私は役目を放棄し関わらないことを誓います

宵丸

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第十五話

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更新遅くなりまして本当にすみません…泣 



___________________

エディが泣き止むまでしばらく時間がかかった。それほど大きなストレスを抱えていたのだろう。

そのうち、だんだんと爆発した感情が収まってきたのか涙は止まり、その代わりに私を更に強い力で抱きしめてきた。

今私がいるこの位置にいずれ聖女様が着くと思うととても寂しいけれど、本来この位置にいるのは聖女様。私がとやかく言える立場ではないわ。
早くエディが聖女様と仲良くなれますように。



それから半刻程経つと、エディの腕の力が弱まり、弱々しく言葉を発した。

「リア…」

「もう大丈夫なの…?」

「ごめんね、リア。私はリアの前になるとどうしても本心が出てしまう。こんなみっともない姿見られたくなかった」

「ふふ、私はエディの弱々しい姿なら何度も見てきたわ。今更よ今更」

「こ…だから…は…なく…る」

「え?エディなんて?」

「いや、気にしないで」

弾ける笑顔でごまかされた。でも、いつもの笑顔が戻ってきた。よかった…。

「ううんッ」

突然ノア様が咳払いをした。

「2人とも…」

と言われ、私はハッと気づく。

この部屋にはノア様もいたわ!私とエディったらなんてことを?!

パッとエディを離し、距離を取る。
するとエディは不満気な顔をした。

「なんで、私から離れるんだい?」

「いえ、その…」

「それくらい察してあげてください、神子様。それに、エミリア、お前はもう帰らないと」

「仕方がない、今日のところは家に返してあげる。はね?」

獲物を射止めるようなするどい瞳に私はぶるりと身体を震わせた。

「さ、エミリア行くよ」

「え、あ、失礼致します」

一応エディに挨拶をしてから私はノア様の後ろをついていく。



「…」

「…」

「…」

…、どうしよう。後ろから足音が聞こえる。
これはもしかしなくてもエディが後ろからついてきているのかしら。

チラッと振り返るとエディがニコニコしながら手を振ってきて。何も返さないのも悪いのでニコッと微笑んだつもりで返す。そして、ノア様に近づき小声で相談した。

「ノア様、エデ…。神子様が後ろからついてきているのですが…」

「神子様もご帰宅されるんだろう。今はそう思おう」

「わかりましたわ」

気まづい雰囲気のため終始私は無言を貫いた。

しばらく学園内を歩き、やたら長い門までの道を歩き切ると、バッテンブルク家の迎えの馬車が見えた。

「あれが俺の家の馬車だ。少し乗り心地が悪いかもしれないが我慢してくれ」

バッテンブルク家の馬車は見事な黒に、金色の家紋が書かれていた。

「いえ!元はと言えば我が家の御者がノア様に大変失礼を…」

「気にしないでくれ。俺はエミリアと帰れて嬉しいからな」

そう言うと、ノア様の顔が途端に赤くなった。そしてそっぽを向いてしまった。

「ふふ!私も嬉しいですわ」

幼い頃に戻ったようで…。

そう言おうとしたものの見事に遮られてしまった。エディによって。

「あー、大変だ。迎えの馬車がどうやら今日は来ていないようだ。私はどうやって帰ればいいんだろうか」

エディは後ろで手を組み、演技めいたことをし始めた。しかもチラチラとこちらを見ながら大きめの声で。

「神子様、先ほどまで王家の馬車はいらっしゃったじゃないですか。どこへやったのですか?」

ノア様はきちんと王家の馬車が来ていたことを見ていたようだ。私は気がつかなかったけれど。

すると、エディはニコッと笑ったかと思えばクイッとバッテンブルク家の馬車の隣を指さした。

私たちは指をさされた方を見ると今まさに走り出した馬車がいた。見ると王家の家紋が書かれていた。その馬車に乗っている御者は困ったように、でも嬉しそうな顔をして…。

「エドワード様を宜しく頼みますね!エドワード様のご友人方!」

そう言って走り去ってしまった。

「してやられた」

ノア様は舌打ちをしてエディを睨んでいた。

「じゃ、私もご一緒させてもらおうかな!おいでリア」

帰る手段を自ら断ったエディは今日1番の笑顔を私たちに向けた。このような状態のエディを放置するわけにもいかず、ノア様は戸惑っている御者に話をつけにいった。
すると、御者が急にエディが同乗すると知りとても慌てていたが、緊張しながらも急いで扉を開けてくれた。

そして、エディが私に手を差し伸べたので困惑したものの、ノア様にアイコンタクトを取ると仕方がないという顔をされた。
渋々手を取るとぐいっと中へ引き込まれ、私を隣の席に座らせた。
ノア様が後から入り、私の前に座ろうとしたものの足でエディが妨害したためノア様は私の斜め前、エディの目の前に座った。

馬車の中ではひたすらエディが私に一方的に話しかけ、ノア様は無言だった。

気まづい雰囲気だったけれど、エディと話せて嬉しかった。

閉めたはずの心の蓋が少し開いてしまいそうだったけれど、私は気づかないフリをして強引に閉めた。



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