『私に嫌われて見せてよ』~もしかして私、悪役令嬢?! ~

伊織愁

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24話

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 リュシアンの想像通り、リラはダンスパーティーが始まる前、闇妖精の騒動があったと知り、闇妖精を探して芸術祭の後、片付けられた空き教室を回っていた。 今は、芸術祭の片付けも終わり、講堂ではダンスパーティーの準備をしている最中で、誰も校舎に居なかった。

 しかし、闇妖精は何処を探しても居なかった。

 リラ自身も早く学園の寮へ戻って支度をしないと、ダンスパーティーに間に合わない。 ドレスはリュシアンの色を使ったドレスを用意している。 本当なら、リュシアンからドレスを贈って欲しいのだが、まだドレスを強請れる関係にない。

 女子寮の自室でリュシアンの色を使ったドレスを纏い、姿見に映す。 自画自賛する程、似合っている。

 「ふふっ、いいじゃない。 似合っているわっ」

 化粧は女子寮にある多目的ルームで希望者のみ、王宮から遣わされたメイドたちがやってくれる。

 リラも勿論、自身は未来の王妃という自負がある。 寧ろ、専属のメイドが送られてきてもいいだろうくらいに思っていた。 自身が平民だという事をすっかり忘れている上に、リラが虹色の魔力を保持している事を王宮に報告していない事も都合よく、忘れている。

 多目的ルームに入ると、リラは周囲の令嬢から非難の眼差しを向けられたが、令嬢たちを無視して空いている鏡の前へ腰掛けた。 周囲で令嬢たちがひそひそと何かを言っている。

 『信じられませんわっ、あの色、殿下の色ではありません』
 『絶対にドゥクレ侯爵令嬢とドレスの色が被るから、あの色は選びませんのにっ』

 (ふんっ、何とでも言いなさい。 モブ令嬢がっ)

 最近はリュシアンといい雰囲気で話せていたので、リラがリュシアンの色を纏ったドレス着てリュシアンの前に現れれば、リラに落ちると信じていた。 しかし、蓋を開ければ違っていた。

 ダンスを踊る二人を見つめていると、リラの手の中の扇子が折れた。

 リュシアンとエディのダンスは長年、ダンスを共に踊って来た年期がある。 息もピッタリで、振りもズレる事がない。 ダンス曲が終り、二人同時にお辞儀をするタイミングもピッタリ同じだ。

 (なんで、何でよっ……あの子だって転生者で前世は一般人の日本人でしょう? 何であんなに踊れるよっ!)

 「やっぱり素敵ね。 幼い頃からお二人はダンスパートナですもの」
 「ええ、私、以前にお二人を教えていたダンスレッスンの先生に師事して頂きましたの。 お二人は幼い頃から息ピッタリでお上手だったそうですわ」
 「まぁ、わたくしも師事して頂こうかしら。 お二人のお小さい頃の事、わたくしも聞きたいですわ」

 扇子で顔半分を隠し、リラの方にチラりと意地悪な視線をよこす。 『お前は何、殿下の色を着ているのだ』と令嬢たちの視線が言っていた。 負けじと鋭く睨みつけると、令嬢たちはすました顔で横を向いた。

 (ダンスなんて踊ってられないわっ、リュシアンとは踊ってみたいけど。 流石にあの後は無理だわっ。 絶対に比べられるわ、そんなの絶対に嫌だわ)

 リラは講堂を出て再び、空き教室がある校舎へ走って行った。

 ◇

 ダンスパーティーを終え、エディはリュシアンの住む王太子宮へやって来た。 一緒にロジェとアンリも居るが、彼らにはお茶の準備を指示し、リュシアンはエディの手を取って、中庭へ出た。

 中庭のガゼボへ行くまでの道が厳かな雰囲気を漂わせている。 以前に大聖堂で感じた空気が中庭に広がっていた。

 (感じる、今なら光の妖精が現れるっ)

 ガゼボに行く途中で足を止め、エディは深呼吸をする。 隣でリュシアンが息を殺す様に黙り込んだ気配を感じる。 何を歌おうかと悩んだが、音楽祭の時に歌った歌を選んだ。

 (あの時は、ひかり妖精がいっぱい出て来たし、あの歌がこの場に一番、合ってると思う)

 エディは静かに歌い出した。

 足を止めたエディに気づき、リュシアンは足を止めた。 隣で立つエディは、とても綺麗に背筋を伸ばし、深く息を吸っているエディに見惚れていた。 歌い出したエディは、音楽祭の時と同じメロディを紡ぐ。 音楽祭の時は、聞いた事がないメロディに、自身の中の何かが感化されて、バイオリンを手に取って伴奏した。

 (今日の歌はあの時以上だよっ、エディ)

 バイオリンで伴奏しようなど思わなかった。 リュシアンが手を出すのは、無粋だと思い、エディの歌に素直に耳を傾けた。

 エディが歌い出すと、中庭のあちこちから光妖精が現れた。 沢山の光妖精たちは、エディの歌に合わせ、一緒に歌い出す。 彼らはエディの歌う言葉が分からないので、ラ音で合わせて来る。

 歌い終わると、一人の光妖精がエディと契約をしてくれるという。

 エディはやっとの事で、七属性の妖精を集める事に成功した。 リュシアンからもお祝いを言われ、ガゼボに行けば、お茶の準備がアンリとロジェの手によって整えられていた。

 椅子に座ると、何故かリュシアンが自身の椅子を寄せて来た。 近い距離に、微笑むリュシアンの美しい顔がある。 そっと膝に置いた手を取られ、エディは顔を上げた。

 リュシアンの瞳の奥に熱が籠り、緑が深く濃くなる。

 近づいて来るリュシアンに、何故か抗える事が出来なかった。 ロジェやアンリが居るのにと思ったが、瞳を閉じてしまった。 身構えていると、何も起こらない。 そっと瞼を開けると、本当に間近にリュシアンの濃い緑の瞳がある。 唇は、あと数ミリで当たってしまう距離だ。

