9 / 38
ボクはキミを忘れない
9.忘れないで済むように
しおりを挟む
少しずつ忘れられていくことに慣れていく自分がいた。
忘れられてしまうのなら、諦めてしまえばいいじゃないかとささやく自分がいた。
それが嫌で嫌で仕方なくて。忘れたくも諦めたくもなくて。なのにもうそうしてしまおうかと揺れてしまうボクは、情けなくて悲しくて。
ボクはこれからも、ずっと繰り返していけるのだろうか。ボクはこれから何度も忘れられてしまっても、たけるくんのことを好きなままでいられるのだろうか。
今回のように外からの情報によって急激に思い出した時には、強い衝撃を受けた分なのか、たけるくん自身もダメージを受けてしまうようだった。
それはめまいや吐き気といった身体症状をともなって、立っていられなくなるほどの状態に陥ってしまう。
あのあともたけるくんは気を失って倒れてしまった。慌てて保健室の先生を呼んで、数人がかりで保健室へと運んでいた。
少しずつ関係を深めて、もういちどボクのことを好きになってもらおう。そう思っていたけれど、たけるくんは自分が忘れていることに気がついてしまった。そのせいで急激に思い出してしまった。
たけるくんはあのあとしばらくして気がついて、自力で家に帰ったみたいだったけど、今までの例からしたら明日は熱を出す可能性は高い。
明日は学校にはこられないかもしれないなって、心の中で思う。たけるくんがいない学校は、きっと冷たくて暗いと思う。だからきっとボクは沈んだ様子を隠せないだろう。
そしてそんなボクの様子をみて、あいつも余計にボクの事を諦めてくれないのだろう。
客観的に考えればあいつの言うとおりにたけるくんの事を忘れてしまって、他の人とつきあった方がいいのかもしれない。あいつの言葉はボクをいらつかせるけれど、でもボクのことを思って言ってくれているのだけはわかる。
あいつの言う通りにすれば、ボクはそれで苦しまずにすむ。たけるくんも余計な苦しみを受けなくてすむ。あいつのことを好きになれれば、すべて解決するのかもしれない。
だけどボクはたけるくんが好きな気持ちを消し去ることなんて出来なかった。忘れてしまうことなんて出来なかった。たけるくんが何度忘れてしまうのだとしても、ボクは覚えてる。絶対に忘れないと思う。
ボクにはたけるくんしかいない。たけるくんが好きなんだ。
でもたけるくんはボクの事を忘れてしまう。ボクの事を覚えていてはくれない。
ボクはどうしたらいいんだろう。このまま何度も繰り返したとしても、ボクは前に進むことが出来るのだろうか。たけるくんの病気が治って、ボクのことを思い出してくれるのだろうか。
不安がボクを包み込んで、いつも迷いを覚えさせる。
いつかはたけるくんはボクのことを忘れないでくれる日はくるのだろうか。
ボクはいつまでこうして繰り返せばいいんだろう。
終わりの見えない日々は、ボクの心を徐々にすり減らしていた。
泣き出しそうに、投げ出しそうになることもあった。何度となくこんなに辛い想いをして、どうして繰り返しているのだろう。そう思ったこともあった。
だけどボクは、たけるくんが好きだから。だから諦めることは出来なかった。
ボクのことを助けてくれたたけるくん。たけるくんがいなければ、いまボクはここにいなかったかもしれない。
だからボクはたけるくんのそばにいる。
たけるくんはボクのことを一番好きになってくれた時に、サッカーへの気持ちを思いだしていた。それは本当に大好きだったサッカーよりも、ボクのことを好きになってくれたってことなんだろう。
それはうれしいはずのことなのに、悲しいことでもあった。
だったらボクのことを二番目に好きでいてくれれば、たけるくんはボクを忘れないでいてくれる。だからほどほどに好きになってもらえれば。そんなことも思ったこともあった。
でもそれは出来ない。
たけるくんはボクのことを忘れてしまった。だけど。いやだからこそ。たけるくんにとっては、ボクのことを一番好きだと。一番に考えてくれているってことだから。
たけるくんはまだ忘れてしまった心の奥底で、ボクのことを好きでいてくれるはずだから。
ボクはその気持ちに答えなければいけない。
胸の中が痛い。
ボクのことを忘れないでほしい。覚えていてほしい。
だけど忘れてほしい。
ボクのことを一番好きでいてほしい。
だけど忘れないでほしい。
むちゃくちゃな感情がボクの中を泳いでは消えていく。
それはわがままで、自分勝手で、もしかしたらたけるくんに辛い想いをさせているだけなのかもしれない。
それでもボクはたけるくんのことが好きだから。好きでいてほしいから。
だから諦められなくて。
ボクはただ部屋の中から空を見上げた。
何も見えない天井は、ボクの心の中に重くのしかかってくるように思えた。
それでもボクはたけるくんのことが好きだから。たけるくんと一緒にいたいから。だから何度でもボクはキミの前に現れるよ。キミがボクのことを忘れてしまったとしても、ボクはキミのことを忘れない。
大好きな君のそばにいるために。
そしてキミがボク以外のことを忘れてしまわずに済むように。
