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後日譚
麦わら帽子と夏の記憶 2
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おそらく人間ではないだろう。この辺りに人がすむ集落はすでにないし、それなら明かりくらいはつけていると思う。
ただかき鳴らしている音はかなり大きい。もしかして熊とかとも思うけれど、熊はこの地方ではすでに絶滅したはずだ。だとしたらイノシシか、それとも野犬か。
何にしても厄介な事になった。車の中にいる限り手は出せないとは思うけれど、見えない場所に何かがいるというのは、それだけで恐怖を駆り立てる。
喉の奥が渇く。だけど気がつかれないように息を潜める。
同時に強い衝撃が走った。がたがたと車ごと揺れる。
車に何かが体当たりでもしたのだろうか。まさか本当に熊が。それとももしかして何か霊的なものが。
神様が本当にいるのだから、霊だっていてもおかしくない。
ぶるぶると体が震えた。何がいるのかもわからない。
だけどそこまで考えて、霊がもしいるのだとしたら、それはお父さんやお母さんかもしれない。もしもそうなら逢いたい。逢いたいよ。お父さん、お母さん。
私は気がつくと涙をこぼしていた。
再びどんっと鈍い音が響く。何かがもういちど車に体当たりしたのだろう。
そのことへの恐怖なのか、それとも寂しさからきたものなのか、私は体を震わせて、ぎゅっとまぶたを閉じる。
ただ何かの衝撃はとまらない。どんっどんっと何度も車を打ち付けてくる。
「……謙人さん……!」
思わずここにいない人の名前を呼ぶ。
だけどもちろんそれが届くはずはなかった。謙人さんは遠い所に行ってしまっているのだから、ここにこられるはずもない。
そしてその瞬間、何かが大きく飛び跳ねてボンネットの上にあがってくる。
暗闇の中なので何かはわからない。ただかなり大きい事だけはわかった。ボンネットの上いっぱいにその体を広げていた。
二つの光る何かが見えた。それは私をはっきりと認識すると、そのままゆっくりとフロントガラスの方へと近づいてくる。
「……助けて……! 謙人さん……!!」
もういちど謙人の名前を呼んだ時だった。
不意に光が走った。同時に小さな何かがボンネットの上にいる何かに飛びついているのが見えた。
暗闇の中だけに何が起きているのかわからない。
だけど確かに何かがボンネットの上のそれを追い払っていたようだった。それは慌ててどこかに向かっていったようで、音を立てながら遠ざかっていく。
『やれやれ。もうずいぶん時間が経つというのに泣き虫なのはまるで変わっていないのかい』
その声は響いた。どこか幼い少女のような声。
私はその声の主を知っている。
ずっともういちど逢いたいと願っていた声。
だけど姿は見てとる事ができない。それもそうだろう。その声が私の思うとおりだとすれば、黒はかき消されて見えるはずもない。
「ミーシャ。ミーシャなの!?」
思わず漏らした名前に、その声は答える。
『君が思い描いている彼女は、もうずっと前にいなくなった。だから違うとも言える。だけどボクには君といた記憶はまだ残っているからね。だからそうだとも言える』
その声の主は姿をはっきりと現さずに、だけどボンネットの上にいる事だけはわかった。星明かりがわずかにその姿を照らしていて、シルエットだけを覗かせていた。
『ま、ボクが何者かだなんて大して意味がある事じゃない。それよりどうしてこんなところにいるんだい。こんな時間に一人でいるのは危険だよ。まさかイノシシとデートしにきた訳じゃあないだろう。もしそうなら邪魔をしてしまったかもしれないけどね』
相変わらずの皮肉めいた口調に、私は思わず笑みを漏らしていた。
ミーシャがそういうからには、さっきの獣はたぶんイノシシだったのだろう。イノシシってけっこう大きいんだなとどうでもいい事を思う。
「祠を直しにきたの。本当はもっと早くきたかったんだけど。ここは簡単にはこられないから」
私の言葉にミーシャは鼻を鳴らして応える。
『ふうん。道理で昼間賑やかだと思ったよ。おかげで思ったよりも早く目が覚めたけどね。ま、しかし。君の事はよく知っているけれど、こんなところでうっかり車のバッテリーを上げてしまうなんて、相変わらず君はボクの想像を超えてくるね』
「……それほめてないでしょ」
『もちろん』
「いじわる……」
すねた口調で告げるものの、彼女は全く何も動じた様子はない。
それどころかなぜここにいるかと訊いておきながら、理由もはっきり知っているのだから、彼女はあの頃と何も変わってはいない。
それが嬉しくて、私はミーシャに声をかける。
「ねぇ。ミーシャ。私と一緒に街にいかない? また一緒に暮らしたいよ」
ミーシャとはずっと一緒に過ごしてきた。また共に過ごせるなら、そうしたいと思った。
『それは無理だね。ボクはここから離れられないし、それに』
ミーシャは少しだけ声をためて答える。
『赤ん坊には野生の動物といるのは良くないだろう』
「え!? 赤ちゃん!?」
ミーシャの声に思わず私はお腹を手で押さえる。
私に赤ちゃんが出来ているなんて事は想像もしていなかった。だけど言われてみれば心当たりはある。最近体調が悪いとばかりずっと思っていたけれど、もしかしたらつわりだったのだろうか。普段不順な事も多いから、全く気がついていなかった。
『気がついていなかったのかい。やれやれ。君は少しばかりうっかりしすぎなんじゃないか。これでは謙人も大変だろう。……そういえば謙人は一緒じゃないのかい』
ミーシャの言葉に私は少し顔を伏せる。
謙人は私を置いて遠い場所にいってしまった。だからここには来たくても来られない。
悲しげな顔でうつむく私に、ミーシャは再び呆れたような声を漏らす。
『アメリカ出張くらいで、そんな大げさな事を想わなくてもいいと思うけどね。そう思うなら君もついていけば良かったじゃないか。謙人のお兄さんは許してくれるだろう』
「だって飛行機怖いんだもん……。というか、ミーシャはやっぱり知ってて訊いてんだね。いじわる」
『有子《ゆうこ》は大人になってもまるで変わっていないね。ま、良いのか悪いのかわからないよ』
「有子って言わないで。ありす、ありすって呼んで……。違うの。もう、私は有子なの」
あの頃を事を思い出して、思わず口走りそうになった台詞。
だけどもう私は『うそ』をついてはいない。つく必要もない。
だけど戻れるのなら、もういちど『うそつき』だった頃に戻りたいとも思う。
だから今日、私は麦わら帽子をきて三つ編みにしてきたし、コンタクトじゃなくて眼鏡をつけてきた。そうしたらあの時に少しは戻れるような気がしたから。もういちどみんなに逢いたかったから。
だけどそれでも私はもう『有子』なんだ。
みんなに逢いたいけれど、だけど時間を戻したい訳ではない。
『ふふ。そのやりとりもなつかしいね。でももう君は魔法を使う事はできないし、使う必要もない。君はもう魔女じゃない。そうだろ。四月一日《わたぬき》有子さん』
ミーシャの言葉に私は頷く。
謙人さんと結婚して、それなりの月日が流れている。その事もミーシャは知っているということは、やっぱり神様はずっと私達の事を見てくれていたのだろう。
『ま、どちらにしてもボクはまだもう少し眠る必要がある。だから君とは一緒にいけないんだ。今は懐かしい顔に、思わず出てきてしまっただけ。今も少しばかり力を使ったから、もう少し眠るのが長くなるかもね。でもま、せっかくだから車は使えるようにしておいてあげるよ。気をつけて帰るんだね』
ミーシャが告げると同時に車のエンジンが音を立てて動き出した。
このまましばらくすれば上がってしまったバッテリーも息を吹き返す事だろう。
『じゃあ、おやすみ』
ミーシャは気軽な声で告げると、ボンネットの上にあったはずのシルエットは消えていく。
「ミーシャ! ありがとう。きっと、きっとね。いつかまたここにくるから。だからその時はちゃんと姿を見せてね……!」
私は大きな声で告げるが、もうその言葉に返事は無かった。
