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「ねえ 一緒に帰ろ?」
3人の女の子が一斉に顔を見合わせる
そして アイコンタクト
「ごめん 私 ちょっと用事があって・・・」
「私も ちょっと無理かな・・・」
「わたしも・・・」
女の子たちは 走り去ってしまった
未知は 女の子たちの後ろ姿を消えるまで見ていた
何故 自分には友達ができないのか?
いつも 考える
人に嫌われるようなことは したつもりはない
だけど 自分が知らない間に人を傷つけてしまったのか?
出ない答えを いつも考えていた小学校3年生の頃
幼稚園の時は楽しかった
でも 小学校2年が終わる頃には 何かがおかしくなってきた
先生の話しが あまり理解できない
同級生が話していることも わからない
未知の理解力の無さに 周りを苛立たせることが多かった
だけど 友達がほしかった
みんなのように たわいのない話をしながら 学校の登下校を過ごしたかった
秘密の共有をしたかった
休み時間を お友達と過ごしたかった
どんなに頑張っても 叶うはずのない願い
そんな未知は 学校の登下校と休み時間が大嫌いになった
そして 登校の途中で お腹が痛くて 何回も家に戻るようになった
やがて ママが 送り向かいをしてくれるようになった
たくさん 病院に連れていかれた
たくさん 支援施設にも連れていかれた
たくさんの大人たちと 面談した
特別学級に通うようになった頃には 自分は同級生とは 何かが違うのだな?と思った
思ったけど 何が違うのか わからなかった・・・
普通だったら 見過ごす 小さなダメなこと・・・
未知は 人一倍 正義感が強いので注意をする
そんな未知から みんな遠ざかっていく
未知には 正しいことをしているのに 何で? と思う
人との距離感がつかめない
空気を読んで行動できない
だけど 周りが自分に向ける 冷たい空気は人一倍感じる
そんな未知は 1人で過ごすことを覚えた
ーーーーーーーー
「何 ボーっとしているの 昼休みは終わったのよ 現場に戻って仕事しなさい」
昼食後の社員食堂で 小学校の頃のことを思い返していた未知に 現場の女性主任が静かだが 厳しい声色で告げる
未知は この主任が あまり好きではない
入社して半年 やっと 自分が担当する製造ラインを ミスすることなく仕事ができるようになった
仕事を教えてくれたのは この主任だ
仕事を覚えるまで 根気よく教えてくれたのだが なかなか仕事を覚えられない未知に 笑顔1つ見せてくれない
失敗すると ため息を吐かれる
未知は いつも冷たい主任に 嫌われているのだなと思う
特別支援高等学校を卒業して 障害者雇用枠で就職できた未知は 恵まれていた
両親も喜んでくれた
なので この仕事を簡単に 手放すわけにはいかない
「すいません」
小さい声で謝り 未知は現場に戻った
未知の仕事は ベルトコンベアで運ばれてくる容器に おかずを入れる仕事
単純な作業だが 未知にとっては そうではなかった
容器が運ばれてくる速さ
入れるおかずの量
容器に入れるタイミング
そして見栄え
どれも 未知には 難しかった
現場に戻り仕事を始める
この仕事が楽しいか?と問われれば 未知は迷いなく「はい!」と答えるだろう
集中して 同じことを繰り返すことは 未知にとって得意と言ってもいいのだろう
それに やっと 仕事に慣れてきて 怒られることも少なくなってきた
そんな矢先に 未知にとっての 大事件が起きた
ベルトコンベアが突然 前触れもなく止まってしまった
何が起きたか理解が出来ず パニックになった
未知が 機械を壊したのか?
そうだったら どうしよう・・・
機械が動かない
容器がこない
おかずを入れられない
すると どうなるのか?
残りの 未知の仕事は どうなる?
残っているおかずは どうなる?
おかずを持って 容器に入れに行くのか?
機械が動き出したら 凄い速さで容器がやって来るのか?
そんなことになったら 今の速さでも余裕がない未知にとって とてもじゃないけど不可能だ
いろんなことが頭をよぎり 未知は目に一杯涙をため その場にしゃがみ込んでしまった
与えられた仕事は最後まで きちんとやり遂げたい未知は 人一倍責任感が強い真面目な人間なのだ
ところが 周りの社員は 未知とは真逆の反応
「ラッキー 休憩できる♪」
みんな 楽しそうに お話をしながら現場から離れていく
未知は 涙目で周りの様子を伺う
機械が止まることが どうして 嬉しいことなのだろうか?
みんなは 早く動けるからなのか?
考えても 未知には わからない
同僚は どうも 未知のことが嫌いなんだろうと思っていた
なので 話ができる人が いまだにできない
声もかけてくれない
昔のように避けられるのが嫌で 未知からは 勿論 声をかけることはない
「機械のトラブルよ メンテナンスの方を呼んだから それまで休憩してて」
主任が冷たく そう言った
笑顔を見せない主任を 未知には冷たく感じるのだ
機械がトラブル?
よくわからないが 未知が壊したのではないのならば よかったとホッとした
しかし 残りの仕事は どうなるのだろう
やっぱり 凄い速さで動くのか?
