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第三章 適材適所が成功のカギ
エクアドルにて(2)
しおりを挟むホテルで数時間過ごした後、時刻となり車で病院へと向かう。
エントランスで、背の高い白衣姿の男性と彼が話しているのが見えた。
「あっ、もう終わってたんだ……」
彼から見える位置に車を停めて待つ事十分弱。
「タイミングいいな!これで全て終わったよ。何もなければ……」どこか歯切れの悪い言い方だ。
「何かあるかもしれないの?」
「分からないが、すぐには帰らないと言ってある。明日は観光するだろ?」
助手席に乗り込んだ彼が私と目を合わせた。
「するけど……それって、何かあったら観光は中断って事?」
また子供っぽい事を言っていると分かっていても止められない。
不安そうな私の顔をしばし見つめた後、彼は言った。「さすがに四百四十四段目を目前にして中断は、俺もしないかな」
「言ったわね?なら登り切るまで、絶対に自由にはさせないからね?」
ここで話題を変える。
「さっき川沿いを散歩してたらね、ビックリの人物に声をかけられちゃった」
「誰だ?」興味なさそうに車窓を眺めながら聞いてくる。
私は堂々とその名を口にした。「エリック・ハント!覚えてる?」
「……ああ。あの盗賊か」
新堂さんの口調が若干荒っぽくなった気がした。
「な~んかさ~。会う人会う人に、生きてて良かった!って言われ続けて、変な気分」
「会う人会う人って、そんなに何人もいるのか?」彼が不審がっている。
そんな事を言うのは裏社会の人間だ。私がそんな人達と関わっている事が気にくわないのだろう。
「うん。ほら、警察官の友達。砂原舞って子、覚えてる?ちょっと前に会ったのよ」
意表を突かれた様子で目を瞬くも、反応はない。彼女の事を覚えていないのか。
だんまりの彼に構わず続ける。「ずっと連絡できなくて、心配させちゃってたから……。それにイーグルもそうだったでしょ?ああ、あとリング狙いの雑魚達にも何度か死んだはずだ!って言われた」と笑う。
「……で、その盗賊とは何を話したんだ」
やはり彼の関心はそっちにあるか。
「あなたが一緒なのに、私が死ぬはずないって思ってたって。よろしく言ってくれって頼まれたわ。それだけよ?」
彼は何も言わなかったけれど、その後機嫌を損なった様子はなく、大いに胸を撫で下ろした。
今夜は私が雑誌で見つけたステキなレストランへ行くのだ。こんな事で気まずくなって、楽しめなかったら残念すぎる。
「ねえ?新堂さんが行きたい所も言ってね?私の要望ばかり聞いてもらって悪いわ」
「気にするな。俺はユイと一緒ならどこでもいい」
「……もう、相変わらず冷めてる!」そう言いつつも喜びを隠せない。
この人のはしゃいでいる姿は、一体いつ見られるのだろうか?
夜の街は日本ほど煌びやかではないけれど、ここならではの良さがある。
私達が向かったのは、中でも高級と呼ばれるランクのレストラン。当然店の外では食事を終えた客(カモ!)を待ち構えるタクシーが列を作っていた。
「おいユイ、……もう少しマシな服持って来なかったのか?」
私のパッとしないシャツにチノパン姿を見て嘆いている様子。
「あら先生、これじゃお気に召さない?」
どんな格好でもユイさんの魅力は溢れ出てしまうのに!昨日のナンパの様子を彼にも見せてあげたかった。
「見てみろ、俺達、どう見ても釣り合ってない」
新堂さんはいつもと変わらず素敵なスーツ姿だ。
「今回の私には重要な任務がある、動きやすいのが一番。気にしない気にしない!」
彼の背を叩いてお構いなしに店に入った。
もちろんドレスコードがない事は確認済みだ。
後ろからため息が聞こえた。チラリと振り返ってみると、新堂さんは上着を脱いで腕捲くりを始めた。
「ありがと……私に合わせてくれたのね」彼には聞こえないくらいの声で囁いた。
そして心の中で続ける。ごめんね、新堂さん。本当は私だってオシャレしたいのよ?あの貰ったサファイアリングだって着けたかった。でもそんな物持っていたらエサをぶら下げるようなもの!
