転生したは良いが…どうするかねぇ……

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奴隷生活と悪名一家

9 (14歳)

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朝日が昇り、いつもなら自分がデブラティを起こしに行く筈の時間より少し前に、空夜はデブラティに呼ばれた。

「なぜ…私が958番を呼んだか……わかるか?」

とても怒りに満ちた顔で空夜に問いただす。彼自身も大体は予想がついているため、そのまま口に出した。

「お嬢様を振ったから…でしょうか」

プルプルと震えたが、耐えきれなくなったのか空夜の元に寄るとその頬を殴った。

「お前ごときの分際でっ!!奴隷ごときがっ!!我が愛娘を堕としこみっっ!……尚且つその気持ちで遊びっ!なのに振っただとっ!?!?

貴様っ!いい加減にしろぉっ!!!」

抵抗出来ない様に契約されているため、空夜はただ殴られ、蹴られ続けるだけだった。

バンッ!バキッバンッ!!
ゴンッ!!ドンッッ

(絶対何本か折れたな…取り敢えず肋骨と……左足スネ…それから右の肘か?

薬漬けされて痛みに耐えれる様になってて…ある意味良かったわ)

見た目はかなり…大分酷い状態だった。殴られ蹴られ、装飾品で飾られていた壺で強打され…痣や出血。骨折に擦り傷等と言った怪我が一気に出来た。

「アティの痛みなどっ!!これぐらいでは済まされぬぞぉっ!!!」

(流石にやべぇってぇ!!)

いつの間にやら熱せられたククリナイフを持って空夜の上に跨り、首にソレを寄せた。逆らえない奴隷は何も抵抗する事が出来ずにそれを見るだけ…

「あがぁぁァッ!!!!」

ジュウッと肉の焦げる嫌な香りと、首元を深くえぐられて行く痛み。激薬で慣らされた痛みとはいえ、流石に耐え切れるはずのない激痛が空夜を駆け巡った。逆らうな、そう契約されていなければ間違いなく空夜はデブラティを殺していただろう。

「まだっ…まだだっ!!二度と娘と口が聞けぬようにしてやるっ!!」

どんどん深くまでククリナイフが差し込んで行く。やがて喉を切り裂き、声を出すために使う器官である声帯せいたいまで突き進んだ。さほど出血していないのは熱せられたククリナイフで抉られた事で、皮膚から血が大量に出る前に無理やりくっつけられているからだろう。

「っっっっっ!?!?!?」

あまりの激痛に意識を失いかけた。そして何より喉頭にまで刺さっている事により、一気に息苦しくなっている。だが空夜の体は魔力と呼ばれる空気中や水中にすら存在するものを取り込み、生命活動を維持出来てしまうスキルがあるため、これくらいでは死なない。

そして何より再生と回復のスキルのせいで、焼け焦げた所が修復されようとしている。まぁ、本来のスピードや修復力の99%減であるが…

「再生してきている…?……貴様やはり化け物かっ!?!?」

一気に喉の真ん中から左の鎖骨にかけてえぐられ、声帯を取られた。だがその傷もゆっくりとであるが再生した、が…傷は再生するが声帯までは再生する事が出来なかった。

「っっっ!?!?!?」

一気に抜かれたかと思えば今度はニヤリと笑って悪魔の様に一言言った。

「【命令】だ…口を開け。良いと言うまで閉じるな」

声帯を無くした事でもう普通の声が出せる可能性は0だ…(食道発声もある)と言うのに更に今度は口を開けと言う……【命令】それが指す意味はただ一つ。

(舌まで切ろうってかっ!?そんなアバター要素入れてねぇけど!?)

今更の説明になるが、傷だらけの英雄と言うのは主人公となるアバターを作成する際に何か1つ以上。傷を付けなければならない謎の制度があったのだ。空夜の場合、それは首筋に走る大きな傷…つまりたった今付けられ、塞がりかけているものだ。

再生と回復のスキルは本来であれば声帯も回復させるだろう。だが今の状態は最悪な事に99%減だ。ただ傷口を塞ぐとだけになっている。だが塞ぐものの跡がちゃんと残ってしまっている。
そのためか、空夜の身体には毒や暗殺などでついた傷跡も残っているのだ。

「っっっ………」

声帯だけならばまだ声を出せる手段はあるにはあった。だがそれは舌が存在する事で成り立つものなのだ。舌も声帯も無くした空夜はもう話す事は出来ない。

(あぁ…結構やべぇな……根元から切られてるっぽいてのはある)

とりあえず口の中に切られた舌があると窒息する可能性があるため、口からは出した。大量に出血する前に塞がりかけてきているため、死ぬことはないだろう。オートモードが切れたとは言えまだ奴隷である事に変わりは無いのだ。逆らうな。と命令されているため、デブラティに攻撃する事など出来ないのだ。

流石に高レベルの再生と回復のため、最初に受けていた暴行での傷は癒え、骨折は普通に治っていた。それでも本来の力の1%程の能力で…なのだ。全開時には体ごと吹き飛んでも細胞1つ残れば瞬く間に元に戻るのではないだろうか…

(骨折は前と変わらない状態まで戻ってる……とっとと獣人の国に行くか?

まぁ、これだけ早く治るってのがわかったし、再会でもしたら腕が吹き飛んでも再生と回復でまた直ぐに生えてきそうだな)

「まだ生きてやがるのかっ…つくずく化け物だな……アティにソレ首の傷が見られるのは不味い。舌も切ったから喋れないだろ…【命令】だ。今日からアルティナの専属を離れ、裏方仕事をするように」

空夜を痛ぶりイラつきも収まったのか、いつもの時間より少し遅めの食事に行くようだった。

「……っ……」

(本気で声でねぇな)

声を出そうとしても口がパクパクと動き、空気が漏れるだけだった。

(さぁて…食事の時に渡されるって言うアレは遂行出来るのやら…)

不安に思いつつも、屋根裏に急いで戻りなにか首を隠せるものを探した。

明る様に包帯を巻く訳にも行かず、いつもは第2ボタンまで外している執事服をしっかり上まで留め、襟を整えてスカーフをした。

(ギリギリこれなら見えない範囲…だろ)

後1cmでも上を切られていたらもろ見えだったが、何とかなった。

(さて…食事といきたいが、ガイザダルに怪しまれずにこの舌の無い状態で過ごせれるか?)

今この様な状態である。とガイザダルにバレた場合、ゲーム時代の彼の性格を考えれば仲間が来る前にデブラティを殺しにかかるだろう。そうすれば作戦と言うのも全てパーになってしまう。

バレないように怪しまれないように…これまでの中で最難関クエストになってしまったのだった…















コノ度もご観覧アリがとうゴザいます!
次回もヨロしくお願いしマス!
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