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第伍話──箪笥
【拾漆】顛末
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警官に一通りの事情を説明し、桜子は参道の魚屋に戻ったのだが、そこにサナヱの姿がないことに気付いて、全身の血の気が引いた。
「あ、あの……七歳くらいの女の子を見ませんでしたか? おかっぱ頭で、赤い着物を着てる可愛い子です」
魚屋の店主に訊ねるが、
「あんた、さっきの女傑かい! いやあ、痛快だったね」
と、鯵の開きを押し付けられただけで、サナヱのことは知らないようだった。
「サナヱちゃん……! どこに行ったの?」
声を掛けながら、桜子は参道をウロウロする。だがそれらしい姿が一向に見えず、彼女は頭を抱えて座り込んだ。
「どうしよう……あの子に何かあったら、大家さんに顔向けできないよ……」
変に自分の腕に自信があるから、つい余計な事に首を突っ込んでしまう。それは性格上、仕方のないことだと思っていたけど、小さな子供をひとりにしてまで手を出すことでは決してなかった……。
そもそも、帝釈天のお参りに誘ったのは桜子だ。探偵の仕事が大詰めになるといつもほっぽり出されるから、何か活躍して、私だって役に立つのだと認めてもらいたい……そんな気持ちがあったのは否定できない。
素直に動物園に行っていれば、サナヱは迷子にならずに済んだものを、全ては桜子の見栄のせいだ。
先に立たない後悔が胸を締め付ける。
「ごめんね……すぐ調子に乗るの、私の悪いところよね……」
そんな彼女を慰めるのは、初夏の日差しと爽やかな風だけだった。
……と、目の前に誰がが立った。
桜子が顔を上げると、おかっぱ頭の少女と目が合った。
「お姉ちゃん、おかえり!」
「サナヱちゃん……!」
サナヱは、はにかんだ様子で俯いた。
「お手洗いを探してたら、迷っちゃった……」
怒られると思ったのだろうか。首を竦めて上目遣いにそう言う彼女の体を、桜子は思い切り抱きしめた。
「サナヱちゃん……! 無事で良かったああッ!!」
「お、お姉ちゃん……」
「グスン……ごめんね、勝手なことをして。サナヱちゃんが一番大事なのに、私って……」
「サナヱは大丈夫だよ……それより、ちょっと苦しい……」
慌ててサナヱを離し、桜子は涙を拭った。
「サナヱちゃん……ウウッ」
「泣かないで、お姉ちゃん」
サナヱは小首を傾げてニコリと笑った。
「お姉ちゃん、すっごくカッコ良かったんだもん」
「そ……そう?」
「うん! サナヱ、お姉ちゃん大好き!」
――桜子と手を繋ぎ、門前の茶店に向かいながら、サナヱは、決して美人とは言えない横顔を見上げた。
久世慶司の屋敷を脱出してから、どの契機に桜子の前に戻るべきかと、電柱の上から彼女を観察していたのだ。そこで彼女が見たのは、純粋で人間味にあふれた桜子の姿だった。
……悔しいが、零が彼女を好きになるのも、分かる気がした。
この帝都では、自分を飾るのが最も重要とされている節がある。いかに自分を大きく取り繕って、いかに高い地位に上り詰めるか。ギスギスとした人間関係の中で、他者を蹴落として行き着いた先にある虚構のために、人々は粉骨砕身している。
だからこそ、桜子の持つ、良い意味での田舎臭さが、人の心を惹き付けるのだろう。
けれどそれは、洗練を装う人々の中では馴染めない。零が彼女を手元に置くのは、そういった都会の洗礼から、彼女の純粋さを守りたいからだろうと、サナヱは得心した。
彼女自身、不具者であるために、その存在を隠されて生きてきて、優しく接せられたことなどない。父からは厳しく式神の扱い方を教え込まれたが、それだって、父の都合に過ぎないのは分かっていた。
……だから、全身で桜子の温もりを感じた時、涙が出そうになった。
サナヱが桜子の温かい手をギュッと握り返すと、彼女は愛嬌のある笑顔を向けた。
「どうしたの?」
「お腹、空いちゃった……」
サナヱはグーッとなる腹をさすった。
「そうね、私もお腹空いちゃった。おかめそば、大盛りにできるかしら?」