 リュシアンの瞳に意地悪な光が宿った。

 「ねぇ、さっきの歌はいつ覚えたの? いつか教えてくれる約束だよね?」
 「……っ」

 エディの唇にリュシアンの吐息が掛かる。 エディが身体を引こうとすると、強く引き寄せられ、顎も取られた。 再び顔が近づき、エディの身体が硬直した。

 (この状態でどうしろって言うの~~っ)

 「言わないと、キスするよ」

 リュシアンの宣言で更に動けなくなった。 そばで紅茶カップに紅茶を注ぐ手を止めているアンリも、取り皿に煌めいているスィーツを取り分けているロジェも動きを止めた。 二人とも表情は呆れた様に瞳を眇めていた。

 エディが何も言わない事を良い事に、リュシアンは軽く唇を合わせよとしてくる。 小さく悲鳴を上げて我に返ったエディは、リュシアンの胸を押して降参した。 そして、洗いざらい話す事になった。

 ◇
 
 エディの歌声は、微かに空き教室がある校舎にも届いていた。 相変わらず人の心を引き込むエディの歌声に、リラは悔しそうに唇を噛んだ。 耳に届くエディの歌声は、音楽祭の時よりもリラの胸を打った。 王太子宮は校舎の裏の奥の方にあり、距離的には近い方である。

 いくらリラの胸を打ったとしても、譲れない事がある。 エディの歌声に惹かれたのか、数体の闇妖精が姿を現した。 妖精たちは自身と同じ色の属性を持っている者と契約する事を厭わない。

 攻撃をされれば、無理だが、丁寧にお願いをすれば快く、契約をしてくれる。 リラは一体の闇妖精に的を絞り、近づいていく。 そっと近づいて来たリラに闇妖精は気軽に片手を上げた。

 リラも気さくに片手を上げて、優しそうに見える様、笑みを浮かべる。

 「ねぇ、私、お願いがあるの。 私と契約してほしいの。 実は命を狙われていて、私を守って欲しいの」

 涙を浮かべて涙を潤ませてお願いすると、闇妖精はびっくりしたように飛び跳ねる。

 『お願いっ』と最後に念押しをすると、一体の闇妖精が胸を叩いて、『僕に任せて』的なポーズを取る。 リラは大袈裟に喜ぶと、契約をしてくれると言う闇妖精を掌の上へ乗せる。

 そして、リラは闇妖精と契約し、エディに遅れる事、数分後、全ての妖精を集める事に成功した。

 リラから不敵な笑い声が響き、『見てなさいよっ!! 〇〇〇〇っ!! 貴方をぎゃふんと言わせてやるんだからっ!!』と、空き教室で天井に拳を突き上げた。

 ◇

 ガッドはダンスパーティーには参加せず、芸術祭が終ると、直ぐに自身が持っている倉庫へ向かっていた。 ガッドのあずかり知らぬ内に、勝手に呪いを封じてあった木箱を売った人間が仲間内に居る。

 闇妖精の呪いが封じられている木箱は、『呪いの木箱』として裏で売り出している。 購入した者は、誰かを呪ったり、脅したり、盗賊に売ったりと犯罪に使われる。 水面下で流れていたリュシアンの噂。 闇妖精を使って何かを企んでいるという噂はガッドが流したものだ。

 ガッドは売ったりもしているが、大量の呪いの木箱を集めたのは、リュシアンを陽動させる為、エディから離れている間にエディを攫う。 エディを大聖堂へ連れて行き、創造主に自身を王にと、願わせる為だった。 ガッドも願いを叶えるためには、条件を出される事を知らない。

 「お前たち、勝手に呪いの木箱を売っただろう? 何をしているんだっ!」
 「申し訳ありません、一箱、どうしても欲しいと言われましてっ……」
 「次からは、俺に内緒で勝手に売るなっ! しかも、学園の生徒に売るとは……。 余計な口止め料が居るだろう」
 「すみませんっ、今後は気を付けます」
 「もう、いい。 しっかりと管理しとけ」
 「はい」

 (一箱くらいならばいいだろう。 私の女神が光妖精との契約が終れば、全て揃うんだろう)

 ガッドは倉庫を管理している者に幾つか指示をして、王都の屋敷へ戻って行った。

 ◇

 虹色の魔力を保持している者が祈りを捧げれば、願いが叶えられると、ルブラルン王国の皆が思っている。 そして、誰も気づいていないし、国王陛下も知らない。 エディやガッド、リラよりも先に、リュシアンが創造主に願い出た事を。

 創造主に会う為には、光の妖精が現れると同じように、厳かな空気が流れ、普段とは違う空気が大聖堂に流れている時に祈りを捧げる。 すると、創造主に会えるのだ。

 丁度、リュシアンが大聖堂へ行った時、普段と違う空気が大聖堂に流れており、リュシアンは祈りを捧げ、願いを請うたのだ。

 『私の願いは、生涯をエディと添い遂げる事。 後に、エディが願いを請いに来ると思う。 しかし、エディの願い事は、『王になった私の王妃になる事』それ以外は、叶えないで欲しい』と。

 エディの意思も問わず、というより、エディから婚約解消を申し出られた事で、エディの意思は決まっている。 とても自分勝手な願いだが、創造主からは条件を満たせば叶えると許可が出たのだ。
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