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しおりを挟む言葉以外にも、愛してると伝える方法はいくらでもあった。
むしろ、これで伝わっているとさえ思っていたのに、かけらも伝わっていなかったとは予想外だ。
ダリアの肌に這わす舌にも、撫でる指にも、触れる唇にも、繋がったときの一突き一突きにさえ、いつも溢れるくらいの愛を込めているというのに。どうやらダリアは鈍感なようだから、これまで以上にたっぷりと愛してあげる必要があるらしい。
舌を抜き取り顔を離すと、ダリアは無防備に口を開き舌を覗かせたままヘンリーをぼうっと見ていた。これまでの成果か、キスだけでその気になってくれたようだ。
「ヘンリー……服、びしょ濡れよ」
「ああ、本当だ」
「透けているわ」
「あっ」
ダリアの指がおもむろに伸びてくる。ヘンリーの着ている白いシャツには肌色が透けていて、ダリアはうっとりした様子で弾力のある胸板を指先で辿った。
「ヘンリーって、顔に似合わずいい身体をしているわよね」
「顔に似合わずって……」
「だって、えっちなことなんて何も知りませんって顔をしているわ」
「…………えっちな僕は嫌いかな?」
「いいえ」
ダリアの指先がヘンリーの胸の先端をくすぐる。それからヘンリーのあごにあるほくろを舐め、首筋を唇で撫で下ろし、喉仏にかぷりとかみついた。
ヘンリーは小さく震えて息を詰める。
「ああもうっ」
ヘンリーは服が濡れるのもかまわずに、ダリアを後ろから抱き込むかたちで浴槽内に割り込む。浴槽から湯が大量に溢れていくのを見て、「もったいない」とダリアが呟いた。
「あんまり僕を煽っちゃだめじゃないか」
「あっ……なんか、当たって……」
ダリアの背中には、ヘンリーの屹立がトラウザーズ越しに押しつけられていた。そこはすでに滾って硬くなっている。ヘンリーが興奮しているのを感じるだけで、ダリアは息を上げて秘所をじゅんと濡らした。
そこへヘンリーが指をいきなり二本捻じ込んだ。
中を探るように肉筒を撫で回すと指に愛液が絡みつくのを感じて、ヘンリーは熱の灯った吐息をこぼす。まだどこにも触れてすらいないのにこんなにぬかるんでいるだなんて、ダリアに好かれていると勘違いしてしまいそうだ。少なくとも、身体は両想いなのかもしれない――なんて考えて、むなしさにヘンリーは自嘲の笑みをこぼす。
ヘンリーは後ろからダリアの耳裏に唇を寄せて囁いた。
「すごく濡れてるね。ダリアも期待してる?」
「あっ、あ……っ! かき回さないで……ッお湯、が……入っちゃ」
「すぐに挿入れられそうだ……それもそうか。ほとんど毎日しているんだから」
「もうきて、……っヘンリー、早く」
指で少し中を触っただけで、肉壁が引き攣れる。ダリアのそこはヘンリーとの交わりを重ね、随分と快感を拾いやすくなっていた。ヘンリーが片手でトラウザーズを寛げる間、ダリアは自分で腰を揺らして中に入ったままの指を味わう。
達したくなって自分で陰核まで擦り始めると、ヘンリーの指が引き抜かれ、代わりにさらに太いものが一気に奥まで押し込められた。
びりびりとした強い衝撃が、ダリアの背筋を這い上がって脳天を突き差す。
ダリアの中は、屹立を食い締めるように収縮し貪欲に吸いついた。
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