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第7話 狙撃手 ヤン・トェイ
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「アル、止まれ」
落とし穴から落ちてきた部屋からは一本道であり、枝のように分かれ道がある程度であった。
その通路を直進し、もう少しでマンティコアがいる部屋に差し掛かろうとした所でイシバシがアルを止める。
イシバシはアルが止まったのを確認すると、機械目による遠視を使い例の部屋の中を見る。
部屋は扉がなく見ようと思えばこのようにして見る事も可能だった。
すると、部屋の中央付近で蹲る小さな、10歳くらいの少女がいた。
その周りをグルグルと回りながら、時々少女に攻撃を仕掛けてはなにか透明な壁のような物に弾かれる一体の魔獣がいた。
「いた。 マンティコアと…… 令嬢も無事のようだ」
イシバシに倣い、イスナも望遠モードにした目で確認する。
それは、イスナが知っているマンティコアより一回りほど小さい個体だった。
体の色は赤黒く四つ足の獅子のような姿で背中にはコウモリのような翼があり、尾はサソリの尾に似た形状をしており太い針が見て取れる。
体長はおおよそ3mほどだろうか。
伝承にあるマンティコアには翼はないが、顔が人に似ている、ように見える事やその見た目によって魔獣の名前は決められる為そう呼ばれるにすぎないのだ。
そのマンティコアを見てイスナは考える。
なんだか、あの落とし穴に丁度いいサイズしてんね。
15階から30階に繋がる落とし穴。 だが本当にそうだろうか?
普通、約15層ほどの高さから落ちて無事で済むとは思えない。
高さで仕留めるつもりであったとしても落下地点に何もないのはおかしくないだろうか?
それ故に、その落とし穴の大きさなどから、あれはショートカットだと言われて居るが。
あれはまるで、30階から15階に向かえるショートカットのような……
「小娘、どうする?」
イシバシの問いかけにイスナはハッとする。
いかんいかん、まずはヤツを倒す事が先決だった。 そういう事は迷宮研究者に任せればいいのだ。
イスナは切り替え、さてどうするか考える。
……突っ込むか。
イスナは脳筋であった。
「……まずはヤンに任せてみないか?」
それを察したのか、イシバシが提案してきた。
それを受けてヤンがインベントリ仕様の背嚢から狙撃銃を引っ張り出した。
7.62mmスナイパーライフル。
このダンジョンの側にある別のダンジョンの支配企業であるマハーテック社の製品であるボルトアクションの狙撃銃で非常に高い精度を持つ事で有名な銃である。
それを見てイスナは尋ねる。
「でもそれでヤツの魔法障壁破れる?」
魔法タイプは、どの個体でも魔法障壁という遠距離攻撃を弾くバリアのような物を持っていると言われている。
ほとんどの銃はそれによって弾かれる訳だが。
ヤンはさらにケースに厳重にしまわれた一発の弾丸をイスナに見せる。
それを見たイスナは納得する。 よくもまあ一介の探索者が持っていた物だ。
対魔浸食弾。 魔法による防御を破る事が可能な特殊な弾丸。
聖水と呼ばれる特殊処理された液体を重合水加工して出来る弾だ。
重合水とは、魔法を用いた加熱処理などによって水分子が重合固体状になった凄まじく硬く軽い物だ。
かつてその存在が否定されたポリウォーターとは全くの別物であるが、ダンジョン登場以後、魔法が発現した現代にあって初めて製作が可能となった物である。
そして聖水とは、委員会がその製造を秘匿している技術によって生み出された魔法に反発しその力を減衰させる効果を持つ水である。
そもそも聖水は魔法に反発する。 製造に魔法を用いる重合水製法は非常に相性が悪く、作るのが難しく当然のように対魔浸食弾は高額となる。
それをヤンは所有し、なおかつ使ってくれるという。
