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理不尽な火の粉は自分の力で振り払え!
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二章
紗里の告白以降、2人はいつも一緒だった。2人が通う太陽学園高校は九州で一番大きな街にある私立高校で、15年ほど前まではスポーツ強豪校として有名だった。
才能のある中学生をスポーツ特待生で引っ張ってきて、野球やサッカー、女子バレーボールなどは全国制覇の経験もある。そして、そんなアスリートたちの育成資金を賄うのは、“その他大勢”の一般生徒たちの学費だった。
そのため、一般の生徒は「数を集めろ」と言わんばかりに、成績のレベルが低くても入学させた。そんな学校運営の方針が15年前に変わった。これから迎える少子化に備えて、スポーツだけでなく、学力でも他校と競える力を持つために、特進科が開設されたのだ。
特進科のために専用の校舎が建設され、教師も高給で他の進学校から引き抜いた。最初の3年間こそ成果はでなかったものの、4年目には初の東大合格者を出し、以来、毎年関東、関西の有名大学や地元の国立大学に生徒を送り出している。そして特進科は県内の有名進学校を受験して、失敗した生徒たちの受け皿にもなっていた。
律輝も兄の達輝が卒業した県内随一の進学校を受験したが失敗し、この太陽学園高校の特進科に来ている。
特進科は一般の生徒やアスリートたちが通う普通科とは完全に切り離され、校舎も授業も教師も違う特別な環境だった。
だが、校庭や学食などは特進科も普通科も共有しているため、律輝は昼休みをいつも紗里と過ごし、放課後は最寄り駅近くのファストフード店や公園で会話を楽しんでいた。
交際開始から一週間も経つと2人はすっかり打ち解け、最初のぎこちなさはなくなった。紗里は律輝の言葉に従い、よく笑って、もう鋭い目つきはしていない。さらに二週間経つと、特進科2年生の律輝と普通科3年生でヤンキーグループにいる紗里の仲は、校内でちょっとした話題となっていた。
中間テストが間近に迫ったある日のこと。この日、律輝と紗里は紗里の友人の加藤真美を交えて、3人で学食で昼食を摂っていた。真美はスパゲティナポリタンをフォークに巻き、それを頬張った。幸せそうに咀嚼している。
「ねえ、リッキ君、あんた近頃いつもサリといるけど、中間テストは大丈夫なの? 特進科にとって、めっちゃ重要なことでしょ?」
律輝は日替わり定食を食べていた。真美とも仲良くなっているので、1つ年上でも敬語は使わない。
「うん、大丈夫。授業では集中してるし、夜も勉強してるから」
面白くなさそうな顔で紗里が言う。
「こいつ、この前、担任から注意されたんだって。あたしと付き合ってて成績に影響が出ることはないのかって。腹立つー」
「そんなこと言わせないように、今度の試験はトップ3以内を目指しているんだ。頑張るからね」
「リッキ君2年だけど、絶対あたしより頭いいと思うから、今度勉強教えてもらおうかなぁ」
そう言う真美に紗里は追い払うように手を振った。
「ダメダメ。リッキの勉強の邪魔になる。バカはバカなりの点数で我慢しな」
「なんだよ、サリだって大した点数じゃないくせに」
言い合いになりそうな2人の間に律輝が入った。
「僕でよければ今度2人とも一緒に勉強会しようよ」
「えっ? いいの? やったー」
うれしそうな真美と不満げな紗里、そして微笑んでいる律輝。そんな3人を学食の隅で悔しそうな目で見ている男がいた。
放課後、普通科3年生の村山幹太は特進科の校舎に向かっていた。友人の山田幸太郎が引き留めるようと並んで歩いていた。
「やめとけって、カッコ悪いだろ? 九重にフラれたからって、あいつの男をシメるなんて」
「うるせえ。特進科の奴ってのが気に入らねえんだ。あいつらは、こっち側に入って来るもんじゃねえ」
