幼なじみ公爵の伝わらない溺愛

柴田

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「もうダリアに愛してるって言っていいの? 愛してるって言いながら抱いていいの?」
「……今まで拒絶してきたくせに急にわがまま言うなって、怒らないのね」
「ダリアがすることで僕が怒るわけない。それに僕は今、死んでしまいそうなくらいうれしいんだ。昼間にダリアから愛してるって言われたときから、ずっと夢の中にいるみたいな気持ちなんだよ」
「夢じゃないわ」
「本当にダリアも僕を愛しているの……?」

 泣き出しそうな顔で微笑むヘンリーを見ていると、胸が甘く締めつけられる。ずっと疑う側だったため、愛を疑われることのつらさをダリアは初めて実感した。これからは絶対にヘンリーを疑わないし、同じだけの愛を返したい。
 海よりも深いヘンリーの愛に追いつけるかわからないけれど、ダリアなりにヘンリーを深く愛したかった。どうすればこの気持ちが伝わるだろうかと考えた結果、ヘンリーには行動よりも言葉にするほうが伝わるだろうと結論付ける。

「もうかなり前から好きだった、って言ったらもっとびっくりする? 信じられないなら……恥ずかしいけれど、今日はヘンリーが言ってくれた分だけ私も愛してるって言うわ」
「それは困るな……」
「どうして?」
「歯止めが利かなくなる」

 ぎらついたまなざしで見つめられて、ダリアは息を呑んだ。

 まだ返事をしていないのに、無言を肯定と受け取ったヘンリーによって仰向けに転がされる。息もまともに継げないほどの濃厚な口づけをされながら、ガウンを脱がされた。
 唇はすぐに首筋へと伝っていって、幾度も強く吸いつかれる。きっと明日鏡を見たときには、びっくり仰天するほどの痕が残されているだろう。鎖骨を舐めていたヘンリーの舌が、胸のふちへかかる。そこで躊躇うように留まっているのを感じ、ダリアはヘンリーの頬を指で撫でた。
 ヘンリーは胸の先端を避けて、焦れたような表情で膨らみを啄んでいく。

「どうしたの……?」
「今はエドワードのだから我慢してるんだ」
「ふふっ! どうせ済んだら入浴するんだから、別にいいのに」
「僕をあんまり甘やかしちゃいけないよダリア」
「どうなっちゃうの?」
「試してみる?」

 悪い顔で笑うヘンリーを見て、ダリアは口を噤んだ。
 試してみたい気もするし、今でも十二分に気持ちよくされているのに、それ以上の未知の領域を味わわされそうで怖くもある。ダリアは首を横に振った。

 ヘンリーはくすくすと笑いながら、正中線を下へ辿ってキスを落としていく。そしてダリアの両脚をがばりと開かせて、ヘンリーはついに秘所へと顔を埋めた。

「ひさしぶりなんだし、無茶はさせないよ」
「ん……っ、待って、見ちゃだめ」
「……すごく濡れてるね」
「言わないで」
「どうして? すごくいやらしくて最高の眺めだ」

 秘裂を下から上へ舐め上げたヘンリーは、濡れた唇に舌を這わせる。自分のものを舐めていたときから秘所を濡らしていたのかと想像すると、ヘンリーは乱暴な気持ちになってしまいそうだった。
 膣口に舌を捻じ込んで、次から次へと溢れてくる蜜を啜る。なんとも甘美な味だった。ダリアがヘンリーの舌で快感を得れば得るほど分泌される蜜は、この世の何よりも芳醇な甘さに感じられる。許されるならば一日中舐めていたいほどだ。もっと言えば、ダリアから溢れる蜜だけで喉を潤していたい。

「はあ……おいし、」
「変なこと言わないでってば……ッあ、ん」

 しかし、愛液を味わってばかりはいられない。膣口を柔らかくほぐすように舌で拡げていく。行為自体が随分と久しいので、少しの痛みも苦しみも感じないように丹念にほぐしてあげたかった。舌をつぽつぽと出し入れする。出産するまでは何度か口淫する機会があったけれど、最近はご無沙汰だった。そのせいか、少しの刺激だけでもダリアは甘やかな声を上げる。
 ヘンリーがダリアに求められて興奮しているように、ダリアも久々の交わりに対して期待してくれているのかもしれない。ダリアからの期待には、それ以上でもって応えたい。
 挿入したときに、より気持ちよくなってもらうためには下ごしらえが大事だ。丁寧に、丁寧に、膣口も中も舐めてとろとろに蕩けさせてあげないと、とヘンリーは顔が汚れるのもかまわずに愛撫に集中した。

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