サポートに徹すると言っていた割に大盤振る舞いであった。
その事にイスナは疑問に思うが、まあ今はそんな事は考えないでおこうと気持ちを切り替える。
なんにせよそれがあれば楽に倒せる事だろう。 楽して賞金もガッポリである。
「じゃあお任せ」
そう言うとイスナはあっさりと場所を譲った。
ヤンは一つ頷くと素早く準備を進める。
狙撃銃に付いていたパイポッドを引き起こし床に設置させる。
パイポッドとは、二本の脚を持つ支持装置で二脚銃架とも呼ばれる。
伏せ撃ち体勢を取ったヤンは対魔浸食弾をセットし、準備が整った事を告げるとスコープを覗き込む。
その間、アルとジェットはヤンの護衛につく。
そもそもアルはマンティコアとの交戦経験が少ないため、元々ヤンの護衛に付くという話でもあった。
「んじゃヤンさんのタイミングで。 その後突入かね~」
一人でも構わないが、きっとイシバシは付いてくるのだろうと考えながらお気楽な口調でイスナは告げた。
兎も角、ヤンはイスナの言葉を受け集中する。
今でこそ探索者のサブウェポンとして持たれている銃であるが、最初期のダンジョンにおいては銃は自らを傷つける物という認識であった。
それはダンジョンが狭い通路が多い事や、その壁がとても強固で通常の方法では傷一つ付かない事、その為に所謂跳弾によって自身や味方が傷つくという事件が頻発した為であった。
それを解決したのがマギ弾である。
これはダンジョン壁に当たった際、粒子となって消えるという性質を持つ。
これによって跳弾を防ぐことが可能となったが、いかんせん通常弾よりはるかにお高い物となってしまった。
ゆえに普通の探索者は、万が一の保険として銃を携帯しているくらいであった。
それを考えるとヤンは普通ではないと言える。
狙撃銃は取り回しも悪く、狭いダンジョンでは使いどころが難しい物である。
勿論何時も何時も使用している訳ではないが。
しかし、ヤンを笑う者はいない。
皆知っているからだ。 ヤンの狙撃の腕を。 その力を。
やさしくそっと、淑女の手に触れるかのように。
イシバシはかつてヤンから聞いた狙撃のコツという物を思い出していた。
ヤンの手のひらは驚くほど柔らかい。 まるで子供か、苦労を知らない女性の手のような。
そんな手で指で、彼は引き金を引くのだ。 力任せではなく、柔らかく柔らかく。
そして、ずしりとする銃声の後、マンティコアの悲鳴が聞こえてくる。
その音に合わせてイスナとイシバシが魔導機械化された身体能力でもって駆け、部屋に突入する。
そこには、左目を血に染めたマンティコアと、銃声に驚いて顔を上げた少女が見えた。
イスナが愛銃をマンティコアの顔面目掛け2連射すると、その攻撃を嫌ったマンティコアが後ろに飛び退る。
それに合わせてイシバシが少女に駆け寄る。
「もう大丈夫だ! こっちへ!」
その言葉を聞いた少女は、涙を拭いながらも気丈に頷くとイシバシの手を取った。
「小娘、少しの間任せるっ!」
「まあ帰ってきたときには倒してるからいいよ」
イスナはそう言って、イシバシを振り返る事なくマンティコアを見つめる。
その言葉に軽く笑みを浮かべながら、イシバシは令嬢の手を引いてヤン達の元に戻っていく。
「さて……」
ヤンの攻撃は視認領域外からの攻撃であったからか、見事にマンティコアの目を奪ったらしい。 が、イスナの攻撃は障壁によって弾かれ無傷のようだ。
銃はダメそうだ。
イスナはそう考えるとセイ・ウニカをインベントリにあっさり仕舞うと、軽く右手を振るう。
すると、右手の手の甲側の手首が少し開き、そこから刃が飛び出してきた。
二歩ほどマンティコアに踏み込むと、イスナはブレードを振り下ろす。
刀身は30cmほど、どうあっても相手に届かない間合いであるが構わずイスナは降り抜いた。
すると、刀身がばらけ金属の破片となってマンティコアに襲い掛かる。
いや、その金属片はワイヤーで繋がっており、さながら刃の鞭といった所であろうか?