神様は確かにここにいる。私達を見てくれている。
だから私はまたいつもの毎日に戻ろう。
いつかまた再び会える日がくるまで。
了
ただかき鳴らしている音はかなり大きい。もしかして熊とかとも思うけれど、熊はこの地方ではすでに絶滅したはずだ。だとしたらイノシシか、それとも野犬か。
何にしても厄介な事になった。車の中にいる限り手は出せないとは思うけれど、見えない場所に何かがいるというのは、それだけで恐怖を駆り立てる。
喉の奥が渇く。だけど気がつかれないように息を潜める。
同時に強い衝撃が走った。がたがたと車ごと揺れる。
車に何かが体当たりでもしたのだろうか。まさか本当に熊が。それとももしかして何か霊的なものが。
神様が本当にいるのだから、霊だっていてもおかしくない。
ぶるぶると体が震えた。何がいるのかもわからない。
だけどそこまで考えて、霊がもしいるのだとしたら、それはお父さんやお母さんかもしれない。もしもそうなら逢いたい。逢いたいよ。お父さん、お母さん。
私は気がつくと涙をこぼしていた。
再びどんっと鈍い音が響く。何かがもういちど車に体当たりしたのだろう。
そのことへの恐怖なのか、それとも寂しさからきたものなのか、私は体を震わせて、ぎゅっとまぶたを閉じる。
ただ何かの衝撃はとまらない。どんっどんっと何度も車を打ち付けてくる。
「……謙人さん……!」
思わずここにいない人の名前を呼ぶ。
だけどもちろんそれが届くはずはなかった。謙人さんは遠い所に行ってしまっているのだから、ここにこられるはずもない。
そしてその瞬間、何かが大きく飛び跳ねてボンネットの上にあがってくる。
暗闇の中なので何かはわからない。ただかなり大きい事だけはわかった。ボンネットの上いっぱいにその体を広げていた。
二つの光る何かが見えた。それは私をはっきりと認識すると、そのままゆっくりとフロントガラスの方へと近づいてくる。
「……助けて……! 謙人さん……!!」
もういちど謙人の名前を呼んだ時だった。
不意に光が走った。同時に小さな何かがボンネットの上にいる何かに飛びついているのが見えた。
暗闇の中だけに何が起きているのかわからない。
だけど確かに何かがボンネットの上のそれを追い払っていたようだった。それは慌ててどこかに向かっていったようで、音を立てながら遠ざかっていく。
『やれやれ。もうずいぶん時間が経つというのに泣き虫なのはまるで変わっていないのかい』
その声は響いた。どこか幼い少女のような声。
私はその声の主を知っている。
ずっともういちど逢いたいと願っていた声。
だけど姿は見てとる事ができない。それもそうだろう。その声が私の思うとおりだとすれば、黒はかき消されて見えるはずもない。
「ミーシャ。ミーシャなの!?」
思わず漏らした名前に、その声は答える。
『君が思い描いている彼女は、もうずっと前にいなくなった。だから違うとも言える。だけどボクには君といた記憶はまだ残っているからね。だからそうだとも言える』
その声の主は姿をはっきりと現さずに、だけどボンネットの上にいる事だけはわかった。星明かりがわずかにその姿を照らしていて、シルエットだけを覗かせていた。
『ま、ボクが何者かだなんて大して意味がある事じゃない。それよりどうしてこんなところにいるんだい。こんな時間に一人でいるのは危険だよ。まさかイノシシとデートしにきた訳じゃあないだろう。もしそうなら邪魔をしてしまったかもしれないけどね』
相変わらずの皮肉めいた口調に、私は思わず笑みを漏らしていた。
ミーシャがそういうからには、さっきの獣はたぶんイノシシだったのだろう。イノシシってけっこう大きいんだなとどうでもいい事を思う。
「祠を直しにきたの。本当はもっと早くきたかったんだけど。ここは簡単にはこられないから」
私の言葉にミーシャは鼻を鳴らして応える。
『ふうん。道理で昼間賑やかだと思ったよ。おかげで思ったよりも早く目が覚めたけどね。ま、しかし。君の事はよく知っているけれど、こんなところでうっかり車のバッテリーを上げてしまうなんて、相変わらず君はボクの想像を超えてくるね』
