転生したは良いが…どうするかねぇ……

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プロローグと奴隷生活

2 (オートモードで0~2歳)

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なにか暖かい所にフヨフヨと浮いていた。とても落ち着いて、ずっとそこに居たいと思わせる安心感があった。

だがいきなり強い力で引っ張られた。

(あぁ…俺産まれる所か)

妙に冷静でいられるのは、彼の…いや空夜クウヤ のスキルに精神安定と言うものがあったからだろう。

やがて眩い光が当たり、むせ返る様にして息をした。

「ふぇ…おぎゃぁっおぎゃぁっおぎゃぁっ!!」

生まれたてなため喋る事は愚か、気持ちとは裏腹にほとんど本能のままに泣いている。まだ目は開けられないが、暖かい温もりで抱き締められているのは何となく理解した。

「私の子…イチヨ一夜と私の子……愛しい我が子…」

甘い甘い声で、愛おしそうに頭を撫でている。彼には見えないが、牢屋の様な空間に足枷で繋がれているか細くなった若い女性が彼を、空夜を産んだのだ。その姿はとても美しく、背中から生える純白の翼が人ではないと示した。

真っ白な肌に真っ白な髪。薄く色づいた唇はまるで小さな果実の様で、パッと目に入る大きな瞳はルビーの様な真紅の瞳だった。

「何としても…育ててみせるわ……私と彼の愛子いとしごだもの…」

彼女のお産を手伝った者が1人。それは一緒に牢屋に入っている女性だ。この世界での母となった彼女より、数歳歳上に見える。そして頭からは大きな犬の耳が生え、尻尾まである。

「クラフィ…良かったな……へその緒は切ったし、息もしているから一安心だろう……後は食事となる母乳だが…」

彼女も彼女で随分と細く、簡単に折れてしまいそうなほどだ。2人とものに共通して言えるのは足枷に太くて黒い首輪を付けていることだろう。

「大丈夫よアルナ…私が妊娠しているのを彼ら魔人は知っていたわ。だから周りの人達奴隷と比べても多めに食事が出てきていたもの」

微笑んでみせるクラフィと呼ばれた空夜の母親。その姿はではなく、お姫様の方が近いだろう。

「そう…だな!……クラフィも…その子も、あたしが一緒に守ってやる!!」

ニカッと笑うアルナと呼ばれた犬の耳の生えた女性。おそらく獣人だろう特徴の1つである尻尾をパタパタと揺らしていた。

(周りの人がこんな感じなら…まぁ、何とかなりそうだな……にしてもオートモードってのはホントらしいな、体を動かすことも声を発する事も目を動かすことすら自由に出来ねぇ…って、まだ目見えねぇのか)

「あ、名前…付けてあげないとね……そうねぇ…彼と私の名前…そして彼の生まれである東の島国で言われる言い方……クウヤ空夜…」

この世界での名前は、ゲーム名で付けた名前と同じ空夜となった。これから彼は地球の頃の名前から空夜として生きていくことになったのだ。

クラフィの腕の中でいつの間にか寝息を立てていた空夜。それを微笑ましげに見る獣人の女性、アルマと母親。高い位置にある小さな鉄格子付きの窓から指す月の光は小さく幼い彼を優しく照らした。

それから月日は流れて行き、空夜が2歳になる頃の事だった。

「待って!!私には息子がっ!!クウヤがぁっ!!」

クラフィはのだ。

「おらっ!奴隷が逆らうんじゃねぇ!!今まで優しくしてきてやったんだから大人しくしやがれっ!!」

「クラフィィッッ!!!!!」

流石に商品ともあって、殴る蹴るの暴行はしなかった。鎖にしっかりと繋がれている幼い空夜に、同じくしっかりと繋がれているアルナだったが、獣人のアルナがクラフィと空夜を引き剥がすまいと暴れていた。

他にも奴隷達はいたが、あまりの迫力にそれぞれが割り当てられた牢屋隅で膝を抱えていた。

2人がかりでアルナを押さえ込み、暴れるクラフィを3人がかりで連れていった。

「ママ!!
やぁぁぁぁっっっ!!!!!!!」

その幼い体で出来るだけ大きな声で母親を連れていくなと叫ぶ空夜。それも虚しくどんどんその距離は遠ざかるばかり。

「最後に!!!少しだけ息子に別れだけでもっっ!!」

涙ながらにクラフィがそう魔人に訴えると、何か考えた様子を見せたかと思えばクラフィに何かを言っていた。

「少しだけなら許す。だがこれから暴れる事も騒ぎ立てることも許さねぇ…もし破れば息子は殺す」

突然クラフィが解放されたかと思うと、よろよろと黒夜叉の前までよってきた。だが中に入ると言う訳ではなく、牢屋の鉄格子越しだ。

「ママァァッッ……」

空夜の行動範囲ギリギリで、鉄格子に届く。ソレ鉄格子を握る母の手を掴み、大量の涙を流していた。

「クウヤ…お母さんは遠くに行く事になったの……ちゃんとっ…貴方の……せい…じょうを”…みで…ぁげれなぃげど……元気で…生活ずるのよ?

ごれ…は、おとうざんと、おがあざんだからっ!いつも…付げておぐ…っ…のよ?グヴヤは…いいごだから……た、っ…だぐざん!いい経験…を!

た、…くさん……色んなびどに…会っで……幸せ…にっ……なりな…さい……

愛して…るわ…っ…愛しい…我が子……」

涙を流しながら優しく空夜の頭を撫で、彼の小さな手の中に何かを託した。そして先程の魔人の元へ行ってしまった。

「ママァッ!!やぁぁぁぁっっ!!!」

「クラフィィィィッッ!!!!」

扉から出る時、逆光ではあったが確かにクラフィは後ろを…2人を見ていつもの……いや、聖母のような微笑みで2人をみた。

(クラフィさん…いや……母さん…)

少なくともこの時は地球にいた頃の母親よりも、クラフィの方を母親だ。と強く感じたのだった。






















今回もゴ観覧ありがトウございマス。
次回もヨロしくお願いしマス
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