『私に嫌われて見せてよ』~もしかして私、悪役令嬢?! ~

伊織愁

文字の大きさ
23 / 27

23話

しおりを挟む
 芸術祭は滞りなく終わり、ダンスパーティーが講堂で行われた。 執行委員と生徒会のメンバーは、講堂に並べた椅子を片付け、校舎の空き教室の展示ブースの片付けがある。

 リュシアンは生徒会長と芸術祭の後のダンスパーティーの進行を話し合い、準備の指示をしていた。

 生徒会長の背後で慌てた様に駆け寄って来たアンリの姿が見える。 眉を顰めたリュシアンは、目線だけでアンリに止まるよう促した。

 「会長、少しだけ失礼します」
 「ああ」

 アンリに近寄り、理由を尋ねたが、少しだけ声が沈んでいた。

 「先程、教師から聞いたのですが、展示ブースで闇妖精が暴れたそうです。 しかも、闇妖精を収めたのはエディット様です。 我々も例の木箱の取引を掴んでいませんでした。 申し訳ありません、私の落ち度です」
 「エディは無事なのかっ?!」
 「はい、ご無事です。 エディット様は闇妖精と契約をされてますから、闇妖精の解呪の術を行い、何事もなかったようです」
 「そうか、良かった」

 リュシアンの青ざめた顔がエディの無事を知り、胸を撫で下ろす。 アンリの事だから、リュシアンが指示を出さなくとも、木箱をもう調べているだろう。

 「で、木箱はガッドの倉庫から出荷された物で間違いないか?」
 「はい、近く大きな取引がある事を掴んでいます。 わざと知られるように、流している所を見ると……」
 「私を嵌めようとしているのか?」
 「おそらく、前からあった殿下の『闇妖精を使っている』という噂を利用しようと考えている様です」
 「分かった。 闇妖精は全て何処かへ消えたのか?」
 「いえ、姿は見えませんが、校舎の何処かで残っているみたいです。 エディット様に助けられた事を恩義に感じて証人になると、名乗り出ていますので、出番までは遠くには行っておりません」

 暫し考えたリュシアンは、口元に笑みを広げた。

 「なら、そろそろ挑発でもしようか」

 何かを企み、いやらしい笑みを浮かべるリュシアンは、いつもの爽やかな笑みを浮かべる王子には、とても見えない。 アンリから無言の圧を感じたが、リュシアンは思いっきり無視をした。

 ◇

 執行委員の仕事を終えて家路に着くと、メイドから身体を磨き上げられ、リュシアンから贈られて来たドレスに身を包む。 エディのドレス姿を瞳に映すメイドたちの表情は、恍惚としていた。

 うっとりと絡みつく視線は止めて欲しいが、エディはメイドたちにお礼を言った。

 「ありがとう、皆。 いつも以上に素敵に仕上げてくれて、とても嬉しいわ」
 「「「「いいえ、お嬢様が美しすぎるのですっ!」」」」

 一人のメイドが自慢げにエディを称賛し、他のメイドたちも続く。
 
 「ふふっ、お嬢様が今日一で美しいですわっ! お嬢様より、美しい方など何処を探してもいませんわっ!」
 「寧ろ、居たらびっくりですわっ、連れて来いって感じですっ!」
 「本当に、お嬢様が一番ですわ! 連れてきたら、化粧を落として素顔を見てやりますわっ」
 「とても綺麗ですわ、お嬢様。 そんなご令嬢、連れてきたらドレスを脱がして、何処まで補正しているか見てやりますわっ!」
 「うん……ありがとう」

 メイドの語尾は気になるが、彼女たちの言葉を信じようと、エディは頬を引き攣らせながら、笑みを浮かべた。

 「お嬢様、本当に綺麗ですよっ! 自信を持って下さいっ」

 大袈裟に称賛してくるロジェに苦笑を漏らし、エディは玄関扉へ向かった。

 執事と執事見習いが玄関の扉を開ける。 玄関前には王家の馬車が停まっており、馬車の前には、煌びやかな正装をしたリュシアンの姿があった。

 「エディ、とても綺麗だよ。 もし君よりも綺麗な令嬢が居たなら、私はその令嬢を亡き者にするかもしれない」
 
 リュシアンが手を差し出しながら、物騒な事を口にする。 メイドたちが言っていた事が聞こえていたらしい。 『手を取りづらいだろう』とエディは溜息を吐いた。

 リュシアンの手を取りながらエディは口を開く。

 「リュシアンも素敵ですよ。 物騒な事はなさらないで、でも、お気持ちは分かりますわ。 わたくしもリュシアンよりも素敵な方がいらしたら、亡き者にするかもしれませんわ」

