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第5章 カゲイシオオカミの急襲
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みれの高い悲鳴がひびいた。
「落ちついて、みれ」
紗がみれをなだめたが、その紗の声も上ずっている。快斗がきょろきょろと周囲を見回しながら、だれにともなくつぶやいた。
「地震かな」
ミチが答えるよりも早く、もう一度おなじ大きな音とゆれがその場をおそった。
快斗の体がよろめいた。ミチはいそいで快斗に手をさしのべた。
さらにもう一度、音とゆれだ。
ミチは快斗と顔を見あわせ、どちらからともなく、音のしたほうへ走りだした。
「図書室だ!」
「っていうか図書室の外だっ!」
「快斗くんミチくん待ちなさい、行っちゃいけないっ、危険だっ」
砂森の声が二人の背中を追いかけたが、そのときには二人で学習室と図書室をへだてる扉を開けていた。
図書室は暗かった。
外から差しこむ光が少ない。ミチは目をこらした。
図書室の窓三つほどをなにかが覆っている。覆われていないのは両端の窓だけだ。
さらによく見ようとミチが一歩足を踏みだしたとき、バンッ、バキッ、バキイッ、と、異様な音がした。
木がへし折れる音だとミチは思った。
そして、さらに揺れ。
ガシャンッと図書室の窓が割れた。ミチも快斗も息をのんだ。
窓から木の枝が突き入った。赤く色づいた葉が飛び散った。
ズズ、ズンッとまた揺れがおそい、窓に入りこんだ木の枝が離れた。
ミチはその木の枝の正体に気づいて、心臓が止まるかと思った。
「ナナカマドウシさんっ」
窓の外から、はげしくたたきつけるような雨音に混ざって声がした。
「逃げるんだ。御殿の玄関から出なさい」
その声はさっきミチや快斗の耳に届いた声よりも、さらに高い位置から聞こえた。まぎれもなくナナカマドウシの声だった。だが様子がおかしい。昨日はゴウッという空気の流れる音とともに出た声が、今日はかすれて聞こえた。
そして声と同時にヒュウヒュウという、風のような高い音がした。
ズン、ズン、ズン、ときざむようなリズムで揺れが来た。
ナナカマドウシに言われたのと反対のことを、ミチはした。窓に近づいたのだ。
「ミチ危ないっ」
快斗がミチの腕を強く引いた。
右端の窓に向かって外から大きな黒い塊が飛んできた。バリィンッと音を立てて、さらに窓が割れた。窓ガラスだけが割れたわけではなかった。木製の古い窓枠もへし折れた。
ミチは思わず手で顔をおおった。するどいものがミチの手の肌をかすめて裂いた。手の甲にビリッと痛みが走った。
大きな音が図書室にひびいて床がゆれた。
黒くて大きな塊がまた一つ、さらに一つと飛んできた。それは次々に図書室の机にぶつかった。机と椅子はなぎ倒された。そして黒い塊がぶつかる衝撃は、ただ単に、倒れるだけではすまなかった。
机も椅子もまるでなだれのように床をすべって図書室の奥の木の扉にぶつかった。扉がへしゃげて枠からはずれた。今度は扉も一緒になって、となりの学習室へなだれこんだ。
そこでようやく止まった。
黒い塊が動いた。ミチはそいつを見つめた。
見たくて見たというより目がはなせなかった。
(犬、ううん、ちがう、オオカミ)
四つ足、とがった耳、長い鼻、尾。
そいつをオオカミだとミチが思ったのは、一つには目つきだ――赤い目。
ミチが知っている、あちこちの犬、飼い主にリードでつながれて町を散歩したり、よそのうちのなかで見るような犬よりも、目と目がはなれていた。小さくてするどく油断のない目つきだった。もっともそいつの目は動物の目とはちがい、かたい岩石を彫ってできているように見えた。
目だけでない、全身がそうだった。黒光りする石の塊だ。
石の破片が集まってできているような姿だ。
そしてミチがそいつをオオカミだと思ったもう一つの理由は、昨日のナナカマドウシやイチョウの会話だった。
ナナカマドウシの声が聞こえた。
「その子たちに手を出さないでくれ、カゲイシオオカミ」
(そうだ、カゲイシオオカミって言ってた)
ミチは目をみはった。
カゲイシオオカミ、いや、カゲイシオオカミたちというべきか、三頭の黒光りする石の塊がミチを見ていた。左側の一頭がガルル、と口のなかでうなった。
その声はたしかにオオカミ、少なくともイヌ科の動物の声だった。
まんなかの一頭が言葉を発した。
「子どもか。子どもでも人間だが」
「その子たちはきみになにもしていないだろう、カゲイシオオカミ」
「うるさいぞ、だまれ、ナナカマドウシ。おれは人間が嫌いだ。そしてだれかに指図されるのもおなじくらい嫌いだ。おれに向かってえらそうに指図をするな」
「ではなぜ、あの赤い目のいうことをきくのかね」
ナナカマドウシの声がかすれて聞こえた。
ヒュウヒュウという高い音の正体に気づいて、ミチの肌がざわっと総毛立った。
(ナナカマドウシさんの体のどこかに穴が開いている。カゲイシオオカミがぶつかったんだ)
ミチはゾッとした。
そして傷ついているのはナナカマドウシだけではなかった。
となりの部屋、学習室から声が聞こえた。
「先生、羽根島先生っ。先生しっかりしてください、聞こえますかっ」
砂森の声だ。そしてほんの少しの間をおいてすぐに、
「もしもし」
と言葉がつづいた。電話をかけている、とミチは気づいた。
「意識のない怪我人がいます。すぐに救急車をお願いします」
(そんな)
ミチは自分の身体がぐらりとゆれるのを感じた。まるで、『意識のない怪我人』という言葉がハンマーとなって、ミチに殴りかかってきたようだった。
「羽根島先生、なに、なんだよ、先生どうしたんだ」
快斗がつぶやいた。信じられない、という声だった。
さっきから早い鼓動をくり返しているミチの心臓がさらに早く、そして大きく鳴った。まるで警報みたいだった。羽根島先生になにかあったのだと思った。
それにナナカマドウシ。
羽根島先生やナナカマドウシが傷つくなんて、ミチは思ってもみなかった。羽根島先生はあんなに強い人に見えたのに。ナナカマドウシだってこんなに大きくて悠然としているのに。
「カゲイシオオカミッ、きさまっ、やつの側に立つのかっ」
知った声が聞こえた。イチョウだ。姿は見えないが外にいるようだ。
三頭いるオオカミのうち左右の二頭がうなり声をあげ、頭を低くして外へ向いた。まんなかのやつは無言で、そして表情も変えなかったが、それなのにミチはそいつのひやりとした怒りを感じた。
「見くびるなよ、イチョウ。おれはだれの指図も受けないしだれの側にも立たない」
その声に重なるようにして、となりの部屋から砂森の声が聞こえた。電話を終えたようだ。
「紗ちゃん、いそいでだれか呼んできてください。みれちゃんを一緒に連れていってください。きみたちはこの部屋を出たほうがいい」
「先生、羽根島先生、私たちをかばって、こんな」
「いいから、そんなこと考えなくていいから、紗ちゃん、動けますか」
ミチに聞こえるか聞こえないかというくらいの、すごく小さな「はい」という紗の返事が聞こえた。紗の声はかすれきっていた。だけど紗だけじゃない。
砂森の声もどこかうわずっている。
起きた出来事に衝撃を受けているミチとちがって、カゲイシオオカミは平然としていた。
黒光りする石は言葉をかさねた。
「これは好機だぞ、これまでにない好機だ。」
「落ちついて、みれ」
紗がみれをなだめたが、その紗の声も上ずっている。快斗がきょろきょろと周囲を見回しながら、だれにともなくつぶやいた。
「地震かな」
ミチが答えるよりも早く、もう一度おなじ大きな音とゆれがその場をおそった。
快斗の体がよろめいた。ミチはいそいで快斗に手をさしのべた。
さらにもう一度、音とゆれだ。
ミチは快斗と顔を見あわせ、どちらからともなく、音のしたほうへ走りだした。
「図書室だ!」
「っていうか図書室の外だっ!」
「快斗くんミチくん待ちなさい、行っちゃいけないっ、危険だっ」
砂森の声が二人の背中を追いかけたが、そのときには二人で学習室と図書室をへだてる扉を開けていた。
図書室は暗かった。
外から差しこむ光が少ない。ミチは目をこらした。
図書室の窓三つほどをなにかが覆っている。覆われていないのは両端の窓だけだ。
さらによく見ようとミチが一歩足を踏みだしたとき、バンッ、バキッ、バキイッ、と、異様な音がした。
木がへし折れる音だとミチは思った。
そして、さらに揺れ。
ガシャンッと図書室の窓が割れた。ミチも快斗も息をのんだ。
窓から木の枝が突き入った。赤く色づいた葉が飛び散った。
ズズ、ズンッとまた揺れがおそい、窓に入りこんだ木の枝が離れた。
ミチはその木の枝の正体に気づいて、心臓が止まるかと思った。
「ナナカマドウシさんっ」
窓の外から、はげしくたたきつけるような雨音に混ざって声がした。
「逃げるんだ。御殿の玄関から出なさい」
その声はさっきミチや快斗の耳に届いた声よりも、さらに高い位置から聞こえた。まぎれもなくナナカマドウシの声だった。だが様子がおかしい。昨日はゴウッという空気の流れる音とともに出た声が、今日はかすれて聞こえた。
そして声と同時にヒュウヒュウという、風のような高い音がした。
ズン、ズン、ズン、ときざむようなリズムで揺れが来た。
ナナカマドウシに言われたのと反対のことを、ミチはした。窓に近づいたのだ。
「ミチ危ないっ」
快斗がミチの腕を強く引いた。
右端の窓に向かって外から大きな黒い塊が飛んできた。バリィンッと音を立てて、さらに窓が割れた。窓ガラスだけが割れたわけではなかった。木製の古い窓枠もへし折れた。
