33 / 88
第参話──九十九ノ段
【拾陸】大門ノ向コウ
しおりを挟む
靴下に下駄の鼻緒を押し込んで外に出た桜子は、歪に欠ける月を見上げて呆然としていた。
涙が頬に線を描いているのを、下宿から漏れる明かりが照らす。
ハルアキも何も言えず、ただ桜子の横に立っていた。
やがてグスンと鼻を啜ると、桜子はポケットのハンカチで顔を拭いた。
そして呟く。
「……私たち、これからどうすればいいの?」
ハルアキは答えた。
「彼奴に伝えねばならぬ、真実を」
――珊瑚の間で、鯉若は待っていたのだろう。
九十九段から想い人がやって来るのを。
その無念が、あの階段に遺されたのだ。
「来なかった心中相手を恨んで、姿の似た若い男の人を取り込んでいる、って事なのよね」
「そう考えると、辻褄が合う」
そしてその呪いを、篠山栴檀は利用した。
――二人の恋路を妨げ、鯉若を身請けしようとした張本人である、篠山栴檀が。
「その心中相手の弟子って、今はどうしてるのかしら?」
「大家の話では、伊佐吉という名と申したな」
シゲ乃の話はこうだった。
「その伊佐吉って人と鯉若ちゃんは同郷らしくてね。それで話が合ったようだよ。鯉若ちゃん、自分の部屋の襖に絵を描いてもらうって、その画家見習いを呼んでたんだ」
そうでもしなければ、金のない画家見習いが花魁と会う事など、叶わなかっただろう。
そうやって積み重ねた想いはだが、伊佐吉によって一方的に断ち切られた。
寸前になって、死ぬのが怖くなったのだろう。無理はない。
しかし今、その伊佐吉という弟子の行方を追う手段はない。
それに、優先せねばならない事が、彼らにはあった。
桜子は顔を上げた。
「とにかく、あの人のいるところへ行く必要がある訳でしょ? どこに行けばいいの?」
問題はそこである。――零が取り込まれた異空間。それがどこにあるのかが分からなければ、手の打ちようがない。
……それに、もしそれが見付かったとしても、桜子は入れない。
入れる訳にはいかない。
ハルアキはさりげなく、ニッカポッカのポケットに手を入れる。
「とりあえず、部屋に戻ってじゃな……」
そう言いながら式札を取り出そうとしたのだが、その手を桜子に掴まれた。
彼女は身を屈めて、ハルアキを真正面から見据える。
「また眠らせようってったって、そうはさせないわよ。私は……」
だが彼女の後ろに立つ、羊の角のように髪を結った美女の姿には気付いていなかった。
――式神・太裳。
変化の能力を持つこの式神の、緩やかな衣装の袖が桜子を包む。
その姿が不意に消えた途端、何かが地面に転がった。
ハルアキはそれを拾い上げ、顔の前に持ってくる。
「……悪いが、しばらく甲虫になっていてもらうぞ」
抗議するようにバタバタと羽ばたく黒光りした背をそっと宥め、ハルアキは甲虫をポケットに納めた。
「――さてと、じゃ」
とはいえ、ハルアキに妙案がある訳ではなかった。
寒々しい月を見上げながら、ハルアキはくるんと癖のある髪を指先に絡める。
零が取り込まれた異空間。
それは、あの屏風と繋がっている事は間違いない。
しかし、屏風のあの平面の中に、異空間があるとは考えにくい。あれは、異空間の様子を映し出す鏡――。
そこまで思案を巡らして、ハルアキはハッとした。
――そうじゃ、あの絵にある場所に行ってみれば良い。異空間に繋がる何かがあるやも知れぬ。
シゲ乃から借りた、大きすぎる下駄をカランコロンと鳴らして、ハルアキは駆け出した。
下宿は浅草の外れ、浅草寺の裏手にある。
すっかり日は暮れている。黒く聳える凌雲閣を背に通りに出ると、屋台の間を人力車が行き来する田んぼ道になる。
ここには、芝居の幟や商店の看板はない。ポツン、ポツンと道を照らす街灯があるだけだ。
だが人通りは多い。皆、同じ場所へと向かっていく。
ハルアキは縫うように通りを進む。
その道の先に、夜闇を破る光に包まれた一角が見える。――新吉原だ。
それを眺め、ハルアキは思った。
……結局、桜子が天空に念じた通りになったではないか。全く、侮れぬ奴じゃ。
道沿いに煌びやかな光を放つ吉原大門。
派手な装飾のアーチ門から見下ろす弁財天の視線の先までやって来て、ハルアキは足を止めた。
