落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

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学内実戦実習編

八雲家メイド長の実力

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あの構えは記憶を取り出す術だ。
恵子さんは自分の頭から結晶を取り出す。
「これは皆さんご存知の通り記憶の結晶です。この結晶から再生される映像はみんな事実です。日時は昨日の放課後、式神使い専用の闘技場にて行われたことです。」

そう言って結晶を再生しだす。周りにも見えるようにデカデカと拡大してな。
そこには雨宮が写っている。しばらくすると闘技場から俺をボコっていた3人組が姿をあらわす。
『おまたせ、いやぁ今日もスッキリしたわ、はいこれ人質役のバイト代』
『あれ?いつもより多くない?』
『そりゃこれからもう一仕事あるからな』
そう言って男達がニヤニヤしながら、手でジェスチャーする。
『しょうがないなぁ、時間かかるから3人まとめてでいいならないいよ。』
そう言って雨宮が歩きだす。
『にしても酷い奴だなぁ、あんな優しく接しておいて、裏では金とちんこの本数稼ぐために使われてるとはねぇ』
『だって便利なんだもんしょうがないじゃん』あはははと笑いながら彼らは町の近くのラブホテルに入っていった。
「お前そんなことしてたのか」
男は雨宮を驚愕の表情で見る。
「紅君これは違うの!」雨宮が必死に釈明をしようと叫ぶ。
「いや、知ってたし」
てか、普通に考えたらわかるだろ。自分のためにボコられたやつを放置して帰るような奴が裏で金が絡んでないわけがない。

「ということです。ちなみにその日はそちらの男性とも愛し合ってましたね。裏付けなら彼女の記憶を取り出せばわかりますが、それを無理やりするのは悪い気がしますねぇ」
「何が言いたい?」男は身構える。
「英雄色を好むとよく言いますし、正直実力さえあれば問題ないのです。私と一戦やりませんか?勝てば私を黙らせることができますし、おぼっちゃまの説得も手伝いましょう。その代わり私が勝てば、裏付けの記憶を頂き、雨宮家の本家にこの件を持っていくことにします。」

雨宮家は一応陰陽師を代々排出しているが最近は優秀なのはあまり出ていないと聞く。
今代の彼女は男漁りにはまっているため実力はないと思われる。

「いいわやるわ」
なぜ無謀にもこの挑発に乗ったのかというと恵子さんの記憶結晶だけを本家に持ち込んでも裏付け証拠は向こうが勝手に彼女から取り出してくれると思うし、ここで恵子さんから記憶結晶を奪わないと後がないからだ。

「では、この八雲家メイド長八雲恵子が僭越ながらお相手いたします。」


その掛け声と共に広場にいた野次馬が一気に広がり場所を作る。
みんな口々に八雲のメイド長がなぜとか面白いものが観れるなど言っている。

場所が空き、2人が一定の距離離れた場所に立つ。
「そちらの好きなタイミングでどうぞ」
恵子さんが先手を渡す。ちなみに式神使いに先手を渡すのは悪手である。
セオリーとしては大体召喚を妨害しながら戦い、そのまま押し込むのが普通だ。
式神使い側もいかに召喚するかを念頭に戦う。召喚さえできれば数的優位でまず負けることはない。

「お願い、雪ちゃん」
召喚されたのは雪女だ、雪女は召喚されたと同時に地面を凍らせていく。
恵子さんはそれを難なく躱していく。
それを見て、雨宮が式札を取り出す。
式札とは契約した式神の力を自分でも行使できるようにするための札だ、自分の術を封じ込めたものに術札なんてものもある。
式札を見るや否や恵子さんは太もものベルトに付いている小さなナイフを取り出し投げる。
ナイフは式札を貫き地面に縫い付ける。
式札を遠距離から無力化されて驚く雨宮を見逃さず、恵子さんは近接格闘を仕掛ける。
まぁ式神至上主義のクラスの一員だけあって、近接格闘なんて一切できない。数発の打撃の後投げ飛ばされた。
雨宮が投げ飛ばされた時に雪女が氷塊を飛ばして攻撃しようとしたが、恵子さんに拾い上げられた雨宮を盾にされて動けず、あっさり決着がついた。

「さて記憶はもらってきいますね。あと坊っちゃまに2度と近づかないようお願いします。」



恵子さんは雨宮に何が囁き、記憶結晶を引き抜いて戻ってくる。
あまりの綺麗な運びで決着がついたので拍手が送られている。

「お前らそろそろいいか?これ以上あいつら待たせるのは申し訳ないんでな」
健治の呼びかけで俺たちはそそくさとその場を後にした。

後日、雨宮家は八雲本家から糾弾されて、いろいろ大変だったらしい。
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