ジサ=イヤスイ社製、2190年モデル・ウィップブレード マーク2。
ミスリルとオリハルコンの合金による、通常の剣としての形状と、刃の部分を数珠状に分割した鞭状とに変形させられるギミックを持つ、その扱いの難しさからおおよそ一般受けしない武器である。
一度生産が終了したものの、ファンからの熱い要望に応え再販した物が現在イスナが使用している物だ。
そしてこれが黒服の銃を切り裂き、ホーンウルフを真っ二つにした武器の正体であった。
それは兎も角、ウィップブレードは見事に、マンティコアの顔こそは避けられたがその体を深く切り裂いた。
「グゥガアアアアアアアアア!!??」
マンティコアは混乱した。 なぜ? さっきのは兎も角、今は障壁を展開している。 なぜ攻撃が届く!?
イスナはそんなマンティコアの考えに気づいたのだろう、ニヤリと笑うと一旦ウィップブレードを剣の状態に戻すと、その刀身が淡く輝いた。
「魔力コーティング。 ってのが世の中にはあってね?」
おおよそ魔法使いにしか出来ない方法だが、これによって近接武器に限られるが武器に魔力を纏わせる事で魔法障壁を無効化出来る。
本来は武器の威力を上げる為に使われるのだが、このような使い方も出来るのだった。
マンティコアは憎々し気にイスナを睨みつける。
先ほどの近づく事も出来ないエサといい、この不遜な態度のエサといい実にイラつかせる物ばかりだ。
もういい。 これらを喰うのはヤメだ。 形がなくなるまで燃やし尽くしてくれよう。
マンティコアが一声吠えると、マンティコアの頭上に大きな直径2mほどの火球が生まれた。
それは生まれてすぐにイスナに向けて放たれた。
「うおっとっ!?」
どこか演技じみた声を発すると横っ飛びに火球を避けるイスナ。
それはダンジョン壁にぶつかると大きく爆発する。
「障壁に火球か。 デュアルスペル持ちか」
大抵の魔法タイプはシングルスペル、つまり魔法を一つ使える魔獣がほとんどである。
それをこのマンティコアのは2つ使用している。
やっぱり面倒くさいと、こっそりため息を吐くイスナであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ポリウォーター(重合水)もしくは異常水(いじょうすい)は、1966年にソ連のボリス・デリャーギンが発見したとする、水の特殊な状態。その報告から存在が否定されるまでに起きた一連の学会の熱狂と社会現象はポリウォーター事件として知られる。 (wikiより)
落とし穴から落ちてきた部屋からは一本道であり、枝のように分かれ道がある程度であった。
その通路を直進し、もう少しでマンティコアがいる部屋に差し掛かろうとした所でイシバシがアルを止める。
イシバシはアルが止まったのを確認すると、機械目による遠視を使い例の部屋の中を見る。
部屋は扉がなく見ようと思えばこのようにして見る事も可能だった。
すると、部屋の中央付近で蹲る小さな、10歳くらいの少女がいた。
その周りをグルグルと回りながら、時々少女に攻撃を仕掛けてはなにか透明な壁のような物に弾かれる一体の魔獣がいた。
「いた。 マンティコアと…… 令嬢も無事のようだ」
イシバシに倣い、イスナも望遠モードにした目で確認する。
それは、イスナが知っているマンティコアより一回りほど小さい個体だった。
体の色は赤黒く四つ足の獅子のような姿で背中にはコウモリのような翼があり、尾はサソリの尾に似た形状をしており太い針が見て取れる。
体長はおおよそ3mほどだろうか。
伝承にあるマンティコアには翼はないが、顔が人に似ている、ように見える事やその見た目によって魔獣の名前は決められる為そう呼ばれるにすぎないのだ。
そのマンティコアを見てイスナは考える。
なんだか、あの落とし穴に丁度いいサイズしてんね。
15階から30階に繋がる落とし穴。 だが本当にそうだろうか?
普通、約15層ほどの高さから落ちて無事で済むとは思えない。
高さで仕留めるつもりであったとしても落下地点に何もないのはおかしくないだろうか?
