俺の肉体を余裕で噛みちぎる膂力を持ち、煉旺焔星すら素で耐え抜くバケモン級の火属性耐性も持ちながら、躊躇なく殺意マシマシで不意打ち連発してくるような奴が、俺らの会話をのうのうと聞いているわけがない。むしろ今までの一連のやり取りで、やろうと思えば全員を八つ裂きにできたはずだ。
しかし実際は、口の脇から出した百足の牙みたいな奴を打ち鳴らし、威嚇するのみ。もしかしてコイツ。
「……いや、そうか。そうだろうな」
全てに納得した、というより、一旦グダついて考えるのをやめて、全てを認めたという言葉が正しいかもしれない。
コイツが俺じゃなく御玲を攻撃した理由。百足野郎に意識を完全に乗っ取られていないと仮定するなら、それを意味するところはたった一つだけだ。コイツは俺が、御玲を庇うことを予期していた。正気を失っている体で御玲を攻撃して俺を逆上させ、タイマンに持ち込むために。
完全に化け物と化したと八割くらい思っていたが、残り二割はまだ正気を保っているじゃないかとは思っていたのだ。口調は違うが、アイツは人語を話した。本当に魑魅魍魎と化したならできる芸当じゃないはずで、すなわち表面化しているのは百足野郎だけじゃなくポンチョ女の意志も含まれていたからこそ、理性的に理知的に、御玲を攻撃し俺を誘ったわけだ。
「つまりテメェも、タイマンなら俺に勝てると……ははは。キシシ野郎もそうだったが、舐められたもんだよなァ……」
あくのだいまおうは、仲間に依存していると俺に言った。今みたいに困ったときは久三男や弥平や澄連が加勢して、御玲が俺を支えてくれて。一人で敵わなければ、仲間を呼んでリンチにしてしまえばいいと、そう考えている自分が心のどこかにいたのも嘘じゃない。
キシシ野郎との戦いで澄連と一緒に戦ったときに抱いた違和感。みんなと力を合わせてクソ親父をぶっ殺したときとは全然違う感覚。キシシ野郎は澄連が加わって集団リンチされてなお、死ぬまで退くことはなかった。あのときの俺は果たして一人の漢として、本当に勝てたと言えるだろうか。
キシシ野郎が俺らを裏切ったのも、何かきっと思うことがあって俺に立ち向かう選択をしたのだろう。流川本家派当主である俺に、たった一人で。
あのときの俺は、そんなキシシ野郎と本気で向き合ったか。キシシ野郎には駆けつけてくれる仲間なんていなかった。自分の力だけで俺と俺の仲間たち全員を倒さなければ、未来はない状況だった。
それでも自分なりの理由を胸に抱いて俺に、俺たちに立ち向かうことを選んだ。アイツの方が、よっぽど漢だったじゃねぇか。
その点、今の俺は―――。
「いいぜ。その喧嘩、買ったらあ」
御玲も、そして澄連も、ギョッとした顔を向けてくる。気持ちは分かるが、これは俺の意地で、ただの我儘だ。
ちっぽけなプライド。下らない意地。なんとでも言いやがれ。たとえソイツらから見てクソくだらねぇゴミカス程度のものだろうと、俺にとっちゃあ捨てちゃならねぇ漢の性ってやつなんだ。
「澄男さま……せめてパオングの支援を……」
「いや、要らん」
「しかし……」
「悪りぃな御玲、澄連。これは俺に売られた喧嘩だ。漢の意地、張らせてくれや」
尚も困惑する御玲だったが、ハッとした顔をしたと思いきや、大きくため息を吐く。
「……ホントすまねぇ」
「構いませんよ。雅禍のときの返礼だと思っていただければ」
素直に引き下がる御玲をよそに澄連トリオとミキティウスはまだ怪訝な表情を絶やさない。
「澄男さん、ソイツらとのタイマンはマジヤバいんで、せめてシャルのち◯こを装備して戦ってくだせえ」
「そうだよ、せめてボクのち◯こを武器にした方がいいって!」
「属性相克的にはコイツのち◯この方が、ダメージ効率が良い。オメェのその剣じゃカスダメも入らねぇぞ」
「ダメージリソースは重要です。澄男さん、俺のパンツを被ってください。与えるダメージが二十パーセントは上がる優れものです」
珍しく各々が真剣だ。シャルとミキティウスはなんかいつも通りな気がするが、表情を見たらくだらん疑念など一瞬のうちに消え去った。
「ありがとうなお前ら。だがこれは俺とコイツの戦いだ。手助けは要らん」
「で、でもボクのち◯こ……」
「せめて俺の秘蔵のパンツを……!!」
「……う、うん。すまんな二人とも。お前らの気遣いは嬉しいんだがその……生理的に無理だ」
「「えー!?」」
ちょっとした罪悪感こそあるが、タイマンすると決めた以上、手を借りるわけにはいかない。ち、じゃなくて武器を貸してくれたり、下着貸してくれたりするのはありがた迷、じゃなくてありがたいが、今回ばかりは自分の力で乗り切りたい。
「パァオング。活路を己で見出したい、か。良かろう。その我欲、叶えてしんぜよう」
パオングは既に俺の意気込みを察してくれているようだ。
「澄男さま、ご武運を」
「勝つっすよ!」
「負けたら食糞な」
「イ◯マ◯オも追加で」