 と冗談と受け取って答えておく。 リュシアンは軽く笑みを浮かべ、エディを馬車までエスコートしてくれる。 乗り込むとすぐに、隣に座ったリュシアンが抱きしめて来た。

 「り、リュシアンっ?!」
 「良かった、無事で。 何ともないと分かっていても、顔を見るまでは凄く心配した」
 「心配をかけてごめんなさいっ、直ぐに報告をしようと思っていたのよ。 でも、もう、芸術祭も始まっていたし……。 皆に余計な不安を抱かせるのも、申し訳なくて……」
 「分かっているよ、エディ。 でも、心配はする」
 「はい、で、あの木箱の調べはついているのよねっ?!」
 「君って人はっ……今、とてもいい雰囲気だと思っいてたのにっ……口づけくらいしたいのだけど」

 リュシアンに顎を取られ、顔を少し上げられる。 エディは驚きの表情をして仰け反った。 背中を背もたれに押し付ける。

 「な、なんで……今の雰囲気でそんな事にっ?!」
 「うん、何でって……うん、いや、そうだね。 続きはまた今度って事で」

 にっこりと黒い笑みを浮かべるリュシアンから、次は止めないからねと、笑みの圧が凄かった。

 馬車は学園の門前でゆっくりと停まった。 エディを馬車から降ろし、リュシアンのエスコートで講堂へ向かう。 リュシアンの腕を取りながら、エディは思考する。

 「あの、僭越ながら申し上げてもよろしいですか?」

 周囲に学生が居るので、エディは堅苦し話し方で話した。 何処なく笑みを浮かべるリュシアンは少しだけ寂しそうに見える。 エディ自身も他人行儀な話し方に寂しさを覚えているからのか。

 (あれ? 前はこの話し方が普通だったのに? なんで、少しだけ寂しいのかしら?)

 中々、話し出さないエディにリュシアンは頭に疑問符を乗せている。 リュシアンの腕を少しだけ強く引き、手を添えて耳元で囁いた。

 「ブリエ嬢にハニートラップを仕掛けるなら、彼女をエスコートした方がいいじゃない?」

 少しだけ口調を崩す。 意図を察したリュシアンは、嬉しそうな笑みを広げ、同じようにエディの耳元に手を添えて囁いた。

 「彼女はプライドが高いだろう? 私の事を落とせると思っていたのに、蓋を開ければ私がそばに居ないと知ったら、暴走するはずだ。 直ぐにでも闇妖精を探して創造主に祈りを捧げて、願いを請う」
 「彼女の願いを知っているの?」
 「まぁ、大体は想像がつく。 でも、彼女の願いは届かないけどね。 エサは撒いて置いた。 でもね、虹色の魔力を保持していても、直ぐに願いが叶う訳ではないんだ。 願いを叶えるには条件が居るんだ」
 
 自信満々で宣うリュシアンに、エディは深い溜息を吐いた。

 「ブリエ嬢の願いが叶わないという自信は何処から来るんです?」
 「ふふっ、確かな裏付けがあるんだよ。 だからね、エディも彼女を挑発してほしい」
 「挑発ですか? でも、先に創造主へ祈りを捧げられるのは、不味いんじゃないかしら?」
 「大丈夫だよ。 私の目的は、最初から彼女を祭壇の前へ立たせることだからね」
 
 リュシアンの言っている事が分からず、エディは首を傾げた。

 「彼女は、創造主に祈りを捧げた事がないの? いくらなんでもそれはないと思うけれど……」
 「昔はあったかもしれないけど、調べたところによると、学園に入学してからは一度もないね」
 
