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25話・夢
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ステラを運ぶ間もラキトは己と触れている部分から常に治癒の魔術をかけ続けていた。ラキトほどの実力者になれば、詠唱破棄をしても術は問題なく作用する。それでもステラは一向に持ち直さない。
当然だ。ステラの体内には毒が回っているのだから。
それに加えて、魔術での治癒は精霊術と違い被験者の体内の魔力を循環させ治癒力を上げるもの。
竜の子に生命力を渡したステラはそれが上手くいかない。その分の足りない魔力はラキトがこれも触れた部分から補って補填しているが限度がある。
最初にステラの頬に触れた時点でそれを感知していたラキトは解毒と治癒と魔力譲渡を同時に行っていたが、さすがにボウガンの矢を抜かなければきちんとした治癒魔術もかけられない。
今やっているのは、正直ただの時間稼ぎだった。
屋敷を足早にすすみ、メイドたちに指示を出す。屋敷付きの医者を呼び立てることも忘れない。魔術で治癒が可能とはいえ、限界がある。
時には薬草などのほうが効く事もあるのだ。
魔術的道具を数多くそろえている部屋のベッドにステラを横向きに寝かせ、舌を噛まないように口に布をかませる。
「ステラ、ボウガンの矢を抜きます。我慢してください」
「……ん」
本当に小さく、けれど確かに頷かれたことを確認して、矢の返しの部分を風の魔術で切り落とし、ただの棒となったボウガンを抜く。
だが、それでも痛みはあっただろう。小さく呻き声を上げたステラから、つっかえがなくなったことで盛大に噴出した血を慌てることなく魔術で止血していく。
同時に体内の洗浄、毒素を集め、ステラの右手から取り出す。ふわりと浮き上がったどす黒い雲のようなものを人差し指ですいっと指し示せば、空いた瓶の中に納まって蓋をされる。
そのタイミングでドアが叩かれた。
入室を許可すれば、はいってきたのは予想通りラキトの屋敷付きの医者であるゲルバーだ。
腰の曲がった老人ではあるが、過去皇宮に勤めた腕は確かであり、医学の基礎的な知識をラキトはこの人物から教わった。
「血が足りません。増血剤を頼みます」
「ほいほい」
ラキトの短い指示に頷いて跡継ぎの少年が抱えてもってきた医療箱から次々と薬や薬草を取り出していく。
「その子はまだ守護龍の加護は続いておるかね?」
「随分と弱くなっていますが、まだ辛うじて」
「ならばこれとこれと、これじゃな」
ぽいぽいと薬鉢の中に放り込んでごりごりと練りだした老人をみつめつつ、ラキトはため息を禁じえなかった。その憂いを多分に含んだため息に反応したのはゲルバーだ。
「どうした。ステラの嬢ちゃんが無茶をするのは今に始まったことじゃなかろうて」
だからお前さんも、理由をかこつけて弟子を連れていかせんたじゃろうに。
と昔から二人を知るゲルバーが言えば、そうなんですけれどね、とラキトは深く息を吐き出す。
「ここまでの無茶をしでかすとは思いませんでしたよ。守護龍の加護がなければ、今頃死んでいました」
「嬢ちゃんの自分を軽く見る癖は、なおっとらんのぉ」
「ええ、本当に」
今は健やかな寝息を立てているステラの頬をそっとなでる。
赫き竜の前でなでたとき、そこに血の気が欠片もなかったことに、内心でラキトは酷く青ざめていた。顔に出さなかったのは一重に貴族の中で生き、皇宮に勤めてきたために培われた仮面のお陰といっていい。
ラキトはこんなにも、それこそシェリアからゲートを開く旨が伝わった途端、謁見中の皇帝の前から即座に辞して屋敷にとって返したほどに、ステラを大事に思っているのに、それが伝わらないのはもどかしい。
挙句ステラには過保護だなんだといわれる始末だ。全くもって遣る瀬無い。
確かに赫き竜の様子見は頼んだが、だれもここまでしろなどとは言っていない。
ステラの命と赫き竜の子であったならば、即座にラキトはステラを取る。それだけ、ラキトは端的に言えばステラに惚れていた。
