盲目の令嬢は救国の騎士に愛される

雪月花

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1.ヒロイン視点

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あら、こんにちは!
うふふ、遊びに来てくださったの?
私の名前はオリヴィアよ。よろしくね!

あの……良かったら私のお友達になってくれないかしら。私は外に出たことがなくて……だからお友達も少ないの。

お友達になってくれるの?ありがとう!嬉しい!
貴方は素敵な声をしているのね。どんな顔をしているのかしら?

あら?ごめんなさい。驚かせてしまったかしら?
私は目が見えないの……。だから貴方がどんな顔しているか知りたくて……急に触るなんて駄目よね。

私はね、この部屋から出ては行けないってお父様に言われているの。お外は危険だし……その……私がおかしな事ばかり聞くから恥ずかしいって……。

……慰めてくれているの?
ありがとう…。貴方は優しい子なのね。
私と外の世界を繋ぐのは部屋から続くバルコニーだけ。
だからいつもバルコニーで外の空気を吸って、外の音を聴いているのよ。景色を見る事は出来ないけど音や匂いで想像するの。鳥の鳴き声、風の音、葉の擦れる音、花の香り、雨の香り、教会の鐘の音。
教会の鐘の音は心が洗われるような澄んだ音色なの。そして鐘の音が鳴り響くなかで、花の甘い香りが漂うのよ。素敵でしょう?
でもね……それがどんな色をしていて、どんな形をしているのか分からない。それが凄く寂しかった…。

そんな時にね出会ったの!
バルコニーに遊びに来た烏が葉の色や花の種類を教えてくれたの。そう!人間とお話ができる烏がいるのよ!それが私のお友達でクロウと言う名前なの。

クロウには色々教えてもらったのよ!
花は季節ごとに色々な種類が咲いて、色も形もそれぞれ違うし、鳥も沢山種類があって色も違うみたい。烏は黒色なんですって!黒は夜と同じ色で心が落ち着く色をしているみたい。私、全然知らなかった!

クロウは旅をしているの。
鳥は色々な所を飛び回るものなのでしょう?
帰ってくると旅で見てきたものを教えてくれるのよ。

港町に水が沢山広がっている『ウミ』があって、その上を人が沢山乗れる乗り物で旅をするの。
北の大地には『ユキ』という白くて冷たいものが空から降ってくるんですって!白色は罪や穢れを洗い流して心を清らかにする色みたいよ。想像できる?うふふ、ちょっと難しいわよね。

クロウはたまに難しいことを言うの。
烏はとても頭がいいんですって。だから人間の言葉も喋れるのね!

一度ね、クロウがどんな形をしてるのか気になって、触らせてほしいとお願いしたのだけど、恥ずかしいからって断られてしまったの。凄く残念だったけど、困らせてしまうのは駄目だものね。でもね、抜け落ちた羽をプレゼントしてくれたのよ。フサフサしてとても大きかった。私の大切な宝物だわ。

……もう長いことクロウに会えていないの。
西の方に旅をしに行くって。今回は帰るまで時間がかかるみたい。でも絶対帰ってくるから待っていてと言われていたのだけど……。

……昨日お部屋にお父様が来て言われたの。
私の結婚が決まったみたい…。
何でも西の方で大きな戦争があって、その戦争で功績をたてた騎士様が私を所望したらしいの。

何故私なのかしらね……。
西の方で戦争があったなんて知らなかった。
クロウは大丈夫なのかしら…。

ごめんなさい。暗い話になってしまったわね。
今日ね…その騎士様が私を迎えにくるの……。

だからね!貴方にお願いしたいことがあるの!
また此処に遊びに来た時に、クロウに会ったら伝えてほしいの。

私はいつも寂しくて誰かとお話ししたかった。外の世界を想像することで自分を慰めていたの。でもクロウに会って、世界には沢山の色があって、とても美しいものだと教えてくれた。想像だけの外の世界が、とても身近に感じられたの!出来る事ならクロウと一緒に旅をして世界を回ってみたかった…………私はクロウの事が大好き。とってもとっても大好きよ。最後にありがとうと伝えたかった。でも私は此処を離れないといけない。だからお願い。貴方がクロウに会ったら『ありがとう』と伝えてほしいの。

あぁ…。もうお喋りの時間は終わりみたい。
迎えが来たみたいだわ。
貴方はバルコニーからお帰りなさい。
クロウに会ったら伝えてね。お願いよ。

お話を聞いてくれてありがとう。
気をつけて帰ってね。さようなら!
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