村山は身長185センチ、体重100キロ以上の巨漢だった。この辺りの不良たちにはケンカが強いと恐れられ、校内のヤンキーグループでも一目置かれている。数カ月前、村山は紗里に交際を申し込んだが、「バカは嫌いだ」と断られた。
律輝のことが村山は憎かった。勉強しか能がない特進ごときが自分の領域に踏み込み、手に入れたかった女を奪ってしまった。叩きのめしてやらないと気が済まない。
特進科の校舎に着くと村山は玄関で出て行く生徒たちを監視し、律輝が出てくると呼び止めた。
「おい、お前に話がある。ついて来い」
律輝も村山には見覚えがあった。学食などでいつも偉そうにしている、ケンカの強そうな不良だ。そして、目つきや口調から彼がこれから何をするつもりなのか想像できた。
律輝と兄の達輝は子供の頃から、母の美智に教えられたことがあった。『どんなに真面目に生きていても、人生には理不尽な火の粉が降りかかることがある。そのときは、自分で火の粉を振り払わなければならない。だから、振り払う力を身につけろ』。
そして、あらゆるパターンを想定したケンカの訓練を受けてきた。美智が知っているのは武道や格闘技ではなくケンカだ。ルールはない。とにかく勝てばいい、そんな教えだった。
―これは理不尽な火の粉なのかな?―
村山の後について行きながら、律輝はそう思った。
律輝の後ろには山田もいた。山田は激高した村山が律輝にケガをさせないよう監視役でついてきていた。
3人は生徒があまり来ない体育館の裏に着いた。村山は威圧感たっぷりに言う。
「九重と別れろ。あいつはお前が手を出していい女じゃない」
一方の律輝は平然としている。
「でも、サリの方から付き合ってって言われたんですよ」
その淡々とした様子に村山は本格的に腹が立ってきた。
「別れたくないなら、お前をシメてやる」
村山の言い分にはまったく筋が通っていない。この男は何の権利があって自分と紗里との仲を裂こうとするのか。
―やっぱり理不尽な火の粉だ―
「お断りします」
律輝はきっぱりと言った。すると、村山は突然、両手で胸倉をつかんできた。律輝の頭の中に母の教えが浮かんだ。
『母の教え一、相手の間合いで戦うな』
両手で胸倉をつかんだ相手には、攻撃パターンが2つある。膝で股間を蹴り上げるか、あるいは相手を固定して頭突きを食らわせるか。前者なら瞬間的に1本足になるため足元が不安定になり、後者なら体の重心が前のめりになる。いずれにせよ、相手を自分の攻撃がしやすい間合いに寄せないとできない。
とっさに律輝は両手で村山の両手首をつかみ、力いっぱい下に引いた。股間を蹴り上げようとしていた村山はバランスを崩し、両手、両膝を地面について四つん這いになった。律輝は素早く村山の右側に回り込み、鳩尾の少し右側を蹴り上げた。
「ぐぉ‥‥」
村山は地面に倒れ込み、体をくの字に折り曲げ悶絶した。鳩尾の少し右側には肝臓がある。この上に衝撃を与えると全身に激痛が走り、一気に体力が奪われる。ボクシングの世界で『レバーブロー』と言われる場所だ。
どんなにトレーニングを積んだボクサーでも、まともにレバーブローを食らうと膝をついてしまう。それほどの人間の急所を律輝は蹴り上げた。村山のダメージは計り知れなかった。
だが、律輝は容赦しない。うめいている村山の額を蹴り、髪をつかんで苦悶の表情を浮かべる顔に拳を叩き込んだ。そして、一緒に来ていた山田を見る。
「動くな。動くとこいつの首の骨をへし折るぞ」
そう威嚇して、さらにパンチを続ける。2発、3発、4発。5発目を振り上げようとしたとき、村山の目に苦痛と「もう止めてくれ」という哀願の色が浮かぶのを見た。律輝は髪をつかんでいた手を放して立ち上がった。
「今後、僕たちに構うな」
そう言って、心の折れた村山と驚愕の目で見ていた山田を残して立ち去った。
正門前ではいつものように紗里が待っていた。律輝の顔を見るなり頬を膨らませる。
「遅いじゃない。遅れるなら連絡ぐらいしてよ」
「ごめん。急に雑用が入っちゃって。お詫びにアイスクリームおごるよ」
