145 / 151
<ジルベール>シリアス ルート
21
しおりを挟む
――なんで、こうなるのか
バクはしばらくして消えた。同時に薄ら寒さも、無くなる。
だがまたバクが発生したら、迷惑になる。その前に帰ろうと思ったのだが、どうやら露骨に顔色が悪くなっていたらしい。結局、送ると言われて、ジルベールと一緒に帰ることになった。
―― まったく
なぜマイナス方向には、顔に出るのか。顔をしかめたり、負の方向は顔に出る。逆に良い感情のほうに、表情が変化してくれれば良いのに。そうしたらもっとこうなんというか、コミュニケーション値が爆上がりに……無理か。
俺のコミュ力が低いのは、顔に表情が出る出ない以前の問題だ。どうやってもジルベールのようには、いかない。
「レイザード?」
眉間に皺でも寄っていたのか、はたまた無言だったからか。名を呼んだジルベールの表情からは、こちらを案じる感情が見える。少し話しながら帰ることにしよう。
「別に問題ない……お前のことを考えてた」
「俺のこと?」
問題ないと口にしたあと、それだけだと心配をかけるだけだと思い直す。さんざん問題ないと言って、奇行レベルで様子がおかしくなったんだ。俺の言う問題ないに、説得力なんてないだろう。
ところでなぜ一瞬、顔を赤くしたのか。すぐに頭を振って、真面目な表情になったが意味が分からない。
―― もしや
具合が、悪いのか。熱でもあるんじゃないだろうな。まさか体調が悪いのに、俺の心配をしていたのか。まず自分のことを考えろ。
――いつから体調が、悪かったんだ?
もしや高級住宅街で、会った時からか。なんてことだ。体調不良者に、迷惑かけた上に家にいきなり寝泊まりして、あげくに朝食を作らせ食後のお茶まで出させていたのか。コミュ力が低い以前の問題だ。根本的な気遣いが、足りてない。
「ジルベール、ここまでで良い。もう帰れ……いや送って行く」
「えっ? どうし……」
「体調が悪いのに、人のことを気にしている場合か。帰って休め。なにか必要なものは、あるか? あとで持って行く」
戸惑った顔をしたジルベールの言葉を遮り、最後まで言い切る。こいつのことだから、たいしたことないとか大丈夫とか言って無理をする気がしたからだ。
「ちょっと待って。どこも悪くないよ」
「なら何故、顔が赤くなった」
「……えっと」
露骨に視線が逸らされた。やはり具合が、悪いらしい。早々に送って行こう。
「やはり」
「本当に違うから。そのさっきは、君が俺のことを考えてるって言ったからだよ」
なぜジルベールのことを、考えていると言われて顔が赤くなるのか。まったく理解できない。
「本当だな」
「本当だよ。君に嘘をついたりしない」
視線を外さずに意識して、確認する。コミュ力が高いから、誤魔化されたときに気づかない可能性があるからだ。
また赤くなってはいるが、視線を反らさずに言い切っている。
―― 信じるか
本人が言い切っているんだ。嘘と決めつけるのも、気が引ける。
「そうか……なら良かった」
「心配かけてごめんね」
「俺が勘違いしただけだ。気にするな」
そう勝手に、心配しただけだ。ジルベールが謝る必要も、申し訳なさそうな顔をして気にする必要もない。体調が悪くないなら、それでいい。
「行くぞ」
ただやはり無理している可能性も捨てきれない。だから何かあったときに、すぐ気づける様に手首を掴んでから歩き出す。また顔を赤くしているから、やはり体調悪い疑惑が再燃するが問い詰めることはせずに足を進めた。
バクはしばらくして消えた。同時に薄ら寒さも、無くなる。
だがまたバクが発生したら、迷惑になる。その前に帰ろうと思ったのだが、どうやら露骨に顔色が悪くなっていたらしい。結局、送ると言われて、ジルベールと一緒に帰ることになった。
―― まったく
なぜマイナス方向には、顔に出るのか。顔をしかめたり、負の方向は顔に出る。逆に良い感情のほうに、表情が変化してくれれば良いのに。そうしたらもっとこうなんというか、コミュニケーション値が爆上がりに……無理か。
俺のコミュ力が低いのは、顔に表情が出る出ない以前の問題だ。どうやってもジルベールのようには、いかない。
「レイザード?」
眉間に皺でも寄っていたのか、はたまた無言だったからか。名を呼んだジルベールの表情からは、こちらを案じる感情が見える。少し話しながら帰ることにしよう。
「別に問題ない……お前のことを考えてた」
「俺のこと?」
問題ないと口にしたあと、それだけだと心配をかけるだけだと思い直す。さんざん問題ないと言って、奇行レベルで様子がおかしくなったんだ。俺の言う問題ないに、説得力なんてないだろう。
ところでなぜ一瞬、顔を赤くしたのか。すぐに頭を振って、真面目な表情になったが意味が分からない。
―― もしや
具合が、悪いのか。熱でもあるんじゃないだろうな。まさか体調が悪いのに、俺の心配をしていたのか。まず自分のことを考えろ。
――いつから体調が、悪かったんだ?
もしや高級住宅街で、会った時からか。なんてことだ。体調不良者に、迷惑かけた上に家にいきなり寝泊まりして、あげくに朝食を作らせ食後のお茶まで出させていたのか。コミュ力が低い以前の問題だ。根本的な気遣いが、足りてない。
「ジルベール、ここまでで良い。もう帰れ……いや送って行く」
「えっ? どうし……」
「体調が悪いのに、人のことを気にしている場合か。帰って休め。なにか必要なものは、あるか? あとで持って行く」
戸惑った顔をしたジルベールの言葉を遮り、最後まで言い切る。こいつのことだから、たいしたことないとか大丈夫とか言って無理をする気がしたからだ。
「ちょっと待って。どこも悪くないよ」
「なら何故、顔が赤くなった」
「……えっと」
露骨に視線が逸らされた。やはり具合が、悪いらしい。早々に送って行こう。
「やはり」
「本当に違うから。そのさっきは、君が俺のことを考えてるって言ったからだよ」
なぜジルベールのことを、考えていると言われて顔が赤くなるのか。まったく理解できない。
「本当だな」
「本当だよ。君に嘘をついたりしない」
視線を外さずに意識して、確認する。コミュ力が高いから、誤魔化されたときに気づかない可能性があるからだ。
また赤くなってはいるが、視線を反らさずに言い切っている。
―― 信じるか
本人が言い切っているんだ。嘘と決めつけるのも、気が引ける。
「そうか……なら良かった」
「心配かけてごめんね」
「俺が勘違いしただけだ。気にするな」
そう勝手に、心配しただけだ。ジルベールが謝る必要も、申し訳なさそうな顔をして気にする必要もない。体調が悪くないなら、それでいい。
「行くぞ」
ただやはり無理している可能性も捨てきれない。だから何かあったときに、すぐ気づける様に手首を掴んでから歩き出す。また顔を赤くしているから、やはり体調悪い疑惑が再燃するが問い詰めることはせずに足を進めた。
71
あなたにおすすめの小説
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」もあります。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
転生したが壁になりたい。
むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。
ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。
しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。
今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった!
目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!?
俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!?
「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」
聞いてた話と何か違う!
きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。
生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!?
聞いてた話と何か違うんですけど!
※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。
他のサイトにも投稿しています。
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
分厚いメガネ令息の非日常
餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」
「シノ様……素敵!」
おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!!
その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。
「ジュリーが一番素敵だよ」
「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」
「……うん。ジュリーの方が…素敵」
ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい
「先輩、私もおかしいと思います」
「だよな!」
これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる