転生したは良いが…どうするかねぇ……

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奴隷生活と悪名一家

11 (14歳)

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薄暗い階段を降りて行くと小さな部屋に出た。その部屋は大きな本棚と机が1つ置かれている。そして奥にはまだ先に続くだろう扉があるだけの部屋だった。部屋中に鑑定を使い、触っても問題がないかを確認すると本棚に入っている本を1つ取り出して中を少し見た。

(これは…脱税の記録か?ならこっちは……魔国との奴隷密輸と記録…まさかこの本棚全部が犯罪に関するものだったりするのか?

取り敢えず本棚ごと押収出来ねぇかな…確か…【亜空間倉庫】)

固有スキルの1つである【亜空間倉庫】とは、俗に言う【アイテムボックス】と似た感じのものだ。違う空間にものを入れることが出来、取り出そうとするとリストのように頭の中に入っているものが浮かぶ。ただ、【アイテムボックス】と違う所があるのだ。それは中の空間を広げることができると言うのと、空間をいくつかの部屋に分けられる事と、生きていても死んでいても入ることが出来る事なのだ。

死んでいる状態だと中の時間は止まっている為、鮮度などが落ちることは無い。逆に生きているモノを入れる時は、死んでいるモノとは違う部屋を創り、進む時間を変えればいいのだ。少し面倒ではあるが慣れればかなり便利な機能だ。

空夜は開いた【亜空間倉庫】の入口をまるまる本棚が入る大きさまで広げると動かすことも無く飲み込んませた。飲み込ませた後、奥へ続く扉へと行くため、1度【亜空間倉庫】は閉じた。

(さーて、何が出るか)

そう思いながら扉を開くとなんとそこには金銀財宝があったのだ。通路のようになっている箇所もあるが、その部屋のほとんど全てを埋めつくほど大量に置かれていた。
無言でそれらを【亜空間倉庫】に詰め、書庫に向かって上に戻り階段を出ると[土魔法]を使い元あった空間を全て塞いだ。魔法陣も【隠蔽】して無かったことにした。



やがて時間は経ち、夜になった。床に倒れている侍女や執事をみて最初は驚いていたガイザダルとその仲間の騎士達だったが、睡眠薬の瓶を見せる事と、彼等の鑑定の結果で納得してくれた。

「書類がどこにあるかわかったか?」

そう聞かれたので、取り敢えず一冊の本を【亜空間倉庫】から取り出してみせた。中を見るようにジェスチャーすると不思議がっていたが読んだ。只でさえ強面なのにどんどん眉間に皺がより、より一層恐ろしさを増した顔になった。

「助かった…が、958番。なぜ喋らないんだ?」

(…まぁ、流石に疑うわな)

バレてしまったか…と言うような動きをし、スカーフを取りシャツのボタンを外した後【隠蔽】で隠していた傷跡を見せた。それを見た瞬間のガイザダルはこれでもか!と言うほどに眉間に皺が寄って行った。そして【念話】でこの傷の経緯について話した。

『あの家のお嬢様の好意に気づいていて振ったらその翌日…アンタに紙を渡される少し前にデブラフィ?に呼び出されてな

そん時に声帯って言う声を出す為に使う場所を無くしたのと、次いでとばかりに舌を切られた。まぁ治るのは早いけど傷跡は残ったって訳だよ

そんな今にも人を殺してきますって顔すんな。俺の対応が悪すぎただけだから』 

苦渋を飲む様に渋い顔をしたかと思ったが、

「全部王都に着いてから…だ。その傷ももしかしたら治せるかも知れないからな」

…という訳で、デブラフィやアイシャ。侍女に執事に裏の者を全て拘束し、継続して拘束の魔法がかけられる檻に入れるとそれを馬車へと繋いだ。

どうやら2台の馬車で来たようで、1つは檻に繋ぐようで、もう1つは空夜やガイザダル。その他交代の護衛のような人達が乗るようらしい。しばらく寝ていろと言われたため、大人しく寝ることにした。

(王都とやらか…初めて行くけど大きいんだろうな~……取り敢えず奴隷からは抜けて、報酬で獣人の国に行って……彩夜と…会って……)

考え事をしていたが、1日であった濃すぎる内容のせいで睡魔が襲ってきた。その為途中から考えるのを放棄して眠ってしまった。

馬車に入る青い月の光が眠っている空夜に当たり、彼のその純白を思わせる白い髪。なんの嫌味だと言わんばかりに整った顔立ち。妖艶にも見える褐色の肌…規則正しく寝息が聞こえるので生きているのは明白だが、同じ馬車に乗っていた騎士達はこの事件解決の後にこう言ったと言う。

「奴隷になっていたクウヤと言う青年は、どんな金銀財宝でもどんな豪華な花束でもどんな秘宝であってしても劣るだろう。そう思えるほど、そう確信できるほど、クウヤと言う青年はあまりに人とは思えない」

今はまだ知らない当の本人様だが、この評判のせいで隣国や他国にまでその存在が知れ渡り、目当ての彩夜の耳にも入っていたと知るのもまだ先のこと。

今は走る馬の荷台で青い月に照らされながら王都へ向かっている。


















ご観覧アリがとうございマス!
次回もヨロしくお願イシます!
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