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第6章 願いごとは赤い文字で
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「これ、あまり大きな声を立てるでないぞ。ここはひびくゆえ」
そういう津江さんの話し声はたしかに低くひそやかで、それにもかかわらず洞穴の岩々に反響して、よく通って聞こえた。
進一郎が一歩前に進んだ。そしてたずねた。
「先決ってどういうことですか、津江さん。あなたは――」
ミチはドキッとした。
進一郎の声はするどかった。
「あなたがアヤって本当ですか」
津江さんがゆっくりと進一郎を見た。
進一郎が言葉をつづけた。
「隠し扉のところでアヤはこの先へは入れないと言われました。ここからやってきてここへかえっていくからだと。つまり、アヤがその先へ入るのは、この世界から姿を消すときだと、おれは受けとりました。津江さんは――」
「うらの話など、どうでもよいこと」
津江さんが進一郎の言葉をさえぎった。そっけない声だった。
「さてミチどの、それに進一郎どの。お前さま二人ともよくここへ来てくりゃれた。他の子たちはどうしたえ」
ミチはこたえた。
「上にいます、津江さん、上の、イチョウさんの壁画のそばの穴に入ったのが、ぼくたち二人だけでした」
「ふむ」
津江さんの表情がわずかに動いた。思案顔になった。
ミチは(もしかして)と思った。
「津江さん、ぼく津江さんのまじないを、他の子たちのおでこに書きました。焚火のあとのそばを通ったときに、あの石を拾ったんです。もしかしてまじないが効いて、みんなはここへ来れなかったんですか」
「いま肝要なのは、こちらのアヤぞな」
さっきとおなじくらいそっけない声で、津江さんが言った。津江さん自身のことを本気でどうでもいいと思っているような、そんな声だった。
津江さんが足元を見おろした。ミチは津江さんの視線を追いかけた。
黄ばんだ紙が敷きつめられた地面。
そのとき、パラ、とミチの肩に砂がかかった。
数粒の砂が落下したのだ。ミチは視線を上へ向けた。そして目を大きく見開いた。
息が止まるかと思った。
洞穴の天井に大きな黒い輪が見えた。
はじめシミのように、あるいはカビが生えたように、ぼんやりとしたものだった。だがミチが目をこらし息をつめて見守るうちに、しだいにくっきりしたものへ変化しやがて明確になった。そしてその黒い輪のなかに今度は赤い色が浮かびあがった。
赤い色も丸いかたちだ。
ただし黒い輪とはちがって丸いかたち全部が赤い。
そしてさらに、赤い円の中央に黒いシミのようなものが浮かびあがった。
「目が……」
ミチはつぶやいた。
赤い目。
ミチと進一郎の手の甲に浮かぶアザとおなじかたち。
進一郎もおなじものに気づいたようだ。進一郎は低く、うなるようにつぶやいた。
「もしかして上から移動してきたのか」
「なに、移動というほどの移動でもあるまいえ。単に岩一枚を上から下へ降りてきただけのことぞな」
津江さんが言った。ミチは津江さんを見た。津江さんの視線も浮かびあがった赤い目を向いていた。言葉はやはりそっけないままだが、こんなにするどい視線はミチが初めて見るものだった。それを自分に向けられたわけでもないのに、ミチの体が少しばかりすくんだ。
「おいぼれ め」
雷鳴のような声があたりにとどろいた。
「なぜ ここ に おる」
「もちろん、必要があってのことぞな」
洞穴の天井に浮かびあがった赤い目の視線が、ひたっと津江さんにそそがれた。
津江さんも赤い目から視線をそらさない。二者の視線は、まるで刃物の先を相手につきつけて動きを制するかのようだった。
津江さんの視線が相手を制するようだったのに対して、赤い目から放たれた視線はなにかを探るような気配を少しだけ含んでいた。
「なぜ その すがた で いられる のか」
「どこかおかしいかえ。この姿となって長いゆえ、我ながらすっかり板についたと思うておるのに」
「たわごと を」
天井からとどろく声に怒気が含まれた。
「なぜ その すがた が たもてる のか。ここ では ふかのう な はず」
ミチはドキッとした。そして(やっぱり)と思った。他のアヤがだれもここへ入ろうとしないくらいだ。津江さんはなぜかここにいるが、きっとものすごく無理をしているはずだ。
が、津江さんは平然と言い放った。
「必要あってのこと、そう言うたはずぞな。これから大切なことを見届けねばならぬゆえ」
赤い目が毒々しくぎらつき、ミチの背筋がふるえた。
はげしい、はげしすぎる怒りが、洞穴のなかに満ちた。
(どうして赤い目はこんなに怒っているんだろう)とミチは思った。
その赤い目が津江さんを詰問した。
「なに を なに を する つもり か 」
津江さんの声がひびいた。
しずかな声だった。
「これからあることがはじまる。お前さまはだまって見物しやれ」
