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第一章 暴虐皇子のやり直し開始
32話 暴虐皇子は死の影を笑い飛ばす
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リリスと夜の庭園で談笑した後、おれはリリスを女子寮の前まで送り届ける
「アーサー様、本日は夜分遅くまでお付き合い下さり有難う御座います、週末の「事」楽しみにしております」
「あぁ、わかったリリスも運動した後だったから、身体が冷えただろゆっくり風呂にでも浸かって温まるがよい」
寮の玄関先で俺に向かってお辞儀しているリリスにむかって手を上げ応えると、その奥のドアの所で嬉しそうに何度も頷くメアリアの姿が…
メアリアの奴、何か勘違いしてるようだが――まぁ、気にする事もないか…
男子寮に到着したのは予定していた1時間を超え、2時間近く経過していた
「!?アーサー様!?警備兵に連絡して!皇太子殿下はご無事!」
「はっ!すぐに捜索隊へと連絡します!」
俺の姿を見つけたヒルダと数名の兵が慌ただしく各所へ連絡を始めた…
(!?っしまった!俺が刺客に連れ去られたとか思われたか!?)
「殿下!!このような時間まで何処に行っておられたのですか!!」
(マズイ――、このヒルダの目、相当頭に来てる時の目だ‥‥)
「あっ、あぁーと、!?あっそうそう、リリスと一緒にいたんだ!(うん、嘘は言って無い)」
しかし、ヒルダは余計に疑いの目で俺を睨んでくる
「ミョルニル侯爵嬢とぉ――で?御座いますか?」
「あ、あぁ、本当だいましがた迄一緒にいた」
「では、こちらで確認を取らせて頂きます」
ヒルダは小型音声入力用の魔道具で何処かに連絡を始めた…(誰に連絡してるんだ?)
「メアリア寮長、先ほどは部屋の手配有難う御座いました…はい、そうです皇太子殿下の…はい、そうですか…では本当にミョルニル侯爵嬢と…はい、お手数おかけしました…はい、では今晩よろしくお願いします」
「――確認取れました、確かにミョルニル侯爵嬢と一緒におられたと…ですが!、刺客が何処に潜んでいるのかもわからないのに、わたくしに何も告げず外出するのは、あまりに短慮ですよ!もう少しご自身のお立場を――――」
(結局、ヒルダのお説教が始まるのか…でも、まぁ俺の事を心配してくれての事だ、ここは有難くお説教されておこうか)
「殿下!何をニヤニヤしておられるのですか!!私は真剣にお話させて頂いてるのです、もっと殿下も真摯にですね――――」
その日の夜は、追加で1時間、寮の外でヒルダに散々説教をくらった…
―――翌朝
【殿下、そろそろ朝食のお時間です、ご準備を】
「――――ん!?あれ?ヒルダ?」
いつも朝に俺を呼びに来るランスロットの声では無く、ヒルダの声だった事に驚き思わずベッドから身体を起こす
【ランスロット様は、本日ご予定があるとの事で、朝食をとらずに学園の方へ登校されました。その際に私に殿下の事を託されまして、こうして朝食の時間をお伝えしに参りました】
「用事?」
昨日のグネビーと腕を組んで歩くランスロットの後ろ姿が脳裏に蘇る…
「はぁ―――お盛んな事で…」
【は?何か仰りましたか?】
「いや、何でもない着替えたら行く…ヒルダは任務に戻れ」
【はっ!では、失礼致します】
ドアの向こうの足音が遠ざかって行く…俺は着替えと身なりを整えながら今後のランスロットとクネビーの行動について考察していた
(グネビーはきっと、俺がすでに自分に興味を無くしてる事に気付いてるはず、そこで1周目の時と同じく次のターゲットにランスロットに近づき、篭絡する事に成功した。)
