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1章妖精の愛し子
19.
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妖精達の様子に気が付いたティオールは、軽く微笑むとリリーフィアの結果を読み上げる。
『名前:リリーフィア・シャロン
属性:火・水・土・風……全部
職業:妖精姫
称号:公爵令嬢・妖精の愛し子・妖精王の加護』
「以上です。 にしても珍しいですね、妖精の愛し子だなんて」
妖精達は、正しい結果が出たことに喜びあちこちを飛び回り、グラウィル達はリリーフィアが妖精の愛し子だと知ってわなわなと震えていた。
「…んで……なんで… なんでシャルロッテじゃなくてリリーフィアが妖精の愛し子なんだ!! こんな気味の悪い奴がなんで…」
「そうよ! こんな気味の悪い子が妖精の愛し子なんてあり得るわけ無いじゃない!! シャルロッテの方がよっぽどふさわしいわ!」
グラウィルとティファニーは荒れ狂い、シャルロッテは見たこと無い父親と継母の様子に戸惑っていた。
その間、リリーフィアは魔法でこっちの音が聞こえないようにされている。
しかも妖精達は祝福の嵐と称して、床に落ちたら消える紙吹雪や周りが汚れないシャボン玉、燃えない炎などをいっぱいだして、リリーフィアの気をそらしていた。
「おっ、落ち着いてください公爵様、公爵婦人様」
「落ち着けるわけ無いじゃない! なによ、加護まで貰っちゃって…」
ギャアギャア騒いでいるティファニーと違い、少しばかり落ち着いたグラウィルはリリーフィアの職業、『妖精姫』について質問した。
「妖精姫とは、妖精の愛し子だけが名乗ることを許される職業でして、主に人と妖精の架け橋となる存在のことです」
「妖精との架け橋、か…」
グラウィルは、妖精達ですら聞き取れないほど小さな声でぽつりと言うと、天井を見上げた。
「そろそろ頃合いかも知れないな… 人は、いや、シャロン家は、妖精からの恩も忘れ自由にし過ぎた… そうか、次は人が、リリーフィアが妖精達に救いの手を差し伸べる番なのか…」
「…って、聞いてるの、あなた? ねぇ、あんな奴なんか追い出して、私とあなたとシャルロッテちゃんだけで仲良く暮らしましょうよ? ね、シャルロッテちゃんもその方がいいでしょ?」
ティファニーはどこか虚ろな目をしてグラウィルの腕をとった。
そしてシャルロッテににっこりと微笑みかける。
だが、その笑みは余りにも怖く、シャルロッテは泣き出してしまった。
「あら、シャルロッテちゃんどうしたの?」
ティファニーは自分のせいだとは一ミリも思っていないのか、泣いているシャルロッテに近付いていく。
怖さの限界を迎えたシャルロッテは、ついに座り込んでしまった。
『名前:リリーフィア・シャロン
属性:火・水・土・風……全部
職業:妖精姫
称号:公爵令嬢・妖精の愛し子・妖精王の加護』
「以上です。 にしても珍しいですね、妖精の愛し子だなんて」
妖精達は、正しい結果が出たことに喜びあちこちを飛び回り、グラウィル達はリリーフィアが妖精の愛し子だと知ってわなわなと震えていた。
「…んで……なんで… なんでシャルロッテじゃなくてリリーフィアが妖精の愛し子なんだ!! こんな気味の悪い奴がなんで…」
「そうよ! こんな気味の悪い子が妖精の愛し子なんてあり得るわけ無いじゃない!! シャルロッテの方がよっぽどふさわしいわ!」
グラウィルとティファニーは荒れ狂い、シャルロッテは見たこと無い父親と継母の様子に戸惑っていた。
その間、リリーフィアは魔法でこっちの音が聞こえないようにされている。
しかも妖精達は祝福の嵐と称して、床に落ちたら消える紙吹雪や周りが汚れないシャボン玉、燃えない炎などをいっぱいだして、リリーフィアの気をそらしていた。
「おっ、落ち着いてください公爵様、公爵婦人様」
「落ち着けるわけ無いじゃない! なによ、加護まで貰っちゃって…」
ギャアギャア騒いでいるティファニーと違い、少しばかり落ち着いたグラウィルはリリーフィアの職業、『妖精姫』について質問した。
「妖精姫とは、妖精の愛し子だけが名乗ることを許される職業でして、主に人と妖精の架け橋となる存在のことです」
「妖精との架け橋、か…」
グラウィルは、妖精達ですら聞き取れないほど小さな声でぽつりと言うと、天井を見上げた。
「そろそろ頃合いかも知れないな… 人は、いや、シャロン家は、妖精からの恩も忘れ自由にし過ぎた… そうか、次は人が、リリーフィアが妖精達に救いの手を差し伸べる番なのか…」
「…って、聞いてるの、あなた? ねぇ、あんな奴なんか追い出して、私とあなたとシャルロッテちゃんだけで仲良く暮らしましょうよ? ね、シャルロッテちゃんもその方がいいでしょ?」
ティファニーはどこか虚ろな目をしてグラウィルの腕をとった。
そしてシャルロッテににっこりと微笑みかける。
だが、その笑みは余りにも怖く、シャルロッテは泣き出してしまった。
「あら、シャルロッテちゃんどうしたの?」
ティファニーは自分のせいだとは一ミリも思っていないのか、泣いているシャルロッテに近付いていく。
怖さの限界を迎えたシャルロッテは、ついに座り込んでしまった。
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