不安で仕方がなかった
結果 未知が心配したようなことは無く 無事 仕事が終わり家路についた
このように いつもの流れが変わると パニックになってしまう
これも 未知の特性だった
3人の女の子が一斉に顔を見合わせる
そして アイコンタクト
「ごめん 私 ちょっと用事があって・・・」
「私も ちょっと無理かな・・・」
「わたしも・・・」
女の子たちは 走り去ってしまった
未知は 女の子たちの後ろ姿を消えるまで見ていた
何故 自分には友達ができないのか?
いつも 考える
人に嫌われるようなことは したつもりはない
だけど 自分が知らない間に人を傷つけてしまったのか?
出ない答えを いつも考えていた小学校3年生の頃
幼稚園の時は楽しかった
でも 小学校2年が終わる頃には 何かがおかしくなってきた
先生の話しが あまり理解できない
同級生が話していることも わからない
未知の理解力の無さに 周りを苛立たせることが多かった
だけど 友達がほしかった
みんなのように たわいのない話をしながら 学校の登下校を過ごしたかった
秘密の共有をしたかった
休み時間を お友達と過ごしたかった
どんなに頑張っても 叶うはずのない願い
そんな未知は 学校の登下校と休み時間が大嫌いになった
そして 登校の途中で お腹が痛くて 何回も家に戻るようになった
やがて ママが 送り向かいをしてくれるようになった
たくさん 病院に連れていかれた
たくさん 支援施設にも連れていかれた
たくさんの大人たちと 面談した
特別学級に通うようになった頃には 自分は同級生とは 何かが違うのだな?と思った
思ったけど 何が違うのか わからなかった・・・
普通だったら 見過ごす 小さなダメなこと・・・
未知は 人一倍 正義感が強いので注意をする
そんな未知から みんな遠ざかっていく
未知には 正しいことをしているのに 何で? と思う
人との距離感がつかめない
空気を読んで行動できない
だけど 周りが自分に向ける 冷たい空気は人一倍感じる
そんな未知は 1人で過ごすことを覚えた
ーーーーーーーー
「何 ボーっとしているの 昼休みは終わったのよ 現場に戻って仕事しなさい」
昼食後の社員食堂で 小学校の頃のことを思い返していた未知に 現場の女性主任が静かだが 厳しい声色で告げる
未知は この主任が あまり好きではない
入社して半年 やっと 自分が担当する製造ラインを ミスすることなく仕事ができるようになった
仕事を教えてくれたのは この主任だ
仕事を覚えるまで 根気よく教えてくれたのだが なかなか仕事を覚えられない未知に 笑顔1つ見せてくれない
失敗すると ため息を吐かれる
未知は いつも冷たい主任に 嫌われているのだなと思う
特別支援高等学校を卒業して 障害者雇用枠で就職できた未知は 恵まれていた
両親も喜んでくれた
なので この仕事を簡単に 手放すわけにはいかない
「すいません」
小さい声で謝り 未知は現場に戻った
未知の仕事は ベルトコンベアで運ばれてくる容器に おかずを入れる仕事
単純な作業だが 未知にとっては そうではなかった
容器が運ばれてくる速さ
入れるおかずの量
容器に入れるタイミング
そして見栄え
どれも 未知には 難しかった
現場に戻り仕事を始める
この仕事が楽しいか?と問われれば 未知は迷いなく「はい!」と答えるだろう
集中して 同じことを繰り返すことは 未知にとって得意と言ってもいいのだろう
それに やっと 仕事に慣れてきて 怒られることも少なくなってきた
そんな矢先に 未知にとっての 大事件が起きた
ベルトコンベアが突然 前触れもなく止まってしまった
何が起きたか理解が出来ず パニックになった
未知が 機械を壊したのか?
そうだったら どうしよう・・・
機械が動かない
容器がこない
おかずを入れられない
すると どうなるのか?
残りの 未知の仕事は どうなる?
残っているおかずは どうなる?
おかずを持って 容器に入れに行くのか?
機械が動き出したら 凄い速さで容器がやって来るのか?
そんなことになったら 今の速さでも余裕がない未知にとって とてもじゃないけど不可能だ
いろんなことが頭をよぎり 未知は目に一杯涙をため その場にしゃがみ込んでしまった
与えられた仕事は最後まで きちんとやり遂げたい未知は 人一倍責任感が強い真面目な人間なのだ
ところが 周りの社員は 未知とは真逆の反応
「ラッキー 休憩できる♪」
みんな 楽しそうに お話をしながら現場から離れていく
未知は 涙目で周りの様子を伺う
機械が止まることが どうして 嬉しいことなのだろうか?
みんなは 早く動けるからなのか?
考えても 未知には わからない
同僚は どうも 未知のことが嫌いなんだろうと思っていた
なので 話ができる人が いまだにできない
声もかけてくれない
昔のように避けられるのが嫌で 未知からは 勿論 声をかけることはない
「機械のトラブルよ メンテナンスの方を呼んだから それまで休憩してて」
主任が冷たく そう言った
笑顔を見せない主任を 未知には冷たく感じるのだ
機械がトラブル?
よくわからないが 未知が壊したのではないのならば よかったとホッとした
しかし 残りの仕事は どうなるのだろう
やっぱり 凄い速さで動くのか?
不安で仕方がなかった
結果 未知が心配したようなことは無く 無事 仕事が終わり家路についた
このように いつもの流れが変わると パニックになってしまう
これも 未知の特性だった
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