――当然ながら、ここから先は、子供がひとりでフラフラと入って行ける場所ではない。
ハルアキは周囲を見渡すと、人気のない場所を探す。そして、『お歯黒どぶ』と呼ばれる水路に囲まれた壁の影に身を寄せる。
そして、式札をポケットから取り出した。
目的地は、提灯の下がる妓楼の二階。
ならば、空を飛んだ方が早い。
「太裳」
式札に念じた途端に現れた美女――先程、桜子を甲虫に変化させた式神に身を任せたハルアキは、次の瞬間には鴉の姿で宙を舞っていた――その嘴に、甲虫を咥えて。
通りを彩る街灯をぐるりと巡り、ハルアキは妓楼の二階、窓の外に設えられた縁側の手すりに降り立った。
障子窓をそっと覗く。中は薄暗い。
今は遊女は仕事中。私室と思われるこの部屋に誰もいないのは当然だ。
ハルアキは左右を見回すと縁側に降りた。そして暴れる甲虫を脚で押さえ、障子の隅を啄く。その穴に頭を突っ込み、中に潜り込んだ。
部屋に入った途端、甲虫が趾からバタバタと羽音を立てて飛び出した。しかし、薄明るい障子紙を行きつ戻りつしているところを見ると、桜子の意識はないようだ。
式神の術を掛けられた場合、妖に取り憑かれたのと同様、意識を乗っ取られる事が多い。この甲虫の中で、桜子の意識は眠りに落ち、甲虫の意識が本能的に働いているのだろう。
ハルアキは畳に下りると翼を広げ――元の少年の姿に戻った。
部屋の中に立ち、薄闇に目を凝らす。……鴉よりも人間の目の方が、暗さに慣れるまでに時間がかかるのだ。
しばらくキョロキョロとしていると、襖に描かれた絵が目に付いた。
――水面に跳ねる魚を眺める、姉弟と思われる子供ふたり。
その長閑な風景画は、あまりにも遊郭に似合わない。
近くに寄ってみる。襖紙は黄ばみ、染みが浮いているところを見ると、描かれてからそれなりの年月が経っているのだろう。
――恐らく、四十三年の年月が。
鯉若が想い人である画家見習いに描かせたものが、部屋の主を変えても、そのまま残されていたのだ。
しかし、この絵にどういう意味があるのか?
ハルアキは首を傾げた。
それから室内を見渡す。
相変わらず、遊女の私室として使われているようだ。衣紋掛けと鏡台が並び、濃い白粉の匂いが立ち込めている。
そちらへ足を向け、ハルアキは考えた。
九十九段の屏風の、明かりが灯っていた部屋は、間違いなくここである。
そしてここは、かつて鯉若が暮らしていた部屋。あの襖絵が証拠だ。
――となれば、零は、この『裏』にいる。
異空間にも様々なものがあるが、妖が作り出す異空間は、それらが「人間」であった頃の記憶に関わる場所にある事が多い。
現実世界の裏側。そこに留められた幻想として、無秩序に広がっているのだ。
鯉若の怨霊が異空間を創り出しているとすれば、伊佐吉なる人物との思い出の詰まったこの部屋の「裏側」に、それはあると考えるのが妥当だろう。
問題は、その入口……。
ハルアキが目を向けたのは、鏡台だった。
鏡というのは、別の世界への入口となる場合が多々ある。姿を映す、即ち光を反射するという現象の神秘性で、神社の御神体となるほどだ。
小さい引き出しの上に嵌め込まれた丸鏡を覗く。朧げな明かりの中に顔が映っている。大きさとしては十分だ。
彼はポケットから護符を取り出した。複雑な呪文が書き込まれたそれを、鏡の上部に貼り付ける。
そして二本の指を立てると、五芒星を描きながら呪文を唱えた。
――その途端、鏡がぼんやりとした光に包まれる。
繋がった。ハルアキは手を下ろした。
鏡の向こう。
そこには、『異空間』としてのこの部屋が映っている。
ぼんやりと揺れる明かりは、行灯のものだろう。四十三年前であれば、電気は通っていなかったから当然だ。
……その明かりの中で揺れる影。
誰かがいる。
呼吸を整えてから、ハルアキはそっと鏡面に触れる。――指は、水面を穿つようにそこを通り抜けた。
それを確認してから、ハルアキは頭を鏡に押し込んだ。
そして、息を呑んだ。
今まさに、重なり合おうとするふたつの影。
艶やかな打掛が男の体に掛かり、露わな肩から伸びた白い手が無造作な束ね髪に絡む。
甘い吐息がハルアキの耳をくすぐると同時に、ふたつの影は重なった。