「いや、流石にそれは鬼畜すぎないか? パン=ツー教入信が丁度いいだろう」
御玲に続き、澄連トリオとミキティウスが各々激励を飛ばしてくれる。覚悟だとかタイマンだとか全く関係なしに絶対負けられなくなっちまったが、どっちにしろ負ける気はサラサラないのでこの際関係ない。応援として胸に抱いておくことにする。
「新人……俺は」
「失せろ」
「断る……! 俺も北支部監督官として」
「黙れ。ガタつくようなら、この場で殺す」
俺はこれでもかと霊圧を解き放つ。一切容赦なく放たれたそれは、金髪野郎を容易く吹き飛ばす。立体駐車場の支柱に背中から激突した金髪野郎は「かはっ」と軽く呻いて蹲る。
「御玲。金髪野郎も連れていけ。抵抗するなら澄連と協力してねじ伏せろ」
「う……たの、む……新人……俺、に」
なんか言っているが、もう無視だ。コイツと協力する気もなければ、頼みを聞いてやる義理もない。ここからは流川本家派当主として、いや、一人の漢としてポンチョ女をブチのめす。
正真正銘、小細工なしのタイマンだ。キシシ野郎の仲間だってんなら、尚更。
「来いよ、潰してやるぜ」
御玲たちの気配が遠退くのを感じ取ると、悪どく唇を吊り上げて、中指も立ててやる。ポンチョ女の霊圧が一気に強まった、金切り音に似た甲高い咆哮が、立体駐車場を震わせる。
キシシ野郎に続き、また勝ち筋の見えない相手。キシシ野郎のときは澄連を呼んでリンチにしたが、やはり心残りってのを戸棚の奥に隠して肥やしにしておくほど、俺は利口でいられないらしい。
活路は今のところない。でも、そんなものは創ればいいだけの話。
できるかできねぇかじゃねぇ、やるかやらねぇか。やると決めたなら、あとは気合とノリと勢いでブチかませばいいだけの、簡単なことなのだ。
交錯する赤と黒。パオングによる牽制が消え失せ、再び闇の濃霧を纏い始めたポンチョ女に向かって、俺は愛刀、焔剣ディセクタムを鞘から抜き去る。
吹き出す闇を燃え滾る烈火で切り裂いて、自身が仲間を背負うに相応しい漢であることを証明するために。
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※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
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かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
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人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
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気づけば――
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【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
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✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
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仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
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『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
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気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
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そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
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但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
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