(そのグネビーが次に考える手は――――、ランスロットを皇帝の養子に据える為の邪魔者の排除)
その一番手は当然、俺なわけだがランスロットが皇族に養子として迎えられるには、後二人障害となる者がいる。
ランスロットの実の兄、ガウェイン
フロスト公爵家の嫡男、ルシウス
何れもランスロットよりも政(まつりごと)に対する造詣が深く、とくにガウェインは実際に政務の要職に就いている、この事からランスロットは順位でいくと第三位となるはず
俺は、着替え終わり食堂へと向かう途中も、思案を続けた
パンとスープ、プレーンオムレツとサラダ、燻製肉をソテーした肉料理…それぞれトレーに乗せると、上級貴族専用のテーブルへと腰をかける
相変わらず、他の生徒達の俺への視線は冷ややかだが、慣れとは恐ろしいもので気にもならなくなって来た
朝食を口に運びながら、も思案の続きをする
ランスロットが他の二名を出し抜くには、最低でも兄ガウェインを超える程の実績を上げる必要がある
そこで、昨日の俺の暗殺未遂事件…
もし、あの刺客がグネビー、もしくはランスロットが手配した者で、その俺を殺した犯人をランスロットが単独で調査し討ち取る――という連中のシナリオだったら
ランスロットは親友で主人である皇太子の敵討ちを、独りでやり遂げた忠臣の中の忠臣という事になり。
マーリン陛下からも息子である俺の仇を討ってくれ、皇族を暗殺されたという帝国の威信を回復してくれた英雄としてランスロットには多大な借りを作る事になり。
その存在を無視できなくなる。
(と、飛躍しすぎか?今の時点で少なくともランスロットはそこまで落ちてるとは思いたくない…だが、ランスロットの奴を誑かしているのはあのグネビーだ、どんな手段をとってくるか分からん…)
俺は食べ終わった食器を返却し、自室へと戻る…
部屋の前ではヒルダが待っており
「登校の準備が整いましたら、お声掛け下さい」
「わかった、10分程で行く」
俺はそうヒルダに声をかけ自室に戻り、学園に向かう支度をする…
1周目の死から、奇跡的に間違え続けて来た選択をやり直せる機会を得た
そして2周目は、学生の身である俺に、すでに命の危険が迫っているという。
―――にしても、自分の死に関わる事だというのに、客観的な見方をしてる…そんな自分が少し可笑しかった
「アーサー様、本日は夜分遅くまでお付き合い下さり有難う御座います、週末の「事」楽しみにしております」
「あぁ、わかったリリスも運動した後だったから、身体が冷えただろゆっくり風呂にでも浸かって温まるがよい」
寮の玄関先で俺に向かってお辞儀しているリリスにむかって手を上げ応えると、その奥のドアの所で嬉しそうに何度も頷くメアリアの姿が…
メアリアの奴、何か勘違いしてるようだが――まぁ、気にする事もないか…
男子寮に到着したのは予定していた1時間を超え、2時間近く経過していた
「!?アーサー様!?警備兵に連絡して!皇太子殿下はご無事!」
「はっ!すぐに捜索隊へと連絡します!」
俺の姿を見つけたヒルダと数名の兵が慌ただしく各所へ連絡を始めた…
(!?っしまった!俺が刺客に連れ去られたとか思われたか!?)
「殿下!!このような時間まで何処に行っておられたのですか!!」
(マズイ――、このヒルダの目、相当頭に来てる時の目だ‥‥)
「あっ、あぁーと、!?あっそうそう、リリスと一緒にいたんだ!(うん、嘘は言って無い)」
しかし、ヒルダは余計に疑いの目で俺を睨んでくる
「ミョルニル侯爵嬢とぉ――で?御座いますか?」
「あ、あぁ、本当だいましがた迄一緒にいた」
「では、こちらで確認を取らせて頂きます」
ヒルダは小型音声入力用の魔道具で何処かに連絡を始めた…(誰に連絡してるんだ?)