それ故に、その落とし穴の大きさなどから、あれはショートカットだと言われて居るが。
あれはまるで、30階から15階に向かえるショートカットのような……
「小娘、どうする?」
イシバシの問いかけにイスナはハッとする。
いかんいかん、まずはヤツを倒す事が先決だった。 そういう事は迷宮研究者に任せればいいのだ。
イスナは切り替え、さてどうするか考える。
……突っ込むか。
イスナは脳筋であった。
「……まずはヤンに任せてみないか?」
それを察したのか、イシバシが提案してきた。
それを受けてヤンがインベントリ仕様の背嚢から狙撃銃を引っ張り出した。
7.62mmスナイパーライフル。
このダンジョンの側にある別のダンジョンの支配企業であるマハーテック社の製品であるボルトアクションの狙撃銃で非常に高い精度を持つ事で有名な銃である。
それを見てイスナは尋ねる。
「でもそれでヤツの魔法障壁破れる?」
魔法タイプは、どの個体でも魔法障壁という遠距離攻撃を弾くバリアのような物を持っていると言われている。
ほとんどの銃はそれによって弾かれる訳だが。
ヤンはさらにケースに厳重にしまわれた一発の弾丸をイスナに見せる。
それを見たイスナは納得する。 よくもまあ一介の探索者が持っていた物だ。
対魔浸食弾。 魔法による防御を破る事が可能な特殊な弾丸。
聖水と呼ばれる特殊処理された液体を重合水加工して出来る弾だ。
重合水とは、魔法を用いた加熱処理などによって水分子が重合固体状になった凄まじく硬く軽い物だ。
かつてその存在が否定されたポリウォーターとは全くの別物であるが、ダンジョン登場以後、魔法が発現した現代にあって初めて製作が可能となった物である。
そして聖水とは、委員会がその製造を秘匿している技術によって生み出された魔法に反発しその力を減衰させる効果を持つ水である。
そもそも聖水は魔法に反発する。 製造に魔法を用いる重合水製法は非常に相性が悪く、作るのが難しく当然のように対魔浸食弾は高額となる。
それをヤンは所有し、なおかつ使ってくれるという。
サポートに徹すると言っていた割に大盤振る舞いであった。
その事にイスナは疑問に思うが、まあ今はそんな事は考えないでおこうと気持ちを切り替える。
なんにせよそれがあれば楽に倒せる事だろう。 楽して賞金もガッポリである。
「じゃあお任せ」
そう言うとイスナはあっさりと場所を譲った。
ヤンは一つ頷くと素早く準備を進める。
狙撃銃に付いていたパイポッドを引き起こし床に設置させる。
パイポッドとは、二本の脚を持つ支持装置で二脚銃架とも呼ばれる。
伏せ撃ち体勢を取ったヤンは対魔浸食弾をセットし、準備が整った事を告げるとスコープを覗き込む。
その間、アルとジェットはヤンの護衛につく。
そもそもアルはマンティコアとの交戦経験が少ないため、元々ヤンの護衛に付くという話でもあった。
「んじゃヤンさんのタイミングで。 その後突入かね~」
一人でも構わないが、きっとイシバシは付いてくるのだろうと考えながらお気楽な口調でイスナは告げた。
兎も角、ヤンはイスナの言葉を受け集中する。
今でこそ探索者のサブウェポンとして持たれている銃であるが、最初期のダンジョンにおいては銃は自らを傷つける物という認識であった。
それはダンジョンが狭い通路が多い事や、その壁がとても強固で通常の方法では傷一つ付かない事、その為に所謂跳弾によって自身や味方が傷つくという事件が頻発した為であった。
それを解決したのがマギ弾である。
これはダンジョン壁に当たった際、粒子となって消えるという性質を持つ。
これによって跳弾を防ぐことが可能となったが、いかんせん通常弾よりはるかにお高い物となってしまった。
ゆえに普通の探索者は、万が一の保険として銃を携帯しているくらいであった。
それを考えるとヤンは普通ではないと言える。
狙撃銃は取り回しも悪く、狭いダンジョンでは使いどころが難しい物である。
勿論何時も何時も使用している訳ではないが。
しかし、ヤンを笑う者はいない。
皆知っているからだ。 ヤンの狙撃の腕を。 その力を。
やさしくそっと、淑女の手に触れるかのように。
イシバシはかつてヤンから聞いた狙撃のコツという物を思い出していた。
ヤンの手のひらは驚くほど柔らかい。 まるで子供か、苦労を知らない女性の手のような。