ヒールなんて履いていたら、今の自分では緊急時の対応が遅れる。もちろんこんな事まで彼に言うつもりはない。
幸いその後の彼は気分を害している様子もなく、楽しく食事をする事ができた。
そして車に戻る。運転席に向かおうとした彼を押しやる。しばし目を合わせるも、彼は何も言わず助手席側に回ってくれた。
私には重要な任務があるというセリフを理解してくれているようだ。
「なかなか美味かったな」助手席に収まった彼が言った。
「ホント~!満足満足。じゃあ、帰りましょ」
「もう十時か」
「そうなの。あっという間に」
車を走らせ十五分ほど経つ頃には、街灯も疎らになり周囲はほとんど見えなくなった。
そんな中、三百メートルくらい先だろうか、車のテールランプが確認できた。それもどうやら三台停車しているようだ。
「急にスピード緩めて、どうした?」彼が不思議そうに聞いてくる。
「ねえ、あれ。何か変じゃない?」先の車列を顎で指して言う。
「ん?」
暗闇に慣れつつあった私の目は、三台目のバンに乗った男達の持つ拳銃を捉えていた。
彼等は二台目から降りて行った仲間を見守っている様子。
「まずい事になりそうだわ……」
「何がだ?」彼は何も気づいていないようだ。
一番前に停まっているのは非正規のタクシーのよう。どう見ても、拳銃を持った強盗団が今まさに襲撃しようとしているところではないか!
「新堂さん、あいつらに見られないように隠れてて。それと、絶対に車から降りないでね。さあ行くわよ、掴まって!」
「おい、何なんだ、一体?」
「ちょっと荒っぽい事するから……っ」
私はアクセルを目一杯踏み込んで急発進させ、三台目のバンに追突させた。
「なっ!……っ。何してるんだ、ユイ!?」
「ほら、隠れててってば!」
私の指摘に彼がようやく座席の下に身を潜めた。
それを見届けてから、車を降りてバンの方に向う。
「ロ、シエント~!ごめん!ぶつかっちゃった~」
【以下カッコ内スペイン語】
「(何だコイツ!何しやがる!)」バンから四人全員が降りてきた。
彼等全員が拳銃を所持しているのを確認後、前方のタクシーの状況をチェックする。
「タクシーに客二名、敵二名。そして運転手。それと……あと二人向かった。で、ここに四人。客と運転手は除くとして、敵は八人か……」
「(何をブツブツ言ってやがる!お前、女だな。外国人観光客か)」
「スィー。ヨ、ハポネース」おどけた感じで答える。
「(おい、どうしてくれる?弁償してもらおうか!金、たんまり持ってんだろ?)」
「何が弁償よ。こんなオンボロ車!」私は日本語で吐き捨てるように言った。
その後彼等が何かを言っていたが理解不能。
「悪いけど私、そんなにスペイン語分からないの!」
一先ず、目の前の男の股間を思い切り蹴り上げる。倒れ込んだ隙に男の拳銃を奪い、その場にいた三人を撃ち抜いた。もちろん急所は狙わない。死なれると困るので!
「それにしても、この改造拳銃は何……?緊急事態でなければ、絶対に使いたくないシロモノだわ!」奪ったみすぼらしい銃を見下ろしながら嘆く。
どこから見てもこの集団は貧困層の人間だ。
「っと、こうしちゃいられない。急がなきゃ!」
私の撃った銃声を聞きつけて、前にいた二名が引き返して様子を見に来ていた。辺りは薄暗い。私が撃ったとは思ってもいないはずだ。
「ケ、スタースア、ヒエンド?何してるの?」
「(おい、さっきの銃声は何だ?お前は誰だ!)」
「私が誰かって言ってる?……あのお客って、日本人かしら」前方のタクシーで襲われている二名の姿が垣間見えて、東洋系と判明。
そしてよくよく見れば、それは昨日の昼に見かけた日本人カップルではないか!
