暴虐皇子のやり直し「同じ失敗は繰り返しません!」
シリウス大陸に存在する5つの大国
その中でもシリウス大陸の中央に位置し最大の版図と国力を誇るヴァルハラ帝国
そして今、帝国は落日の時を迎えていた
焼け落ちる玉座の間にただ一人・・・
豪華な服を身に纏い輝くブロンドの髪に透き通る程白い肌、青い瞳の美男子、ヴァルハラ帝国皇帝
アーサー=ヴァルハラ
20代中頃の若い皇帝は荘厳な玉座には座らず、その手前の段差に腰を下ろし天井で燃え盛る帝国の象徴でもある黄金の獅子は刺繍されたタペストリーを見つめる
今皇帝である彼の周りには誰も居ない・・・いや居なくなったのだ
「どこで間違えたのかな・・・・」
そう呟く若き皇帝・・・思い返すのは過去の自分の行い
伝説の種族が治める国への無謀な侵攻、女王の色香に惑わされ偽りの同盟に踊らされた、無能な自分に根気強く苦言を呈してくれた忠臣を遠ざけた、魔物が化けていた宰相の言葉を信じ父である皇帝を死に追いやった
思い出す過去の行いの何れもが自分の失態だったが、一番の失態は婚約者であるミョルニル侯爵令嬢との婚約破棄を突き付けた事だろう
浮気女に入れあげ、盲目となった俺、その浮気女は落ちぶれていく俺をあっさり見捨て親友だった男と浮気した挙句に後ろ脚で砂をかける様に俺を罵りこの国から逃げ出した
俺から婚約破棄を告げられた侯爵令嬢は、平民でありながら聖王の聖刻を持つ救世主と協力し帝国を除くシリウス大陸の国々を纏め上げ俺に・・・この帝国に反旗を翻す
最初から勝ち目は無い戦い・・・帝国軍の殆どはミョルニル侯爵軍へと降り、国民の殆どは俺の廃位を叫ぶ
包囲される白亜の城、ヴァルハラ城
親友に見限られ自ら玉座の間に火を放ち、全てが終わるまでの僅かな時間を一人天井を仰ぎ、待つ
そんな時ふと思い出す、いつだったか街の裏道で怪しい老婆から買った薄汚れたネックレス
くすんだ金貨がついた部分を天井に掲げ老婆の口にした言葉を思い出していた
『そのネックレスに願えば一度だけ、やり直したいと思う人生の岐路に戻れるのじゃ・・・カッカッカァ~使い処を見誤るなよ?』
そんな話しを信じてる訳では無い・・・だが、もし過去に戻ってやり直せるのであれば・・・あの時に・・
天井の梁が焼け落ち瓦礫がアーサーの頭上に崩れ落ちて来る
これは、全て間違えた選択をしてきた暴虐皇子が、過去に戻り今度こそ選択を間違わない様に生きようと足掻くやり直しの物語
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