 リュシアンの話に『そんな人も居るのか』、と少しだけ呆れてしまった。 ふとリュシアンが切なげな眼差しで見つめて来た。 エディの心臓が大きく跳ねた。

 「エディ、ダンスパーティーが終った後、私の宮へ来てほしい」

 リュシアンと身を寄せ合って話している姿は、講堂へ集まる生徒たちの目に留まる事となり、エディの知らぬ間に、生徒の間で二人は仲睦まじいと言う噂が芸術祭の後に広がった。

 講堂へ入ると、ダンスパーティーは既に生徒会長の音頭で始まっており、エディは突き刺さる様な令嬢たちからの視線と、見守る様な生暖かい生徒たちの視線を集める事になった。

 リュシアンは『皆の王子様』なのだ。 婚約者だとしても一人占めは許されないと、令嬢たちの醸し出すオーラがとても恐ろしい。 厳しい眼差しを送って来る令嬢の中に、ブリエ嬢も居た。

 「エディ、今日のドレス、本当に似合っているよ」

 リュシアンは王子の微笑みを浮かべ、エディに手を差し出してくる。 ファーストダンスのお誘いだ。 エディは淑女の笑みを浮かべ、差し出された手を取る。

 「リュシアン王太子殿下も、とても素敵ですわ」

 綺麗にお辞儀をしてエディにダンスを請う姿は、皆が求める王子様だ。 ダンスホールの中央へ移動してお互いにお辞儀をする。

 エディが優雅にターンを披露すると、リュシアンとのダンスが始まった。

 何曲も一緒にダンス曲を練習した。 幼い頃は手足も短く、力もなくてお互いを支えられなくて、よく床へ倒れ込んだ。 今は息ピッタリにタイミングを合わせられる。 リフティングも思うままだ。

 講堂の端で立っていたロジェから、リラが講堂に居ると知らせる合図が送られくる。

 ロジェの合図で意味深にリュシアンと見つめ合った。 お互いが想い合っている様な表情で踊る二人の姿を周囲で見ている生徒たちはうっとりと見つめていた。 多くの生徒たちの視線を独り占めし、すました顔をしているが、エディは内心では緊張で張り詰めている。

 何処かで木片が折れたような音を小さく鳴らした。

 リュシアンとエディの視界に、凄い形相で睨みつけて来るリラの姿が映った。 リラが持っている扇子が真っ二つに折れているのが見えた。 二人の脳内で『掛かった』と声が揃った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~

しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。 豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。 ――食事が、冷めているのだ。 どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。 「温かいごはんが食べたい」 そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。 地下厨房からの高速搬送。 専用レーンを爆走するカートメイド。 扉の開閉に命をかけるオープナー。 ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!? 温かさは、ホッとさせてくれる。 それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。 冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、 食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ! -

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※

愛しいあなたは竜の番

さくたろう
恋愛
 前世で無惨に処刑された記憶を持つ少女フィオナは、今世では幼い頃から番である竜族の王に保護されて塔の中で大切に育てられていた。  16歳のある日、敵国の英雄ルイが塔を襲撃しにきたが、なんとフィオナは彼に一目惚れをしてしまう。フィオナを人質にするために外へと連れ出したルイも、次第に彼女に離れがたい想いを感じ始め徐々に惹かれていく。  竜人の番として育てられた少女が、竜を憎む青年と恋に落ちる物語。 ※小説家になろう様に公開したものを一部省略して投稿する予定です。 ※全58話、一気に更新します。ご了承ください。

さようなら、私を「枯れた花」と呼んだ貴方。~辺境で英雄を救って聖女と呼ばれたので、没落した元婚約者の謝罪は受け付けません~

阿里
恋愛
「お前のような見栄えの悪い女は、俺の隣にふさわしくない」 婚約者アレクに捨てられ、辺境へ追いやられたセレナ。 けれど、彼女が森で拾ったのは、アレクなど足元にも及ばないほど強くて優しい、呪われた英雄ライアンだった。 セレナの薬草が奇跡を起こし、王都を救う特効薬となったとき、かつて自分を捨てた男との再会が訪れる。 「やり直そう」と縋り付くアレクに、セレナは最愛の人と寄り添いながら静かに微笑む。 ――あなたが捨てたのは、ただの影ではなく、あなたの未来そのものだったのですよ。

処理中です...