「だから言ったのに……!」
次の瞬間、二度の銃声がした。それに気を取られた敵二名に透かさず正拳と蹴りを食らわすと、呆気なく倒れて動かなくなった。気絶したようだ。
「ユイ!」
唐突に名を呼ばれ驚いて振り返る。
「っ!新堂さん?ダメじゃない、車から降りないでと言ったでしょ!」
「強盗だろ、こいつら。こんな事に関わるな!」倒れている男共を見下ろして言う。
「待って!掴まってるの日本人なの。助けたいのよ……。今撃たれたみたい、ちょうど良かったわ。一緒に来て!」
私は彼の腕を掴んでタクシーに近づく。
「あなたは人質の方をお願い!私は残りの敵共を何とかするから!」
「……。止めてもムダだな。分かった、やってみよう」
何とかやる気になってくれた彼に感謝の意を込めて頷く。
「敵に見つからないように近づいてね!」
彼が姿勢を低くしたのを確認後、私はあえて敵に顔を向ける。予想通り、タクシーから降りた敵二人が容赦なく銃を乱射し始めた。
「新堂さんっ……弾が飛んできたら、ちゃんと避けてよ!」
「バカ野郎!おまえも伏せろ!」振り返った彼が私に向かって叫ぶ。
ああ、彼に防弾ベストを着せておくべきだった!守るべき依頼人……改め、大切な人をこんな状況下に置くなど、あってはならない。
「(邪魔するな、死ねぇ!)」叫びながらも乱射を続ける男達。
「撃ちなさい、弾がなくなるまでね!」車体の影で弾を交わしながら叫び返す。
ところが、車のボディから跳ね返ってきた弾が、私の右上腕を掠めて行った。
「くっ!……サイアク!」何と運の悪い事だ。
さらにその反動でタクシーのドアに思い切り背中をぶつけてしまう。
「ああっ!……んもう、痛いじゃない!」
自分の情けなさに嫌気が差し、ついにコルトに手が伸びた。乱射を続ける手前の男の急所に向けて、本気で撃ち放つ。
「新堂さんはっ?」直後、気になる彼の様子を素早く確認。
タクシーに辿り着き、ドアに手を掛ける彼にも銃口が向けられている。
「そうはさせるかっ!」
すぐさま男の眉間を撃ち抜いた。
突然倒れた男に新堂さんが驚いている。だが今回ばかりは仕方がなかった。
「ごめん……我慢できなかった。だって!」
見てくれとばかりに、押さえていた手を離した。私の手の平が赤く染まっている。
「おい!撃たれたのか?」
彼が私の方に駆け寄ろうとするのを止める。「私は平気!掠めただけだから。それよりそっちを!撃たれてるでしょ?」
言いながらタクシーに近づき、反対側のドアを開けて車内を確認する。
運転手が私に向かって手を上げた。
「スース、コンパニェーロス?あなたもグルなの?」
「セール、ディスティント!」
運転手の男と言い合いをしている私に彼が聞いてくる。「何だって?」
「あいつらとはグルじゃないって。ホントかしら!」
「それよりまずいぞ、男性の方は重傷だ。大至急処置しなければ助からない」
「それはいけないわ。彼女の方は?」隣りで震える女性の方を見る。
「うっ、う……っ!」
痛みからか恐怖からか、嗚咽を漏らすばかりで会話できる状態ではなさそうだが、彼は断言した。
「足を撃たれているだけだ。致命傷ではない。だがいずれにしろ病院へ運ばないと……」
こう説明しつつも彼の体は私に向き直る。
「おまえはどうなんだ?傷口を見せてみろ」
「私は大丈夫だってば。後でいいから……」そう断るも、「ダメだ!」彼は引かない。
腰を屈めて私の右腕を持ち上げる。
「うっ!痛いよ……、力入りすぎだってば!」
こんな訴えはもちろんスルーされる。
「確かに掠めただけのようだが……まだ出血が止まっていない」
新堂さんはポケットからハンカチを取り出して広げ、細長く折り畳んで傷口に当てると、強く縛った。
「いったぁい!!だから、もっと優しく……っ」再度訴えると、彼の口から出たてきたのは意外な言葉だった。
「ごめんな、応急処置だ。病院に行ったらきちんとしてやるから……」
嬉しかった。私は笑顔で彼に頷くと、一転して鬼の形相となって運転手の襟首を掴み、コルトをその額に当てる。
「エ、イ、ラ、ホスピタール!アクラード!病院へ行って!急いで!」
「ス、スィー、セニョリータ!」
私が次々に撃ち殺すところを見ていたのだろう、運転手はあっさり言う事を聞いた。
「いい?彼に何かしたら、殺すわよ?」再び銃口を突きつけて日本語で脅しつける。
こんなのは言葉が分からなくても案外通じるものだ。
「ユイ、おまえも乗れ!」
「いいえ。あのレンタカー置いて行けない。あれで行く。あなたは急いで!」
「しかし……」
「運転手?大丈夫!何かしてきたら、そこに落ちてる拳銃でも使って……とにかくすぐ後から付けるから。何かあったら窓開けて叫んで!」
「一緒に乗ってほしいのは、そういう理由じゃないんだが……まあいい、分かった」
こうしてガタガタ震える運転手は、フルスピードで新堂さん達を病院へと運んだ。
私もすぐにレンタカーに乗り込み、タクシーを追う。
「こんな時でも、新堂さんは拳銃を使おうとしないんだろうなぁ」
とはいえ、あそこに転がった出来損ないの拳銃など、彼に使わせたくはないが。
「それにしても!たった二人に八人、いや九人がかりで強盗ってどうなの?」
まあ、この朝霧ユイにとっては何人いても同じだが?
