クローンに恋して

暁狼

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特殊遺伝子学研究所

8 生まれ変わる

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 大きな揺れを感じて目が覚めた。記憶がところどころ飛んでいる。思い出せるのは目隠しをされて例のスローなエレベーターに乗ったこと、カートに揺られ寝入ってしまったこと、どこかの部屋に入り後ろでドアの閉まる音がしたこと。


 部屋は静かで暖かい。いくら待っても誰も来ない。

 アイマスクを外してみた。薄暗い小部屋に窓はなく、あるのは戸棚と洗面台にトイレだけ。戸棚にはタオルと洗面具、毛布があった。

 独房という言葉が浮かぶ。とは言え、床には絨毯、壁は分厚い布張りで居心地は悪くない。取りあえずタオルを絞って身体を拭き、トイレを済ませて床に座ると、ドアの下の差し入れ口からトレーに乗ったパンとミルクが押し出された。差し入れ口はすぐに閉まった。

 一回じゃ食べきれない量だ。仕方なく腹を満たして寝転がると明かりが消え、空調も止まった。

 もう遅いし、寝るか。


♠️


 二日目だろう、誰も来ないし何の連絡もない。忍耐力を試されているのか?何も音がないのはやりきれない。毛布を枕に寝転がる。明かりが消えるとシーンという耳鳴りが気になる。気晴らしに鼻歌を歌った。突然、

 声がした。

 本能的に壁まで後ずさる。誰もいないはず。

 いや、あれは僕? 僕の声?

 試しに「あ」と言ってみる。どこからともなく『あ』と返ってくる。

 なんだこれは!?

 自分の声を聞くのは照れくさいというかバカらしいというか、気持ちの良いものではない。つまりは『黙っていろ』という仕掛けなのか? トイレの音や足音は返ってこないが声だけ投げ返される。これじゃ鼻歌も歌えない。

 持久戦になると思い筋トレに励む。何もしなくてよいのだから気楽なものだ…とはなかなか思い切れない。

 やけ食いする。食べ切ってドアの前に置くと、しばらくしてトレーと交換にまた大盛りのパンとミルクが出てきた。

 なるほど、三度の食事で時間を知られないよう一度にドンと出すつもりか。


♠️


 腹の虫と相談すると四日目になる。声が出せないのは苦しい。口が粘る。水ばかり飲む。ミルクは飲む気がしない。

 ひょっとして放置ではなく、これは懲罰なのか? 僕は何か失敗したのか? ショーの後半の記憶が曖昧なのはそのせいか?

 急にテレパシーのことを思い出す。なぜ今まで思いつかなかったのだろう。

 * エフ様 アイ様 聞こえますか 303です チクニーです もう一度チャンスをください お願いです 今度こそうまくやります ご満足いただけるよう絶対頑張ります どんなお仕置きにも耐えて見せます . . . .  *

 お返事はない。やはり懲罰なんだ。手足の力がぬける。


♠️


 パンは固く、ミルクは酸っぱい。

 新しい食事は来ない(トレーを返していないから当然だが)。来ない、来ない、僕は忘れられたんだ、怖い、ドアを叩く、返事はない。


 気がつくと天井から吊るされている。僕の後ろから抱きつき胸を弄りディルドウでアナルを犯す奴がいる。その先が中の○に当たる。冷や汗が吹き出し全身に鳥肌が立つ。ペニスはザーメンを撒き散らしながら引き抜かれ、熟女ナースがしゃぶりつく。抜けた穴には見知らぬ女王様がフィストをきめ、前立腺を掴んで分泌液を搾り切る。

 「もっと突いて、突いて、イク、イク、イクイクッ、めちゃくちゃにして、フィスト、凄い、○ぬ、○ぬ、、、」

 部屋に響く自分の声で目が覚めた。夢だった。いや、暗闇の中、足と手を掴まれて大の字に引っ張られている。電光掲示板が現れ『お前なんか要らない』と表示される。

 全身を這うベトベトの指なのか何かの幼虫なのかわからないモノに身震いする。上の口も下の口にも長い舌が、いやもっともっと長い肉塊が押し入る。喉から食道にまで無理矢理押し入り、連続してえずく痙攣状態に息が詰まる。

 * タ ス ケ テ . . . * 

 このまま○される、○ぬ前には全ての記憶が走馬灯のように巡るというが、そうすれば、僕がどんな罪を犯したのか分かるのか?

