10 / 38
ボクはキミを忘れない
10.何度でも繰り返す
しおりを挟む
あのあとお母さんが帰ってきたのは、ボクが眠ったあとの深夜のことだった。そして今朝も、挨拶もそこそこに仕事に出て行ってしまった。
たぶんボクと顔を合わせづらいのだろう。今でもまだぎくしゃくとしているように思う。
それでも少しでも会話が出来るようになっただけ、マシなのかもしれない。
ボクの名前は坂上こはる。でも少し前は戸田こはるという名前で、さらにその前は関根こはるという名前だった。
ボクの血縁上の父の名前が関根だった。でも正直ボクはお父さんのことはほとんど覚えていない。ボクが物心つく前に事故で死別したらしい。だからボクにとって家族というのはお母さんだけだ。
ボクが小学生の頃まではお父さんの姓を名乗っていた。でも中学生に上がる少し前にお母さんが再婚することになった。
ボクにはお父さんの記憶がないから、自分にもお父さんが出来るということに少し期待していたと思う。でも反面どこかで恐れてもいた。知らない男の人と暮らすことに困惑していたと言ってもいい。
そしてその恐れはむしろ悪い方で的中してしまった。
最初からボクを見る目にどこか嫌な雰囲気は感じていた。それでもお母さんが選んだ人なのだからと、見ないふりをしていた。気がつかないふりをしていた。
それでも初めのうちは特にこれという事はなかった。強いていうなら、女の子なのだから『ボク』はやめろと言われたくらいだろうか。
でもなかば反発するようにしてボクはボクと言い続けた。ボクは女の子じゃなくて、ボク自身なんだと強く心の中で思っていた。
でも何度か言われたその言葉の中に、時間と共に少しずつ違う空気を感じ出すようになっていた。
絡みつくような嫌らしい何かは、だけど仮にも『お父さん』なのだから、気のせいだと、何かの間違いだと思い込んでいた。思い込もうとしていた。
でもそれがいけなかったのだろう。
最初はお風呂や着替えをしている時に、わざと入ってくるくらいだった。怒るとごめんごめんと大して謝る気もなさそうに告げて、それでも外には出て行ってくれていた。
けど次第にそれはエスカレートしていって、あいつはやがてボクの体に触れるようになった。
はじめのうちは偶然を装っていたけれど、すぐに露骨に触れるようになっていった。怖くて、でも何も出来なくてその時のボクは耐える事しか出来なかった。
我慢していれば終わる。ボクが耐えなかったら、お母さんが苦しんでしまう。そんな風に思っていた。
幸いなことにまだ多少体を触れられた以上の事はなかった。
でももしもそのままの時間が過ぎていたのだとしたら、いつかはボクはあいつに汚されてしまっていたかもしれない。
体に触れられるのをこばもうとすると、あいつはボクを殴り飛ばした。汚い言葉でボクを罵っていた。そのたびにボクは恐怖を刻み込まれて、やがてボクはあいつに逆らうことができなくなっていった。
あいつはお母さんがいるところでは何もしてこない。お母さんから見えるようなところにも傷は作らない。お母さんにわからないようにしていて、だからボクも何も言えなかった。お母さんを傷つけたくなかった。そんなボクの気持ちを見透かしたかのように、あいつはボクを服従させるために暴力を振るった。
だからやがてボクはなるべく家に帰らずに、お母さんが帰ってくる時間まで街中をさまようようになっていた。
夜の街中をさまよって、なるべく人と会わずに済むように隠れるように歩き回っていた。
もしこの時に出会った人が悪い人だったのなら、ボクの未来は違ったものになっていたのかもしれない。
でもボクが出会ったのは、たけるくんだった。
たけるくんは何もできなくて公園で座り込んでいたボクに、話しかけてきてくれた。
『ずっとここにいるから、どうしたのかなって思って』
たけるくんの言葉はおっかなびっくりで、すごくぎくしゃくとしていて、ぎこちなくって。たぶん女の子と話すのはなれていなかったのだろう。それでもこの時のたけるくんがボクを助けようとしてくれたことは十分にわかった。
