転生したは良いが…どうするかねぇ……

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奴隷生活と悪名一家

4 (オートモードで3~10歳)

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あの日以来、空夜には様々なモノが注射と言う形で入れられていた。

「あっ!!っ!?がぁっっ!!ぁぁあ!?」

何百何千に近い様々な毒素を居られても尚生きているのは彼の母親。もしくは父親。そのどちらかの血筋から受け継がれた有り得ない程の生命力と再生力。そして何よりの心のタフさによるものだろう。

(痛てぇっつうんだよっ!!オートモード切れたら絶対ぶち殺してやるっ!つぁ~っ!!)

やられっぱなしは性にあわない性格だったためか、どんな激薬だろうと耐えてみせた。それを面白がったのかある時、空夜はとうとう。お貴族様に買われた。

元々数ヶ月に1度ほど魔人の国である帝国に来ていたらしいが、買われたその日から帝国から海を渡り山を超え、この男の家だろう豪邸に連れてこられた。ちらりと見えた外の感じでは魔人の帝国ではなく、人間の国の様だった。

「お前をこれからはこの俺様が使ってやろう…」

そう言って殆ど毎日激薬を入れられたが、買われる前と比べれば今、空夜が置かれているのは石の台よりマシな簡易ベッドの様なもので、更に陽の光が入ってくる。

そして買ったことによってか、死なない用意がされた。1日2食で残飯である事は間違いないが、それでも何日かに1度の泥のような飯よりも増しだと言えた。買われる事になった時の年齢は5歳の時だ。

1番変わった事と言えば、激薬をほぼ毎日の様に投与されるとは言えど、まだ前の日の薬が残っている場合は何も投与はされないと言うことだ。恐らく新たな薬の効果をしっかりと確かめたい。と言うこともあるだろうが、それでも生き抜くには非常にありがたい事だった。

(あと…7年……)

買われてから2年が立った。日に日に空夜の心の中の決心は硬くなる一方だった。復讐心もあるにはあるが、皆殺しにしてやるっ!とまでは行かなかった。

(そんなんなれば…合わせる顔が無くなるしなぁ……)

甘ちゃんだと言われればその通りだろう。だがしかし、それが空夜のいい所である。

それから更に3年が立ったある日の事だった。

「今日はお前に良いものを見せてやる」

そう言って【命令】で空夜をとある場所に連れていった。それはこの家の地下に存在していた。とても大きくてとても危険なものだった。

「こ…れは……」

驚きのあまりに言葉を失った。珍しく驚いている空夜が楽しかったのか、主人である貴族は満足気にニヤケ笑いを浮かべ、自慢げに説明しだした。

「こいつは[フェンリル]と言ってな?」

簡単に話をまとめると聖樹の近くに巣を作るフェンリルの親子を狙い、空夜に使った内の中で最も強い毒で弱らせて密猟をしたと言うのだ。捕まえられたフェンリルは親で、子供は遥か遠くに空間魔法で逃がしたらしい。

(弱りきってる筈なのに…やっぱ親は強しってやつだな……にしてもこのゴシュジンサマはどこまでクズでろくでなしで最悪な人種なんだ?)

そう思いながら主人である貴族に耳カス程も思っていない「凄いです!さすがご主人様!」と褒めたたえていると、そっとフェンリル目が開けた。とても美しい白の毛並みに存在感の強い赤い目をしていた。それはどこか空夜の母であるクラフィに似ているように感じた。

『汝は…サヨと同じ……』

いきなり空夜の頭に響いてきた声があった。だが周りは全く変わらない。

『我はフェンリル。その者達にはこの声は届かない……汝はサヨ…サヨを知っているか?』

それはとても、とても知っている名前だった。元々今の清の姿はとあるMMORPGのアバターだと言うのは説明したと思う。そしてそれの最強とされる位置に君臨していた。と言うのも知っているだろう。

だが、それは彼だけではない。彼ともう1人…彼の幼馴染も最強とされていたのだ。2人がPvPプレイヤー対プレイヤーをする時は時間オーバーで引き分けにしかならなかった。

それが空夜と同格の強さの持ち主彩夜さよなのだ。

空夜はオートモードなため喋れない。その代わりに心の内で知っている。と呟いてみた。するとどうやらフェンリルに伝わったらしく、目元を少し緩め、微笑みを浮かべている様に見えた。

『その様子だとどうやら【奴隷】の様だな…何と哀れか…サヨの事を知っているならば話は早い。サヨもおーともーど?とやらになっていて、後4年程ではあるが自由に動けないと言っていた。

誤ってサヨだけ獣人国に飛ばしてしまったから、恐らくそこで崇めると言う名の監禁にあっているだろう。私は後4年と言う時を生きていない。だから汝に託したい 』

どうやらこのフェンリルは空夜同様、彩夜が異世界から来ている事を知っている様だ。

(多分だが心中しんちゅうにいると話したんだろうな…実際は身体が勝手に動いたり、話したりしているが…心の中では自由勝手に思ってる。神の決めた14歳までオートモードってのはきっと14歳までにでは耐えきれない程の苦難があるから。って事…だろうな…)

フェンリルからジット見つめられている中、空夜は神の思考を読み取った。それは半分正解で半分気まぐれの様なものだが、そんな事を知る由もない。

そしてまた心中でわかった。と呟くとフェンリルは託したぞと言い、そっと目を閉じた。

「どうだ、凄いだろう?」

どうやら今の今まで、自分がどれほど素晴らしい事をやって来ていたのかを説明してくれていた様だ。全く聞いて等いなかったが…それに対してオートモードの答えはこうだった。

「流石ご主人様ですね。こんな素晴らしいご主人様に買われてわたくしは心より幸せにございます」

と綺麗に作られた作り笑いで答えるのだった。それを偉く気に入った貴族は、その日以来。空夜を薬の実験ではなく、裏仕事から執務。そしてテーブルマナーや作法や礼儀。はたまたダンスまで教える様になったのだ。

(ただのモルモットから、使える駒に昇格したってことか…まぁ、そのおかげで1日3食貰えるし、屋根裏だが部屋も貰えたから…良しとするか)

あと4年でオートモードは切れる。その時までは勝手に動く身体に任せるしかなかった。ちなみにあの時笑顔でお世辞が出たのは、身体が本能的な危機を感じ、空夜の思った事が出たのだ。

そのおかげで、オートモードとは言えどもピンチだと思った時のみ。それが解除されるのだとわかったのだった。


















この度モご観覧アリガトウございます!
次回もヨロしくお願イします!
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