暴虐皇子のやり直し「同じ失敗は繰り返しません!」

nayaminotake

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第一章 暴虐皇子のやり直し開始

26話 暴虐皇子が見上げた、赤く染まる空

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陛下との謁見を終え、ヒルダ=ニーベルンゲンと共に皇族用の馬車に揺られ学園へと帰っている途上

「アーサー様、この度の陛下への諌言…すこし、性急すぎませんでしたか?」

ヒルダの俺を見る目が鋭い…これは確実に怒ってる時の目だ

『アーサー様、いずれこの国を治める者として、この国の民意に耳を傾けなければ―――』

あぁ、そうだった、陛下への諌言も元はと言えば1周目でヒルダが、俺に散々忠告してくれていた事の一つだったな、国を支えるのは貴族でも政務官でも無く、そこに住む民だと…

「そんな事は無い、やり方は多少強引だったかも知れないが、あれはあれで良かったと思ってる」

「ですが、もし陛下のご気分を損ない叱責されればどうなる事か…殿下もお分かりのはずです」

「お前が何を心配しているのかは知らぬが、その時はその時だ…それが陛下の「選択結果」であれば、受け入れるしかない」

「!?もしかして…そのお覚悟で!?」

「ふっ…おれは、そんな度胸持ち合わせて無いさ…この国のたった一人の皇太子、陛下のたった一人の子供、その立場を最大限に使ったまでだ、まぁ多少は頭を過ったが陛下の性格は俺もよく知ってるからな」

「―――ですが、今度からはもう少し慎重に行動する様にお願い致します」

「あぁ、頭にいれておこう」

馬車は市街地を抜け、帝国貴族学園へと続く道、外壁街道へと入った

外壁街道とは文字通り、帝都ヴァルハラの都市を囲う様に作られた巨大な防御壁だ東西南北に巨大な門が設けられ帝都から出る場合は基本そこを通る事になる

帝都全域を囲う外壁は全周囲で約50キロメートルを超え、その上部の至る所にバリスタや連弩が設置されていた。
俺は街道を進む馬車の窓から、その巨大な外壁を何となく眺めていると連弩の内の一つがゆっくりと方向を変えこちらを向く…

そして、キラッと何かが光った

「危ない!!」
「きゃぁぁ!」

俺は、咄嗟にヒルダに覆いかぶさる様に飛び掛かると次の瞬間、馬車が大きく傾き横転、室内も滅茶苦茶になり外壁も大きく破損

「ヒルダ!大丈夫か!?」
「うっ…うぅ…ア、アーサー様…」

どうやら俺の座っていた側の座席が横転した時に外れ、上手い具合にクッションになってくれた様だ…

「立てるか?」

馬車の破片を手で押しのけ、ヒルダに向け手を差し出す

「は、はい…ありがとうございます…アーサー様、(あぁ…あの時と同じ―――)」

「ん?何か言ったか?どこか痛めたか?」

「!?いえ、何でもございません、アーサー様のおかげで無事で御座います」

ヒルダは慌てて俺の手を取って、スッと立ち上がると…

「これは…連弩の…」

横転し粉々になった馬車、馬、それに馬車を操縦していた御者は巨大な鉄の矢、数本に射貫かれ絶命していた

「アーサー様、危険です。お下がりください、第二射があるやも知れません!」

今度はヒルダが俺の前に立ち壁になる様に外壁の方を睨みつけ警戒する。

「もう賊は逃げた様だ。」

ヒルダの肩に手を置き、俺は先ほど俺達を攻撃して来た連弩の周りに守備兵数名が駆けつけているのを指差しそう告げる

「直ぐに城に戻り、犯人を捕らえる為の部隊編成を!」

ヒルダは俺に向け膝をつき頭を下げる

「ヒルダその前に、そこの御者の遺体を家族に届けてやれ…それと、これをかの者の家族に」

俺は懐にある、金貨何十枚かが入った自分の財布をヒルダに手渡した

ヒルダは驚いた表情を一瞬だけ見せたが、俺の意図するところ汲んでくれたのか、両手で俺の財布を受け取ると通信用の小型音声入力魔道具でどこかに連絡を始めた

(やはり犯人は逃げたか…)

遠目に連弩の周りで慌てた様子で右往左往している守備兵たちの姿を見て、そう確信した俺は近くの木にもたれ首を横に振り溜息をもらす

(犯人…か、思い当たる連中が多すぎて正直分からんな…でも、まだ次の選択を選ぶには情報が少ない、学園の外で起こった事だが、もしかしたら既に学園の中にも俺への刺客が?

「アーサー様、もうすぐ城から別の馬車が着ます、それと外壁の守備隊が陛下の警護の為、此方に駆け付けるそうです…あっ、あれの様です」

ヒルダが外壁の方を指差すと騎乗した兵士数名が俺達の方へと向かってくるのが見えた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

「では、御者を家族の元へ送った後、私もアーサー様の警護の為、学園に宿泊させて頂きます」

俺は、代替の馬車に乗り込み窓越しにヒルダからそう報告を受けた

「あぁ、わかった学園の寮長にはおれから話をしておく・・・・行け」

手綱を握る御者にそう指示し、馬車は外壁街道を学園方面に向け走り出した
既に日は傾きかけ馬車の窓から見える空は赤く染まり、まるで俺に対する警告の様に感じた…

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