だからボクは思わず泣き出していた。
泣きながらボクの身に起きたことを話し始めた。
たけるくんはボクの話をじっと聞いてくれていた。何も言わずに、ただじっとボクの話を聞き続けてくれた。
たけるくんはボクの話をきくなり、何かを考えているようだった。それからお母さんが帰ってくる時間をきくと、一緒に家にいくといってくれた。
この時のたけるくんは知らない男の子だった。あいつと同じ男というだけで、どこかに恐れも感じていた。それでもこの時はたけるくんは、他の誰よりもボクのことをみてくれる気がしていた。
たけるくんは家に帰り着いたと同時に、あいつへとボクのことを問い詰めだしていた。
あいつは最初はしらばっくれていたみたいだったけど、あんまりにもたけるくんがしつこいものだからとうとう我慢が出来なくなったのだろう。
あいつはたけるくんを殴り飛ばした。
たけるくんはそれでもあいつを問い詰めようとした。
あいつはたけるくんを何度も殴り飛ばした。馬乗りになって、殴り続けていた。
やめて。やめてとボクは大声を漏らす。だけどあいつはやめようとしなくて、ボクはでも止めたくてあいつに近づいたけど、はね飛ばされて。
そしてあいつは何かをうめき声のように言葉を漏らしながら、たけるくんを殴り続けて。
そこにお母さんが帰ってきた。
あいつはいろいろとごまかそうとしたけれど、殴られ続けていたたけるくんがはっきりとした証拠になった。
その場で警察を呼んで、あいつは逃げ出したけど、でもすぐに警察に捕まった。
そのあとお母さんはボクの話をちゃんと聞いてくれた。警察もボクの言葉を疑いもしなかった。たけるくんが大きな怪我をしてでも、あいつの暴力の証拠を作ってくれたから。
たけるくんはお母さんが帰ってくる時間をみはからって、わざとあいつを怒らせたのだと言う。たぶんそういうやつは我慢が出来ないから、自分が殴られれば疑いなく犯行が認められると思うといっていた。
もちろん警察からは、あぶないことはしないようにと怒られていた。
こどもの浅知恵で本当に何かあったら取り返しがつかなくなったかもしれないとも言われたと思う。
確かにそうかもしれない。冷静に考えればもっとはやく他の大人を頼るべきだったのだろう。
それでもボクにとってはたけるくんは救世主だった。
ボクがただ話しただけなら、警察は信じてくれなかったかもしれない。お母さんも信じてくれなかったかもしれない。あいつは外面だけは良かったから、信じてもらえなかったかもしれない。たけるくんがわざと殴られてでも証拠を作ってくれたから事件になった。
事件になったからこそ警察もお母さんも信じてくれた。そうでなければ、誰も信じてくれなかったかもしれない。
そのあとはいろいろとあったけど、お母さんとあいつは離婚することになった。
そのときは心の底から安心できた。やっと救われたんだって思った。
あいつが今何をしているかは知らない。
でもボクの目の前からは消えていなくなった。
いまでもあいつのことを思い出すと、体が震えて止まらない。触れられていた時のおぞましさは、ボクの脳裏に強く焼き付いている。
だけどそれでもたけるくんがいてくれたから、ボクは救われたんだ。
ただこの事件以来、お母さんとボクの間にはちょっとした溝が出来た。
お母さんはたぶんボクに負い目を感じているのだと思う。表面は変わらないけど、ボクと目を合わせてくれることが少なくなった。そして今までよりもより仕事に精を出すようになって、家には戻らなくなった。
そんなお母さんにボクもどう接していけばいいのかわからなくなった。
もちろん母子家庭に戻ってしまったから、生活する上で仕事を増やさなければならないというのもあるとは思う。もともとお母さんはキャリア系で仕事がかなり忙しくて、そももそも家にはあまりいない人だった。
でもボクと顔を合わせづらいからなるべく家にいないようにしている、というのも多分ある気がする。
ボクはそのこともたけるくんに相談していた。
たけるくんは自分のせいでお母さんとの間に溝を作ってしまったと、悲しそうにしていたけれど、それはたけるくんのせいじゃない。あくまでボクとお母さんの間のことだ。たけるくんがいなければ、ボクは心身共に壊されていたと思う。だからボクはたけるくんには感謝の気持ちしかない。
そんなたけるくんのことを、ボクは好きになった。好きにならないはずがないよね。
たけるくんがボクを救ってくれた日から、ずっとずっと。もうずっと好きなままで。
とうとう我慢出来なくなって、告白をした。
たけるくんはボクを受け入れてくれて。ボクのことを好きになってくれて。
一緒にデートを重ねるうちに、もっともっとボクのことを好きになってくれて。
幸せな時間がこれからはずっと続くんだって、ボクは無邪気に信じていて。
だけど唐突に、たけるくんはボクのことを忘れていた。
ボクのことを一番好きになってくれたことと、引き替えにして。
大きく息を吸い込む。
たけるくんはボクのことを忘れてしまった。だからボクも過去のとは忘れようと思った。
もういちどボクのことを好きになってもらえばいいんだ。
少しずつ近づいて、あんまり強く刺激を与えないようにしたら、きっとたけるくんはまたボクのことを好きになってくれる。病気を乗り越えてくれる。そう信じていた。
だからもういちど一から始めよう。
何度繰り返すことになったとしても、何度でも。
何度でも何度でも。ボクのことを好きになってもらうんだ。
そうしてボクは繰り返してきた。たけるくんがボクのことを忘れて、ボクはたけるくんに話しかけて。好きだという気持ちを取り戻してもらって。またボクのことを忘れて。
繰り返して、繰り返して。もう忘れられないくらいに記憶に強く塗り重ねられるそのときまで。ボクは何度でも繰り返すから。
たぶんボクと顔を合わせづらいのだろう。今でもまだぎくしゃくとしているように思う。
それでも少しでも会話が出来るようになっただけ、マシなのかもしれない。
ボクの名前は坂上こはる。でも少し前は戸田こはるという名前で、さらにその前は関根こはるという名前だった。
ボクの血縁上の父の名前が関根だった。でも正直ボクはお父さんのことはほとんど覚えていない。ボクが物心つく前に事故で死別したらしい。だからボクにとって家族というのはお母さんだけだ。
ボクが小学生の頃まではお父さんの姓を名乗っていた。でも中学生に上がる少し前にお母さんが再婚することになった。
ボクにはお父さんの記憶がないから、自分にもお父さんが出来るということに少し期待していたと思う。でも反面どこかで恐れてもいた。知らない男の人と暮らすことに困惑していたと言ってもいい。
そしてその恐れはむしろ悪い方で的中してしまった。
最初からボクを見る目にどこか嫌な雰囲気は感じていた。それでもお母さんが選んだ人なのだからと、見ないふりをしていた。気がつかないふりをしていた。
それでも初めのうちは特にこれという事はなかった。強いていうなら、女の子なのだから『ボク』はやめろと言われたくらいだろうか。
でもなかば反発するようにしてボクはボクと言い続けた。ボクは女の子じゃなくて、ボク自身なんだと強く心の中で思っていた。
でも何度か言われたその言葉の中に、時間と共に少しずつ違う空気を感じ出すようになっていた。
絡みつくような嫌らしい何かは、だけど仮にも『お父さん』なのだから、気のせいだと、何かの間違いだと思い込んでいた。思い込もうとしていた。
でもそれがいけなかったのだろう。
最初はお風呂や着替えをしている時に、わざと入ってくるくらいだった。怒るとごめんごめんと大して謝る気もなさそうに告げて、それでも外には出て行ってくれていた。
けど次第にそれはエスカレートしていって、あいつはやがてボクの体に触れるようになった。
はじめのうちは偶然を装っていたけれど、すぐに露骨に触れるようになっていった。怖くて、でも何も出来なくてその時のボクは耐える事しか出来なかった。
我慢していれば終わる。ボクが耐えなかったら、お母さんが苦しんでしまう。そんな風に思っていた。
幸いなことにまだ多少体を触れられた以上の事はなかった。
