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第二十三話
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寮内の食堂。
ここは18時から20時まで解放されていてその間は自由に食事が取れる。
れいこは大体18時半から19時にそこで夕食を取ることにしていた。勿論、みちるも同じ時間に付き添うようにして取っていた。
それならば避ければいいのに、みちるは馬鹿正直にその時間に訪れていた。
れいこは、それを知っていてやってきたのである。
食堂を見渡してみちるを見つけると駆け寄って、彼女の手をつないだ。それにみちるは驚くばかり。
「ミ、ミカエル・・・様!?」
「ねぇ、仲直り。しましょう?」
「本当でしょうか、ミカエル様は私を許してくれるのですか?」
「ええ、教会で誓い合いましょう。」
誓い合う。
その言葉を聞いて、みちるの顔が明るくなる。
みちるはれいこに手を引かれ夜の教会へ向かったのであった。
それをたまたま見ていたのはゆり。
「れいこ・・・?こんな時間にどこに行くの?」
一瞬、無視しようかと思ったが何か気がかりでゆりも彼女たちの後を追った。
教会にて。
暗闇の中、月光でステンドグラスが輝く。今日はいつもよりその輝きは増しているように思う。
れいこは祭壇の蝋燭に火を灯す。
「夜の教会もいいものでしょう?私もよく昔来たものだわ。」
「ミカエル様が?夜の教会に?」
「夜の教会はね、色々な思い出がある場所なの。いいことも。わるいことも。貴女の場合はどっちになるのでしょうね・・・。」
珍しく虚な目でれいこは言う。
「ミカエル・・・様?」
「さ!そんなことより。早く誓い合いましょう。これからの私たちのことを。」
にこりとれいこが微笑むと彼女は自分の右足をみちるに突き出した。
みちるがそれを呆然とみていると、れいこは右足で床をトントン踏んでその足を指差した。
「さぁ、誓ってよ。」
「ど、どういうことですか?」
「鈍い子ね。跪いて私の靴にキスしなさいってことよ。それで、貴女の忠誠を認めてあげる。」
今まで見たことのないれいこの冷めた顔と聞いたことのない酷い言葉でみちるは混乱する。
「キス、しなさいよ。そんなに嫌なら辞めてもいいけど、その時私は貴女を捨てるわよ。」
「あ・・・・・・。」
みちるは震える。れいこは跪けという。これをしなければ、みちるは大天使から見放されてしまう。大天使から見放されないためにするこの行為は正しいのだろうか。だが、これをすることによって、自分は悪魔に魂を売るのではないだろうか。
でも、しかし。
みちるはゆっくり跪くと震えながら、れいこの靴にキスをした。
これで私は・・・。
みちるがそう思うや否や、れいこに胸ぐらを掴まれて無理やり立たされた。
「いい子。私、貴女に初めてご褒美あげる。」
「ご褒美・・・?・・・んんっ!!」
れいこはみちるの唇に噛み付くように口付ける。
舌を執拗に絡ませて。角度を変えながら貪る。
しばらくそれを続けた後、れいこは突き飛ばすようにみちるを引き離した。
れいこは自分の唇を舌でなぞる。
みちるはというと震えながら立ちすくんでいた。
「じゃあね、山代さん。」
「あ、あの!ミカエル様・・・その、その・・・。」
れいこは首を傾げる。
「なぁに?もしかして、今のじゃあ足りないの?」
「ち、違います!!そうではなくて・・・。」
「何よ?欲しいのでしょう?私が欲しいのでしょう?悪い子ね。」
れいこは、みちるに近づくと彼女の首筋を舌でなぞる。
「あっ・・・。」
「私、優しいから・・・もっとしてあげるね。」
そう言うとれいこはみちるの制服のリボンをそっと外した。そしてそのまま、セーラー服をゆっくり脱がす。肌を優しく撫でながら。
「あら、やだ。思ったより可愛い。これだけで貴女興奮するのね。じゃ、もっとご褒美あげるからね。私って優しいでしょ?」
ミカエル様は悪魔かもしれない。
あぁ、私はあの時の罰を受けるのだわ。
でもおかしいの、私、罰を受けるのに嬉しい・・・。
初めて知ったわ。
これが、愛なのね!!