「なに を する つもりか と きいて おる」
ミチはふと、本当になぜかふと、視線を下へそらした。そして息をのんだ。
津江さんが口を開いた。
「知りたければ教えてやろうぞ。」
そっけないくせに、おごそかな声だった。
「ミマネイケが、いま、変わろうとしておるのよ」
津江さんの言葉を聞いた進一郎が、聞きとがめるような声でつぶやいた。
「みまねいけ、だって? メガネ池の昔の呼び名だとあの本に書いてあったな。でもどうして、池はここからは離れたところにあるのに」
「ちがいます、進一郎さん。あそこの池のことじゃない」
ミチは小声でささやいた。
津江さん。進一郎。ミチ。
天井にはりついた大きな赤い目のアヤ。
でも、ここに集まったのは、それだけではなかった。
ミチの目はその者にくぎづけになった。ミチはごくりと唾をのんだ。それから唇を動かした。体中びしょぬれなのに、口のなかだけがやけに乾いている。そのせいで、ミチの口からもれるように出た声はかすれてひびいた。
「下にも、アヤがいます」
津江さんの足元の床が赤い。そのあたりだけ黄ばんだ紙が落ちていない。
むきだしになったはずの岩は、岩なのに赤い。それは岩肌の色ではなかった。その証拠に、赤いのは円のかたちの一部分だけだ。それに赤い円の中央は、くっきりと黒かった。
床に、大きな赤い円がある。
赤い円を囲うように黒い輪郭も見えた。が、それはところどころ黄ばんだ紙でおおわれていた。
大きな赤い目。
ミチたちのいる洞穴をはさんで、上下に目が二つ。
まるで鏡にうつしたようにそっくりおなじ色、おなじ形の目。
ミチはつぶやいた。
「あれが、ミマネイケというアヤ」
「その通りえ」
津江さんがミチの顔を見ないまま、ミチの言葉にうなずいた。
「むかしむかしかんなぎの男についてここへ入り、それ以来ずっとこの地へとどまりつづけておるアヤ。長い、長い時間をここですごしたアヤ。今から三百年ばかり前に狭間嘉右衛門に人間の文字を教わりそれを読むことをおぼえ、しだいに読むだけでは飽き足らず、まねを始めたアヤえ――ミチどの」
「はい」
「お前さまが目にしておるもの、それはたしかにミマネイケと呼ばれるアヤ」
「津江さん、ぼくは――」
ミチは口を動かした。
「ぼくはひごめ館に初めて来た日に、お堂のある方の池で大きな赤い目を見ました。あれは、あの目玉は、ここにいる上と下のどっちのアヤですか」
津江さんは無言で下を指さした。
ミチは障療院でナナカマドウシが語ったことを思いだした。
――とても大きな地震があった――ミマネイケというアヤに被せられた、黒水晶の鏡が割れた――鏡が割れてミマネイケが動けるようになった――
(ぼくが見たのは、ミマネイケだったのか)
ミチはさらにたずねた。
「でもあのときの目玉はもっと本物の目玉みたいでした。こんな風に絵や記号っぽくなかった」
そういう津江さんの話し声はたしかに低くひそやかで、それにもかかわらず洞穴の岩々に反響して、よく通って聞こえた。
進一郎が一歩前に進んだ。そしてたずねた。
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進一郎の声はするどかった。
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「さてミチどの、それに進一郎どの。お前さま二人ともよくここへ来てくりゃれた。他の子たちはどうしたえ」
ミチはこたえた。
「上にいます、津江さん、上の、イチョウさんの壁画のそばの穴に入ったのが、ぼくたち二人だけでした」
「ふむ」
津江さんの表情がわずかに動いた。思案顔になった。
ミチは(もしかして)と思った。
「津江さん、ぼく津江さんのまじないを、他の子たちのおでこに書きました。焚火のあとのそばを通ったときに、あの石を拾ったんです。もしかしてまじないが効いて、みんなはここへ来れなかったんですか」
「いま肝要なのは、こちらのアヤぞな」
さっきとおなじくらいそっけない声で、津江さんが言った。津江さん自身のことを本気でどうでもいいと思っているような、そんな声だった。
津江さんが足元を見おろした。ミチは津江さんの視線を追いかけた。
黄ばんだ紙が敷きつめられた地面。
そのとき、パラ、とミチの肩に砂がかかった。
数粒の砂が落下したのだ。ミチは視線を上へ向けた。そして目を大きく見開いた。
息が止まるかと思った。
洞穴の天井に大きな黒い輪が見えた。
はじめシミのように、あるいはカビが生えたように、ぼんやりとしたものだった。だがミチが目をこらし息をつめて見守るうちに、しだいにくっきりしたものへ変化しやがて明確になった。そしてその黒い輪のなかに今度は赤い色が浮かびあがった。
赤い色も丸いかたちだ。
ただし黒い輪とはちがって丸いかたち全部が赤い。
そしてさらに、赤い円の中央に黒いシミのようなものが浮かびあがった。
「目が……」
ミチはつぶやいた。
赤い目。