もう思い続けて何年になるだろう。十年はとっくに超えた。それでも想いは伝わらない。
それは、今の親友で幼馴染という関係の心地よさからくる甘えでもあって、想いを伝えて今の関係を壊す勇気をだせないラキトの弱さでもあった。
そっとそっと、頬にかかった髪を払いなでていると、うっすらとステラが目を開いた。
まだ血が足りていないため、顔色も悪いし唇も色を失っているが、それでも瞳を開けたことが嬉しくて、ラキトがかがんで覗き込めば、ステラは小さく笑みを浮かべた。
そしてゆっくりと伸ばされた手がラキトの頬をなでる。
「どうした、ラキト。泣きそうな、顔をしているぞ……」
また、誰かにいじめられたのか。私が仕返しをしてやろう。
夢うつつにそんなことを言われて、頬に伸ばされた手を握り返してラキトは苦笑する。
ステラにとって己はまだ庇護し守るべき存在なのだと思われていることが、酷く歯がゆく、そして面映かった。
「いいえ、いいえ。大丈夫ですよ。ステラ、貴方こそ、泣いてはいませんか」
家に居場所がないと、お母様がいないと泣いていた子供。
引き合いに出せば、ステラは見るものの心を溶かすような穏やかな笑みを浮べる。
「ああ、だいじょうぶだ。わたしには、おにいさまと、ラキトが、いる、から、な……」
そして引き込まれるようにすっと眠りに落ちていったステラの額にちゅっとリップ音を立ててキスをする。
一連の二人のやり取りを眺めていたゲルバーはラキトが体を起こしたタイミングで増血剤をステラの口に含ませる。ついで水差しで水も注げばこくりと喉が動く。ちなみにゲルバーの弟子は純情なので真っ赤になって後ろで固まっていた。
「いやはや、おぬしらのやり取りは年をとってもかわらんのぉ。老骨だけが年老いていくようで寂しいものだ」
「そんなことはありませんよ。……と、いいたいところですがね」
「流石に自覚はあるのか」
「ええ。彼女との仲は全く進展しませんから」
困ったように微笑む美丈夫にゲルバーはやれやれと肩をすくめて、今日は熱がでるだろうと解熱剤といくつかの薬を処方し帰る準備をする。
その背中を呼び止めたラキトは先ほどステラから取り出した毒をつめた瓶を指し示す。
「毒の分析をお願いしてもよろしいですか?」
「専門外じゃがなぁ」
「できないことはないでしょう?」
「まぁのぉ」
乗り気ではない様子だが、一応引き受けたゲルバーににこりとラキトは笑った。その笑みに隠れるとてつもない怒りに、ゲルバーは内心で全く持ってやってられん、とため息を吐いたのだった。
* * *
―――おかあさま、おかあさま、どこにいってしまったの
幼い子供が泣いている。背中までの豊かな金色の髪は、無理に切られたせいでいまはざんばらに背中に落ちていた。
えんえんと泣き続ける子供の声を聞いて、いつもなら駆けつけてくれる姿がない。
それがいっそう悲しくて、子供はますます泣き止まない。
そんな子供に、声をかける幼い声があった。
「どうしたの?」
泣き続ける子供よりいっそう幼い声音。子供が顔を上げれば、太陽の光を受けてきらきらと輝く銀糸の髪が目に飛び込んだ。
おつきさまみたいだ。
とっさに子供はそう思った。遅れて目にはいった瞳は空より深い蒼い色。でも夜ほど暗くはない。どこか安心できる明るさがあった。
「どうしたの?」
もう一度問いかけられて、子供はしゃくりあげながら告げた。
おかあさまがね、いないの。いなくなっちゃった。
口にしたらなおさら悲しくてまた泣き出してしまった子供の前にしゃがみこんで幼子が問いかける。
「どうしていなくなっちゃったの」
しんじゃったんだって。しんじゃうといなくなっちゃうんだって。
兄から告げられた言葉は意味がわからなくて、それでも大好きな母親に二度と会うことが叶わないことだけはわかって。
今日ばかりは意地悪な姉達に髪を引っ張られむりやり切られたことよりも、母がいない事実のほうが悲しかった。
「それはこまったね」
心底困った様子で幼子が言うから、子供はどうにかこうにか泣き声を抑えて逆に問い返した。
どうしてこまるの?