忘れられてしまうのなら、諦めてしまえばいいじゃないかとささやく自分がいた。
それが嫌で嫌で仕方なくて。忘れたくも諦めたくもなくて。なのにもうそうしてしまおうかと揺れてしまうボクは、情けなくて悲しくて。
ボクはこれからも、ずっと繰り返していけるのだろうか。ボクはこれから何度も忘れられてしまっても、たけるくんのことを好きなままでいられるのだろうか。
今回のように外からの情報によって急激に思い出した時には、強い衝撃を受けた分なのか、たけるくん自身もダメージを受けてしまうようだった。
それはめまいや吐き気といった身体症状をともなって、立っていられなくなるほどの状態に陥ってしまう。
あのあともたけるくんは気を失って倒れてしまった。慌てて保健室の先生を呼んで、数人がかりで保健室へと運んでいた。
少しずつ関係を深めて、もういちどボクのことを好きになってもらおう。そう思っていたけれど、たけるくんは自分が忘れていることに気がついてしまった。そのせいで急激に思い出してしまった。
たけるくんはあのあとしばらくして気がついて、自力で家に帰ったみたいだったけど、今までの例からしたら明日は熱を出す可能性は高い。
明日は学校にはこられないかもしれないなって、心の中で思う。たけるくんがいない学校は、きっと冷たくて暗いと思う。だからきっとボクは沈んだ様子を隠せないだろう。
そしてそんなボクの様子をみて、あいつも余計にボクの事を諦めてくれないのだろう。
客観的に考えればあいつの言うとおりにたけるくんの事を忘れてしまって、他の人とつきあった方がいいのかもしれない。あいつの言葉はボクをいらつかせるけれど、でもボクのことを思って言ってくれているのだけはわかる。
あいつの言う通りにすれば、ボクはそれで苦しまずにすむ。たけるくんも余計な苦しみを受けなくてすむ。あいつのことを好きになれれば、すべて解決するのかもしれない。
だけどボクはたけるくんが好きな気持ちを消し去ることなんて出来なかった。忘れてしまうことなんて出来なかった。たけるくんが何度忘れてしまうのだとしても、ボクは覚えてる。絶対に忘れないと思う。
ボクにはたけるくんしかいない。たけるくんが好きなんだ。
でもたけるくんはボクの事を忘れてしまう。ボクの事を覚えていてはくれない。
ボクはどうしたらいいんだろう。このまま何度も繰り返したとしても、ボクは前に進むことが出来るのだろうか。たけるくんの病気が治って、ボクのことを思い出してくれるのだろうか。
不安がボクを包み込んで、いつも迷いを覚えさせる。
いつかはたけるくんはボクのことを忘れないでくれる日はくるのだろうか。
ボクはいつまでこうして繰り返せばいいんだろう。
終わりの見えない日々は、ボクの心を徐々にすり減らしていた。
泣き出しそうに、投げ出しそうになることもあった。何度となくこんなに辛い想いをして、どうして繰り返しているのだろう。そう思ったこともあった。
だけどボクは、たけるくんが好きだから。だから諦めることは出来なかった。
ボクのことを助けてくれたたけるくん。たけるくんがいなければ、いまボクはここにいなかったかもしれない。
だからボクはたけるくんのそばにいる。
たけるくんはボクのことを一番好きになってくれた時に、サッカーへの気持ちを思いだしていた。それは本当に大好きだったサッカーよりも、ボクのことを好きになってくれたってことなんだろう。
それはうれしいはずのことなのに、悲しいことでもあった。
だったらボクのことを二番目に好きでいてくれれば、たけるくんはボクを忘れないでいてくれる。だからほどほどに好きになってもらえれば。そんなことも思ったこともあった。
でもそれは出来ない。
たけるくんはボクのことを忘れてしまった。だけど。いやだからこそ。たけるくんにとっては、ボクのことを一番好きだと。一番に考えてくれているってことだから。
たけるくんはまだ忘れてしまった心の奥底で、ボクのことを好きでいてくれるはずだから。
ボクはその気持ちに答えなければいけない。
胸の中が痛い。
ボクのことを忘れないでほしい。覚えていてほしい。
だけど忘れてほしい。
ボクのことを一番好きでいてほしい。
だけど忘れないでほしい。
むちゃくちゃな感情がボクの中を泳いでは消えていく。
それはわがままで、自分勝手で、もしかしたらたけるくんに辛い想いをさせているだけなのかもしれない。
それでもボクはたけるくんのことが好きだから。好きでいてほしいから。
だから諦められなくて。
ボクはただ部屋の中から空を見上げた。
何も見えない天井は、ボクの心の中に重くのしかかってくるように思えた。
それでもボクはたけるくんのことが好きだから。たけるくんと一緒にいたいから。だから何度でもボクはキミの前に現れるよ。キミがボクのことを忘れてしまったとしても、ボクはキミのことを忘れない。
大好きな君のそばにいるために。
そしてキミがボク以外のことを忘れてしまわずに済むように。
10
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる