BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている

青緑三月

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<ジルベール>シリアス ルート

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――なんで、こうなるのか
 バクはしばらくして消えた。同時に薄ら寒さも、無くなる。
 だがまたバクが発生したら、迷惑になる。その前に帰ろうと思ったのだが、どうやら露骨に顔色が悪くなっていたらしい。結局、送ると言われて、ジルベールと一緒に帰ることになった。
 ―― まったく
 なぜマイナス方向には、顔に出るのか。顔をしかめたり、負の方向は顔に出る。逆に良い感情のほうに、表情が変化してくれれば良いのに。そうしたらもっとこうなんというか、コミュニケーション値が爆上がりに……無理か。
 俺のコミュ力が低いのは、顔に表情が出る出ない以前の問題だ。どうやってもジルベールのようには、いかない。

「レイザード?」
 眉間に皺でも寄っていたのか、はたまた無言だったからか。名を呼んだジルベールの表情からは、こちらを案じる感情が見える。少し話しながら帰ることにしよう。
「別に問題ない……お前のことを考えてた」
「俺のこと?」
 問題ないと口にしたあと、それだけだと心配をかけるだけだと思い直す。さんざん問題ないと言って、奇行レベルで様子がおかしくなったんだ。俺の言う問題ないに、説得力なんてないだろう。
 ところでなぜ一瞬、顔を赤くしたのか。すぐに頭を振って、真面目な表情になったが意味が分からない。

 ―― もしや
 具合が、悪いのか。熱でもあるんじゃないだろうな。まさか体調が悪いのに、俺の心配をしていたのか。まず自分のことを考えろ。
 ――いつから体調が、悪かったんだ?
 もしや高級住宅街で、会った時からか。なんてことだ。体調不良者に、迷惑かけた上に家にいきなり寝泊まりして、あげくに朝食を作らせ食後のお茶まで出させていたのか。コミュ力が低い以前の問題だ。根本的な気遣いが、足りてない。

「ジルベール、ここまでで良い。もう帰れ……いや送って行く」
「えっ? どうし……」
「体調が悪いのに、人のことを気にしている場合か。帰って休め。なにか必要なものは、あるか? あとで持って行く」
 戸惑った顔をしたジルベールの言葉を遮り、最後まで言い切る。こいつのことだから、たいしたことないとか大丈夫とか言って無理をする気がしたからだ。

「ちょっと待って。どこも悪くないよ」
「なら何故、顔が赤くなった」
「……えっと」
 露骨に視線が逸らされた。やはり具合が、悪いらしい。早々に送って行こう。
「やはり」
「本当に違うから。そのさっきは、君が俺のことを考えてるって言ったからだよ」
 なぜジルベールのことを、考えていると言われて顔が赤くなるのか。まったく理解できない。
「本当だな」
「本当だよ。君に嘘をついたりしない」
 視線を外さずに意識して、確認する。コミュ力が高いから、誤魔化されたときに気づかない可能性があるからだ。
 また赤くなってはいるが、視線を反らさずに言い切っている。
―― 信じるか
 本人が言い切っているんだ。嘘と決めつけるのも、気が引ける。

「そうか……なら良かった」
「心配かけてごめんね」
「俺が勘違いしただけだ。気にするな」
 そう勝手に、心配しただけだ。ジルベールが謝る必要も、申し訳なさそうな顔をして気にする必要もない。体調が悪くないなら、それでいい。

「行くぞ」
 ただやはり無理している可能性も捨てきれない。だから何かあったときに、すぐ気づける様に手首を掴んでから歩き出す。また顔を赤くしているから、やはり体調悪い疑惑が再燃するが問い詰めることはせずに足を進めた。
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