「だってぼくはきみにないてほしくないんだよ」
そういってもみじのようなまろやかな手が涙でぐしゃぐしゃになった子供の頬をなでる。
母を除けば兄以外からそういうことをされるのは初めてで、びっくりして泣き止んだ子供に幼子は笑った。
「なきやんでくれた!」
それが心底嬉しそうな声音だったものだから、つい子供も笑みを漏らしてしまったのだ。
当然だ。ステラの体内には毒が回っているのだから。
それに加えて、魔術での治癒は精霊術と違い被験者の体内の魔力を循環させ治癒力を上げるもの。
竜の子に生命力を渡したステラはそれが上手くいかない。その分の足りない魔力はラキトがこれも触れた部分から補って補填しているが限度がある。
最初にステラの頬に触れた時点でそれを感知していたラキトは解毒と治癒と魔力譲渡を同時に行っていたが、さすがにボウガンの矢を抜かなければきちんとした治癒魔術もかけられない。
今やっているのは、正直ただの時間稼ぎだった。
屋敷を足早にすすみ、メイドたちに指示を出す。屋敷付きの医者を呼び立てることも忘れない。魔術で治癒が可能とはいえ、限界がある。
時には薬草などのほうが効く事もあるのだ。
魔術的道具を数多くそろえている部屋のベッドにステラを横向きに寝かせ、舌を噛まないように口に布をかませる。
「ステラ、ボウガンの矢を抜きます。我慢してください」
「……ん」
本当に小さく、けれど確かに頷かれたことを確認して、矢の返しの部分を風の魔術で切り落とし、ただの棒となったボウガンを抜く。
だが、それでも痛みはあっただろう。小さく呻き声を上げたステラから、つっかえがなくなったことで盛大に噴出した血を慌てることなく魔術で止血していく。
同時に体内の洗浄、毒素を集め、ステラの右手から取り出す。ふわりと浮き上がったどす黒い雲のようなものを人差し指ですいっと指し示せば、空いた瓶の中に納まって蓋をされる。
そのタイミングでドアが叩かれた。
入室を許可すれば、はいってきたのは予想通りラキトの屋敷付きの医者であるゲルバーだ。
腰の曲がった老人ではあるが、過去皇宮に勤めた腕は確かであり、医学の基礎的な知識をラキトはこの人物から教わった。
「血が足りません。増血剤を頼みます」
「ほいほい」
ラキトの短い指示に頷いて跡継ぎの少年が抱えてもってきた医療箱から次々と薬や薬草を取り出していく。
「その子はまだ守護龍の加護は続いておるかね?」
「随分と弱くなっていますが、まだ辛うじて」
「ならばこれとこれと、これじゃな」
ぽいぽいと薬鉢の中に放り込んでごりごりと練りだした老人をみつめつつ、ラキトはため息を禁じえなかった。その憂いを多分に含んだため息に反応したのはゲルバーだ。
「どうした。ステラの嬢ちゃんが無茶をするのは今に始まったことじゃなかろうて」
だからお前さんも、理由をかこつけて弟子を連れていかせんたじゃろうに。
と昔から二人を知るゲルバーが言えば、そうなんですけれどね、とラキトは深く息を吐き出す。
「ここまでの無茶をしでかすとは思いませんでしたよ。守護龍の加護がなければ、今頃死んでいました」
「嬢ちゃんの自分を軽く見る癖は、なおっとらんのぉ」
「ええ、本当に」
今は健やかな寝息を立てているステラの頬をそっとなでる。
赫き竜の前でなでたとき、そこに血の気が欠片もなかったことに、内心でラキトは酷く青ざめていた。顔に出さなかったのは一重に貴族の中で生き、皇宮に勤めてきたために培われた仮面のお陰といっていい。
ラキトはこんなにも、それこそシェリアからゲートを開く旨が伝わった途端、謁見中の皇帝の前から即座に辞して屋敷にとって返したほどに、ステラを大事に思っているのに、それが伝わらないのはもどかしい。
挙句ステラには過保護だなんだといわれる始末だ。全くもって遣る瀬無い。
確かに赫き竜の様子見は頼んだが、だれもここまでしろなどとは言っていない。
ステラの命と赫き竜の子であったならば、即座にラキトはステラを取る。それだけ、ラキトは端的に言えばステラに惚れていた。
もう思い続けて何年になるだろう。十年はとっくに超えた。それでも想いは伝わらない。
それは、今の親友で幼馴染という関係の心地よさからくる甘えでもあって、想いを伝えて今の関係を壊す勇気をだせないラキトの弱さでもあった。