「サナヱはみつ豆も食べたいなー」
「いいわよ、いっぱい食べようね」
二人は年の離れた姉妹のように、繋いだ手を揺らしながら歩いていった。
◇
一方、零は……。
久世慶司の屋敷の寝室で、警官たちに囲まれ、取り調べを受けていた。
「だから、何度も言っているように、慶司さんの依頼でこのお屋敷を調べていたんですよ」
「どんな依頼だ?」
「妙な気配がする、もしかしたら、隠し部屋でもあるんじゃないかと。それで、この箪笥の奥に階段を見つけて、井戸の底に降りたところ、足を滑らせて頭を打ってしまいました……」
「で、井戸の中には何があったんだ?」
「何もありませんでしたね、古びた花嫁道具以外は」
警官は、零の顔を訝しげに見ている。
井戸への入口が見つかるや否や、ハルアキは蛾に扮して逃げてしまった。
残された零は仕方なく、こうして取り調べを受けているのだが……。
現実世界で致命傷を負うと、回復に多大な体力を使う。ハルアキに助けられたとはいえ、頭がぼんやりする上、酷く腹が減っていた。
いい加減に解放して欲しい……そんな思いが顔に出てしまったのだろう。警官は険しい顔で彼を睨んだ。
「それを証明できる者は?」
「慶司さんご本人に確認していただければ」
だが、警官たちは顔を見合わせて黙り込んでしまった。
「どうしたのですか?」
すると警官のひとりが、言い辛そうに答えた。
「慶司氏は今、話を聞ける状態にないのだ」
「と言うと?」
だが警官はそれには答えず、部下らしい警官からの耳打ちを受け、ぶっきらぼうに立ち上がった。
「おまえの身元の確認はできたようだ。逮捕歴があって助かったな」
「はぁ……」
「日を改めて事情を聞くことになるだろうが、今日は帰ってもいい」
廊下を進み、居間の横を通る時、久世慶司の声が聞こえた。意味の分からないことを呻き続ける彼をチラリと見て、零は肩を竦めた。
彼が正気を失ってくれていなければ、どんな言い訳をすればいいか、大いに頭を悩ませたことだろう。
明るい日の下に出て、大きく息を吸う。カラッと晴れた暖かい空気が肺を満たし、零はようやく「生きている」実感を得た。
「死」を持たぬ者に「生」などない。
とはいえ、体が生きていなければ、人間として存在できない。
彼の主たる太乙の匙加減で生かされている生き人形……零は自らをそう思っている。
いつか、その宿命から放たれる時までに、誰かを幸せにしてみたい。せめて、関わる人をこれ以上、不幸にしたくない――。
それは、人形には叶わぬ欲なのだろうか。
「あら、こんなところで何してるの?」
不意に声を掛けられ、顔を向けると桜子の姿があった。
「おや、なぜ桜子さんがここに?」
事情を知らない零が率直な疑問を口にすると、彼女は目を泳がせた。
「上野行きの市電が運休で、動物園に行けなかったから、帝釈天のお参りに……ねぇ、サナヱちゃん」
彼女が目を向けた先にはだが、おかっぱ頭の少女の姿はなかった。
土御門サナヱは、桜子のワンピースの背に隠れ、足元だけを覗かせている。
桜子は苦笑した。
「恥ずかしがり屋さんなのね」
「…………」
ギュッとワンピースの裾を掴む彼女の頭を、桜子はポンと撫でた。
「さっきおかめそばを食べながら、また遊びに行こうと約束したのよ。白山神社の紫陽花祭りなんてどうかしら?」
「悪くないですね」
顎を撫でつつ、零はサナヱの顔を覗き込む。すると彼女は「アッカンベー」と舌を出した。
「それはともかく……」
桜子は零に訝しげな目を向ける。
「こんなに天気がいいのに、なんで雨の中を歩いてきたみたいにずぶ濡れなのよ」
「あぁ、これは……」
零は警官たちにした言い訳を桜子に聞かせる。すると彼女は呆れた顔を浮かべ、
「まぁ、天気いいし、そのうち乾くでしょ」
と、手ぬぐいを一枚、零に渡した。
参道を三人並んで歩きながら、零は桜子から、事件の顛末を聞くこととなった。
「……結局、慶司さんがご両親殺害の犯人だったのかしら」
桜子の声は沈んでいた。
「順当に考えると、そうなるでしょうね……しかし、彼の口から真相が明かされることはないかもしれません」
気の弱い慶司は、追い詰められたことを自覚して、精神を病んだのだろう。