みちるの喘ぎ声だけが夜の教会に響き渡った。
まるで聖歌のように。
ここは18時から20時まで解放されていてその間は自由に食事が取れる。
れいこは大体18時半から19時にそこで夕食を取ることにしていた。勿論、みちるも同じ時間に付き添うようにして取っていた。
それならば避ければいいのに、みちるは馬鹿正直にその時間に訪れていた。
れいこは、それを知っていてやってきたのである。
食堂を見渡してみちるを見つけると駆け寄って、彼女の手をつないだ。それにみちるは驚くばかり。
「ミ、ミカエル・・・様!?」
「ねぇ、仲直り。しましょう?」
「本当でしょうか、ミカエル様は私を許してくれるのですか?」
「ええ、教会で誓い合いましょう。」
誓い合う。
その言葉を聞いて、みちるの顔が明るくなる。
みちるはれいこに手を引かれ夜の教会へ向かったのであった。
それをたまたま見ていたのはゆり。
「れいこ・・・?こんな時間にどこに行くの?」
一瞬、無視しようかと思ったが何か気がかりでゆりも彼女たちの後を追った。
教会にて。
暗闇の中、月光でステンドグラスが輝く。今日はいつもよりその輝きは増しているように思う。
れいこは祭壇の蝋燭に火を灯す。
「夜の教会もいいものでしょう?私もよく昔来たものだわ。」
「ミカエル様が?夜の教会に?」
「夜の教会はね、色々な思い出がある場所なの。いいことも。わるいことも。貴女の場合はどっちになるのでしょうね・・・。」
珍しく虚な目でれいこは言う。
「ミカエル・・・様?」
「さ!そんなことより。早く誓い合いましょう。これからの私たちのことを。」
にこりとれいこが微笑むと彼女は自分の右足をみちるに突き出した。
みちるがそれを呆然とみていると、れいこは右足で床をトントン踏んでその足を指差した。
「さぁ、誓ってよ。」
「ど、どういうことですか?」
「鈍い子ね。跪いて私の靴にキスしなさいってことよ。それで、貴女の忠誠を認めてあげる。」
今まで見たことのないれいこの冷めた顔と聞いたことのない酷い言葉でみちるは混乱する。
「キス、しなさいよ。そんなに嫌なら辞めてもいいけど、その時私は貴女を捨てるわよ。」
「あ・・・・・・。」
みちるは震える。れいこは跪けという。これをしなければ、みちるは大天使から見放されてしまう。大天使から見放されないためにするこの行為は正しいのだろうか。だが、これをすることによって、自分は悪魔に魂を売るのではないだろうか。
でも、しかし。
みちるはゆっくり跪くと震えながら、れいこの靴にキスをした。
これで私は・・・。
みちるがそう思うや否や、れいこに胸ぐらを掴まれて無理やり立たされた。
「いい子。私、貴女に初めてご褒美あげる。」
「ご褒美・・・?・・・んんっ!!」
れいこはみちるの唇に噛み付くように口付ける。
舌を執拗に絡ませて。角度を変えながら貪る。
しばらくそれを続けた後、れいこは突き飛ばすようにみちるを引き離した。
れいこは自分の唇を舌でなぞる。
みちるはというと震えながら立ちすくんでいた。
「じゃあね、山代さん。」
「あ、あの!ミカエル様・・・その、その・・・。」
れいこは首を傾げる。
「なぁに?もしかして、今のじゃあ足りないの?」
「ち、違います!!そうではなくて・・・。」
「何よ?欲しいのでしょう?私が欲しいのでしょう?悪い子ね。」
れいこは、みちるに近づくと彼女の首筋を舌でなぞる。
「あっ・・・。」
「私、優しいから・・・もっとしてあげるね。」
そう言うとれいこはみちるの制服のリボンをそっと外した。そしてそのまま、セーラー服をゆっくり脱がす。肌を優しく撫でながら。
「あら、やだ。思ったより可愛い。これだけで貴女興奮するのね。じゃ、もっとご褒美あげるからね。私って優しいでしょ?」
ミカエル様は悪魔かもしれない。
あぁ、私はあの時の罰を受けるのだわ。
でもおかしいの、私、罰を受けるのに嬉しい・・・。
初めて知ったわ。
これが、愛なのね!!
みちるの喘ぎ声だけが夜の教会に響き渡った。
まるで聖歌のように。
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