そっとそっと、頬にかかった髪を払いなでていると、うっすらとステラが目を開いた。
まだ血が足りていないため、顔色も悪いし唇も色を失っているが、それでも瞳を開けたことが嬉しくて、ラキトがかがんで覗き込めば、ステラは小さく笑みを浮かべた。
そしてゆっくりと伸ばされた手がラキトの頬をなでる。
「どうした、ラキト。泣きそうな、顔をしているぞ……」
また、誰かにいじめられたのか。私が仕返しをしてやろう。
夢うつつにそんなことを言われて、頬に伸ばされた手を握り返してラキトは苦笑する。
ステラにとって己はまだ庇護し守るべき存在なのだと思われていることが、酷く歯がゆく、そして面映かった。
「いいえ、いいえ。大丈夫ですよ。ステラ、貴方こそ、泣いてはいませんか」
家に居場所がないと、お母様がいないと泣いていた子供。
引き合いに出せば、ステラは見るものの心を溶かすような穏やかな笑みを浮べる。
「ああ、だいじょうぶだ。わたしには、おにいさまと、ラキトが、いる、から、な……」
そして引き込まれるようにすっと眠りに落ちていったステラの額にちゅっとリップ音を立ててキスをする。
一連の二人のやり取りを眺めていたゲルバーはラキトが体を起こしたタイミングで増血剤をステラの口に含ませる。ついで水差しで水も注げばこくりと喉が動く。ちなみにゲルバーの弟子は純情なので真っ赤になって後ろで固まっていた。
「いやはや、おぬしらのやり取りは年をとってもかわらんのぉ。老骨だけが年老いていくようで寂しいものだ」
「そんなことはありませんよ。……と、いいたいところですがね」
「流石に自覚はあるのか」
「ええ。彼女との仲は全く進展しませんから」
困ったように微笑む美丈夫にゲルバーはやれやれと肩をすくめて、今日は熱がでるだろうと解熱剤といくつかの薬を処方し帰る準備をする。
その背中を呼び止めたラキトは先ほどステラから取り出した毒をつめた瓶を指し示す。
「毒の分析をお願いしてもよろしいですか?」
「専門外じゃがなぁ」
「できないことはないでしょう?」
「まぁのぉ」
乗り気ではない様子だが、一応引き受けたゲルバーににこりとラキトは笑った。その笑みに隠れるとてつもない怒りに、ゲルバーは内心で全く持ってやってられん、とため息を吐いたのだった。
* * *
―――おかあさま、おかあさま、どこにいってしまったの
幼い子供が泣いている。背中までの豊かな金色の髪は、無理に切られたせいでいまはざんばらに背中に落ちていた。
えんえんと泣き続ける子供の声を聞いて、いつもなら駆けつけてくれる姿がない。
それがいっそう悲しくて、子供はますます泣き止まない。
そんな子供に、声をかける幼い声があった。
「どうしたの?」
泣き続ける子供よりいっそう幼い声音。子供が顔を上げれば、太陽の光を受けてきらきらと輝く銀糸の髪が目に飛び込んだ。
おつきさまみたいだ。
とっさに子供はそう思った。遅れて目にはいった瞳は空より深い蒼い色。でも夜ほど暗くはない。どこか安心できる明るさがあった。
「どうしたの?」
もう一度問いかけられて、子供はしゃくりあげながら告げた。
おかあさまがね、いないの。いなくなっちゃった。
口にしたらなおさら悲しくてまた泣き出してしまった子供の前にしゃがみこんで幼子が問いかける。
「どうしていなくなっちゃったの」
しんじゃったんだって。しんじゃうといなくなっちゃうんだって。
兄から告げられた言葉は意味がわからなくて、それでも大好きな母親に二度と会うことが叶わないことだけはわかって。
今日ばかりは意地悪な姉達に髪を引っ張られむりやり切られたことよりも、母がいない事実のほうが悲しかった。
「それはこまったね」
心底困った様子で幼子が言うから、子供はどうにかこうにか泣き声を抑えて逆に問い返した。
どうしてこまるの?
「だってぼくはきみにないてほしくないんだよ」
そういってもみじのようなまろやかな手が涙でぐしゃぐしゃになった子供の頬をなでる。
母を除けば兄以外からそういうことをされるのは初めてで、びっくりして泣き止んだ子供に幼子は笑った。
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