それは自白と同義だと判断されるに違いない。
しかし、零にとって、事件は全く解決していなかった。
――お玉の人形を作った人形師とは、一体何者なのか。
その真意を追及せねば、零に安泰は訪れないだろう。
「あ、あの……七歳くらいの女の子を見ませんでしたか? おかっぱ頭で、赤い着物を着てる可愛い子です」
魚屋の店主に訊ねるが、
「あんた、さっきの女傑かい! いやあ、痛快だったね」
と、鯵の開きを押し付けられただけで、サナヱのことは知らないようだった。
「サナヱちゃん……! どこに行ったの?」
声を掛けながら、桜子は参道をウロウロする。だがそれらしい姿が一向に見えず、彼女は頭を抱えて座り込んだ。
「どうしよう……あの子に何かあったら、大家さんに顔向けできないよ……」
変に自分の腕に自信があるから、つい余計な事に首を突っ込んでしまう。それは性格上、仕方のないことだと思っていたけど、小さな子供をひとりにしてまで手を出すことでは決してなかった……。
そもそも、帝釈天のお参りに誘ったのは桜子だ。探偵の仕事が大詰めになるといつもほっぽり出されるから、何か活躍して、私だって役に立つのだと認めてもらいたい……そんな気持ちがあったのは否定できない。
素直に動物園に行っていれば、サナヱは迷子にならずに済んだものを、全ては桜子の見栄のせいだ。
先に立たない後悔が胸を締め付ける。
「ごめんね……すぐ調子に乗るの、私の悪いところよね……」
そんな彼女を慰めるのは、初夏の日差しと爽やかな風だけだった。
……と、目の前に誰がが立った。
桜子が顔を上げると、おかっぱ頭の少女と目が合った。
「お姉ちゃん、おかえり!」
「サナヱちゃん……!」
サナヱは、はにかんだ様子で俯いた。
「お手洗いを探してたら、迷っちゃった……」
怒られると思ったのだろうか。首を竦めて上目遣いにそう言う彼女の体を、桜子は思い切り抱きしめた。
「サナヱちゃん……! 無事で良かったああッ!!」
「お、お姉ちゃん……」
「グスン……ごめんね、勝手なことをして。サナヱちゃんが一番大事なのに、私って……」
「サナヱは大丈夫だよ……それより、ちょっと苦しい……」
慌ててサナヱを離し、桜子は涙を拭った。
「サナヱちゃん……ウウッ」
「泣かないで、お姉ちゃん」
サナヱは小首を傾げてニコリと笑った。
「お姉ちゃん、すっごくカッコ良かったんだもん」
「そ……そう?」
「うん! サナヱ、お姉ちゃん大好き!」
――桜子と手を繋ぎ、門前の茶店に向かいながら、サナヱは、決して美人とは言えない横顔を見上げた。
久世慶司の屋敷を脱出してから、どの契機に桜子の前に戻るべきかと、電柱の上から彼女を観察していたのだ。そこで彼女が見たのは、純粋で人間味にあふれた桜子の姿だった。
……悔しいが、零が彼女を好きになるのも、分かる気がした。
この帝都では、自分を飾るのが最も重要とされている節がある。いかに自分を大きく取り繕って、いかに高い地位に上り詰めるか。ギスギスとした人間関係の中で、他者を蹴落として行き着いた先にある虚構のために、人々は粉骨砕身している。
だからこそ、桜子の持つ、良い意味での田舎臭さが、人の心を惹き付けるのだろう。
けれどそれは、洗練を装う人々の中では馴染めない。零が彼女を手元に置くのは、そういった都会の洗礼から、彼女の純粋さを守りたいからだろうと、サナヱは得心した。
彼女自身、不具者であるために、その存在を隠されて生きてきて、優しく接せられたことなどない。父からは厳しく式神の扱い方を教え込まれたが、それだって、父の都合に過ぎないのは分かっていた。
……だから、全身で桜子の温もりを感じた時、涙が出そうになった。
サナヱが桜子の温かい手をギュッと握り返すと、彼女は愛嬌のある笑顔を向けた。
「どうしたの?」
「お腹、空いちゃった……」
サナヱはグーッとなる腹をさすった。
「そうね、私もお腹空いちゃった。おかめそば、大盛りにできるかしら?」
「サナヱはみつ豆も食べたいなー」
「いいわよ、いっぱい食べようね」
二人は年の離れた姉妹のように、繋いだ手を揺らしながら歩いていった。
◇
一方、零は……。
久世慶司の屋敷の寝室で、警官たちに囲まれ、取り調べを受けていた。
「だから、何度も言っているように、慶司さんの依頼でこのお屋敷を調べていたんですよ」
「どんな依頼だ?」
「妙な気配がする、もしかしたら、隠し部屋でもあるんじゃないかと。それで、この箪笥の奥に階段を見つけて、井戸の底に降りたところ、足を滑らせて頭を打ってしまいました……」
「で、井戸の中には何があったんだ?」
「何もありませんでしたね、古びた花嫁道具以外は」
警官は、零の顔を訝しげに見ている。
井戸への入口が見つかるや否や、ハルアキは蛾に扮して逃げてしまった。
残された零は仕方なく、こうして取り調べを受けているのだが……。
現実世界で致命傷を負うと、回復に多大な体力を使う。ハルアキに助けられたとはいえ、頭がぼんやりする上、酷く腹が減っていた。
いい加減に解放して欲しい……そんな思いが顔に出てしまったのだろう。警官は険しい顔で彼を睨んだ。
「それを証明できる者は?」
「慶司さんご本人に確認していただければ」
だが、警官たちは顔を見合わせて黙り込んでしまった。
「どうしたのですか?」
すると警官のひとりが、言い辛そうに答えた。
「慶司氏は今、話を聞ける状態にないのだ」
「と言うと?」
だが警官はそれには答えず、部下らしい警官からの耳打ちを受け、ぶっきらぼうに立ち上がった。
「おまえの身元の確認はできたようだ。逮捕歴があって助かったな」
「はぁ……」
「日を改めて事情を聞くことになるだろうが、今日は帰ってもいい」
廊下を進み、居間の横を通る時、久世慶司の声が聞こえた。意味の分からないことを呻き続ける彼をチラリと見て、零は肩を竦めた。
彼が正気を失ってくれていなければ、どんな言い訳をすればいいか、大いに頭を悩ませたことだろう。
明るい日の下に出て、大きく息を吸う。カラッと晴れた暖かい空気が肺を満たし、零はようやく「生きている」実感を得た。
「死」を持たぬ者に「生」などない。
とはいえ、体が生きていなければ、人間として存在できない。
彼の主たる太乙の匙加減で生かされている生き人形……零は自らをそう思っている。
いつか、その宿命から放たれる時までに、誰かを幸せにしてみたい。せめて、関わる人をこれ以上、不幸にしたくない――。
それは、人形には叶わぬ欲なのだろうか。
「あら、こんなところで何してるの?」
不意に声を掛けられ、顔を向けると桜子の姿があった。
「おや、なぜ桜子さんがここに?」
事情を知らない零が率直な疑問を口にすると、彼女は目を泳がせた。
「上野行きの市電が運休で、動物園に行けなかったから、帝釈天のお参りに……ねぇ、サナヱちゃん」
彼女が目を向けた先にはだが、おかっぱ頭の少女の姿はなかった。
土御門サナヱは、桜子のワンピースの背に隠れ、足元だけを覗かせている。
桜子は苦笑した。
「恥ずかしがり屋さんなのね」
「…………」
ギュッとワンピースの裾を掴む彼女の頭を、桜子はポンと撫でた。
「さっきおかめそばを食べながら、また遊びに行こうと約束したのよ。白山神社の紫陽花祭りなんてどうかしら?」
「悪くないですね」
顎を撫でつつ、零はサナヱの顔を覗き込む。すると彼女は「アッカンベー」と舌を出した。
「それはともかく……」
桜子は零に訝しげな目を向ける。
「こんなに天気がいいのに、なんで雨の中を歩いてきたみたいにずぶ濡れなのよ」
「あぁ、これは……」
零は警官たちにした言い訳を桜子に聞かせる。すると彼女は呆れた顔を浮かべ、
「まぁ、天気いいし、そのうち乾くでしょ」
と、手ぬぐいを一枚、零に渡した。
参道を三人並んで歩きながら、零は桜子から、事件の顛末を聞くこととなった。
「……結局、慶司さんがご両親殺害の犯人だったのかしら」
桜子の声は沈んでいた。
「順当に考えると、そうなるでしょうね……しかし、彼の口から真相が明かされることはないかもしれません」
気の弱い慶司は、追い詰められたことを自覚して、精神を病んだのだろう。
それは自白と同義だと判断されるに違いない。
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