心を読める少女のお話

ゆるふわJK

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プロローグ

理想と現実

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「ねぇ、お姉ちゃん」
「人から好かれるにはどうしたらいいのかな?」

 溺愛すべき妹が無垢な顔をしてそんなことを言った。
えっ?なになにこ今この子すごい難しいこと言わなかった?
 この私をもってしても、返答に窮しかねない難問を提起しなかった?

 「妹ちゃん、対人関係の指南書なら図書館にでも行けばあったような気がしないでもなかったわよ」

「お姉ちゃん、私はお姉ちゃんに聞いてるんだよ」

 逃がしてはくれないようだった

「ふぅ、やれやれだな妹ちゃんまさかとは思うのだけれど。この私からまさか建設的な意見がでてくるとでも?」

「初手から開き直らないでよ……」
「上から目線で無能アピールとかやめて」などと真顔で窘められてしまった。
 どうやら無能を笠に着る作戦は失敗に終わったらしい。

 しかしどうしてそんな事を聞くのだろうか、人選ミスはさてに置いておくとしても。

「さり気なく自分を諦めないでよ。私にはお姉ちゃんしか頼る相手がいないんだからさ」

 私しかいないのか。
じゃあ誰にも頼れないじゃん可哀想に。

「まぁ、いいわ貴方はどうして人から好かれる方法を知りたいの?お姉ちゃんに話してごらん」

「みんなと仲良くなりたくて!」
「ふぅん、みんなって?」
「みんなはみんなだよ、お姉ちゃん!」

 当然だともと言いたげな即答だったけれど、こちらとしてはわりと戦慄させられる。
 多分、彼女が言っているのはこの世のありとあらゆる
《みんな》である。
正気を疑ってしまう。

 みんなと仲良く、うん。
志としては悪くないんじゃないかしら。
だけどそれは志す、ものであって実現させるものじゃないのよね。

 だって理想は叶えるものでなくて、折り合いをつけるものだから。

その辺を弁えておかないと、どんなに立派な信念であろうとも、自分を苦しめる呪いになる。

「貴方だって、そのくらい理解してると思うけど」
「……わかったわそれじゃあ私から一つアドバイスさせてもらうわね」


「やめておけ」



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