でももしもそのままの時間が過ぎていたのだとしたら、いつかはボクはあいつに汚されてしまっていたかもしれない。
体に触れられるのをこばもうとすると、あいつはボクを殴り飛ばした。汚い言葉でボクを罵っていた。そのたびにボクは恐怖を刻み込まれて、やがてボクはあいつに逆らうことができなくなっていった。
あいつはお母さんがいるところでは何もしてこない。お母さんから見えるようなところにも傷は作らない。お母さんにわからないようにしていて、だからボクも何も言えなかった。お母さんを傷つけたくなかった。そんなボクの気持ちを見透かしたかのように、あいつはボクを服従させるために暴力を振るった。
だからやがてボクはなるべく家に帰らずに、お母さんが帰ってくる時間まで街中をさまようようになっていた。
夜の街中をさまよって、なるべく人と会わずに済むように隠れるように歩き回っていた。
もしこの時に出会った人が悪い人だったのなら、ボクの未来は違ったものになっていたのかもしれない。
でもボクが出会ったのは、たけるくんだった。
たけるくんは何もできなくて公園で座り込んでいたボクに、話しかけてきてくれた。
『ずっとここにいるから、どうしたのかなって思って』
たけるくんの言葉はおっかなびっくりで、すごくぎくしゃくとしていて、ぎこちなくって。たぶん女の子と話すのはなれていなかったのだろう。それでもこの時のたけるくんがボクを助けようとしてくれたことは十分にわかった。
だからボクは思わず泣き出していた。
泣きながらボクの身に起きたことを話し始めた。
たけるくんはボクの話をじっと聞いてくれていた。何も言わずに、ただじっとボクの話を聞き続けてくれた。
たけるくんはボクの話をきくなり、何かを考えているようだった。それからお母さんが帰ってくる時間をきくと、一緒に家にいくといってくれた。
この時のたけるくんは知らない男の子だった。あいつと同じ男というだけで、どこかに恐れも感じていた。それでもこの時はたけるくんは、他の誰よりもボクのことをみてくれる気がしていた。
たけるくんは家に帰り着いたと同時に、あいつへとボクのことを問い詰めだしていた。
あいつは最初はしらばっくれていたみたいだったけど、あんまりにもたけるくんがしつこいものだからとうとう我慢が出来なくなったのだろう。
あいつはたけるくんを殴り飛ばした。
たけるくんはそれでもあいつを問い詰めようとした。
あいつはたけるくんを何度も殴り飛ばした。馬乗りになって、殴り続けていた。
やめて。やめてとボクは大声を漏らす。だけどあいつはやめようとしなくて、ボクはでも止めたくてあいつに近づいたけど、はね飛ばされて。
そしてあいつは何かをうめき声のように言葉を漏らしながら、たけるくんを殴り続けて。
そこにお母さんが帰ってきた。
あいつはいろいろとごまかそうとしたけれど、殴られ続けていたたけるくんがはっきりとした証拠になった。
その場で警察を呼んで、あいつは逃げ出したけど、でもすぐに警察に捕まった。
そのあとお母さんはボクの話をちゃんと聞いてくれた。警察もボクの言葉を疑いもしなかった。たけるくんが大きな怪我をしてでも、あいつの暴力の証拠を作ってくれたから。
たけるくんはお母さんが帰ってくる時間をみはからって、わざとあいつを怒らせたのだと言う。たぶんそういうやつは我慢が出来ないから、自分が殴られれば疑いなく犯行が認められると思うといっていた。
もちろん警察からは、あぶないことはしないようにと怒られていた。
こどもの浅知恵で本当に何かあったら取り返しがつかなくなったかもしれないとも言われたと思う。
確かにそうかもしれない。冷静に考えればもっとはやく他の大人を頼るべきだったのだろう。
それでもボクにとってはたけるくんは救世主だった。
ボクがただ話しただけなら、警察は信じてくれなかったかもしれない。お母さんも信じてくれなかったかもしれない。あいつは外面だけは良かったから、信じてもらえなかったかもしれない。たけるくんがわざと殴られてでも証拠を作ってくれたから事件になった。