涙が頬に線を描いているのを、下宿から漏れる明かりが照らす。
ハルアキも何も言えず、ただ桜子の横に立っていた。
やがてグスンと鼻を啜ると、桜子はポケットのハンカチで顔を拭いた。
そして呟く。
「……私たち、これからどうすればいいの?」
ハルアキは答えた。
「彼奴に伝えねばならぬ、真実を」
――珊瑚の間で、鯉若は待っていたのだろう。
九十九段から想い人がやって来るのを。
その無念が、あの階段に遺されたのだ。
「来なかった心中相手を恨んで、姿の似た若い男の人を取り込んでいる、って事なのよね」
「そう考えると、辻褄が合う」
そしてその呪いを、篠山栴檀は利用した。
――二人の恋路を妨げ、鯉若を身請けしようとした張本人である、篠山栴檀が。
「その心中相手の弟子って、今はどうしてるのかしら?」
「大家の話では、伊佐吉という名と申したな」
シゲ乃の話はこうだった。
「その伊佐吉って人と鯉若ちゃんは同郷らしくてね。それで話が合ったようだよ。鯉若ちゃん、自分の部屋の襖に絵を描いてもらうって、その画家見習いを呼んでたんだ」
そうでもしなければ、金のない画家見習いが花魁と会う事など、叶わなかっただろう。
そうやって積み重ねた想いはだが、伊佐吉によって一方的に断ち切られた。
寸前になって、死ぬのが怖くなったのだろう。無理はない。
しかし今、その伊佐吉という弟子の行方を追う手段はない。
それに、優先せねばならない事が、彼らにはあった。
桜子は顔を上げた。
「とにかく、あの人のいるところへ行く必要がある訳でしょ? どこに行けばいいの?」
問題はそこである。――零が取り込まれた異空間。それがどこにあるのかが分からなければ、手の打ちようがない。
……それに、もしそれが見付かったとしても、桜子は入れない。
入れる訳にはいかない。
ハルアキはさりげなく、ニッカポッカのポケットに手を入れる。
「とりあえず、部屋に戻ってじゃな……」
そう言いながら式札を取り出そうとしたのだが、その手を桜子に掴まれた。
彼女は身を屈めて、ハルアキを真正面から見据える。
「また眠らせようってったって、そうはさせないわよ。私は……」
だが彼女の後ろに立つ、羊の角のように髪を結った美女の姿には気付いていなかった。
――式神・太裳。
変化の能力を持つこの式神の、緩やかな衣装の袖が桜子を包む。
その姿が不意に消えた途端、何かが地面に転がった。
ハルアキはそれを拾い上げ、顔の前に持ってくる。
「……悪いが、しばらく甲虫になっていてもらうぞ」
抗議するようにバタバタと羽ばたく黒光りした背をそっと宥め、ハルアキは甲虫をポケットに納めた。
「――さてと、じゃ」
とはいえ、ハルアキに妙案がある訳ではなかった。
寒々しい月を見上げながら、ハルアキはくるんと癖のある髪を指先に絡める。
零が取り込まれた異空間。
それは、あの屏風と繋がっている事は間違いない。
しかし、屏風のあの平面の中に、異空間があるとは考えにくい。あれは、異空間の様子を映し出す鏡――。
そこまで思案を巡らして、ハルアキはハッとした。
――そうじゃ、あの絵にある場所に行ってみれば良い。異空間に繋がる何かがあるやも知れぬ。
シゲ乃から借りた、大きすぎる下駄をカランコロンと鳴らして、ハルアキは駆け出した。
下宿は浅草の外れ、浅草寺の裏手にある。
すっかり日は暮れている。黒く聳える凌雲閣を背に通りに出ると、屋台の間を人力車が行き来する田んぼ道になる。
ここには、芝居の幟や商店の看板はない。ポツン、ポツンと道を照らす街灯があるだけだ。
だが人通りは多い。皆、同じ場所へと向かっていく。
ハルアキは縫うように通りを進む。
その道の先に、夜闇を破る光に包まれた一角が見える。――新吉原だ。
それを眺め、ハルアキは思った。
……結局、桜子が天空に念じた通りになったではないか。全く、侮れぬ奴じゃ。
道沿いに煌びやかな光を放つ吉原大門。
派手な装飾のアーチ門から見下ろす弁財天の視線の先までやって来て、ハルアキは足を止めた。
――当然ながら、ここから先は、子供がひとりでフラフラと入って行ける場所ではない。
