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機動兵士 3

襲来の予感

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 私は儀仗型ザゴに乗り、四条夏生のジャンゴPK25の侵攻を防いでいたのであるが、信じられないことにお互いの力量が拮抗しており、ビームソードを振り回して何回も交差しているが、決定打を与えることができない。

 光が迸る剣がぶつかるたびに、四条夏生の思考の破片がこちらに向かってきて、メッセージとなって頭の中に滞留する。「あたしは秋葉の日記を見たんだ。秋葉は、あんたのことを前から知っており、愛していたみたいじゃないか」という問いかけに、私は「え?」と驚いてしまった。どういうことであろうか。

「秋葉はね。ミルク少女だったんだよおおおう」その衝撃の事実が私のハートを通り抜けた。私は彼女のモノローグを無視して聞いていたが、その事実は看過できないものであった。「な……なんだって?」

  私の中で別の人格を持った二人が一つの像に重なってゆく。二つの喪失……悲しい恋の思い出が、まるで、ブランデーグラスのように、二重写しになって……私は、「これで、およしよ……」と、空想上の相手の酔っ払っている女性に忠告しそうになっていたが、そんな私を責め悩ますかのように、「ミルク少女だったんだよおう。だったんだよおう。だったんだよおう」と言葉尻の残響音がいくつもいくつも波紋のように広がったのであった。

「そうか。だから、君は俺との恋を躊躇っていたんだな」「そうよ。あんたは早漏だしね」「いや、それは訓練すれば克服できる問題なんだ」「そういうのものなの」「ああ。いきそうになった時に、不細工な女のことを思い出す。そうすることによって、私の絶頂へのプロムナードは素晴らしいものに、甘美な性の階梯として舗装されることになった……だが、難点なのはしょっちゅう、不細工な女のことを思い出さないといけないので、まるで、不細工な女の子とセックルしている気持ちになるんだよ」「まあ、大変ね」「ええ」「しかし、そうすると別の問題が発生する」「何」

「四条秋葉が私のことを聞きつけて私に蜜口を広げるかも知れない。そうなったら、私は彼女の性の凶器に夢中になってしまって、恐らく猿のように死ぬまでやり続けるだろう」「待って。おかしくない?不細工な女の子とセックルしている気持ちになるんでしょう」「それがだ……私は不細工な女の子とやっている妄想をし続けることによって、不細工な女の子が好みになってしまったんだよ」「おかしい。おかしい。何かその話、無理がある」

「え?どこにだい?」「不細工な女の子とのセックルが好きになったら、あなたは早漏になるじゃない」「ふっ。いいかい。不細工な女の子とセックルしている気になって遅漏になる自分を含めて、そういった関係性を含めて全てがかけがえのない甘い経験になってしまったんだ」すると、剣を合わせて暫くしてから、四条夏生はこういう電波を飛ばしてきた。

「まさに遅漏物語ね」「そ、そんな……美談じゃないよ。確かに、俺はそんなに生まれに恵まれてはいないし、貧乏育ちだけど」読者よ。これは、新潮文庫の永遠のベストセラー、次郎物語を踏まえていることを忘れてはならない。下に、参考URLを掲げておこう。

(アルファポリス版では面倒なのでリンクしません。各自探してね)
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