ミチは思わず手で顔をおおった。するどいものがミチの手の肌をかすめて裂いた。手の甲にビリッと痛みが走った。
大きな音が図書室にひびいて床がゆれた。
黒くて大きな塊がまた一つ、さらに一つと飛んできた。それは次々に図書室の机にぶつかった。机と椅子はなぎ倒された。そして黒い塊がぶつかる衝撃は、ただ単に、倒れるだけではすまなかった。
机も椅子もまるでなだれのように床をすべって図書室の奥の木の扉にぶつかった。扉がへしゃげて枠からはずれた。今度は扉も一緒になって、となりの学習室へなだれこんだ。
そこでようやく止まった。
黒い塊が動いた。ミチはそいつを見つめた。
見たくて見たというより目がはなせなかった。
(犬、ううん、ちがう、オオカミ)
四つ足、とがった耳、長い鼻、尾。
そいつをオオカミだとミチが思ったのは、一つには目つきだ――赤い目。
ミチが知っている、あちこちの犬、飼い主にリードでつながれて町を散歩したり、よそのうちのなかで見るような犬よりも、目と目がはなれていた。小さくてするどく油断のない目つきだった。もっともそいつの目は動物の目とはちがい、かたい岩石を彫ってできているように見えた。
目だけでない、全身がそうだった。黒光りする石の塊だ。
石の破片が集まってできているような姿だ。
そしてミチがそいつをオオカミだと思ったもう一つの理由は、昨日のナナカマドウシやイチョウの会話だった。
ナナカマドウシの声が聞こえた。
「その子たちに手を出さないでくれ、カゲイシオオカミ」
(そうだ、カゲイシオオカミって言ってた)
ミチは目をみはった。
カゲイシオオカミ、いや、カゲイシオオカミたちというべきか、三頭の黒光りする石の塊がミチを見ていた。左側の一頭がガルル、と口のなかでうなった。
その声はたしかにオオカミ、少なくともイヌ科の動物の声だった。
まんなかの一頭が言葉を発した。
「子どもか。子どもでも人間だが」
「その子たちはきみになにもしていないだろう、カゲイシオオカミ」
「うるさいぞ、だまれ、ナナカマドウシ。おれは人間が嫌いだ。そしてだれかに指図されるのもおなじくらい嫌いだ。おれに向かってえらそうに指図をするな」
「ではなぜ、あの赤い目のいうことをきくのかね」
ナナカマドウシの声がかすれて聞こえた。
ヒュウヒュウという高い音の正体に気づいて、ミチの肌がざわっと総毛立った。
(ナナカマドウシさんの体のどこかに穴が開いている。カゲイシオオカミがぶつかったんだ)
ミチはゾッとした。
そして傷ついているのはナナカマドウシだけではなかった。
となりの部屋、学習室から声が聞こえた。
「先生、羽根島先生っ。先生しっかりしてください、聞こえますかっ」
砂森の声だ。そしてほんの少しの間をおいてすぐに、
「もしもし」
と言葉がつづいた。電話をかけている、とミチは気づいた。
「意識のない怪我人がいます。すぐに救急車をお願いします」
(そんな)
ミチは自分の身体がぐらりとゆれるのを感じた。まるで、『意識のない怪我人』という言葉がハンマーとなって、ミチに殴りかかってきたようだった。
「羽根島先生、なに、なんだよ、先生どうしたんだ」
快斗がつぶやいた。信じられない、という声だった。
さっきから早い鼓動をくり返しているミチの心臓がさらに早く、そして大きく鳴った。まるで警報みたいだった。羽根島先生になにかあったのだと思った。
それにナナカマドウシ。
羽根島先生やナナカマドウシが傷つくなんて、ミチは思ってもみなかった。羽根島先生はあんなに強い人に見えたのに。ナナカマドウシだってこんなに大きくて悠然としているのに。
「カゲイシオオカミッ、きさまっ、やつの側に立つのかっ」
知った声が聞こえた。イチョウだ。姿は見えないが外にいるようだ。
三頭いるオオカミのうち左右の二頭がうなり声をあげ、頭を低くして外へ向いた。まんなかのやつは無言で、そして表情も変えなかったが、それなのにミチはそいつのひやりとした怒りを感じた。
「見くびるなよ、イチョウ。おれはだれの指図も受けないしだれの側にも立たない」
その声に重なるようにして、となりの部屋から砂森の声が聞こえた。電話を終えたようだ。
「紗ちゃん、いそいでだれか呼んできてください。みれちゃんを一緒に連れていってください。きみたちはこの部屋を出たほうがいい」
「先生、羽根島先生、私たちをかばって、こんな」
「いいから、そんなこと考えなくていいから、紗ちゃん、動けますか」
ミチに聞こえるか聞こえないかというくらいの、すごく小さな「はい」という紗の返事が聞こえた。紗の声はかすれきっていた。だけど紗だけじゃない。
砂森の声もどこかうわずっている。
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