ハルアキは周囲を見渡すと、人気のない場所を探す。そして、『お歯黒どぶ』と呼ばれる水路に囲まれた壁の影に身を寄せる。
そして、式札をポケットから取り出した。
目的地は、提灯の下がる妓楼の二階。
ならば、空を飛んだ方が早い。
「太裳」
式札に念じた途端に現れた美女――先程、桜子を甲虫に変化させた式神に身を任せたハルアキは、次の瞬間には鴉の姿で宙を舞っていた――その嘴に、甲虫を咥えて。
通りを彩る街灯をぐるりと巡り、ハルアキは妓楼の二階、窓の外に設えられた縁側の手すりに降り立った。
障子窓をそっと覗く。中は薄暗い。
今は遊女は仕事中。私室と思われるこの部屋に誰もいないのは当然だ。
ハルアキは左右を見回すと縁側に降りた。そして暴れる甲虫を脚で押さえ、障子の隅を啄く。その穴に頭を突っ込み、中に潜り込んだ。
部屋に入った途端、甲虫が趾からバタバタと羽音を立てて飛び出した。しかし、薄明るい障子紙を行きつ戻りつしているところを見ると、桜子の意識はないようだ。
式神の術を掛けられた場合、妖に取り憑かれたのと同様、意識を乗っ取られる事が多い。この甲虫の中で、桜子の意識は眠りに落ち、甲虫の意識が本能的に働いているのだろう。
ハルアキは畳に下りると翼を広げ――元の少年の姿に戻った。
部屋の中に立ち、薄闇に目を凝らす。……鴉よりも人間の目の方が、暗さに慣れるまでに時間がかかるのだ。
しばらくキョロキョロとしていると、襖に描かれた絵が目に付いた。
――水面に跳ねる魚を眺める、姉弟と思われる子供ふたり。
その長閑な風景画は、あまりにも遊郭に似合わない。
近くに寄ってみる。襖紙は黄ばみ、染みが浮いているところを見ると、描かれてからそれなりの年月が経っているのだろう。
――恐らく、四十三年の年月が。
鯉若が想い人である画家見習いに描かせたものが、部屋の主を変えても、そのまま残されていたのだ。
しかし、この絵にどういう意味があるのか?
ハルアキは首を傾げた。
それから室内を見渡す。
相変わらず、遊女の私室として使われているようだ。衣紋掛けと鏡台が並び、濃い白粉の匂いが立ち込めている。
そちらへ足を向け、ハルアキは考えた。
九十九段の屏風の、明かりが灯っていた部屋は、間違いなくここである。
そしてここは、かつて鯉若が暮らしていた部屋。あの襖絵が証拠だ。
――となれば、零は、この『裏』にいる。
異空間にも様々なものがあるが、妖が作り出す異空間は、それらが「人間」であった頃の記憶に関わる場所にある事が多い。
現実世界の裏側。そこに留められた幻想として、無秩序に広がっているのだ。
鯉若の怨霊が異空間を創り出しているとすれば、伊佐吉なる人物との思い出の詰まったこの部屋の「裏側」に、それはあると考えるのが妥当だろう。
問題は、その入口……。
ハルアキが目を向けたのは、鏡台だった。
鏡というのは、別の世界への入口となる場合が多々ある。姿を映す、即ち光を反射するという現象の神秘性で、神社の御神体となるほどだ。
小さい引き出しの上に嵌め込まれた丸鏡を覗く。朧げな明かりの中に顔が映っている。大きさとしては十分だ。
彼はポケットから護符を取り出した。複雑な呪文が書き込まれたそれを、鏡の上部に貼り付ける。
そして二本の指を立てると、五芒星を描きながら呪文を唱えた。
――その途端、鏡がぼんやりとした光に包まれる。
繋がった。ハルアキは手を下ろした。
鏡の向こう。
そこには、『異空間』としてのこの部屋が映っている。
ぼんやりと揺れる明かりは、行灯のものだろう。四十三年前であれば、電気は通っていなかったから当然だ。
……その明かりの中で揺れる影。
誰かがいる。
呼吸を整えてから、ハルアキはそっと鏡面に触れる。――指は、水面を穿つようにそこを通り抜けた。
それを確認してから、ハルアキは頭を鏡に押し込んだ。
そして、息を呑んだ。
今まさに、重なり合おうとするふたつの影。
艶やかな打掛が男の体に掛かり、露わな肩から伸びた白い手が無造作な束ね髪に絡む。
甘い吐息がハルアキの耳をくすぐると同時に、ふたつの影は重なった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。