「メアリア寮長、先ほどは部屋の手配有難う御座いました…はい、そうです皇太子殿下の…はい、そうですか…では本当にミョルニル侯爵嬢と…はい、お手数おかけしました…はい、では今晩よろしくお願いします」
「――確認取れました、確かにミョルニル侯爵嬢と一緒におられたと…ですが!、刺客が何処に潜んでいるのかもわからないのに、わたくしに何も告げず外出するのは、あまりに短慮ですよ!もう少しご自身のお立場を――――」
(結局、ヒルダのお説教が始まるのか…でも、まぁ俺の事を心配してくれての事だ、ここは有難くお説教されておこうか)
「殿下!何をニヤニヤしておられるのですか!!私は真剣にお話させて頂いてるのです、もっと殿下も真摯にですね――――」
その日の夜は、追加で1時間、寮の外でヒルダに散々説教をくらった…
―――翌朝
【殿下、そろそろ朝食のお時間です、ご準備を】
「――――ん!?あれ?ヒルダ?」
いつも朝に俺を呼びに来るランスロットの声では無く、ヒルダの声だった事に驚き思わずベッドから身体を起こす
【ランスロット様は、本日ご予定があるとの事で、朝食をとらずに学園の方へ登校されました。その際に私に殿下の事を託されまして、こうして朝食の時間をお伝えしに参りました】
「用事?」
昨日のグネビーと腕を組んで歩くランスロットの後ろ姿が脳裏に蘇る…
「はぁ―――お盛んな事で…」
【は?何か仰りましたか?】
「いや、何でもない着替えたら行く…ヒルダは任務に戻れ」
【はっ!では、失礼致します】
ドアの向こうの足音が遠ざかって行く…俺は着替えと身なりを整えながら今後のランスロットとクネビーの行動について考察していた
(グネビーはきっと、俺がすでに自分に興味を無くしてる事に気付いてるはず、そこで1周目の時と同じく次のターゲットにランスロットに近づき、篭絡する事に成功した。)
(そのグネビーが次に考える手は――――、ランスロットを皇帝の養子に据える為の邪魔者の排除)
その一番手は当然、俺なわけだがランスロットが皇族に養子として迎えられるには、後二人障害となる者がいる。
ランスロットの実の兄、ガウェイン
フロスト公爵家の嫡男、ルシウス
何れもランスロットよりも政(まつりごと)に対する造詣が深く、とくにガウェインは実際に政務の要職に就いている、この事からランスロットは順位でいくと第三位となるはず
俺は、着替え終わり食堂へと向かう途中も、思案を続けた
パンとスープ、プレーンオムレツとサラダ、燻製肉をソテーした肉料理…それぞれトレーに乗せると、上級貴族専用のテーブルへと腰をかける
相変わらず、他の生徒達の俺への視線は冷ややかだが、慣れとは恐ろしいもので気にもならなくなって来た
朝食を口に運びながら、も思案の続きをする
ランスロットが他の二名を出し抜くには、最低でも兄ガウェインを超える程の実績を上げる必要がある
そこで、昨日の俺の暗殺未遂事件…
もし、あの刺客がグネビー、もしくはランスロットが手配した者で、その俺を殺した犯人をランスロットが単独で調査し討ち取る――という連中のシナリオだったら
ランスロットは親友で主人である皇太子の敵討ちを、独りでやり遂げた忠臣の中の忠臣という事になり。
マーリン陛下からも息子である俺の仇を討ってくれ、皇族を暗殺されたという帝国の威信を回復してくれた英雄としてランスロットには多大な借りを作る事になり。
その存在を無視できなくなる。
(と、飛躍しすぎか?今の時点で少なくともランスロットはそこまで落ちてるとは思いたくない…だが、ランスロットの奴を誑かしているのはあのグネビーだ、どんな手段をとってくるか分からん…)
俺は食べ終わった食器を返却し、自室へと戻る…
部屋の前ではヒルダが待っており
「登校の準備が整いましたら、お声掛け下さい」
「わかった、10分程で行く」
俺はそうヒルダに声をかけ自室に戻り、学園に向かう支度をする…
1周目の死から、奇跡的に間違え続けて来た選択をやり直せる機会を得た
そして2周目は、学生の身である俺に、すでに命の危険が迫っているという。
―――にしても、自分の死に関わる事だというのに、客観的な見方をしてる…そんな自分が少し可笑しかった
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