「……それほめてないでしょ」
『もちろん』
「いじわる……」
すねた口調で告げるものの、彼女は全く何も動じた様子はない。
それどころかなぜここにいるかと訊いておきながら、理由もはっきり知っているのだから、彼女はあの頃と何も変わってはいない。
それが嬉しくて、私はミーシャに声をかける。
「ねぇ。ミーシャ。私と一緒に街にいかない? また一緒に暮らしたいよ」
ミーシャとはずっと一緒に過ごしてきた。また共に過ごせるなら、そうしたいと思った。
『それは無理だね。ボクはここから離れられないし、それに』
ミーシャは少しだけ声をためて答える。
『赤ん坊には野生の動物といるのは良くないだろう』
「え!? 赤ちゃん!?」
ミーシャの声に思わず私はお腹を手で押さえる。
私に赤ちゃんが出来ているなんて事は想像もしていなかった。だけど言われてみれば心当たりはある。最近体調が悪いとばかりずっと思っていたけれど、もしかしたらつわりだったのだろうか。普段不順な事も多いから、全く気がついていなかった。
『気がついていなかったのかい。やれやれ。君は少しばかりうっかりしすぎなんじゃないか。これでは謙人も大変だろう。……そういえば謙人は一緒じゃないのかい』
ミーシャの言葉に私は少し顔を伏せる。
謙人は私を置いて遠い場所にいってしまった。だからここには来たくても来られない。
悲しげな顔でうつむく私に、ミーシャは再び呆れたような声を漏らす。
『アメリカ出張くらいで、そんな大げさな事を想わなくてもいいと思うけどね。そう思うなら君もついていけば良かったじゃないか。謙人のお兄さんは許してくれるだろう』
「だって飛行機怖いんだもん……。というか、ミーシャはやっぱり知ってて訊いてんだね。いじわる」
『有子《ゆうこ》は大人になってもまるで変わっていないね。ま、良いのか悪いのかわからないよ』
「有子って言わないで。ありす、ありすって呼んで……。違うの。もう、私は有子なの」
あの頃を事を思い出して、思わず口走りそうになった台詞。
だけどもう私は『うそ』をついてはいない。つく必要もない。
だけど戻れるのなら、もういちど『うそつき』だった頃に戻りたいとも思う。
だから今日、私は麦わら帽子をきて三つ編みにしてきたし、コンタクトじゃなくて眼鏡をつけてきた。そうしたらあの時に少しは戻れるような気がしたから。もういちどみんなに逢いたかったから。
だけどそれでも私はもう『有子』なんだ。
みんなに逢いたいけれど、だけど時間を戻したい訳ではない。
『ふふ。そのやりとりもなつかしいね。でももう君は魔法を使う事はできないし、使う必要もない。君はもう魔女じゃない。そうだろ。四月一日《わたぬき》有子さん』
ミーシャの言葉に私は頷く。
謙人さんと結婚して、それなりの月日が流れている。その事もミーシャは知っているということは、やっぱり神様はずっと私達の事を見てくれていたのだろう。
『ま、どちらにしてもボクはまだもう少し眠る必要がある。だから君とは一緒にいけないんだ。今は懐かしい顔に、思わず出てきてしまっただけ。今も少しばかり力を使ったから、もう少し眠るのが長くなるかもね。でもま、せっかくだから車は使えるようにしておいてあげるよ。気をつけて帰るんだね』
ミーシャが告げると同時に車のエンジンが音を立てて動き出した。
このまましばらくすれば上がってしまったバッテリーも息を吹き返す事だろう。
『じゃあ、おやすみ』
ミーシャは気軽な声で告げると、ボンネットの上にあったはずのシルエットは消えていく。
「ミーシャ! ありがとう。きっと、きっとね。いつかまたここにくるから。だからその時はちゃんと姿を見せてね……!」
私は大きな声で告げるが、もうその言葉に返事は無かった。
神様は確かにここにいる。私達を見てくれている。
だから私はまたいつもの毎日に戻ろう。
いつかまた再び会える日がくるまで。
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