 プツンと脳の電源を切断されたようなショックで場面が変わる。

 頭をゆっくりと撫でられている。薄明かりで誰かわからないが、首の下に太ももの弾力と温もりがある。この香りはなんだっけ。

 「すごく、うなされていたわ、汗びっしょり」

 この香りはあの時の

 「よく我慢出来たわね」

 お顔がわかるくらいに部屋は明るくなってきた。涙が湧いてくる。

 奥様?……と言おうとするが咳き込む。

 「今は無理に話さなくていいの、私に会いに来たのね、嬉しいわ。
 迎えが遅くなってごめんなさいね、詳しく言えないけど、私に任せて、もう大丈夫、安心して」

 奥様だ。あの人に手を握られている。柔らかく暖かい手、緊張が一気に解け、ダラリと下がろうとする手をしっかり掴まれ、乳首を捻られる。痛い、このリアルな感覚は夢じゃない。助かったのだ。声のエコーもない。終わったのだ。

 「では準備を」
 
 奥様はそう言いながら立ち上がられた。え、もう行かれるのですかと言いかけた時、扉が開いてあの少女が入ってきた。赤黒縞模様の絨毯を敷き、ステンレスのトレーにいくつかの器具を並べ始めた。

 「奥様から聖水をいただきます。その間にわたくしは割礼式を行います。最初にあなたはこの上でひざまずき奥様に宣誓しなさい」

 全く想像していなかった。これで晴れて奥様のものにしていただける。喜びが湧いて来る。何の取り柄もなく、上京しても最下層で這いずり回るしかないだろう、下手をすれば借金の形に、臓器の一つも売り飛ばされるかもしれない。それが奥様に拾っていただけるのだから。

 ふらつきながら絨毯に上がり、指示通りに宣誓する。

 「私、303号は今日から全てを捨てて奥様の忠実な奴隷としてお仕えすることを誓います」

 「よろしい。私のものにしましょう。横になり口を開いて目を閉じていなさい」

 いよいよだ。衣擦れの音がする。見えないだけに想像が膨らむ。心臓が高鳴る。

 局部に冷たい感触が、続いて包皮が引っ張られチクッとする。同時にご聖水が口に注がれ ˃̶͈̀ ˂̶͈́ ˃̶͈̀ ˂̶͈́ ˃̶͈̀ ˂̶͈́ ザクッと切られた。手を握りしめ耐える!!!

 声を出せないどころか、今はご聖水を一滴もこぼさずに飲み干さなければならない。ジョーッと激しく飛沫が頬や鼻に飛ぶ、ひと飲み、ふた飲みではご聖水は止まらない。

 冷静に振り返ると、呼吸のタイミングが難しいのだ。息を止めていられるに越したことはないが、間違うと鼻に入って激しくむせる。そんな失態は絶対見せられない。女性なら牛乳瓶一本から一本半、普通なら5、6回飲み込めば済む。息継ぎは要らないはずだ。

 局部はズキンズキンと痛む上に重ねてギリギリと刻まれる。あの少女こそ純血のサディスチンに違いない。痛みは確実に心の余裕を奪う。

 ごくん6、ごくん7、苦しい、溜めていらっしゃる。僕を試していらっしゃる。8、ご聖水は少なくなった。9、やっと息継ぎが出来る。

 「よく頑張ったね、お上手、目を開けてもいいわ、お口で綺麗にして頂戴」

 はい、奥様と答えて、まだ少しご聖水が滴る小陰唇を舐めて差し上げようとするが、身体はパニックだ。亀頭の包皮にさらにキリキリした痛みが加えられる。

 痛みを我慢するとご奉仕が止まる。奥様は自ら腰を落としておまんこ全体を僕の口に、鼻に擦り付け、催促なさる。

 痛みに耐えてご奉仕に励まなければならない。これは新しいお調教のパターンだ。奥様から直接マゾ奴隷の訓練を施していただくなんてこれが最初で最後かもしれない。

 全力で舌と唇を動かす。奥様のクリトリス、尿道口、膣口を舐め、吸い、味わい、出来るだけ卑猥な音を立てて気分を盛り立てる。すぐそこに禁断のキュッと閉まったお口がある。

 奥様の大陰唇は切れ長でいやらしく下のお口の近くまで割れている。その襞を吸い込んで舌先で転がしながら、徐々にそのお口に近づく。ニアミスを繰り返し、その周囲に舌先を尖らせて円を描く。すると、奥様のほうから可憐なお口を押し付けて来られた。

 許可して頂いたのだ。不思議な嬉しさが湧き上げてくる。僕はこんなに女性のアナルに憧れるアナルマニアだったんだろうか、いや、クリトリスマニアだったはず。自分の乳首をクリトリスだと思って育ててきたはず。

 きっと奥様のお身体の一部だから、汚いなどとこれっぽちも思わず愛おしく舌を差し入れることが出来る。奥様は力を抜いて禁断の扉を開かれる。かすかに苦味がある柔らかい内壁を舐めまわす。ああ、ずっとこのまま舐め続けたい。

 ペニスに包帯を巻くような感触がする。苦痛と至福の時はすぐに過ぎ去り、あっという間に孤独な部屋に一人残される。

 しばらくして例の二人組がストレッチャーを引いて迎えに来た。そのままカートに積まれて、長いトンネルに戻った。これで施設に戻れるんだと、まるで我が家に帰れるような安堵感に包まれつつ眠りに落ちた。


【予告】

 それは勃起させてから入れるのよ
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