自らを越えて 第一巻

多谷昇太

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丹沢行(2)守護・指導霊の出現?

おい、先に行っちゃおうか?

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「何と…心外極まる!俺はただ…」「見てただけ」「そう、そう。こいつだけじゃなくて皆そうだよ」と他の2人が云うのに口を両手で覆って苦笑する大友さん。「いやあ、こういう連中ですよ、大伴さんとやら…あ、いや、大伴嬢」と3人にやり返してからその和田なる男が「ところで、始めまして。わたし和田と申します。あのう、ところでさっき橋の上にいた連中ですが、何かあったんですか?あいつらと。何か危なそうに感じたもので、要らぬ老婆心を起こして、いきなり大声で挨拶をしたのですが」と聞く。身体つきも人一倍逞しく男気のありそうな人物だ。それへ「い、いいえ。別に何も。ただ言葉を掛けられただけです」と傍らに立つミカを気遣って釈明する大友さん。そのミカが「そうだよ、和田さん。〝あいつら〟、わたしと(上にいるカナを指差しながら)カナの友達だよ。ところで始めまして。あたしミカです」と割り込んだ。「あ、ども…ミカさん。わ、和田です」戸惑い気味に返す和田だったが一瞬の内にそこにある複雑な何かを感じ取ったようで言葉を噤んだ。代わりに花田が「それにしても大伴さん。卒業以来2年ぶりだね。元気にしてた?」「はい、はい。私はいつでもどこでも元気いっぱいよ。あなたは?」「ああ、毎日充実してるよ。K(大学)は教授がいいからね。教わることがいっぱいあってさ。高校時代はただ受験で…会長だった君(大伴さんは高校時生徒会長だった)に教わる事の方が多かったな。副会長だった僕としては。ハハハ」「まった、そんなこと。ところで弟の悟助君は?元気?」やっぱりだ!彼は花田悟助の兄だった。「ああ、相変わらず学校で親分してるみたいだよ。やつは東工(東京工業大学)狙ってるよ。たぶん軽く受かるだろ」「へえ…」とか会話を続けるのに最前より俺の隣に居てイラつき気味のカナが「まったく、いつまでくっちゃべってんだよ。急げって云ってたくせに…」と云いさらに「(俺に)おい、先に行っちゃおうか?」とけしかけるが俺は「い、いや、それは…」と口籠るしかない。
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