「イタタ……。ホンっト、あいつ等ムカつく!」
偶然とはいえ、、あんな流れ弾に当たってしまったのは自分の落ち度。逆恨みもいいところだ。腹を立てたところで、私を撃った男はもうこの世にはいないのだが。
今回は思わず本気を出してしまった。私の撃ったあの二人は即死だ。
「大人げないわよ、朝霧ユイ!あ~あ……」
病院に到着すると、例のタクシーは逃げる事もなく留まっている。中を覗いたが運転手の姿はなかった。
「置いて逃げたのかしら。まあ……当然と言えば当然ね」
この血塗れの車内を見るに、これにお客が乗るとは思えない。
病院内に入る。もう深夜だ。患者は一人もおらず病院スタッフの姿もない。
先ほどの疲れが今頃やって来て、待合の椅子の一つに座り込んだ。
「あぁ~、何だか疲れた……」
「セニョリータ、アサギリ?」
私の前に一人のナースが現われた。
【以下カッコ内英語】
「スィー、そうだけど。どうして私の事……?」不思議に思って彼女を見上げる。
「(ドクター新堂から頼まれたんです。あなたのケガの処置を)」ナースは英語で言った。
「(ああ……こんなの大した事ないんです、お構いなく。それよりあのケガした人は?大丈夫なんですか?)」
「(ええ、今、先生が最善を尽くしています。運良く血液の提供者もおりましたので、きっと助かりますよ。さあ、あなたもこちらへ)」
ナースは手を取って、立ち上がりやすいように私を支えてくれる。
「(……、じゃあお言葉に甘えて。あの、それで提供者って?)」こんな真夜中に!
「(はい、ここまで運んで来たタクシーの運転手さんです)」
なるほど。改心したという訳か。つい顔が笑ってしまう。心を入れ替えてくれたならば喜ばしい事だ。
ドクター新堂が無理に脅して(!)、提供させた可能性も捨て切れないが?
連れられて処置室へ入る。
ナースは丁寧に右上腕の傷口を消毒して、包帯を巻いてくれた。
「(傷が浅くて良かったわ。警察には通報したから。強盗団に襲われたなんて災難ね。遠くから来てくださったお客さんなのに……)」
「通報!?」この言葉に慌てる。
予想外だ。あの程度の事件はこの国では日常だから、警察沙汰は免れると思っての拳銃使用だったのに?あの場には二つも死体が……いや、もっとかもしれない。
コルトの痕跡を今から消しに行くのは不可能だ!
「(ねえ、大丈夫?顔色が悪いわ。先生に診てもらった方がいいかしら……当直の先生は確か……)」斜め上を見上げて、今夜の当直医師を思い出そうとしている。
「(私は本当に大丈夫ですから!お構いなく。それで、強盗の話は誰から?)」
「(もちろんドクター新堂よ。なぜ?)」
「(いえっ、別に!)」
彼は一体何を考えているのか。私がコルトを撃ったのを見ていたはずなのに!目の前のナースに微笑みかけながらも、心では動揺し続ける。
私の腰元でコルトが疼いたような気がした。何を訴えているの?
私は思わず立ち上がる。
「(どうかした?)」
「(気分が悪いので、外の風にでも当たって来ようかと……)」取りあえず頭を冷やそう。
「(そう。付き添う?)」
「(いいえ、大丈夫です)」
ところが、不意に立ち眩みが襲ってきて体が傾く。
「(ちょっと大丈夫?やっぱり診てもらいましょう。ドクターを呼ぶわ)」
「(新堂さ……先生がオペを終えたら、彼に診てもらいますので)」
「(でも、それまで時間がかかるわ)」
「(いいんです。彼、私の主治医なので。他のドクターに診せると機嫌を損ねるから)」
「(……そうなの?)」
目を瞬くナースに悪戯っぽく笑ってみせると、ようやく引き下がってくれた。
すぐに窓の外に赤色灯の光が見え始めた。
「もう来ちゃったのかぁ……」頭を冷やす機会は失われたようだ。
「(え?)」
「(いいえ!済みませんが、どこかで休ませてもらえますか?)」
「(もちろんよ。来て)」
取りあえず、彼が来るまで寝たふりでもしておくとしよう。そう思って案内されたベッドに入り、どうやらそのまま本当に寝てしまったらしい。
この問題山積の中で寝入るとは、我ながらこの肝の据わり方には呆れるしかない。
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