紗里はうれしそうな顔になった。
「‥‥まあ、今日のところは許してやるか」
そして、2人は普段と変わらず正門を出て行った。
紗里の告白以降、2人はいつも一緒だった。2人が通う太陽学園高校は九州で一番大きな街にある私立高校で、15年ほど前まではスポーツ強豪校として有名だった。
才能のある中学生をスポーツ特待生で引っ張ってきて、野球やサッカー、女子バレーボールなどは全国制覇の経験もある。そして、そんなアスリートたちの育成資金を賄うのは、“その他大勢”の一般生徒たちの学費だった。
そのため、一般の生徒は「数を集めろ」と言わんばかりに、成績のレベルが低くても入学させた。そんな学校運営の方針が15年前に変わった。これから迎える少子化に備えて、スポーツだけでなく、学力でも他校と競える力を持つために、特進科が開設されたのだ。
特進科のために専用の校舎が建設され、教師も高給で他の進学校から引き抜いた。最初の3年間こそ成果はでなかったものの、4年目には初の東大合格者を出し、以来、毎年関東、関西の有名大学や地元の国立大学に生徒を送り出している。そして特進科は県内の有名進学校を受験して、失敗した生徒たちの受け皿にもなっていた。
律輝も兄の達輝が卒業した県内随一の進学校を受験したが失敗し、この太陽学園高校の特進科に来ている。
特進科は一般の生徒やアスリートたちが通う普通科とは完全に切り離され、校舎も授業も教師も違う特別な環境だった。
だが、校庭や学食などは特進科も普通科も共有しているため、律輝は昼休みをいつも紗里と過ごし、放課後は最寄り駅近くのファストフード店や公園で会話を楽しんでいた。
交際開始から一週間も経つと2人はすっかり打ち解け、最初のぎこちなさはなくなった。紗里は律輝の言葉に従い、よく笑って、もう鋭い目つきはしていない。さらに二週間経つと、特進科2年生の律輝と普通科3年生でヤンキーグループにいる紗里の仲は、校内でちょっとした話題となっていた。
中間テストが間近に迫ったある日のこと。この日、律輝と紗里は紗里の友人の加藤真美を交えて、3人で学食で昼食を摂っていた。真美はスパゲティナポリタンをフォークに巻き、それを頬張った。幸せそうに咀嚼している。
「ねえ、リッキ君、あんた近頃いつもサリといるけど、中間テストは大丈夫なの? 特進科にとって、めっちゃ重要なことでしょ?」
律輝は日替わり定食を食べていた。真美とも仲良くなっているので、1つ年上でも敬語は使わない。
「うん、大丈夫。授業では集中してるし、夜も勉強してるから」
面白くなさそうな顔で紗里が言う。
「こいつ、この前、担任から注意されたんだって。あたしと付き合ってて成績に影響が出ることはないのかって。腹立つー」
「そんなこと言わせないように、今度の試験はトップ3以内を目指しているんだ。頑張るからね」
「リッキ君2年だけど、絶対あたしより頭いいと思うから、今度勉強教えてもらおうかなぁ」
そう言う真美に紗里は追い払うように手を振った。
「ダメダメ。リッキの勉強の邪魔になる。バカはバカなりの点数で我慢しな」
「なんだよ、サリだって大した点数じゃないくせに」
言い合いになりそうな2人の間に律輝が入った。
「僕でよければ今度2人とも一緒に勉強会しようよ」
「えっ? いいの? やったー」
うれしそうな真美と不満げな紗里、そして微笑んでいる律輝。そんな3人を学食の隅で悔しそうな目で見ている男がいた。
放課後、普通科3年生の村山幹太は特進科の校舎に向かっていた。友人の山田幸太郎が引き留めるようと並んで歩いていた。
「やめとけって、カッコ悪いだろ? 九重にフラれたからって、あいつの男をシメるなんて」
「うるせえ。特進科の奴ってのが気に入らねえんだ。あいつらは、こっち側に入って来るもんじゃねえ」
村山は身長185センチ、体重100キロ以上の巨漢だった。この辺りの不良たちにはケンカが強いと恐れられ、校内のヤンキーグループでも一目置かれている。数カ月前、村山は紗里に交際を申し込んだが、「バカは嫌いだ」と断られた。