ミチと進一郎の手の甲に浮かぶアザとおなじかたち。
進一郎もおなじものに気づいたようだ。進一郎は低く、うなるようにつぶやいた。
「もしかして上から移動してきたのか」
「なに、移動というほどの移動でもあるまいえ。単に岩一枚を上から下へ降りてきただけのことぞな」
津江さんが言った。ミチは津江さんを見た。津江さんの視線も浮かびあがった赤い目を向いていた。言葉はやはりそっけないままだが、こんなにするどい視線はミチが初めて見るものだった。それを自分に向けられたわけでもないのに、ミチの体が少しばかりすくんだ。
「おいぼれ め」
雷鳴のような声があたりにとどろいた。
「なぜ ここ に おる」
「もちろん、必要があってのことぞな」
洞穴の天井に浮かびあがった赤い目の視線が、ひたっと津江さんにそそがれた。
津江さんも赤い目から視線をそらさない。二者の視線は、まるで刃物の先を相手につきつけて動きを制するかのようだった。
津江さんの視線が相手を制するようだったのに対して、赤い目から放たれた視線はなにかを探るような気配を少しだけ含んでいた。
「なぜ その すがた で いられる のか」
「どこかおかしいかえ。この姿となって長いゆえ、我ながらすっかり板についたと思うておるのに」
「たわごと を」
天井からとどろく声に怒気が含まれた。
「なぜ その すがた が たもてる のか。ここ では ふかのう な はず」
ミチはドキッとした。そして(やっぱり)と思った。他のアヤがだれもここへ入ろうとしないくらいだ。津江さんはなぜかここにいるが、きっとものすごく無理をしているはずだ。
が、津江さんは平然と言い放った。
「必要あってのこと、そう言うたはずぞな。これから大切なことを見届けねばならぬゆえ」
赤い目が毒々しくぎらつき、ミチの背筋がふるえた。
はげしい、はげしすぎる怒りが、洞穴のなかに満ちた。
(どうして赤い目はこんなに怒っているんだろう)とミチは思った。
その赤い目が津江さんを詰問した。
「なに を なに を する つもり か 」
津江さんの声がひびいた。
しずかな声だった。
「これからあることがはじまる。お前さまはだまって見物しやれ」
「なに を する つもりか と きいて おる」
ミチはふと、本当になぜかふと、視線を下へそらした。そして息をのんだ。
津江さんが口を開いた。
「知りたければ教えてやろうぞ。」
そっけないくせに、おごそかな声だった。
「ミマネイケが、いま、変わろうとしておるのよ」
津江さんの言葉を聞いた進一郎が、聞きとがめるような声でつぶやいた。
「みまねいけ、だって? メガネ池の昔の呼び名だとあの本に書いてあったな。でもどうして、池はここからは離れたところにあるのに」
「ちがいます、進一郎さん。あそこの池のことじゃない」
ミチは小声でささやいた。
津江さん。進一郎。ミチ。
天井にはりついた大きな赤い目のアヤ。
でも、ここに集まったのは、それだけではなかった。
ミチの目はその者にくぎづけになった。ミチはごくりと唾をのんだ。それから唇を動かした。体中びしょぬれなのに、口のなかだけがやけに乾いている。そのせいで、ミチの口からもれるように出た声はかすれてひびいた。
「下にも、アヤがいます」
津江さんの足元の床が赤い。そのあたりだけ黄ばんだ紙が落ちていない。
むきだしになったはずの岩は、岩なのに赤い。それは岩肌の色ではなかった。その証拠に、赤いのは円のかたちの一部分だけだ。それに赤い円の中央は、くっきりと黒かった。
床に、大きな赤い円がある。
赤い円を囲うように黒い輪郭も見えた。が、それはところどころ黄ばんだ紙でおおわれていた。
大きな赤い目。
ミチたちのいる洞穴をはさんで、上下に目が二つ。
まるで鏡にうつしたようにそっくりおなじ色、おなじ形の目。
ミチはつぶやいた。
「あれが、ミマネイケというアヤ」
「その通りえ」
津江さんがミチの顔を見ないまま、ミチの言葉にうなずいた。
「むかしむかしかんなぎの男についてここへ入り、それ以来ずっとこの地へとどまりつづけておるアヤ。長い、長い時間をここですごしたアヤ。今から三百年ばかり前に狭間嘉右衛門に人間の文字を教わりそれを読むことをおぼえ、しだいに読むだけでは飽き足らず、まねを始めたアヤえ――ミチどの」
「はい」
「お前さまが目にしておるもの、それはたしかにミマネイケと呼ばれるアヤ」
「津江さん、ぼくは――」
ミチは口を動かした。
「ぼくはひごめ館に初めて来た日に、お堂のある方の池で大きな赤い目を見ました。あれは、あの目玉は、ここにいる上と下のどっちのアヤですか」
津江さんは無言で下を指さした。
ミチは障療院でナナカマドウシが語ったことを思いだした。
――とても大きな地震があった――ミマネイケというアヤに被せられた、黒水晶の鏡が割れた――鏡が割れてミマネイケが動けるようになった――
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