憂鬱とサキュ

Alice

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なんでも部活動開始

2話 スカウト計画〜前編〜

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あの先輩のおかげでそれから俺は、教師陣からも疑いの目を持たれた。
いや、あんな先輩と関わりさえ持たなければ俺最も素晴らしい学校生活を送っていた。
なんてそんなことを考えても今更遅い。
あの先輩のことだ。
また何かをやらかすに決まっている。

その予想は、その数日後にあたることになる。

部室の中に入っていく俺をわ

「これから新たな部員を入れようと思っているんだけどね?
今回は1年生をあと4人くらい!」

「被害者をあと4人も増やす気か?」

「曖ちゃん、被害者って酷くない??
部員だよ?部員~!!」

「俺にはそう聞こえないんですけど??」

「えぇ~……」
 
しょげているようであるが、また開き直ったかのようにまさに、「これから私は悪いことをします!」と言わんばかりのにこやかな笑顔を浮かべていた。
嫌な予感しかしない。  

「もちろん、曖ちゃんにも協力してもらうからね!!」

「また、巻き込まれるのかよ…」
 
「間にこまれるだなんて人聞きの悪い!」

「人聞きの悪いじゃなくてそもそもホントのことだろうが!」

「曖ちゃんは、冷たいな~!」

「冷たいも何も元の原因は、わかってるんじゃないのか?」

「も~!!
君の考えがほんとにぬるいんだってば!!」

俺の前に仁王立ちして見せながら、そのまま先輩の右手が俺を指さして言う。

「そもそもこの部は、他の部活に比べて部員が少ない!!
そこで我々部員が勧誘をしないと入ってきてくれないんだよ!!」

「あんたの場合、勧誘じゃなくての間違えじゃねぇのか?」

「ちーがーうーーー!!!
現に曖ちゃんもなんでも部入ってるじゃんか!」

「俺は『入った。』じゃなくて『』んだ!!」

「ゔーゔーー!!!
お願いだから勧誘しようよおおおお!!!
このままだと、部活つぶれちゃうんだってばぁぁぁ!!!」

本音がダダ漏れだ。
しかも、このまま潰れるって…俺にとっては、メリットの塊でしかない。 
それになんでも部さえ潰れれば俺も、恥らさしもされることもなければ先生からの評価も高く得られる。
これこそ一石二鳥だ。
 
「あーあ~、先輩が今まで嫌がらせしてきたのでやる気がまったくわかないです~!」

なんてわざとらしくいえば、「何でもするから曖様おねがいしますぅぅぅ!!!」と悲鳴に近い声を上げながら言う。
今まで巻き添えを食らった俺からすればこの先輩のその悲鳴に近い頼みは、爽快でしかない。
巻き添えをくらってばかりだったからこんなことをさせていた罰としてはちょうどいいと1部思っていた。

が、それは束の間。

「え?
い、岩本くん……何……してるの?」

その悲鳴を聞きつけた隣のクラスの女子が顔面蒼白で俺のことを見つめていた。

「いや、これは誤解だ。」

「先輩に変なことしようとしたの!?」
 
「待て、これは誤解だ!!
この先輩が」

「岩本……お前、そういう奴だったんだな……」

さらに引き気味の同じクラスの男子。
だから誤解だ。
どうにか違うと説明して欲しくて、その先輩の方を向く。 

「だから……曖くんっ……、お願い…。
わたしっ…」

この期に及んでこの先輩は、クオリティーの高い嘘泣きをしていた。
そのせいでさらに場の空気は悪化。

「岩本……、お前女を泣かすって…」

「そんな人だったなんて思ってなかった……」

ザワザワとその噂を聞いた野次馬共が集まり次第にことが大きくなりだした。
未だ、こちらをチラチラ見ながら「曖ちゃん、協力してくれるよね?」と言わんばかりの顔をしたバカ部長の顔がある。
この先輩が今も尚嘘泣きをしているが、本当に泣きたくなるのは俺だ。
ことが大きくなる前に俺は、「はい…協力します。」と小さく降伏の言葉を告げた。
すると、ちゃっかり嘘泣きをやめて、「これは誤解だ。」と説明をしだした。

そしてその誤解が溶けた途端、「まじかー」「つまんねー」と口々に呆れた言葉を口にしながら解散して言った。

いや、な?
1番の被害者は、俺なんだからせめて「大丈夫か?」の一言くらい欲しいわけだ。
それなのになぜ、くだらない一言で終わらせる。
せめてだ、もしこの世界観がストーリーだったら読者は哀れだと俺を慰めてくれるであろうと祈りたい。
いや、慰めてもらいたい。

それより、俺のこんなくだらない妄想は、置いといてだ。
それより今、目の前でさっきの出来事は何もなかったかのように笑顔のこの先輩に俺は怒りが芽生えた。

「おい、あんた。
今のは一体どう言うつもりであんなことしてくれたんだ!?」

「曖ちゃんを説得する方法の一種だけど?」

「1種って……あんた、何種類俺を説得するための技を隠し持ってるんだよ!」

「お楽しみは曖ちゃんが抵抗した時に出そうと!!」

「あんたは鬼か……」

それを聞いてますます俺は泣きたくなってきた。

それと同時に俺は悟った。
この人に抗うのは無理だ。

大人しく振り回されるかこのバカの暴走を止めるストッパーとしての役割を果たすしかないと。

「さてと!!
まずは、誰を勧誘するかだよね!!」

バカ部長は、笑みを浮かべなから考えているような素振りをして部室の中を回っている。

「誰がこの部の被害者になるか……」

ぼそっとそう呟いた。
この部に強制入部される部員のことを考えると胸が痛くなる。

きっと、俺と同じような手を使って入部させてくるんだろうと思うと哀れに思えてきた。

「そこで、曖ちゃんはどんな部員を希望したい?」

「どんな部員って、被害者拡大してるようなもんだしあんたの暴走を抑えてくれそうな果たす部員が欲しいわ。
俺一人じゃ、あんたの暴走は止まんないし。」

「暴走!?
私は暴走なんてしてないぞ!!」

「なら、改めて聞くが、いまさっきのまでのあの行動なんて言うんだ?」
 
「強行手段?」

「何が強行手段だ。
あれがまさに暴走って言うんだよ。」

「私暴走なんてしてないもん!!
なんで、曖ちゃんなんでそんな事言うの??」

「あんたの勧誘仕方がまともじゃないからそう言ってるんだろうが!」

 どうやら彩音は絶対に部員を増やす気でいるため、諦めた俺は仕方なくもっと他に、部員をスカウトする方法をあれこれ提案したのだった。
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