そんな手で指で、彼は引き金を引くのだ。 力任せではなく、柔らかく柔らかく。
そして、ずしりとする銃声の後、マンティコアの悲鳴が聞こえてくる。
その音に合わせてイスナとイシバシが魔導機械化された身体能力でもって駆け、部屋に突入する。
そこには、左目を血に染めたマンティコアと、銃声に驚いて顔を上げた少女が見えた。
イスナが愛銃をマンティコアの顔面目掛け2連射すると、その攻撃を嫌ったマンティコアが後ろに飛び退る。
それに合わせてイシバシが少女に駆け寄る。
「もう大丈夫だ! こっちへ!」
その言葉を聞いた少女は、涙を拭いながらも気丈に頷くとイシバシの手を取った。
「小娘、少しの間任せるっ!」
「まあ帰ってきたときには倒してるからいいよ」
イスナはそう言って、イシバシを振り返る事なくマンティコアを見つめる。
その言葉に軽く笑みを浮かべながら、イシバシは令嬢の手を引いてヤン達の元に戻っていく。
「さて……」
ヤンの攻撃は視認領域外からの攻撃であったからか、見事にマンティコアの目を奪ったらしい。 が、イスナの攻撃は障壁によって弾かれ無傷のようだ。
銃はダメそうだ。
イスナはそう考えるとセイ・ウニカをインベントリにあっさり仕舞うと、軽く右手を振るう。
すると、右手の手の甲側の手首が少し開き、そこから刃が飛び出してきた。
二歩ほどマンティコアに踏み込むと、イスナはブレードを振り下ろす。
刀身は30cmほど、どうあっても相手に届かない間合いであるが構わずイスナは降り抜いた。
すると、刀身がばらけ金属の破片となってマンティコアに襲い掛かる。
いや、その金属片はワイヤーで繋がっており、さながら刃の鞭といった所であろうか?
ジサ=イヤスイ社製、2190年モデル・ウィップブレード マーク2。
ミスリルとオリハルコンの合金による、通常の剣としての形状と、刃の部分を数珠状に分割した鞭状とに変形させられるギミックを持つ、その扱いの難しさからおおよそ一般受けしない武器である。
一度生産が終了したものの、ファンからの熱い要望に応え再販した物が現在イスナが使用している物だ。
そしてこれが黒服の銃を切り裂き、ホーンウルフを真っ二つにした武器の正体であった。
それは兎も角、ウィップブレードは見事に、マンティコアの顔こそは避けられたがその体を深く切り裂いた。
「グゥガアアアアアアアアア!!??」
マンティコアは混乱した。 なぜ? さっきのは兎も角、今は障壁を展開している。 なぜ攻撃が届く!?
イスナはそんなマンティコアの考えに気づいたのだろう、ニヤリと笑うと一旦ウィップブレードを剣の状態に戻すと、その刀身が淡く輝いた。
「魔力コーティング。 ってのが世の中にはあってね?」
おおよそ魔法使いにしか出来ない方法だが、これによって近接武器に限られるが武器に魔力を纏わせる事で魔法障壁を無効化出来る。
本来は武器の威力を上げる為に使われるのだが、このような使い方も出来るのだった。
マンティコアは憎々し気にイスナを睨みつける。
先ほどの近づく事も出来ないエサといい、この不遜な態度のエサといい実にイラつかせる物ばかりだ。
もういい。 これらを喰うのはヤメだ。 形がなくなるまで燃やし尽くしてくれよう。
マンティコアが一声吠えると、マンティコアの頭上に大きな直径2mほどの火球が生まれた。
それは生まれてすぐにイスナに向けて放たれた。
「うおっとっ!?」
どこか演技じみた声を発すると横っ飛びに火球を避けるイスナ。
それはダンジョン壁にぶつかると大きく爆発する。
「障壁に火球か。 デュアルスペル持ちか」
大抵の魔法タイプはシングルスペル、つまり魔法を一つ使える魔獣がほとんどである。
それをこのマンティコアのは2つ使用している。
やっぱり面倒くさいと、こっそりため息を吐くイスナであった。
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ポリウォーター(重合水)もしくは異常水(いじょうすい)は、1966年にソ連のボリス・デリャーギンが発見したとする、水の特殊な状態。その報告から存在が否定されるまでに起きた一連の学会の熱狂と社会現象はポリウォーター事件として知られる。 (wikiより)
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