事件になったからこそ警察もお母さんも信じてくれた。そうでなければ、誰も信じてくれなかったかもしれない。
そのあとはいろいろとあったけど、お母さんとあいつは離婚することになった。
そのときは心の底から安心できた。やっと救われたんだって思った。
あいつが今何をしているかは知らない。
でもボクの目の前からは消えていなくなった。
いまでもあいつのことを思い出すと、体が震えて止まらない。触れられていた時のおぞましさは、ボクの脳裏に強く焼き付いている。
だけどそれでもたけるくんがいてくれたから、ボクは救われたんだ。
ただこの事件以来、お母さんとボクの間にはちょっとした溝が出来た。
お母さんはたぶんボクに負い目を感じているのだと思う。表面は変わらないけど、ボクと目を合わせてくれることが少なくなった。そして今までよりもより仕事に精を出すようになって、家には戻らなくなった。
そんなお母さんにボクもどう接していけばいいのかわからなくなった。
もちろん母子家庭に戻ってしまったから、生活する上で仕事を増やさなければならないというのもあるとは思う。もともとお母さんはキャリア系で仕事がかなり忙しくて、そももそも家にはあまりいない人だった。
でもボクと顔を合わせづらいからなるべく家にいないようにしている、というのも多分ある気がする。
ボクはそのこともたけるくんに相談していた。
たけるくんは自分のせいでお母さんとの間に溝を作ってしまったと、悲しそうにしていたけれど、それはたけるくんのせいじゃない。あくまでボクとお母さんの間のことだ。たけるくんがいなければ、ボクは心身共に壊されていたと思う。だからボクはたけるくんには感謝の気持ちしかない。
そんなたけるくんのことを、ボクは好きになった。好きにならないはずがないよね。
たけるくんがボクを救ってくれた日から、ずっとずっと。もうずっと好きなままで。
とうとう我慢出来なくなって、告白をした。
たけるくんはボクを受け入れてくれて。ボクのことを好きになってくれて。
一緒にデートを重ねるうちに、もっともっとボクのことを好きになってくれて。
幸せな時間がこれからはずっと続くんだって、ボクは無邪気に信じていて。
だけど唐突に、たけるくんはボクのことを忘れていた。
ボクのことを一番好きになってくれたことと、引き替えにして。
大きく息を吸い込む。
たけるくんはボクのことを忘れてしまった。だからボクも過去のとは忘れようと思った。
もういちどボクのことを好きになってもらえばいいんだ。
少しずつ近づいて、あんまり強く刺激を与えないようにしたら、きっとたけるくんはまたボクのことを好きになってくれる。病気を乗り越えてくれる。そう信じていた。
だからもういちど一から始めよう。
何度繰り返すことになったとしても、何度でも。
何度でも何度でも。ボクのことを好きになってもらうんだ。
そうしてボクは繰り返してきた。たけるくんがボクのことを忘れて、ボクはたけるくんに話しかけて。好きだという気持ちを取り戻してもらって。またボクのことを忘れて。
繰り返して、繰り返して。もう忘れられないくらいに記憶に強く塗り重ねられるそのときまで。ボクは何度でも繰り返すから。
1
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
八年間の恋を捨てて結婚します
abang
恋愛
八年間愛した婚約者との婚約解消の書類を紛れ込ませた。
無関心な彼はサインしたことにも気づかなかった。
そして、アルベルトはずっと婚約者だった筈のルージュの婚約パーティーの記事で気付く。
彼女がアルベルトの元を去ったことをーー。
八年もの間ずっと自分だけを盲目的に愛していたはずのルージュ。
なのに彼女はもうすぐ別の男と婚約する。
正式な結婚の日取りまで記された記事にアルベルトは憤る。
「今度はそうやって気を引くつもりか!?」
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる