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第一章 暴虐皇子のやり直し開始
22話 新たなる選択の先にある分岐
しおりを挟む生徒たちが俺に向ける視線は男子寮だけでは無かった、それは寮から校舎に向かって歩く途上においても同様だ
「ねぇアレって・・・」「本当にこの国の・・・」「前から思っていたけど、ここまでとは・・・」
男女関係なく俺に聞こえない程度の小声で、俺の背後からチラチラ視線を向け陰口を言っている
(覚悟はしたつもりだし、1周目の屈辱からすれば大したことないと思ってはいたが・・・)
けっこう精神的に来るもんだな・・・
「ア、アーサー様、あの様な不敬、本当にお許しになってよろしいのですか!?」
「くどいぞ、ランスロットこれは俺が選んだことだ、この程度の誹謗中傷で、いちいち心乱して怒っていては、これから先、他国との交渉の席では俺は常に宣戦布告して回らねばならんぞ?フフフフ」
「で、殿下そのようなお戯れを・・・」
(ん?)
そんな時、俺の視界の先に長い銀髪の後ろ姿が見えた・・・リリスだ。
リリスは例のカリン、ミレーユの元取り巻きではなくフェンシングのケースを手にした部活の仲間だろうか・・・いつもは一緒に見かけない二人と並んで歩いていた
(なんか体調を崩して昨日部活中に倒れたと聞いたな・・・)
「リリス嬢、昨日は体調を崩して倒れたそうじゃないか、もう身体の方は良いのか?」
背後から思わずそう声をかけてしまった
俺の声かけに振り返ったリリスは、俺に声をかけられたことに驚いていた・・・しかし
バッ!と、部活の仲間の女の子二人がリリスと俺の間を塞ぐように体を入れ
「殿下、大変申し訳ございません、リリス様は昨晩からお加減がすぐれなくて、私達が付き添ってクラスまでお見送りしますので、どうかこの場は我らにお任せ下さい」
口調は丁寧だが、明らかに俺の事を見る目に敵意がむき出しになっている
「き、貴様ぁ!誰に物を言って!」
背後から飛び出そうとするランスロットを右手を横に伸ばして制止する
「そうか・・・ではフロイライン、リリス嬢の事、よろしく頼む」
二人に軽く頭を下げると、「行くぞ」と短くランスロットに声をかけ、リリスの方を見ないようにして校舎に向けて歩き出した
俺の後ろから、ランスロットが相変わらず何かぶつぶつと言っていたが・・・・
(いい!いいじゃないか!、こんなに早くリリスに新しい味方ができるなんて、これは嬉しい誤算だ)
内心は俺の策がいい方向に向かってることを確信し、喜びに震えていた
(フフフフ、この調子であればリリスの不名誉な噂や風聞もすぐに解消できそうだ、その後は、リリスに学園で関わらない様に気を付けていれば、俺へのヘイトを解決するだけ・・・まぁまだ1年以上も時間はあるしゆっくり解決すれば良いさ)
【アーサー様・・・無茶をなさって、ここまでしなきゃミョルニル侯爵令嬢の不名誉は払拭出来なかったのですか?・・・でも、このままではアーサー様が、私に何か出来る手を嵩じなければ、あの時の御恩に少しは報いる為にも・・・】
【あの皇子・・・今までの無能ぶりは演技だったわけね・・・これは本国へ方針変更を具申する必要がありそだわ・・・でも、まぁ学生の時点で、それが分かってよかったかも知れないわね、早めに間違いに気付けば打てる手もある、今後の事は女王様にお任せして、私は皇子の情報を・・・】
【馬鹿な!?これではミョルニル侯爵家を排除する父上の策が・・・】
【この方は、自らの評価をここまで落として、この先帝位に就いてやっていけると思っているのか?ここまで愚か者だったとは・・・この先この方について行って本当に大丈夫なのか?】
【クソ!クソ!クソ!あの馬鹿皇子がぁ顔だけしか取り柄の無い傀儡のくせにぃぃ、はぁ―――もうあの馬鹿は終わりだ・・・早々に別の寄生先を見つけるしか無い、そいつにこの国を・・・】
【自分が幼少期からそう育てられて来たから、殿下もそうあるべきだと勝手に押し付けて来た私は、殿下に対しただ八つ当たりしてただけ?】
【おかしい、おかしい、おかしい、俺はこの世界の主人公のはずだ、この世界のヒロインは全て俺の女になるはずなんだ!クソが、クソが、所詮は海外製の違法海賊版て事か?・・・エロ画像のクオリティに騙されでアホみたいに課金した挙句にこれじゃ・・・いや、まだだシナリオが違っていても俺にはこのチートな力が有る・・・クククク、どうせ英雄になれないなら・・・・ヒヒヒヒ】
この時のアーサーは気づいて無かった、破滅的な未来を変える為の選択の先で周囲の人間が別のベクトルへと向かって進みだしてることに・・・
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