始破、その冒険

たなぼたさん

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任務終了

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俺は食べそびれていた朝飯を食べ、少し休憩する。
激戦が終わったこともあり、すぐ体から力が抜けた。
「なぁ傷さん。今回の任務はこれで完了ってことでいいのかな?」
「うん。化ノ物クンにはあまり一人で外に出ないようにはと言っておいたし、家の警備も固めてもらった。しかし名継ぎの家とはすごいねェ。僕が一生働いても手に入れることができないような物だったよ」
化ノ物クンが家に帰るために護衛として同伴した傷さんが言う。
「まぁ、いざとなれば犬神とかがいるだろうしな」
黒砂も能力の対策をせずに襲ってきたりはしまい。
「黒砂の目的は名継ぎ・・。これはほぼ確定したとみていいんですよね?」
俺は傷さんに聞く。
「うん。さらった後何するかまではわからないけど・・」
そうなのだ。なぜ黒砂は名継ぎを攫うのかがわからない。
「・・・これは噂なんだけど」
傷さんが口を開く。
「黒砂のボスの能力は業クンのお父さんが知っているという」
「な?」
「まぁ、あくまで噂なんだけど・・。黒砂のボスと先の戦いで戦ったのが業君のお父さんだからね。能力を見ているということさ」
「なら業に聞いてもらえば・・」
「聞いたそうだよ。しかし言ってくれなかったそうだ」
傷さんは手元にあったコップに水を注ぎ、飲み込む。
「ぷはぁ・・。ま、そういうことだよ。以前黒砂のボスの能力は分からないまま。ちかじか黒砂を本格的に壊滅させるなんて話もあるそうじゃないか。これは大変なことになりそうだよ」
傷さんは独り言のように言った。

**
ここは黒砂のアジト
その床に電気のせいで起きた大きな影。
それが一瞬グニャとゆがんだかと思うと中から二人の男が現れた。
「ふぅ。着いたよぉ」
「すまん。・・・決して油断したわけではないのだが・・」
「ん、わかってるよ。その位。犬神が強すぎただけだぁ。でもぉ」
「次は勝つ!」
「んだろぉ?ならいいじゃないかぁ」
「・・」
鉄は複雑な顔をした。
「さて、あと30分でもしたら幹部会議なんじゃないのぉ?」
「そうか・・。」
「じゃぁ!またあとで!」
そう言って男は影の中に消えた。
そのあとには鉄一人だけになった。
「あいつは逃げ帰ってきたわけではない・・」
そこには「自分」だったらどうだったのだろうか。と言う疑問が含まれていた。
確かに犬神もいたが、あの刃使いは初めてのコンビにすぐ慣れて見せた。
そして場の空気がこちらに支配されても立ち向かう勇敢さ。
そして森の中で鉄から逃げおおせたからだのばねとスタミナ。
これで平社員なのだから、ほかの構成員も同等か、それ以上の使い手なのだろう。
しかしあいつは、あの銀髪は、帰ってきたときには服に汚れの一つもなく、息を切らさず、何もなかった。と言うふうにして帰ってきた。
これだけでも銀髪との力量の差が表れている。
なぜ自分は黒砂の戦闘の実力でトップ「クラス」なのか。なぜトップではないのか。
鉄がそれを考えようとしたとき、幹部会議5分前のアラームが携帯からなった。
「く・・」
鉄はいったん考えることを中断し、幹部会議の準備に取り掛かった。

幹部会議とは、黒砂内で月一回行われる幹部+ボスによる会議であり、兵の昇格、予算、方針など、様々なことが決まる会議である。
会議と言えど顔を合わせて行うのではない。
携帯端末からいつでも、どこからでも参加できる。
かくゆう鉄も部屋から参加している。
廊下で行うにはさすがにいやだという気持ちがある。
「では、幹部会議を開始します」
携帯から女の声が聞こえ、会議が始まったことを知る。
「ふん・・。幹部10人、全員参加か。よし」
携帯からボスの声が聞こえ、鉄は気を引き締めた。
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