姫様は平民騎士のお嫁さんになりたい

柴田

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ep.27

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 喘ぎすぎて声が枯れると、アーサーの膝の上に向かい合わせに抱き起こされて、下から優しく突かれながら口づけられる。アーサーの口の中も、舌も、唾液も、媚薬の甘ったるさが残っていて、口づけられているうちに身体がたまらなく熱くなる気がした。
 アーサーとの大人のキスは、グレイスの想像など遥かに超えて官能的で気持ちいい。アーサーの舌は厚くて長く、口内を好き勝手に暴かれると、まるで口でも性交しているような気分にさせられた。

 ぎゅっとしがみついたアーサーの首は太くてたくましく、そんなところにもトキめいてしまう。グレイスの背中をするすると撫でる大きな手も、腕の動きに合わせて形を変える背中の筋肉の隆起も、アーサーとこんなふうに裸で抱き合わなければ味わうことなどできなかった。
 そう考えるとアーサーに抱かれていることが急に現実味を帯びて、中に埋まる陰茎の生々しさをより感じてしまう。今のこの状況は、グレイスがこれまで幾度となく思い浮かべてきた幼稚な妄想とは全く違う行為だった。

 グレイスを見つめるアーサーの眼差しは、いつも穏やかに彼女を見守ってきた騎士のそれとは異なる。猛獣のように鋭くて、見つめられているだけで圧倒的な雄の存在を感じ、身体が従順な雌になってしまう。きゅんきゅんと疼く子宮はこの雄の子種を欲し、奉仕するように陰茎にすり寄り絡みついた。
 喘ぐように息をするグレイスの舌を吸い、その恍惚ととろけた顔を見下ろして、アーサーは獰猛な笑みを滲ませる。

「出しちゃえ出しちゃえ、パパになっちゃえ……でしたっけ? ハハ、お望みどおり孕ませてさしあげますよ、姫様」
「ひ……ッあ、あ! ~~~~っ! 奥、おくぅ、そんなに突いちゃだめ、あっ、あ、あ、こわれ、壊れちゃう……! アーサー、アーサー……ッあぁあ!」
「……っは、精子、上がってきた……、っく」

 アーサーの膝に乗せられたまま隙間なく密着し、快感を逃がす隙も与えることなく激しい抽挿を繰り返す。甲高い嬌声が上がりグレイスが達すると、アーサーは子宮口を先端でぐりぐりと刺激しながらたっぷりと射精した。
 キュッと上がった陰嚢はまだ重そうに見え、射精してもアーサーの陰茎は少しも萎えない。そのことにグレイスは若干ゾッとしたが、硬い陰茎に胎を存分に可愛がられるうちに何も考えられなくなった。

 アーサーはグレイスの身体をベッドに下ろし、汗で額に張りついた髪をどけてやる。紅潮した頬をなぞり、首筋を伝い、柔らかな胸を手のひらに収めた。浅いところを擦りながら、胸をやわやわと揉みしだく。手の中で形を変える胸の感触に夢中になるアーサーを、グレイスはそっと見下ろした。
 グレイスの視線を感じながら、アーサーは乳輪をくるくるとなぞる。期待に甘く上擦った声を聞き硬くなった突起をつまむと、グレイスは腰を跳ねさせてアーサーの手を掴んだ。

「どうしました?」
「だめ、おっぱいも、中も……ぁ、あ、いっしょにしたらだめなの……」
「それなら、下は抜いて差し上げます」

 そう言いながら陰茎を引き抜いたアーサーは、重量のあるそれをグレイスの下腹の上に乗せた。その光景をまじまじと見るグレイスは、改めてこんな大きなものが自分の中に入っていたことを実感し息を呑む。
 アーサーは胸への愛撫を続け、乳首を舌でなぶった。そして、腰を揺らめかせる。グレイスの下腹の上に乗せられた陰茎がずりずりと擦りつけられ、裏筋が陰核をくすぐっていた。

「あ、あっ! 外もだめ……ッ、ひう、アーサーやだぁ」
「ん……っ、先っぽを撫でてくださるのですか?」

 陰茎をどけてほしくて両手を伸ばしたグレイスだったが、アーサーが腰を前後させるとその手のひらに亀頭を擦りつけるかたちになってしまい、ただただ逆効果だった。グレイスの秘所から滴る蜜を竿にまとわせて、陰核を擦り、亀頭を撫でられ、胸を愛でるたびに素直な反応を返す健気な様子に興奮を煽られ、アーサーは息を詰める。

「……は、ッ……出る、……ぐ」
「きゃっ」

 グレイスの手のひらに亀頭を押しつけたまま射精すると、精液の熱さと粘ついた感触にグレイスは悲鳴をこぼした。白いおなかの上にも精液が飛び、グレイスの潤んだ瞳が汚されたそこを見る。そして白濁を滴らせる鈴口を指先でつつき、「あ」と思わず漏れてしまったような可愛らしい声を上げた。
 男を知らない無垢な少女の身体に、今まさにアーサーという男を刻みつけていることを強く意識させられて、たまらない気持ちになる。

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