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権力時代
眷属大会予選
しおりを挟む「さぁ~やってまいりました! 眷属大会予選! 司会は私、カオスがやらせていただきま~す! みんな~! 気合はいってっか~!」
『ウォォーー!』
--え? ちょっとまって、今の誰?
そのあまりにも大きすぎる驚愕故に顔に出ていたのかアテナが苦笑しながら声をかけてきた。
「あのね……カオス様ってね、たまにキャラ崩壊するんだ~」
アテナがどこか遠い目をしながら教えてくれる。
よく見れば周りの観客席にいる最上位神達も遠い目をしているように見える。
他の観客席にいる下位神や中位神はもう考えないようにしているのか目を瞑って無言を貫いている。
「むむ! 何でみんな引いてるんだ? まぁいいや! まずは予選! 皆は8つのブロックに分かれて戦ってもらうぞ!では各ブロックごとにあつまれ!」
この大会にはハクアとコクガも参加するようだ。
因みにコクガはこの数千年で上位神になったらしい。
そしてハクアは私と同じブロック、コクガはAブロックらしい。
私達はハイテンションのカオスの指示どおり一箇所に集まる。するとカオスがそれぞれの世界にランダムな場所に飛ばした。
瞬きをした瞬間世界が変わったのを感じた。
「それでは、始め!」
そうゴングが鳴った瞬間、私の真後ろから殺気を感じた。
私の身体は肉体を持たず完全な妖力と神力のエネルギー体である。
それ故、物理攻撃は効かない。
だがこのままだと私も物理攻撃が使えないので、物理攻撃をする時は魔物時代とは逆で実体化と言うスキルを使う。
後ろから攻撃してきた者は私をすり抜けて私の前に飛び出す。
ちなみにだが、私の服はもちろん身体に応じて霊体か実体かが変化する便利な神衣だ。目の前に出てきた神を私は片手間に消滅させた。
ふとそこである事が気になった私はこの世界全体を探り大きさとどこに神が居るのかを調べる。
1つのブロックに約3000柱の神が居ると言っていたはず……。それにも関わらずもう既に神は2000柱しか居なかった。
--めんどくさいな……。
そう思ってしまった私は地面に手を付き権能を使う。
【破壊】
全力に近い力で権力を行使した結果、いくら最上位神もしくはカオスが創った世界といえども簡単にヒビが入る。
地面や空の区別なく、空間にヒビが入る。
私が破壊したのはバランスと言う概念。この概念が破壊されたことにより、世界のバランスが保てなくなり世界がズレ、歪み、曲がる。
物理法則が乱れ狂いそれがさらなる破壊を生む。
それに巻き込まれ破壊される神々。
数十秒後残ったのは私と世界の残骸だけだった。
「Cブロック、試合終了~! 勝ち上がったのは~、アテナの初めての眷属兼友達の上位神! 破壊神エラだ~! 過去最速の試合時間! 圧倒的強さを見せてくれました~!」
そういえば、私と同じブロックにハクアもいたな……。悪いことしたかもしれない。私はアテナが居る観戦席に向かった。
「エラちゃん! やったね! まさか世界ごと破壊するとは思わなかったけど、破壊神だからなんの不思議もないね!」
因みにアテナはリアとレグと一緒に座っていた。
「……誘拐?」
「違うよ! ハクアとコクガ二人共出るから二人の安全のため、私が預かっているんだよ!」
「へぇ~」
「「お母様……」」
「……」
2人がものすごく悲しそうに私が破壊した世界の残骸が映るモニターを見ていた。
観戦席の者はそれぞれモニターが支給され、予選の様子を見る。
私はすごく、ものすごく、居づらい。
まるでハクアがもう戻ってこないような雰囲気だ。いや実際死んだのだが……。でもカオス様が復活させてくれる。
「……」
「うぅ……」
いや正直悪かったとは思っている。せっかくのお母さんの見せ場を潰してしまって……。
とそこでリアが涙を目に貯めだした……。
「……」
私は気配と姿を消し、アテナの後ろに隠れる。
「ま、まぁまぁ、リアちゃん。お母さんはこの予選が終わればすぐに会えるよ!」
「ゔゔぅ~」
「あ! 見て見て! コクガが、お父さんが一騎打ちをしているよ!」
「……」
リアは涙目でコクガを見た。私もモニターでAブロックの試合を見る。コクガの相手は上位神で概念の神。コクガと相性最悪だ。
コクガはいいところまでいったが、やはり相性の問題か、いともたやすく概念を書き換えられて負けてしまった。
「「「「……」」」」
そして4人とも沈黙。
「ひぐ……、うぅ……ひぐ」
アテナとエラは焦る。
レグは妹のそんな姿を見て落ち着いた様だ。
リアは悪魔種的には成人したが、竜の血も混ざっているので、種族的には悪魔だが、竜の特性も受け継いでいる。
竜が精神まで大人になるのに約5000年かかるのだ。
なので精神はまだ子供……。
そんなやり取りをしているうちに全てのブロックが終了した。今回は全てのブロックが一ヶ月で終わった。
なかなか早く終わったものだ。
「お母様ー!」
復活したハクアにリアが飛びつき涙を流す。その隣ではコクガが行き場を失った広げていた腕をそっと戻していたのを私は見逃さなかった。
「え? え?」
ハクアは困惑しているようだが、私達はこの一ヶ月でものすごく疲れたのでそれに構わずにそれぞれの家に帰る。本戦は明日だ。私はベッドに潜り、いつも通り睡眠を始めた。
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