律輝のことが村山は憎かった。勉強しか能がない特進ごときが自分の領域に踏み込み、手に入れたかった女を奪ってしまった。叩きのめしてやらないと気が済まない。
特進科の校舎に着くと村山は玄関で出て行く生徒たちを監視し、律輝が出てくると呼び止めた。
「おい、お前に話がある。ついて来い」
律輝も村山には見覚えがあった。学食などでいつも偉そうにしている、ケンカの強そうな不良だ。そして、目つきや口調から彼がこれから何をするつもりなのか想像できた。
律輝と兄の達輝は子供の頃から、母の美智に教えられたことがあった。『どんなに真面目に生きていても、人生には理不尽な火の粉が降りかかることがある。そのときは、自分で火の粉を振り払わなければならない。だから、振り払う力を身につけろ』。
そして、あらゆるパターンを想定したケンカの訓練を受けてきた。美智が知っているのは武道や格闘技ではなくケンカだ。ルールはない。とにかく勝てばいい、そんな教えだった。
―これは理不尽な火の粉なのかな?―
村山の後について行きながら、律輝はそう思った。
律輝の後ろには山田もいた。山田は激高した村山が律輝にケガをさせないよう監視役でついてきていた。
3人は生徒があまり来ない体育館の裏に着いた。村山は威圧感たっぷりに言う。
「九重と別れろ。あいつはお前が手を出していい女じゃない」
一方の律輝は平然としている。
「でも、サリの方から付き合ってって言われたんですよ」
その淡々とした様子に村山は本格的に腹が立ってきた。
「別れたくないなら、お前をシメてやる」
村山の言い分にはまったく筋が通っていない。この男は何の権利があって自分と紗里との仲を裂こうとするのか。
―やっぱり理不尽な火の粉だ―
「お断りします」
律輝はきっぱりと言った。すると、村山は突然、両手で胸倉をつかんできた。律輝の頭の中に母の教えが浮かんだ。
『母の教え一、相手の間合いで戦うな』
両手で胸倉をつかんだ相手には、攻撃パターンが2つある。膝で股間を蹴り上げるか、あるいは相手を固定して頭突きを食らわせるか。前者なら瞬間的に1本足になるため足元が不安定になり、後者なら体の重心が前のめりになる。いずれにせよ、相手を自分の攻撃がしやすい間合いに寄せないとできない。
とっさに律輝は両手で村山の両手首をつかみ、力いっぱい下に引いた。股間を蹴り上げようとしていた村山はバランスを崩し、両手、両膝を地面について四つん這いになった。律輝は素早く村山の右側に回り込み、鳩尾の少し右側を蹴り上げた。
「ぐぉ‥‥」
村山は地面に倒れ込み、体をくの字に折り曲げ悶絶した。鳩尾の少し右側には肝臓がある。この上に衝撃を与えると全身に激痛が走り、一気に体力が奪われる。ボクシングの世界で『レバーブロー』と言われる場所だ。
どんなにトレーニングを積んだボクサーでも、まともにレバーブローを食らうと膝をついてしまう。それほどの人間の急所を律輝は蹴り上げた。村山のダメージは計り知れなかった。
だが、律輝は容赦しない。うめいている村山の額を蹴り、髪をつかんで苦悶の表情を浮かべる顔に拳を叩き込んだ。そして、一緒に来ていた山田を見る。
「動くな。動くとこいつの首の骨をへし折るぞ」
そう威嚇して、さらにパンチを続ける。2発、3発、4発。5発目を振り上げようとしたとき、村山の目に苦痛と「もう止めてくれ」という哀願の色が浮かぶのを見た。律輝は髪をつかんでいた手を放して立ち上がった。
「今後、僕たちに構うな」
そう言って、心の折れた村山と驚愕の目で見ていた山田を残して立ち去った。
正門前ではいつものように紗里が待っていた。律輝の顔を見るなり頬を膨らませる。
「遅いじゃない。遅れるなら連絡ぐらいしてよ」
「ごめん。急に雑用が入っちゃって。お詫びにアイスクリームおごるよ」
紗里はうれしそうな顔になった。
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